有吉佐和子のレビュー一覧

  • 複合汚染

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    小説というよりは、ドキュメンタリーに近い。
    高度成長期の日本では、環境破壊がすすみ、深刻な問題となっていた。
    この作品が注目されたおかげで、各自治体を含めた国の黄河への取り組みが行なわれるようになったそう。
    分厚い本ではあるが環境問題に関心のある方にはおすすめ。

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    2015年04月05日
  • 一の糸

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    酒屋の箱入娘として育った茜は、17歳の頃、文楽の三味線弾きの弾く一の糸の響に心奪われた。
    天真爛漫で一途な茜が、彼の後妻となり、芸道一筋に生きる男を支える、波乱万丈な愛と芸の世界を描いた物語。

    戦前から戦後にかけて、「文楽」という私の知らない世界で、芸に生きる人々の粋な様子と、愛に生きる茜のひたむきさに引き込まれました。たくさん泣いたし、余韻がしばらく消えなそうです。

    口下手で根っからの芸人で、なんて奴だと思うこともある徳兵衛だけど、理屈じゃなく茜が恋に落ちる瞬間、盲目にそれを追い掛ける過程を見ていると、何割増しにもいい男に思えてしまう。
    実際、一芸に秀でている人、譲れないものがあって自身

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    2014年11月02日
  • 複合汚染

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    高1の頃読んで衝撃を受けた本。
    母となり読み返し、より深刻になってしまった今の現状がとても情けなく、悲しく思った。
    当時は大人に対して腹を立てていたけど、
    大人になって私は何をしてきただろう…?
    食べること、使うこと、捨てること…

    水に流すにしろ、燃やすにしろ、捨てたものは必ず私たちと子ども達、そして子孫の口に帰っていきます。
    物を購入する前にもっと良く知り、良く考えようと、改めて思いました。

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    2014年10月22日
  • 新装版 和宮様御留

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    失礼なことですが、一方的に和宮に同情して作られた小説だと思っていました。政治の道具として利用された可愛そうなお姫さま、という短絡なイメージ。
    それでも、和宮以上に道具とされたフキの有様に哀れみと悲しみ感じつつ読み進んで、入れ替わりなったときには、歴史小説ならではのおもしろさ、と唸っていたわけですが。

    本当に心底唸ることになったのは、あとがき読んでからでした。

    歴史小説ではなくて、歴史のおもしろさ。

    何より、幕末という時代が、今と地続きであるということを感じることのできる作者の生きていた時代に、憧れ覚えます。歴史の記憶というものが、その時代の臭いと共に触れられる世代。
    新装版として、復刊さ

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    2014年09月16日
  • 処女連祷

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    普遍的な人間の在り方や心情を描くのが文学という解釈があります。この本はまさに、文学なのだなと思いました。こんなに変わらないのかと、びっくり。

    と初回思った点、確かにそうではある。今読むと、社会が変わっていないだけ。という観点も。この話を成り立たせた背景(こう思わせる社会)が。

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    2017年05月31日
  • 一の糸

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    本を開いた瞬間、改行の少なさにひるみました。
    読みづらそうだなーって思ったのに、面白さにぐいぐい引き込まれ、あっという間に読み終わりました。
    一昔前の朝ドラを彷彿とさせる濃厚さでした。

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    2013年06月29日
  • 地唄・三婆 有吉佐和子作品集

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     1950年代後半から1960年代に文芸誌に発表された短編の集成。当時としては超ベストセラー作家でありました。

     小説って、これだよな。と、思うのです。収録の「孟養女考」にみえる(当時の)新しい中国の形、とか、「三婆」に見える封建的社会の終焉、だとか、「美っつい庵主さん」にみえる(当時の)新しい若い男女の関係、とか、そらぁ含まれるテーマ性というのは、ある。そういう社会情勢に即した作品読解、というのも必要な側面はあるでしょう。だが、そうではなくて。

     「本妻と、妾と、実の妹が一人の男が急に亡くなった後どうやって生きていったか」(三婆)とか、「姪の子が尼寺に訪ねてくるんだけど、女友達かと思った

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    2013年06月20日
  • 一の糸

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    文楽は、ここ5年ほど定期公演に通っており、この世界を描いた小説は関心があります。有吉佐和子さんは凄い人ですね!造詣の深さ、構成力、細部の描写、すべて非凡な作家でした。特に「音締」からは見事な盛り上げで、一気に読ませます。一方、文楽は素材に過ぎないと思わせるくらい、茜の描写が周到で、自我を貫くヒロインの生き様が実在感に溢れています。

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    2013年05月11日
  • 複合汚染

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    この作品は、昭和49年に8ヶ月半にわたって朝日新聞の小説欄に連載されたものである。
    そこから40年近く経っている現在、あまり状況は変わっていないように思い、愕然とする。
    当時も著者のように、食品・環境汚染を危惧していた人がいたのに、どうして改善されないのだろうか。
    例えば、ライポンFという台所用洗剤があるのだそうだが、1962年にこのライポンFを誤飲して、死亡した事件があった。裁判では、ライポンFが死亡の原因とは認められなかったようだが、毒性があるというのは大いに考えられることである。そして、50年経った現在でもこのライポンFというのは業務用のみだが存在するのだ。
    また、現在では台所用洗剤には

