有吉佐和子のレビュー一覧

  • 新装版 和宮様御留

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    視点がコロコロ変わる系で、途中まで読むのに時間かかった。けど後半一気に読めてめちゃめちゃ面白かった。

    なぜ替え玉をしたのか。
    主謀者の思いは?

    なんてことは一切書かれず、想像するしかない面白さ。

    距離が近くなるとイライラしてくる人間関係。
    相手を軽んじているのが如実に伝わる感じ。
    誰々があなたの悪口をこんな風に言ってたよ、と伝えてくる人のいやらしさ。

    こういうものが、脇の下に嫌な汗をかいてしまうほど臨場感を伴って書かれている、名作でした。

    きわめつけは御所言葉、京都のプライドを堪能できるところ。しびれました。
    3周回って、京都好き!

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    2024年10月22日
  • 複合汚染

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    とてもつかみやすかった。頭の中がいくらか整った。やはり環境問題も、足元や手元からみていかないと、ここにはない話しになってしまうのだなと。
    ところでこの本だけでなく、「有吉佐和子」が残したものは、今の話しとしか思えないことが多くて驚く。さらに今では複雑にされて理解が困難にされてしまっているようなことが、余計な添加がされず、とてもつかみやすい。
    「有吉佐和子」からエントリーしていたらよかっただろうにと思い浮かぶ人が何人もいる。

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    2024年07月26日
  • 新装版 和宮様御留

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    有吉佐和子さんの時代もの大好き!
    若い頃に読んで、衝撃でした。そんな身代わりのさせ方ある?さらにその身代わり?
    和宮様に仕立てられる様子がかわいそうで、おかしくなってしまった時に悲しかったです。理由も教えてくれなかったらおかしくもなります。
    フィクションとはいえ、現実味を感じさせる話でした。

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    2024年05月01日
  • 紀ノ川

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    明治、大正、昭和へと続く、母から子、孫に至るまでの年代記。
    有吉版『細雪』のよう。細雪よりはだいぶコンパクトながら、明治のお家騒動にとどまらず、昭和までの時代の移り変わりが書かれているのがすごい。
    川の流れのように続いていく命と、変わっていく「家」のあり方を体感することができ、しっかり満足感。
    「〜のし」という独特の方言も癖になる。

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    2024年02月24日
  • 紀ノ川

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    めちゃくちゃ面白かった。
    第1章が終わり、第2章が文緒が女学生になったところから始まることに気づいた時点で「文緒が女学生になるまでに何があったかも教えてよ!!花の視点を共有してよ〜!」と駄々をこねたくなった。

    内孫、外孫、長男がどう、と家父長制的な視点を持つ花に対し、文緒が「実際に深い交流があるのは外孫ばかりではないか、母系家族は自然だったのではないか」と訴えるシーンは特に印象に残った。
    母と娘が反発し合いながらも、宥和できる部分は時間をかけて宥和し、その様子を見る孫娘は祖母に対して親近感を持つ、という描写は、そうやって昔から連綿と命が続いてきたのだなと思わされた。
    一方で、晩婚化や出産の高

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    2024年01月17日
  • 非色

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    時々考えることなのだけど「人が人を差別する意識はどこから生まれるのだろう」ということを、この本を読み終えてまた考えた。
    歴史や時代に刷り込まれる場合もあるだろうし、生まれ育った環境(親や友人など)を通して意識に根付く場合もあると思う。
    自分自身「差別なんてしたことありません」なんて到底言えないのだけど、果たしてその意識はいつ根付いたのだろう。

    初版は1964年。2021年に復刊を果たした本作。
    第二次世界大戦後、日本で生まれ育った笑子は、仕事の関係で知り合ったアメリカ系黒人のトムと結婚することになる。
    作中では今は差別用語として使われなくなった「ニグロ」という言葉が多用されているが、変更はさ

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    2025年08月16日
  • 新装版 和宮様御留

