有吉佐和子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
今は、いつまでも独身でいる女性はたくさんいるし、それが別に恥ずかしいことでもなんでもないけど、終戦直後となると、そうもいかなかったのかなあと思いました。
でももし私がいま、仕事をしているけど独身だったら、この本を冷静に読めたかなあと思うと、怖い気がします。
今と終戦直後じゃ、だいぶ感覚は違うけど……。
文代やトモ子なんかは仕事を持ってるからこのまま独身でも大丈夫だけど、薫みたいに大学卒業後家事手伝いになって、そのまま結婚せず……って人は、その後どうするんだろう。
それにしても裕子。
初登場の頃から、「うわ、私こういう女絶対友達になりたくない」と思いましたが、最後の最後までやっぱりそんな感 -
Posted by ブクログ
有吉佐和子さん、2冊目。
面白かった。
女同士の関係の機微を描くのが上手な方だと思う。そして、花柳界のなんたるか、男のプライドなるものも垣間見せてくれる。
小さい頃に、家庭の事情で、芸妓の見習いとなった正子と蔦代。全く性格の違う二人。
如才がなさすぎて、どこかこすずるく、人から好感を持って受け入れられない蔦代に対して、同性からも信頼されて着実に芸の道を歩む正子。
一見、正子の方が好感を持って描かれるが、私は微妙。所詮は旦那に体を売る芸妓なのに、本妻として表通りを歩くことを目標としたりと中途半端な感じがしてしまう。
対して、確かに蔦代はそれこそ感じは悪い。。。というか猫のような性格。でも、 -
Posted by ブクログ
久しぶりに有吉佐和子さん。
造り酒屋の一人娘である茜は、甘やかされて育つ。
ある日父親と共に出掛けた文楽で、露沢清太郎の弾く三味線の音色に心を奪われる。
こうはじまる物語で、茜の清太郎への想いと芸一筋に生きる清太郎とを大正末期から戦中戦後にかけて描いている。
観たこともなく、正直それ程興味もない文楽。
日本の芸能の中でも歌舞伎や能や狂言などに比べ、文楽は余り知られていないのではないかと思う。
文楽とか浄瑠璃、義太夫など聞いたことはあるが、恥ずかしながら区別がつかない。そういう世界に生きるひとたちの物語でもあるが、そもそもわからない世界なので想像しづらい面はあった。
それでも知らない文楽の -
Posted by ブクログ
舞台小説でありミステリ小説であり。
けっこうな長編だけどぐいぐい読ませる力があって一気に読んだ。
「二億円用意しろ。さもなくば大詰めで女優を撃ち殺す」という一本の電話が帝劇関係者に激震を起こす。
満員の観客が見守る中舞台は進み、バックステージでは緊迫した駆け引きが繰り広げられる。
全26章、章ごとに視点は変化してゆくのだけど、主にミステリ作家でひょんなことから舞台の演出を手掛けることになった渡紳一郎の視点で物語は進む。
著者の有吉佐和子さんは演劇界にも明るい方だったらしく、華やかな舞台の世界の裏側も事細かく描かれていて、主演の八重垣光子の女優然とした姿が「これぞまさに女優!」と思わせてくれ -
Posted by ブクログ
35年前の日本の問題がいま、隣国中国で起こっている。
先進諸国が安い原価を求めた為に、避けられない結果となってしまった。
この本は1979年に初版が発行され、今でも読み続けられているのは、作者の知名度はもちろんの事ながら、徹底した取材による細かなデータに併せて、生産者とのインタビューを盛り込んだ読み易い口語で書かれているからだと思う。
日本の食品産業界の歴史が第二次世界大戦での敗戦によって、それ以前の歴史からぶつ切りになりながら進んできた事がわかる。
アメリカから持ち込まれた価値観が政治を巻き込んで、生産者から末端までを汚染して行った。
そして気がつくと、食品だけではなく、モラルや慣習、考え方 -
Posted by ブクログ
我儘な一人娘、茜が文楽三味線弾きの清太郎(徳兵衛)に惚れ、彼の後添えになり、彼の芸を支え見守った話。
あるいは、茜の目から見た三味線弾き露沢徳兵衛の生涯。
茜は自分の思いを募らせ暴走、清太郎は三味線馬鹿で女癖が悪い。初めはこの話を読み終えるのは無理かもしれないと思ったけれども、関東大震災、家族の問題、文楽のことなど色々なことが詰まっていて、引き込まれてしまった。
三浦しをんさんの解説も嬉しかった。
有吉佐和子さんは学生時代に課題図書で「複合汚染」を読んで苦手意識を持ったのであまり気は進まなかったのですが、また読んでみたい。
そういえばこれは大正七年頃から昭和の戦後にかけての話で、今、放送