有吉佐和子のレビュー一覧

  • 非色

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    めちゃくちゃおもしろかった。
    人種、肌の色、階級の構造を見事に炙り出しているのだが、そのプロセスがすごい。主人公と一緒にストーリーの波に乗せられて考えさせられて、いつの間にか非色に辿り着く。
    こんなにも1人の女性の人生と感情を等身大に小説として産み落とすすごさもさることながら、それが現代においても全く色褪せないという、、驚嘆。
    同時に差別の姿も色褪せていないのだと痛感させられる。

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    2026年02月02日
  • 悪女について

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    面白すぎるし、痛快過ぎる!何度も再読している一冊。人生で初めて「小説を再読する」という体験をした一冊。
    一度読むと富小路公子のファンになる。登場人物全員手玉。悪女は何が起こっても柳に風。「まあぁ」と柔らかく感嘆しながら、するり、するり、かわしていく。肝っ玉が据わってる。
    読み終えたら、公子の口調を真似たくなる。

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    2026年08月04日
  • 非色

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    有吉佐和子ってストーリーテラーなんだなぁと改めて思った。
    1964年に刊行された本であるが、古くささを感じることなく一気読み。
    差別という難しいテーマを扱っているのだが、終始、重苦しくなることなく、読み終えた。

    戦後、GHQの黒人兵と結婚して幼い子メアリイを連れて、ニューヨークに渡った笑子(えみこ)だが、待っていたのは貧民街ハアレムの半地下アパートでの生活だった。
    そんな最底辺のような生活を送る黒人だが、プエルトリコ人を激しく差別する。
    白人の間にも、イタリア人差別、ユダヤ人差別などがあり、戦争花嫁(ウォーブライド)として日本から渡ってきた日本人女性はアメリカに来て初めてそれに気づくのだった

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    2026年01月30日
  • 非色

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    人種差別という重いテーマを扱いながらも、軽やかな文体で、内容も湿っぽくなりすぎないので読みやすかった。主人公の笑子の思考を通して、なぜ人は人種差別をするのか、環境によって人は作られるのか、生まれた時から差別されるべき人間だったのか、そんなことを一緒に考えていくことができた。

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    2026年01月22日
  • 恍惚の人

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    【まるで近未来SF】

    なぜだか急に読みたくなって手に取った1冊。
    この本が出版された当時、私はまだ小学生だったけど、親、主に母親が近所のおばちゃん達と話題にしていたことを覚えている。
    それでもまだ母親世代の口調からは、「恐ろしい話だけれども他人事」のような気楽さが感じ取れたし、どこか怪談話を語っているような雰囲気でもあった。

    でも今読んでみると、50年前に書かれたものとは思えないほどリアルな内容で、登場人物の年代に戦中体験者という描写がなければ、最近の話だと思ってしまったかもしれない。
    そして(多少の改変はあるものの)現代とほぼ変わらない仕組みの各種老人施設がすでにこの時代

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    2026年01月13日
  • 恍惚の人

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    ネタバレ

    50年以上前、自分の両親が生まれた頃のお話。
    認知症ではなく「痴呆症」と呼ばれた時代で、それが進行すると、便を食べるなどの「人格崩壊(表現が違うかも)」に至るそう。
    この時代、認知症をもつ方への理解も進んでいない中、仕事もしながらつきっきりで舅の世話をする昭子の献身ぶりには心を打たれた。その息子である敏も学業の傍ら、徘徊した祖父を探すなどの行動をとっていて偉いなと思った。

    反面、昭子の夫の信利やその妹の京子は、自分の父が認知症になっても他人事で、世話を昭子に押し付けている態度が気になった。しかしこれは、「女が家庭を守るもの」という当時の価値観によるものだろう。また、老人福祉に関する専門家から

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    2026年01月11日
  • 非色

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    1967年、角川文庫から出版されていた作品で、
    2020年、河出文庫から再文庫化された作品。

    人種のサラダボウルと比喩されるアメリカ社会。
    かつては人種のるつぼと言われていた。

    性別・宗教・階級・出身。

    人種/民族のほかにも
    数々の差別が渦巻く世界。

    色に非ず。

    どんな見た目をしていても思想は様々。

    確かにある「傾向」を、
    しかし、万人に当てはめてはいけない。

    熱意をもって再出版にあたってくださった
    河出書房新社には、最上の感謝を。

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    2026年01月04日
  • 恍惚の人

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    ネタバレ

    『恍惚の人』は、認知症という言葉がまだ一般的でなかった時代に、「老い」と「介護」を真正面から描いた作品です。
    舞台はごく普通の家庭。特別な不幸が起きるわけではありません。ただ、年を重ねた父が少しずつ変わっていく。その変化に、家族がどう向き合わされていくのかが、淡々と、しかし容赦なく描かれます。

    印象的なのは、誰かが明確に「悪者」になるわけではないことです。
    介護する側も、される側も、みな必死に「正しく」あろうとする。
    それでも、苛立ち、疲弊し、思ってもいない言葉が口をついて出る。その現実が、非常に生々しい。

    この作品が突きつけてくるのは、
    「家族だから支えられる」という理想と、
    「家族だか

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    2026年01月03日
  • 非色

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    ネタバレ

    戦後、進駐軍として日本に来た黒人軍人と結婚し、ニューヨークに移り住んだ笑子の物語。
    黒人の子どもを日本で産み、疎まれ、アメリカでも貧困層として生きることを強いられる。
    この小説で印象的だったのは、笑子が感情的ではない女性として描かれていることだ。
    妬みや怒りがあってもおかしくない状況なのに、有吉佐和子はそれを内面描写として強調しない。
    怒りは行動として表れることはあっても、心情としては淡々としている。
    その距離感があるからこそ、この物語は
    「差別される女性の悲劇」ではなく、
    差別の構造そのものを描いているように感じた。
    笑子は、黒人差別の本質は色ではなく「階級」だという考えに行き着く。
    白人の

