有吉佐和子のレビュー一覧

  • 香華

    Posted by ブクログ

    毒親とはこういう人をいうのだなぁ。
    朋子の幼少期の心の描写が興味深かった。
    2人の幼い娘を育てている今、自身の立ち振る舞いがこうも子に影響するかと思うと恐ろしい。
    ただ、郁代のように育児の責任感を一切感じずに生きていけたらどんなに精神的にラクだろうと思う。

    毒親の祖母の世話を甲斐甲斐しくしている我が母に勧めたい1冊。

    0
    2015年09月10日
  • 一の糸

    Posted by ブクログ

    久しぶりに文楽を観たので、再読した。
    渡辺保の「昭和の名人 豊竹山城少掾」を再読した後だったので、表と裏、モデルとなったと思われる事件との対比がおもしろく読めた。
    これほどまでに惚れて入れ込んで崇拝できれば、色恋なんぞこえて幸せだろう‥

    0
    2015年05月29日
  • 夕陽ヵ丘三号館

    Posted by ブクログ

    これエンタメと言うより恐怖小説だね。多少の時代の古さはあるけど、有吉佐和子の描く人間の愚かさ滑稽さ、今でも本質は変わらないのでは。
    LINEでの無視や、裏サイトでの陰湿なイジメを聞くと、この小説で語られている社宅の世界となんら変わらない。

    夫婦間のやりとりなども、うちと驚くほど似ている。

    0
    2015年01月25日
  • 一の糸

    Posted by ブクログ

    激情にかられる女の人の気持ちは、若い時ならもっと共感できたかもしれない。今読むと、それはそうしちゃうまくいかない!とか突っ込んでしまう。

    0
    2015年01月02日
  • 処女連祷

    Posted by ブクログ

    有吉佐和子さんの小説にこんなのがあるなんて知らなかった。解説を読むと、有吉さん初の長編小説だそう。
    とても面白かった!こんな顛末になるとは!
    戦後まもない日本の若い女性の結婚願望にまつわる話。
    途中までは「現代にも通じる感覚だなぁ」というくらい
    の感じで読んでいたのが、とんでもないからくりが。
    アゼンとした。読みごたえあり。有吉さん、スゴイ!

    0
    2014年09月26日
  • 不信のとき(下)

    Posted by ブクログ

    新婚さんや超ラブラブの恋愛中の人は読まないほうがいいのかな?
    不倫がばれちゃう瞬間は
    なんて怖くて楽しいのでしょう。

    0
    2014年08月14日
  • 不信のとき(上)

    Posted by ブクログ

    この本は社会人になったころに先輩からいただいたものだけど
    恋愛まっただ中の私は読もうとしていなかった
    30になり、久しぶりにこの本を開いてみて
    今この本を読んで良かったと思った。
    最近じゃ「昼顔」とか主婦の不倫をネタにしたドラマもやってるけど
    昔に書かれたものなのに、今にも通じるな~と作品の力に感動した。
    しかし、先輩はなんで20そこそこの私にこの本くれたのでしょう(笑)

    0
    2014年08月14日
  • 複合汚染

    Posted by ブクログ

    35年前の日本の問題がいま、隣国中国で起こっている。
    先進諸国が安い原価を求めた為に、避けられない結果となってしまった。
    この本は1979年に初版が発行され、今でも読み続けられているのは、作者の知名度はもちろんの事ながら、徹底した取材による細かなデータに併せて、生産者とのインタビューを盛り込んだ読み易い口語で書かれているからだと思う。
    日本の食品産業界の歴史が第二次世界大戦での敗戦によって、それ以前の歴史からぶつ切りになりながら進んできた事がわかる。
    アメリカから持ち込まれた価値観が政治を巻き込んで、生産者から末端までを汚染して行った。
    そして気がつくと、食品だけではなく、モラルや慣習、考え方

    0
    2014年08月12日
  • 複合汚染

    Posted by ブクログ

    この本を読んで「食」に対する意識が一変した。そもそも、この本を手に取る人は、少なからず食に対する関心が高い人だと思う。
    しかし、恐ろしいことは、この本が40年以上も前に書かれたということ。
    では、現在のこの国の食の在り方はどうなったのか?
    残念ながら、状況は悪化している。

    私はこの本をきっかけとし、もっと食への知識を持つべきだと思った。

    あなたは何を食べていますか?
    その答えが自分自身を作っている。

    0
    2014年05月30日
  • 処女連祷

    Posted by ブクログ

    ラストが衝撃でした。
    ここで終わっちゃうんだ、という意味で。
    祐子の鼻を明かすところが見たくて後半読み進めていたのでちょっと残念。

    女の人なら誰でも多少思い当たる節がありそうなお話でした。

    0
    2014年04月23日
  • 新装版 和宮様御留

    Posted by ブクログ

    有吉佐和子さん初読。
    新刊案内で知って、書店に平積してあったのをなんとなく手に取り、読んでしまった。
    書体も字体も難しいのに、一気読み。
    読み応えあり、引き込まれ、あとがきに深く感じ行った。
    昔、某バラエティー番組での暴挙(?)を知っていたのでなんとなく避けてたけど
    力量すごい方だった。

