有吉佐和子のレビュー一覧
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ネタバレ共働きの夫婦が認知症という言葉もまだない時代に自宅介護をして看取るまでを描いた作品。
登場人物の考え方にはさすがに時代を感じたが、老人ホーム等の施設に簡単には入れないというところは変わっていない。今の時代に家でお世話するのが本人にとって一番幸せだなんて福祉関係者が家族に言おうもんなら訴えられそう。
旦那さんはほとんど何もしないのに一人で頑張るお嫁さんは本当にすごい。普通なら夫婦関係もっと悪化しそう。
割と早めにおじいちゃんがなくなったから自宅介護でなんとかなったけどこれがもっと長引いて更に状況が悪化したらと考えると本当に地獄だと思う。自分が認知症になって何も解らなくなったらと思うと、尊厳死とか -
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青い壺の誕生から始まり、その後、さまざまな人の手に渡っていく。
関連した人々の日常が描かれており、壺そのものが物語の中心というよりは、生活の中にふと姿を見せる存在として扱われている。
13の連作短編を通して、高齢者の在り方や、高齢者と子ども、孫世代、兄嫁といった家族の関係性が一つのテーマになっているように感じた。
どの話も淡々と日常が進んでいくが、そのなかで家族の摩擦や、本音を飲み込んだ距離感、年齢を重ねることへの諦めや執着が静かに浮かび上がってくる。
壺が、登場人物それぞれの心情や関係性の揺らぎを照らし出すきっかけになっているのが印象的だった。 -
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昭和51年から52年にかけて発表された作品。時代背景は昭和の後半。時々戦時中の思い出話も混じる。家族のあり方や夫婦の会話に古さを感じ、なぜこの作品が今読まれるのか不思議であった。が、最後まで読むと、タイトルでもある青い壺に関わった人々の人生を覗き見たような、登場人物たちの価値観を突きつけられたような感覚が起こった。人の評価と自分自身の評価は一致せず、思いもかけない出来事が起こることもあれば、ささやかな毎日が幸せをつれてくることもある。でも、生きていると、心の中にコブや穴をつくり、それを削ったり埋めたりしていくんだなあと思った。なにで埋めるかはその人次第、削るかさらに増やすかも。割り切れない、そ
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時は戦後間もない昭和中期。新劇の女王、森江耀子の前に突然、若い頃に生き別れた娘が現れた。顔も佇まいも母親と瓜二つ。田舎で祖母に育てられたとは思えないほどの垢抜けた美しさだ。母親に憧れて自分も女優になるという。その感動のご対面をカメラに収めようと、楽屋にマスコミが詰めかけた。なんてことない話を母親の視点から、娘の視点から何度も何度も繰り返し説明して長編にしている。ご対面部分だけで上巻の半分まで引っ張っているのだから、ちょっと退屈になってくるんですよねー。
母親の恋人を娘が好きになるところから話は面白くなるが、それでも大きな進展はない。しかし、母親と娘の微妙な心の動き。好きなんだけど相容れない複 -
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紀ノ川、奈良県では吉野と呼ばれる川が、和歌山に入ると紀ノ川と呼ばれ、有田川の北を走って和歌山湾に流れ込む。
紀ノ川沿いの九度山で、旧家に生まれ祖母に躾けられた花が、名家に相応しくお金と時間をかけて、しきたりにのっとった結婚の儀式を行うところから話が始まる。それはもう本当の話なのかと疑いたくなるほどの異様な式だ。川の流れに逆らってはいけないということで下流へ嫁に行く、というところまでは受け入れられるが、五艘の船に信頼縁者が乗り込み、その下流の六十谷(むそた)まで、途中何件かの旧家で休息を取りながら一日かけてゆっくりと下っていく、とか、披露宴は男しか入れないとか、結婚式まで二人はほとんど顔も合わ