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    NHK「大奥2」の岸井ゆきの演じる和宮を観て興味が湧いた。幕末を舞台にした大河ドラマでちょくちょく見かけてはいたのだが、たいていはサブ的な位置づけで印象派薄い人物だった。
    一方でNHK大奥2の和宮はほぼ主役と言ってもよいインパクトを残した。男装の和宮と女将軍の家持。完全にフィクションなのだが、画面に映る二人は実在の人物としか思えないほど「生きて」いた。
    フィクションではあるが、細部のリアリティーは歴史に忠実で、和宮の左手が無いこともこのドラマで知った。あまりに実在感が強いので、機会があれば増上寺の菩提に手を合わせに行こうと思っている。
    間違いなくフィクションなのに、どうしても生きていた気がして

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    2023年12月20日
  • 華岡青洲の妻

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    恐らく中学時代…先輩が書いた読書感想文で本書を知った。
    1804年(文化元年)世界初の全身麻酔による乳ガン手術に成功した華岡青洲。その成功の裏には自ら実験台になることを願い出て失明した妻 加恵の内助の功があった。感想文にあったそんなあらすじを読んで、すぐさま「自己犠牲がテーマか…」と気が進まなくなった。

    理由は単純で、エゴ極まりない10代の頃は誰かのために尽くしたり何かを差し出したりすることに対して、激しい嫌悪感を抱いていたから。何がそのような行動を取らせるのか、まだ理解できていなかったのもある。
    そうして自分のエゴを優先していくあまり、本書の存在は記憶に埋もれていったのだった。

    そして1

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    2023年11月02日
  • 挿絵の女 単行本未収録作品集

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    どうやら今年出たらい単行本未収録作品集。最近なんとなく有吉佐和子さんが再評価されている空気があり、嬉しい!
    そして本当に一編一編ハズレがないのに脱帽。
    日本舞踏の世界を描いた短編『鬼の腕』なんかはさすがお家芸だけど、まさかフィクション風の推理小説『指輪』や、中国古典を題材にしたユーモラスな『崔敏殻』(中島敦風!)まで書いていて、しかも面白いとは!どれだけ才能があるんだ…。

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    2023年10月31日
  • 青い壺

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    有吉佐和子さんの短編は初めて読んだ。どの話もごくごく短いものだが流石に読ませる。
    昭和の作品なので時代背景が各所に窺える。派手さはない。描かれているのは登場人物達の日常とそれにともなう細やかな喜怒哀楽である。そしてそこに青い壺がある。
    第一話で生み出された壺が様々な人の手を経て最後の第十三話で生み出した省造のもとに戻ってくる。「いつの間にあんなにいい古色がついたのであろう」と省造は思う。キレイな終わりかただと思う。

    個人的には第九話の高齢女性達の同窓会の話が好きだった。高齢女性の心理描写とか登場人物に言わせる言葉とか有吉さんは本当にウマイ。その場面が目に浮かぶようだった。

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    2026年02月21日
  • 芝桜(上)

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    芝桜(上)芝桜(下)そして木瓜の花へと続く正子と蔦代2人の雛妓時代から初老といわれる年齢までの極めて微妙な関係がとても魅力的な筆致で描かれている。
    特に上巻第一章の一。この始まりは秀逸だと思う。 ここで正子と蔦代それぞれの性格、立ち位置を実によく表している。これから始まる女2人の人生を物語るには最高の出だしだと思う。 本当に有吉佐和子さんの文章はうまいなぁと思う。

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    2023年09月06日
  • 乱舞

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    有吉佐和子さんの小説、最近ものすごく惹かれている。たおやかだけどきびきびした緩急のある文体、豊富な語彙で選ばれた言葉たち、様々な登場人物の人間味(一瞬しか出てこない人物ですら目に浮かぶ!)、現実を映し出したような予定調和ではないストーリー…。
    今作も一気読み。

    前作から更に強くなった秋子、ラストの打ち合わせでの采配、大会での口上でのかっこよさは痺れた。
    したたかになったことを、「変わったのではない、育ったのだ」というのも素敵。こんな大人になりたい。