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    2026年01月03日
  • 女二人のニューギニア

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    56年前の滞在記だが、時代を感じさせないエピソードに溢れた本。苦労話を笑いに変えるサービス精神に感服しきり。

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    2026年01月02日
  • 非色

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     タイトル「非色(ひしょく)」=「色に非ず」とは、どういう意味なのかなあ・・・と疑問を抱きながら読み進めて、最後のところで笑子の気づきとともに、ようやく分かりました。アメリカの人種差別は、肌の色ではなく「階級闘争」なのだということでした。
     笑子は、戦後、黒人の米兵・トムと結婚し幼子を連れてニューヨークに渡りました。アメリカには、様々な人種が存在し、笑子のような「戦争花嫁(ワーブライド)」は、結婚相手の人種によって社会的な差別や圧力を受けていました。初対面の人に「夫はニグロだ」と告白した瞬間から蔑みの対象にされてしまいます。
     しかしながら、ニグロとして社会から差別の対象とされているトムは、プ

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    2025年12月29日
  • げいしゃわるつ・いたりあの

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    面白かった!!!
    さくさく読めました。
    シスターフッドも感じられる。
    東京にはほとんどなくなった、花街のお話。
    アメリカ、ブロードウェイを目指すって夢ある!

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    2025年12月29日
  • 女二人のニューギニア

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    最高に面白い
    青い壺でこの作家にハマって2作目
    まったく異なった内容だが読者を飽きさせない
    人間への愛に満ちた冒険

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    2025年12月29日
  • 女二人のニューギニア

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    有吉佐和子ニューギニア滞在記。ニューギニアの独立3年前の頃である。インドネシア舞台の小説を書く機会があったので、地図でたった5cmだし(おい、縮尺は!?)行ってみようと思っちゃったのだ。誘ってくれた畑中さんは文化人類学の研究者で、ヨリアピというところに住み数年前に発見されたシシミン族を研究している。

    有吉佐和子は気楽に行ったところ、オクサプミンまではセスナで行けたのだが、そこからヨリアピは徒歩しかも2日。有吉佐和子さんがぶうぶう言ったから3日の旅程にしてもらえたものの、結局最後は足の指の爪が全部剥がれて歩けなくなり、豚の丸焼きのように棒に吊るされてみんなに担がれながら辿り着く有様になった。1

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    2025年12月23日
  • 恍惚の人

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    50年前に出版された本だが、認知症の行動、老人介護の家族の苦労は、昔も今も同じだと感じた。
    舅の茂造を介護する嫁の昭子の気持ちは痛いほどよく分かる、その反面夫の信利はずるいと思った。親の介護は嫁がするものといった封建的な風習だからだ。
    現在デイサービスなどがあるが、この本のなかでは健老会館での老人クラブが前身だったのか。
    茂造は最後、言葉を発さなくなった代わりにニコッと笑うのに可愛さを感じた。

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    2025年12月19日
  • 非色

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    とあるYouTubeでおすすめされていた本。予想を上回るほど面白くて、ページを捲る手が止まらない。とても悲惨な状況なのに、どことなくカラッとした明るさも感じるのは笑子の逞しさ故か。1964年に書かれたとは思えないほど読みやすいし、現代にもつながるテーマである。作者の他の本も読んでみたくなった。

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    2025年12月18日
  • 華岡青洲の妻

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    以前、和歌山にある華岡青洲の里「春林軒」を訪れた事を思い出し、何気なく手に取った一冊。
    華岡青洲とは母親と妻を実験台にして初めて乳癌の手術をした人という認識しかなかったが、封建社会の時代の中、嫁姑の争いの上で「通仙散」という麻酔薬を完成させたということを知った。
    また杉田玄白が、年下の華岡青洲に教えを乞いたい手紙を送ってたことも驚いた。

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    2025年12月11日
  • 非色

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    高校生の課題図書にするべき作品。
    笑子の葛藤に共感を覚えながら、差別とは何か、を考えさせられる。あっという間に読み終えた。

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    2025年12月06日
  • 非色

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    終戦後アメリカの黒人兵と結婚した女性主人公。出産後日本で差別に遭い、希望を持ってアメリカに行くも、もっとひどい人種差別が待っていて‥。
    差別への反骨精神。

    当時のアメリカの人種差別と生活がリアルでとても引き込まれました。
    人種差別、同じ人種間の階級差別。
    差別は本当に人の心を傷つけ、自尊心を失わせたり憎しみを生むということを深く思い知らされました。

    ラストの主人公が清々しい。

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    2025年11月30日
  • 非色

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    引き込まれる話の展開と考えさせられる深いテーマが盛り込まれていて一気読み。

    人種問題や差別はなくなることはない。この世に黒人しかいなくても、生まれや見た目などで差別するだろう。実際、この本の中でも黒人の肌の色が濃いか薄いかの会話が何度も出てくる。

    人間は、階級や違いを見つけては差別する生き物だ。「人種差別はしない、するべきではない」という素晴らしい信条を持っていても、「あの人は〇人だから」といった、偏見を少なからず持っている。

    黒人のトムが日本に駐在中、「ここには平和がある。そして何より素晴らしいものがあります。それは平等です。平等があるから、だから私は日本が大好きです。」と、笑子や笑子

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    2025年11月29日