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    2013年03月20日
  • 複合汚染

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    ・便利さと毒性が表裏一体をなしているところに、公害解決の難しさがある。(p.60)
    ・子供がなければ、やっていない。危険な農薬使っても、楽な方がいい。という言葉ほど私の心に重く響いたものはなかった(p.176)
    ・フランク婦人「虫食いリンゴを喜んで買うようになれば、消費者と生産者とは利益が一致するのね。農薬の危険から身を守れるし、農家も野菜や果物の標準規格にふりまわされずに無駄な労力がはぶけるのよ。私は、あなたの話で随分啓発されたわ」(p.194)
    ・ある漬物屋「一人や二人の人間殺しただけでも殺人犯やの死刑やの言われるのに、ようまあ毒が使えますな。そうですやろ、ハイジャックで刃物見せただけでも

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    2013年03月21日
  • 夕陽ヵ丘三号館

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    主人公の女性には嫌な感情しか持てず、読んでいてもイライラしてしまったのだけど
    それでもフト振り返ると、程度の差はあれ
    自分も同じようなことをしているのでは?!・・・なんて思ってしまったりして。
    きっとこの小説の主人公は形を変えながらも
    全ての女性の中にいるのではないかな?

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    2013年01月25日
  • 複合汚染

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    面白い。読みやすい。
    公害、環境汚染、農薬、毒etc...にていてのエッセイ。

    タイトルにもある複合汚染についても勉強できるんだけど(勉強と聞いて構えないでほしい)、著者の行動力には感化された。←これ大事‼
    アンテナを張り巡らし、何でも疑ってかかる姿勢が素晴らしい、憧れるのでこれから私も真似をします。

    全く興味なかった分野の本だったんだけど、有名だし読もうと読んだら、止まらない。数十年前にこんな事があったのか、と驚いた。(今はどうなのよ?)

    腐らないプラスチック。でも、この腐らないゴミを拾って生活している子ども達がいるのは何て皮肉だろうな。

    私たちは自分たちを信じて生きるしかない。政治

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    2012年12月08日
  • 複合汚染

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    政治の舞台から 日本の環境 生活汚染への急速な展開。
    それは、政治の意識を持って取り組むことを匂わせている。
    科学の進歩によって 人間生活の多様な変化に対して
    直視する姿勢。
    その変化の中から 矛盾をつぶさに見通す能力を持つ。

    健康のひずみ
    大気汚染・・・排気ガス 工場の煙
    海・・・・・・企業の垂れ流し
    食品・・・ 肥料から来る影響 農薬 食品添加物 防虫剤
    洗剤・・・・

    1975年に書かれた複合汚染は、
    ニンゲンの生きていくかぎり、
    被害者であり、加害者になりうるという 
    ことが突きつけられたことだった。

    科学者でない、素人がこのような作品を対象にしようとするときには
    生活者の視点で描

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    2015年05月02日
  • 不信のとき(上)

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    面白かったー!昔の話だから女の人に感情移入はできないかと思ったんだけど、浮気されても泣きすがるわけではなく、「私は一人でも生きられるがお前はどうなのか」と夫に問いただす女性二人がかっこいい。44年前の話だけど、いまでも十分に通じる話。有吉作品は二作品めだけど、完全にハマりました!次は「非色」を読む予定♪

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    2012年09月02日
  • 芝桜(上)

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    対照的な2人の芸者を描いた物語。

    蔦代の行動の意図が分からず、
    先が気になって気になって、
    ページをめくる手が止まらなかった。

    舞台である花柳界の風習も知れば知るほどおもしろく、
    とても魅力的で物語の題材にぴったりな設定だと思った。

    有吉佐和子の書く文章はしなやかで、言葉遣いもとっても上品。
    読んでいて本当にうっとりしてしまう。

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    2012年09月01日
  • 夕陽ヵ丘三号館

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    ん~、やっぱりいいですね、有吉佐和子の描写は。
    この当時でも日本語の砕けかたは、ちょっと違和感あるけれど、現代のに比べたらマシ。

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    2012年05月09日
  • 不信のとき(下)

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    ネタバレ

    ドロ沼系のお話です。。。

    長年子供ができなかった奥さんの妊娠
    浮気相手の妊娠

    旦那は奥さんと浮気相手との二重生活を両立して、
    奥さんは騙されっぱなしなのかと思いきや、
    最後の最後でどんでん返しが来ます。
    奥さんも浮気相手も一枚上手だったなぁー

    女って怖いと思う作品の一つ。。。

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    2011年10月22日
  • 乱舞

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    『連舞』の続編。

    秋子の強さが際立っている。
    強すぎる女性は痛快に思う。

    ただ最後は予想通りの展開になっていた。
    それでも引き込まれる作品であったのは確か。

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    2011年10月18日
  • 連舞

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    50年近くまえの小説。
    日本舞踊という伝統芸能の世界を描いた作品。

    「血」の世界、「家」の世界は今の我々の表の世界からはどんどん消えてしまっているようにおもう。
    あるにはあるのだろうけど。

    読みごたえありました。

    最後にあのように受け入れた秋子はやはり月の器があったのだろう。


    あと処女を失った女はかくもかわるのですかね。
    男の自分には少しわからないというかちょっとイメージがわきません…

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    2011年10月01日
  • 一の糸

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    こんなに一途な愛を知れて素敵な時間を感じた。


    古い本。母の本棚にあったものを本屋で見つけ、購入。違う作品もだけど、有吉作品は主人公の女性の生き方に作者の信念を感じる。心に決めたものに一途な主人公がすき。高校のころ読んだ作品も読み直してみようかな。

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    2011年02月11日