    そしてこのラスト、満足ではあるけど、風と共に去りぬのような置いてけぼり感!本当は続編もあったんだろうか。母親も妹も必要なものではなくなった壮年

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    2023年09月02日
  • 紀ノ川

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    朝日新聞の和歌山紀行での推薦本である。有吉佐和子は、恍惚の人や複合汚染で有名になっていたので、その本を読んだが、こうした昭和の初めの地方の和歌山の女性を描いたとは思わなかった。和歌山を昭和にかけて知るにはガイドブックとして最適であろう。

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    2023年07月23日
  • 連舞

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    有吉佐和子さんの作品は、文字を追うだけで楽しいような硬質な美文で、本当にハズレがない。
    今回も、題材の日本舞踊のことなんて全く知らないのに、ぐいぐい読まされてしまった。
    それほど長い作品ではないのに、大河ドラマを観たかのような満足感。

    あと、青春期までの瑞々しい繊細さを描ける作家は数あれど、酸いも甘いも経験して成熟した大人の女を、こんな見事に描ける作家はそうはいないと思う。
    全員単純にいい人でも悪い人でもなく、年を経て変わっていく人格として描かれているのも、人間ってそうだよねと思わされて、凄くいい。

    有吉佐和子さん、手当たり次第に読んでいこうかなあ。
    続編も楽しみ。

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    2023年06月16日
  • 悪女について

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    ほんまに悪い。悪い生き方をしても、生きることができる。
    良い、悪いはほぼ関係なくて、その人はその生き方じゃないと生きれなかった。

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    2025年12月26日
  • 紀ノ川

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    23.1.21〜2.5

    有吉佐和子、面白すぎ❗️
    花と祖母の関係性、習慣。絆。嫁入りの様子は鈴木清順の映画を思い出した。
    カバンに大量のキューピーをぶらさげて田舎を闊歩してる文緒、可愛げありすぎ。
    華子を見つめる花の目線と、終盤に彼女が語る言葉で感極まった。

    武蔵美に友達の卒制を見に行った帰りに、近くにあった古本屋さんでこの本と『複合汚染』を買ったんだけど、複合汚染を見た老齢の店主さんが「うん……うん…‥いい本だよね、これ」って呟いてた。紀ノ川も良い本だったよ、店主さん❗️

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    2023年04月27日
  • 華岡青洲の妻

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    高校生のとき以来で読み直したら、とてつもなく面白かった!
    世界初、全身麻酔による乳癌手術を成功させた医師とその家族の物語…ときくと何やら高尚で敷居が高そうだが、「バッチバチな嫁姑もの」という普遍的でエンタメ性高いエッセンスをまぶして描くセンスの凄さ!
    有吉佐和子さんは「悪女について」も読み返したい!

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    2023年01月15日
  • 新装版 和宮様御留

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    40年くらい前に大竹しのぶさんが演じたドラマがありました。子供でしたがゾクゾクするほど面白く内容も鮮明に覚えていて、原作を読みたくなり読みました。有吉佐和子さんの取材力がすごく、和宮様は本当に偽物だったのではと思わせます。御所言葉など馴染みのない言葉が使われていますが全く飽きさせず一気に読めてしまう歴史小説です。

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    2022年10月09日
  • 紀ノ川

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    花(明治)・文緒(大正)・華子(昭和)の三代記と、少し前の朝ドラを彷彿とさせる構成。事前に著者の生い立ちを確認していると、自伝的小説だと言うことに途中気づく。

    開始早々泣きそうになった。
    嫁入り前の花が祖母の豊乃と寺の石段を上るシーンから入るのだが、孫へのはなむけの言葉がもう優しくて、優しくて…。
    明治初期に身内が嫁入り前の女子に説くことなんざせいぜい嫁の心得だろうに、「身体を大切にしなさい」等今と変わりないしどれも愛情深い。早逝した実母に代わってどれだけ彼女が手塩にかけてきたのかがよく分かる。

    作家の桂芳久氏は解説にて、著者は紀ノ川に「いのちの流れ」を象徴させたと書いている。出来た嫁の花

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    2022年08月03日
  • 一の糸

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    最高!文楽の三味線弾きに心を奪われた女性の話。乙女の恋心、文楽の芸の道の厳しさ、大正から戦後にかけての時代描写、などなど。一冊でたくさん楽しめる。

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    2022年02月03日