有吉佐和子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
こういう女って、確かにいるな…
読んでいるうちに、蔦代のことがオゾましく、どんどん不気味に思えてくる。
この話の主人公は、むしろ正子よりも蔦代なのかもしれない。
蔦代は、「正子には常に劣っている」という劣等感が、おそらく自分でも気付かぬうちに、正子への足手まといを、自分に演じさせている。
しかし、蔦代の腹黒い感情など、作品には全く登場しない。
むしろ、限りなく純粋で、情に厚そうなのである。
しかしこの蔦代という女、自分の欲望に限りなく純粋がゆえ、そのためには手段を選ばない。
それが悪であることにすら、気付かない。
女の純粋こそ最も始末が悪く、残酷なのだ。
…と -
Posted by ブクログ
1970年毎日新聞にて連載→71年ドラマ化らしい。
有吉佐和子に詳しい友人のすすめで読む。
女って怖いな、という感想を抱かせるために作られたのかなと思うほど、おえー、と疲れる一冊だった。
有吉氏はなんでこんなに団地族の教育ママに厳しいの?と思ったけど、まあ70年代高度成長期ではこんな世界が話題になっていたのだなと思った。
夫はハードワークで不在がち、一家では子供の数も少なくなり、家電の普及で妻は手持ち無沙汰になり、近所ではくだらないお喋り、子供や夫の成績でレースしては牽制し合い、小人閑居して不善を為す…?という話。
当時の日本の都会のあり方がわかってきて面白い。
それにしても、すべては家庭の -
Posted by ブクログ
ネタバレこの本を面白いと言える人間でありたい、と思う。
今から50年近く前に書かれていながら、今なお不朽の名作として語り継がれる本書。
名もない陶芸家が作った素晴らしい青磁の壺が、色々な人の手を渡り旅をする中で、各人の姿やその感情を映していく、というあらすじになっている。
青磁の壺は決して物語の中心にはならず、人間ドラマを隅から眺めている、というような印象を受けた。
壺により、緩やかな紐帯を持った人々の人生が13章に渡って繰り広げられている。
▶ ︎変わりゆくもの、変わらないもの
物語は1970年代、戦争から高度経済成長期を経て人々が自分たちの生活を取り戻しつつあった時代に展開されている。私が若