有吉佐和子のレビュー一覧
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有吉佐和子さんの小説は外れがないです。
今回は姑と嫁という普遍のライバル関係を描きながらも、息子が医術の学びから帰京した瞬間に母の嫁に対する態度が変化したり、息子が母よりも嫁に尽くす態度に嫉妬の炎を燃やしたりと、姑目線、嫁目線で感情が変わって行くさまを、リアルに描いているところが秀逸です。
この時代ならではの家を守る、後継を産むという「家」の繁栄が全てだったからこそ、逃げ場のない空間の中で、女には女のシビアな戦いがあったのでしょう。
しかし、麻酔のない時代、こんな大変な想いをして、今の医学の礎を築いてこられたのですね。そこを学ぶことができただけで、価値のある本です。 -
ネタバレ
牧田がデパートに売りわたした壺と骨董品鑑定家園田の邸で再会したのが1977年1月、巳年だった。
第12.話は前年、1976年終わり頃、園田は入院中、同じ病院のやはり特別室に第9話の京都旅行の主人公弓香が入院していた。
第9話の京都旅行は1974年または1975年、
9月の弘法市で弓香さんが壺を3000円で買って
新米栄養士の孫娘に、
そして孫娘の上司の修道女がスペインに一時帰国するときの餞別として贈られる。
海を渡った青い壺はどういう経緯でスペインの
骨董品店に並ぶのか?
また、第8話で空き巣に盗まれた壺が京都の弘法市に並ぶまでの経緯も興味がある、 -
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ネタバレこれが有吉佐和子さんのデビュー作。しかも有吉さんが22〜24歳の若さで描かれたものとは驚いた。完成度が高い。
"地唄"自体あまり聞き慣れない言葉で読み始めは戸惑ったけれど、女子大生・瑠璃子が菊沢寿久に弟子入りしてから俄然面白くなった。周囲を遮断するかのように頑なな寿久の心をあっさりと溶かしてしまう、とても魅力的な女性だった。
日本古来から受け継がれる伝統を継承し続ける難しさは、令和の世でも変わらない。
「過去と現代が握手する」
「愛しつつ抵抗する。反逆しつつ愛する」
確かに現代に残る伝統芸能の数々は進化を遂げながら、その時代の人に取り入れられて次の時代へ繋げられている -
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ネタバレ人間の本質に、殊におなごの本質に触れるような気がするのよし。永遠のライバル嫁姑。
美談として流布しているのであろう華岡青洲の母と妻は、もしかしたらこういう内情であったのではないか、華岡青洲自身は、科学者ではなくて医学者だけども、わりとマッドサイエンティストという歴史小説。良いとか悪いとか論じるのはナンセンスだと思う。そう言う下地に成り立っているのが今の現実でございましょ?遡って糾弾するなら今の快適、適切は捨てなきゃね。
私は、スルッと「そうかもな」と思えた。
語尾が「〜のよし」「〜いただかして」なんて穏やかで牧歌的な印象なのだけど内容はドロドロの愛憎。綺麗事で人生乗り切れないし、学べること -
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ネタバレ老人問題を取り上げた小説は何冊か読んでいるのに、元祖であり大ベストセラーであるこの作品をまだ読んでいなかった。
心の片隅で、もう古いのではないかと思っていたのかもしれない。
読み終えてみれば、土下座して謝りたいほど、「現代の」老人問題が描かれていた。
時代的には、私の親世代の家庭であるが、昭子(あきこ)がフルタイムで事務員として働いているという状況は、当時では比較的新しい家庭であったのかもしれない。
優しかった姑が離れで急死した日、嫁の昭子は、舅の茂造の様子がおかしいと初めて気づいた。
症状が出始めたことを息子夫婦には隠して、姑が一人で面倒を見ていたのだろう。
姑は、狷介でわがままな茂造の看 -
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ネタバレ「夫の母親は、妻には敵であった」。
敬愛していた於継(おつぎ)に請われて華岡家に嫁いだ加恵(かえ)。実の親子のように仲良く暮らしていた日々は、3年間の京都遊学を終えた夫 雲平(うんぺい)--後の青洲--の帰郷によって突如終焉する。表面的には普段どおりでも、何事においても嫁を蔑ろにするようになった於継を加恵は憎悪し始め、対抗する……。
自分こそが“家”(=当主)に最も頼みとされる女でありたいという、嫁と姑の静かで激しい争い。雲平が麻酔薬を開発すれば、その実験台として2人して名乗り出、張り合う。母/妻の鑑として周囲には美談めいて伝わるが、その内実はエゴイスティックで醜い。
結果的に加恵の -
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めちゃくちゃ面白かった。
第1章が終わり、第2章が文緒が女学生になったところから始まることに気づいた時点で「文緒が女学生になるまでに何があったかも教えてよ!!花の視点を共有してよ〜!」と駄々をこねたくなった。
内孫、外孫、長男がどう、と家父長制的な視点を持つ花に対し、文緒が「実際に深い交流があるのは外孫ばかりではないか、母系家族は自然だったのではないか」と訴えるシーンは特に印象に残った。
母と娘が反発し合いながらも、宥和できる部分は時間をかけて宥和し、その様子を見る孫娘は祖母に対して親近感を持つ、という描写は、そうやって昔から連綿と命が続いてきたのだなと思わされた。
一方で、晩婚化や出産の高 -
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NHK「大奥2」の岸井ゆきの演じる和宮を観て興味が湧いた。幕末を舞台にした大河ドラマでちょくちょく見かけてはいたのだが、たいていはサブ的な位置づけで印象派薄い人物だった。
一方でNHK大奥2の和宮はほぼ主役と言ってもよいインパクトを残した。男装の和宮と女将軍の家持。完全にフィクションなのだが、画面に映る二人は実在の人物としか思えないほど「生きて」いた。
フィクションではあるが、細部のリアリティーは歴史に忠実で、和宮の左手が無いこともこのドラマで知った。あまりに実在感が強いので、機会があれば増上寺の菩提に手を合わせに行こうと思っている。
間違いなくフィクションなのに、どうしても生きていた気がして -
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有吉佐和子さんの小説、最近ものすごく惹かれている。たおやかだけどきびきびした緩急のある文体、豊富な語彙で選ばれた言葉たち、様々な登場人物の人間味(一瞬しか出てこない人物ですら目に浮かぶ!)、現実を映し出したような予定調和ではないストーリー…。
今作も一気読み。
前作から更に強くなった秋子、ラストの打ち合わせでの采配、大会での口上でのかっこよさは痺れた。
したたかになったことを、「変わったのではない、育ったのだ」というのも素敵。こんな大人になりたい。
そしてこのラスト、満足ではあるけど、風と共に去りぬのような置いてけぼり感!本当は続編もあったんだろうか。母親も妹も必要なものではなくなった壮年