    0
    2014年04月20日
  • 一の糸

    Posted by ブクログ

    我儘な一人娘、茜が文楽三味線弾きの清太郎(徳兵衛)に惚れ、彼の後添えになり、彼の芸を支え見守った話。
    あるいは、茜の目から見た三味線弾き露沢徳兵衛の生涯。

    茜は自分の思いを募らせ暴走、清太郎は三味線馬鹿で女癖が悪い。初めはこの話を読み終えるのは無理かもしれないと思ったけれども、関東大震災、家族の問題、文楽のことなど色々なことが詰まっていて、引き込まれてしまった。
    三浦しをんさんの解説も嬉しかった。

    有吉佐和子さんは学生時代に課題図書で「複合汚染」を読んで苦手意識を持ったのであまり気は進まなかったのですが、また読んでみたい。

    そういえばこれは大正七年頃から昭和の戦後にかけての話で、今、放送

    0
    2014年03月22日
  • 処女連祷

    Posted by ブクログ

    60年前の女子大の仲良しグループの卒業後〜30歳手前の恋愛、結婚について

    根本は現代の私たちと全然変わらないなと思いました。頷ける部分も多々有。
    普遍的なテーマなんですね。

    祐子以外のメンバーの話は順繰りに進んでいきますが、祐子の話や心情は出てこないので、不思議ちゃんな雰囲気がぷんぷん増して行きます。
    最後の結末は、追い詰めて追い詰めて、追い詰めない。。
    きっとみんなでまた女子会して帰ったのでしょう。。

    0
    2014年03月11日
  • 不信のとき(上)

    Posted by ブクログ

    「男の浮気に対する女の非常な復讐を描いた問題作」

    女ってこえぇ~、と思わず言ってしまう
    状況も年齢も異なる2人の浮気男と、それにかかわる4人の女性が描かれている

    「女は怖い」と思いつつ
    子ども生んだ強さと、腹を据えたときの怖いほどの潔さは、どの女性もみな持っているものではないだろうか

    0
    2013年08月02日
  • 香華

    Posted by ブクログ

    奔放な母と、それに振り回されるしっかり者の娘の愛憎を描く。
    そりゃあ誰が見ても母は最低の母親なのだろうが、振り回される方も悪いんじゃないか、もっと毅然とすればいいのに、と思ってしまうのは私が若いせいなのか、それとも時代のせいなのか。
    確かに母は褒められた性格ではないのだけど、それでもどこか憎めない。

    人は誰しも、自分の思うままに生きたいと思うものだけど、それすなわち誰かを傷つけても構わないということになるのかもしれない。
    誰かを傷つけないように生きれば、自然自分がどこかで傷つかずにはいられない。
    母にも娘にも感情移入はせず、ただ親子の情愛の不思議さを思った。

    0
    2013年07月20日
  • 複合汚染

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    まだ米屋になりたての頃に、有機米を勧めて下さった方が、ぜひこの本も読みなさいと薦めてくれた本です。
    市川房江は祖母が交流がありましたし、若き日の菅直人が出てきたりするので、冒頭は小説気分で読んでいました。
    農産物の流通や生産者さんの取り組み等、非常に示唆に富んだ内容で、考えさせられる本でした。

    0
    2013年07月11日
  • 夕陽ヵ丘三号館

    Posted by ブクログ

    一流会社の社宅における人間関係のお話し。お中元の処理の仕方に時代を感じて面白い。

    時代背景は少し古いと感じるだろうけれど、人間の心理、人間関係の問題は今に通じる。
    人の噂、隣人との比較の中で、正しい価値判断ができなくなっていく主婦。
    現代におけるママ友や会社の女性同士の人間関係の悩みと同じだ。現代では、そこにブログやSNSなどネットからの情報も加わり混乱する。

    知らないことは知らないままでいいはずなのに。

    有吉佐和子が社会に問いかける作品では、ほのぼの感動する、切なく感動する、そういった方法をとらない。
    現実の人間の愚かさと醜さを表現しながら、いつの間にか「家族には何が大切なのか」そうい

    0
    2013年06月25日
  • 夕陽ヵ丘三号館

    Posted by ブクログ

    カラーテレビやらお受験やら、話が少し前のことなんだけど、古臭い感じがしないのが、有吉佐和子のすごいところ。世の中は日々変わるけど、人間の本質は変わらないんだろうなと感じる。狭いコミュニティの中で、自分がいかに上にいくか、心理戦が面白い。ちょっと辟易してくる部分もあるけど。

    0
    2013年04月12日
  • 芝桜(上)

    Posted by ブクログ

    冒頭から二人の少女の対比が鮮やか。ぐいぐいと引き込まれます。
    時代が違っても、まるで息遣いや、頬の産毛とかを感じさせるかのような精密な人物描写。一気に下巻へ

    0
    2013年01月01日
  • 一の糸

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    古めの本で表紙が異なる、人から借りた本。
    茜の人生はの波乱万丈で、悪く言えば近代版昼ドラのようなアウトライン。ただ、関東大震災、戦争など大正から昭和にかけて変動の時代であり、近代化へ進む日本の中で風習も変わり、充分起こりうるかと思った。その茜の波乱万丈の人生、心情が如実に描かれている。
    最初は入り込めなかったが、時代背景を捉えるとその茜の成長が伝わってきた。内容の濃い本である。
    「文楽」について、もっと知ってれば、さらに面白かったんだろうけど。

    0
    2013年01月01日