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工業廃液や合成洗剤で河川は汚濁し、化学肥料と除草剤で土壌は死に、有害物質は食物を通じて人体に蓄積され、生まれてくる子供たちまで蝕まれていく……。毒性物質の複合がもたらす汚染の実態は、現代科学をもってしても解明できない。おそるべき環境汚染を食い止めることは出来るのか? 小説家の直感と広汎な調査により、自然と生命の危機を訴え、世間を震撼させた衝撃の問題作!
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Posted by ブクログ
この本は 昭和40年代後半から50年代前半 朝日新聞に掲載された連続小説で当時社会問題となっていた環境汚染をうまく伝えている。当時話題の小説だったわけで 自分が育った時代 戦後の高度経済成長期の真っただ中 複合汚染の中だったことに検めて知って驚く。 自分がこんなに無知だったとは・・・。あらゆる分野...続きを読むの環境問題に気付いたとき真っ先に読むべきだった。 出だしが選挙運動から始まって、バン!っと目に飛び込んできた 「 複合汚染 」といういろんな環境汚染が重なり合った言葉は衝撃だった。中身を読むまで複合汚染という重たくて暗いイメージがある言葉だけをみるのと、読み始めると有吉さんの軽快な文章とはギャップがあってよけいにこの言葉が強くインパクトを受けました。いち消費者としてあらゆる環境問題にたくさんの疑問を持ち 知ろうとする有吉さんと、読者も同じ目線で読めるのでこれはとても読みやすかった。この本読んだ後は まともな生活がしたくて 普段使用している 日用品食料品が使えなくなりそうで添加物や化学薬品を使っていない自然素材や天然ものや 無添加製品 など安全性を求めてしまうので とても生きにくくなるなぁと思いました。 本来はそうであるべきなのにまともに暮らせなくりそうで怖い。 この本を読んで思ったのは、環境問題に関心のない人ある人。また 特に農業する人、家庭菜園する人、農に携わる人は最初に読んだほうがいいと思いました、なぜ自然栽培がいいのか、なぜ、農薬や化学肥料がダメなのか、なぜアレルギー疾患がふえたのか、自然環境が著しく悪化しているのか、日本の農業はダメなのか、 マニュアルな自然栽培や有機栽培の本を読むより、高額なセミナーを何回と受講して聴くよりもまず読めばありとあらゆることが理解できることでしょう。昭和40年代後半の社会問題となっていた環境汚染について書かれていますが、現代にもあてはまり、40年経った今も実際起きていることが通用するくらい新鮮さを感じます。反対に何一つ問題は解決されていないままであることも。 レイチェル・カーソン著 「 沈黙の春 」の日本版といってもいい。それ以上に今からでも社会を変える力のある本だと思います。40年前と違うのは 環境問題に関心を持って動いている人が少しづつ増えて変えていこうとしている人がいること。 日本の出来事だから、これまでの日本の姿がわかり、これからの日本の在り方を示唆している。 きっと多くの人に受け入れる内容だと思います、たくさんの人に今こそ受け入れられたら日本を変えることができそう。沈黙の春はよく知られているのにこの本はなぜあまり知られていないのだろう。自分が知らなかっただけかもしれない。 この本は小説としてではなく。 農業を始めたい人、始めた人、あらゆる農業関係者、また食に関心ある方にはきっとバイブルとなる本です。 今一度拡まって欲しい本です。 唯一残念なのは有吉佐和子さんが故人であること。 生きておられたら当時と変わっていない日本を見てどうおかんじなったことだろう。生きておられればもっと環境問題に関心を持つ人が増えていたと思う。
すごい本だった。約40年前に発表された、環境汚染に関する本である。発表当時は社会にかなりの衝撃を与えたに違いない。 朝日新聞に連載され、小説という形態をとっているものの、作者の綿密な調査・研究に基づくノンフィクションである。日本人を取り巻く、大気、水、土の農薬や化学物質による汚染に警鐘を鳴らしている...続きを読むのだ。それぞれの分野に詳しい専門家に話を聞き、それを一般人の読者にわかりやすくするために、近所のおじいさんに作者が話して聞かせるという構成になっている。私たちは気づかないうちに、排気ガスや工場の煙で汚染された空気を吸い、汚染された水で育った魚を食べ、除草剤などの農薬がかかった野菜や米を、そして成長ホルモンや抗生物質が入った人口飼料で育った肉を食べている。