有吉佐和子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
同じ芸者屋で、同じ環境のなかで育ちながら
全く違う性質をもったふたりの芸者のはなし。
タイプは違えど、それぞれにとび抜けた美しさをもっているのに
その美貌と賢さ、実直な人柄で最高の旦那の寵を受け、
押しも押されもせぬ売れっ妓芸者になってゆく正子に対し
小狡く、芸者の軽蔑するおこないをくり返して
美貌のわりに、芸者としては一流になれないでいる蔦代。
正子はそんな蔦代を理解できないまま
完全に軽蔑も、振り切ることもできないでいる。
みにくいはずの女同士の確執をうつくしく描くのは
有吉さんの小説で本当に毎度うっとりするところなのだけど
昭和の花柳界という、絢爛さに比例しておぞましさに溢れる場所は -
Posted by ブクログ
大手商社の宣伝部に勤める浅井義雄は結婚して15年。だが、妻・道子との間に子供はなかった。過去二度も浅井に浮気された経験を持つ道子は夫の愛情をつなぎとめようと必死だった。そんな折、取引業者の小柳と銀座で飲み歩くうち、浅井はマチ子というホステスに誘われるまま一夜を共にした。それが自滅へ至る第一歩だとも知らずに―。男の浮気に対する女の非情な復讐を描いた問題作。
うーん。
ちょいと自分の行動にはあまりない行動ですが、おそらくそういう行動を取れば様々な結果は当然出てきますよね。
原因と結果?
行動と結果?
いい意味でその結果がついてくるのが一番ですけれどね♪ -
Posted by ブクログ
わーやっと読み終わった・・・
もう絶版なのか本屋で売ってないから古本で購入。
まだ有吉佐和子の小説は3冊目だけど、登場する女性達、私好きです。
もう時代とか関係なく、彼女らの何かに固執する強さとか
ぶれない芯みたいなものを揺ぎ無く押し通す姿勢って
見てて気持ちいいし、天晴れだと思います。
朋子が母の遺言通りに、田沢の家にお骨を納めにお願いするために
赴き、ざっくりと断られた後、
「三つ重ねの包みを受け取るや否や、朋子は田沢家の門柱めがけて、発止と投げつけると、次の瞬間にはもう車中に戻っていた。「走って頂だい、早く。和歌浦へ戻るのよ」」
「あんな家は、一度火を点けて