有吉佐和子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
・便利さと毒性が表裏一体をなしているところに、公害解決の難しさがある。(p.60)
・子供がなければ、やっていない。危険な農薬使っても、楽な方がいい。という言葉ほど私の心に重く響いたものはなかった(p.176)
・フランク婦人「虫食いリンゴを喜んで買うようになれば、消費者と生産者とは利益が一致するのね。農薬の危険から身を守れるし、農家も野菜や果物の標準規格にふりまわされずに無駄な労力がはぶけるのよ。私は、あなたの話で随分啓発されたわ」(p.194)
・ある漬物屋「一人や二人の人間殺しただけでも殺人犯やの死刑やの言われるのに、ようまあ毒が使えますな。そうですやろ、ハイジャックで刃物見せただけでも逮捕されるのに、店先に毒を並べていて、なんで犯罪にならんのでっしゃろ。」(p.233)
・日本を殺すのにもう原爆はいらない。石油は売らないという一言で、日本の経済はストップしてしまう。小麦は売らないと言われれば、五千万人が飢えて死ぬ。(下p.55) -
Posted by ブクログ
面白い。読みやすい。
公害、環境汚染、農薬、毒etc...にていてのエッセイ。
タイトルにもある複合汚染についても勉強できるんだけど(勉強と聞いて構えないでほしい)、著者の行動力には感化された。←これ大事‼
アンテナを張り巡らし、何でも疑ってかかる姿勢が素晴らしい、憧れるのでこれから私も真似をします。
全く興味なかった分野の本だったんだけど、有名だし読もうと読んだら、止まらない。数十年前にこんな事があったのか、と驚いた。(今はどうなのよ?)
腐らないプラスチック。でも、この腐らないゴミを拾って生活している子ども達がいるのは何て皮肉だろうな。
私たちは自分たちを信じて生きるしかない。政治家は信じられない。
少し未来が明るくなった気がする。 -
Posted by ブクログ
政治の舞台から 日本の環境 生活汚染への急速な展開。
それは、政治の意識を持って取り組むことを匂わせている。
科学の進歩によって 人間生活の多様な変化に対して
直視する姿勢。
その変化の中から 矛盾をつぶさに見通す能力を持つ。
健康のひずみ
大気汚染・・・排気ガス 工場の煙
海・・・・・・企業の垂れ流し
食品・・・ 肥料から来る影響 農薬 食品添加物 防虫剤
洗剤・・・・
1975年に書かれた複合汚染は、
ニンゲンの生きていくかぎり、
被害者であり、加害者になりうるという
ことが突きつけられたことだった。
科学者でない、素人がこのような作品を対象にしようとするときには
生活者の視点で描かれる・・
そのために、解決する方向が見えなくても
現状をうまく掬い取ることができ 警鐘を鳴らすことができる。
レイチェルカーソン『沈黙の春』とは、
やはり、違ってくる。
***************
若い頃に読んだのを もう一度読み返したい
と思って、読み始めた。
中国における 環境破壊は
まさに 『複合汚染』だからだ。
市川房枝の選挙応援から 始まり、
紀平てい子の演説が 食品添加物 防腐剤 の
追求から 始まったことから、
虫のわかないコメ から 食品添加物 防腐剤
などに 話を誘導していく。
『複合汚染』そして『生態濃縮』
それに対応する 化学肥料をつかわない有機農業を対置する。
化学肥料を全否定するところがある。
化学肥料のどこが悪いのか?と言う考察が乱雑である。
土壌の酸性化、微生物の減少、
そして 『土』が死んでいるという。
とりわけ 水銀の存在が 大きなメルクマールになっている。
有吉佐和子の問題意識の鋭さと物語の運び方が、
実にうまいと思う。
中国の場合の 複合汚染と生態濃縮がどうすすんでいるのか?
それを調べる必要がある。
新聞掲載小説なので、歯切れがいい。
農薬
そして、虫歯。
水 合成洗剤。→ 石けん。
カドミニウム、PCB。
豚の胃袋。
スモッグ。マスキー法。
次々と テーマを発展させていく。
うまいなぁ。 -
Posted by ブクログ
同じ芸者屋で、同じ環境のなかで育ちながら
全く違う性質をもったふたりの芸者のはなし。
タイプは違えど、それぞれにとび抜けた美しさをもっているのに
その美貌と賢さ、実直な人柄で最高の旦那の寵を受け、
押しも押されもせぬ売れっ妓芸者になってゆく正子に対し
小狡く、芸者の軽蔑するおこないをくり返して
美貌のわりに、芸者としては一流になれないでいる蔦代。
正子はそんな蔦代を理解できないまま
完全に軽蔑も、振り切ることもできないでいる。
みにくいはずの女同士の確執をうつくしく描くのは
有吉さんの小説で本当に毎度うっとりするところなのだけど
昭和の花柳界という、絢爛さに比例しておぞましさに溢れる場所は
それでもやっぱりぞっとするほどうつくしく見える。
外界の常が通用しない、異様な秩序に支配された社会では
華やかであればあるだけ賢さや分別がじゃまになる。
その異様さを嫌いぬきながら、それでも柔軟に戦いぬく正子は
まさに昭和の、古きよき美しいひと。
したたかで哀しい女達であふれる花柳界、というものに
憧れる気持ちがほつほつと芽生え
その哀しさを思ってすこし、放心する。 -
Posted by ブクログ
大手商社の宣伝部に勤める浅井義雄は結婚して15年。だが、妻・道子との間に子供はなかった。過去二度も浅井に浮気された経験を持つ道子は夫の愛情をつなぎとめようと必死だった。そんな折、取引業者の小柳と銀座で飲み歩くうち、浅井はマチ子というホステスに誘われるまま一夜を共にした。それが自滅へ至る第一歩だとも知らずに―。男の浮気に対する女の非情な復讐を描いた問題作。
うーん。
ちょいと自分の行動にはあまりない行動ですが、おそらくそういう行動を取れば様々な結果は当然出てきますよね。
原因と結果?
行動と結果?
いい意味でその結果がついてくるのが一番ですけれどね♪ -
Posted by ブクログ
わーやっと読み終わった・・・
もう絶版なのか本屋で売ってないから古本で購入。
まだ有吉佐和子の小説は3冊目だけど、登場する女性達、私好きです。
もう時代とか関係なく、彼女らの何かに固執する強さとか
ぶれない芯みたいなものを揺ぎ無く押し通す姿勢って
見てて気持ちいいし、天晴れだと思います。
朋子が母の遺言通りに、田沢の家にお骨を納めにお願いするために
赴き、ざっくりと断られた後、
「三つ重ねの包みを受け取るや否や、朋子は田沢家の門柱めがけて、発止と投げつけると、次の瞬間にはもう車中に戻っていた。「走って頂だい、早く。和歌浦へ戻るのよ」」
「あんな家は、一度火を点けて燃やしてしまえばいいのだ。そうすれば、棲んでいた人間たちも頭が切り替わるだろう。焼け爛れた東京が今のように復興したように。」
こんな台詞を朋子に吐かせる有吉佐和子の世界をもっと知りたいと思う。