人間の体に及ぼす影響はどうか。有害な物質から命を守る法律はどうなっているのか。 私が子どもの頃にはすでに、公害病の原因も分かり始めていたので、一般人の環境に対する意識はある程度高まっていた。この本の功績かもしれない。この本を著したとき、有吉佐和子氏はすでに作家として名前が知られており、影響力があった。現在は、世界レベルで環境を守る取り組みもなされていて、私が子どもだったころより、体感でしかないが、環境はよくなっていると思う。それにしても、本書にあるように、自然が本来持っている力には驚かされる。 この本が評価に値するのは、汚染をただ非難するだけでなく、解決策を作者なりに考え、一般市民が取り組めるアイデアを提示している点である。 環境保全を声高に訴えつつも、有吉氏本人が早逝してしまったのは残念としか言いようがない。
題名からあまり関心を惹かないものだった。読んでみて、衝撃だった。昭和49年に書かれた内容から、消費者の野菜に対する考え方は変わっていない。そのため、有機の野菜が儲からない構造も変わっていない。 火が文明の始まりで、それと同時に虫歯が始まった。 稲を植えた後にタマネギを植えると良い。コンパニオンプラン...続きを読むツ。 合成洗剤よりも粉石鹸の方が汚れが落ちる。お湯に説く必要があるが、それはお風呂の残り湯で良い。
これは小説なのかはたまたノンフィクションなのか。多分ノンフィクションに近い小説という表現が1番近いのだろうけど、色々考えさせられる内容だった。政府が舵取りをいかに誤ったか、いかに海外諸国に比べ日本が汚染物質を見境なく使用、排出し、自然を破壊してきたか。そして、いかに私達の胃に入る食べ物が、汚染された...続きを読むものか…。 田んぼに飛び込み溺死する蛙の話には戦慄した。 普段から有機栽培や自然農法など、オーガニックなものをなるべく摂るよう気をつけて入るが、一層口に入れるものには注意しなければと感じた。政府が全く当てにならないのはこの時代も今も変わっていない。自分で調べ、考え、自分の身を守らなければ。 そして有吉さんのジャーナリスト魂には恐れ入る。インターネットもない時代、どこにでも電話をかけ出かけ、無知を恥じず分かるまで食い付く。この執念、行動力は肖りたいところだ。
とてもつかみやすかった。頭の中がいくらか整った。やはり環境問題も、足元や手元からみていかないと、ここにはない話しになってしまうのだなと。 ところでこの本だけでなく、「有吉佐和子」が残したものは、今の話しとしか思えないことが多くて驚く。さらに今では複雑にされて理解が困難にされてしまっているようなことが...続きを読む、余計な添加がされず、とてもつかみやすい。 「有吉佐和子」からエントリーしていたらよかっただろうにと思い浮かぶ人が何人もいる。
1974~75年の『朝日新聞』連載小説。といっても、脚色があるとはいえ、ストーリー性はない。「小説」というよりもルポルタージュに近い内容。冒頭の選挙応援に始まり(本題ではないが、これはこれで面白い。菅直人も登場)、化学肥料、除草剤、合成洗剤、食品添加物、PCB、配合飼料、自動車排ガス、交通事故などあ...続きを読むらゆる話題が提供されていて、著者の好奇心に脱帽した。 50年後の今日、著者が挙げた問題には、緩和されたものや、逆により深刻化しているものもあるだろうが、「個々の物質からの影響をバラバラに見るのではなく、これらが積み重なると何が起こるか?」という発想は、有効性を失っていないだろう。
小説というよりは、ドキュメンタリーに近い。 高度成長期の日本では、環境破壊がすすみ、深刻な問題となっていた。 この作品が注目されたおかげで、各自治体を含めた国の黄河への取り組みが行なわれるようになったそう。 分厚い本ではあるが環境問題に関心のある方にはおすすめ。
高1の頃読んで衝撃を受けた本。 母となり読み返し、より深刻になってしまった今の現状がとても情けなく、悲しく思った。 当時は大人に対して腹を立てていたけど、 大人になって私は何をしてきただろう…? 食べること、使うこと、捨てること… 水に流すにしろ、燃やすにしろ、捨てたものは必ず私たちと子ども達、そ...続きを読むして子孫の口に帰っていきます。 物を購入する前にもっと良く知り、良く考えようと、改めて思いました。
この作品は、昭和49年に8ヶ月半にわたって朝日新聞の小説欄に連載されたものである。 そこから40年近く経っている現在、あまり状況は変わっていないように思い、愕然とする。 当時も著者のように、食品・環境汚染を危惧していた人がいたのに、どうして改善されないのだろうか。 例えば、ライポンFという台所用洗剤...続きを読むがあるのだそうだが、1962年にこのライポンFを誤飲して、死亡した事件があった。裁判では、ライポンFが死亡の原因とは認められなかったようだが、毒性があるというのは大いに考えられることである。そして、50年経った現在でもこのライポンFというのは業務用のみだが存在するのだ。 また、現在では台所用洗剤には「万一飲みこんだ場合は、水を飲ませる、吐かせる」などの注意書が義務づけられている。つまり、飲んではいけない毒ということではないだろうか。その毒である洗剤を、我々は現在も使い(毒性の差は別として)川を汚し、海を汚している。 当時よりは環境に配慮した製品が作られているのかも知れないが、使い続けていれば、意味がない。 洗濯洗剤についても同様で、私たちは毒を垂れ流しているのである。 著者いわく、洗濯用洗剤より石鹸の方がより汚れが落ちるので、(現在はどうだか分からないが)クリーニング屋では石鹸を使っているそうだ。 洗濯用洗剤は白くなるものだから、汚れが落ちたように思うらしい。 主婦たちは、CMに踊らされて実を見ていないとの著者の意見には同意するとともに自分もその一人であったと反省した。 それと同じように、果物が腐らないことに疑問すら持たないことも商業主義の教育であり、刷り込みである。 京都の漬物屋さんは、「一人や二人の人間殺しただけでも殺人犯やの死刑やのと言われるのに、ようまあ毒が使えますな。そうですやろ、ハイジャックで刃物見せただけでも逮捕されるのに、店先に毒を並べていて、なんで犯罪にならんのでっしゃろ。他のお人の考えは分かりませんが、私は毒使って漬物つくっては御先祖さまに申訳ないので、毒は使うてません」と言い、「毒売って儲けとうはなかったんですわ」とそれまでの店を畳んで、別の場所で小売で商売をする決断をしたそうだ。 この良心が、国にもあれば問題解決はそう難しくないし、消費者もこのような感覚を忘れずにいなければならないと思う。 また、食により病気を治すという方針で診療をしている医師の言葉に 「いまこのあたりで七十五歳以上のお百姓さんは、今年は田ァから一石もらった、二石もらった、いや去年よりはもらえなんだという言い方をしますが、六十歳以下の人たちは、今年は田ァからなんぼ取った、取れなんだと言うのです。言葉が、もう違うてきてるんです。昔の人は自然を敬っていましたから、米でも野菜でも、自然からもらったのだと考えていました。田畑から作物を取るというのは不遜です。言葉の違いは精神の違いです」とある。 今の日本人も謙虚さにかけているから、自然に対し傍若無人に振舞っているのではないだろうか。 自然を汚すというのは、人間自らをも汚すことになるのであり、自然によって人間は生かされているのだということをもっと自覚すべきである。 当時と現在とあまり進歩が見られないことは残念だが、本書は環境や食の問題を非常に分かりやすく書いており、とても読みやすい良書である。 今後は、現状が良くなり、本書は過去の歴史という位置づけで読まれることを期待したい。
・便利さと毒性が表裏一体をなしているところに、公害解決の難しさがある。(p.60) ・子供がなければ、やっていない。危険な農薬使っても、楽な方がいい。という言葉ほど私の心に重く響いたものはなかった(p.176) ・フランク婦人「虫食いリンゴを喜んで買うようになれば、消費者と生産者とは利益が一致するの...続きを読むね。農薬の危険から身を守れるし、農家も野菜や果物の標準規格にふりまわされずに無駄な労力がはぶけるのよ。私は、あなたの話で随分啓発されたわ」(p.194) ・ある漬物屋「一人や二人の人間殺しただけでも殺人犯やの死刑やの言われるのに、ようまあ毒が使えますな。そうですやろ、ハイジャックで刃物見せただけでも逮捕されるのに、店先に毒を並べていて、なんで犯罪にならんのでっしゃろ。」(p.233) ・日本を殺すのにもう原爆はいらない。石油は売らないという一言で、日本の経済はストップしてしまう。小麦は売らないと言われれば、五千万人が飢えて死ぬ。(下p.55)
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