有吉佐和子のレビュー一覧
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こういう女って、確かにいるな…
読んでいるうちに、蔦代のことがオゾましく、どんどん不気味に思えてくる。
この話の主人公は、むしろ正子よりも蔦代なのかもしれない。
蔦代は、「正子には常に劣っている」という劣等感が、おそらく自分でも気付かぬうちに、正子への足手まといを、自分に演じさせている。
しかし、蔦代の腹黒い感情など、作品には全く登場しない。
むしろ、限りなく純粋で、情に厚そうなのである。
しかしこの蔦代という女、自分の欲望に限りなく純粋がゆえ、そのためには手段を選ばない。
それが悪であることにすら、気付かない。
女の純粋こそ最も始末が悪く、残酷なのだ。
…と -
Posted by ブクログ
中盤からの展開がぶっ飛んでいて、有吉さんっぽくなかったかも・・・。
途中までは、お峰夫婦の慎ましさや仲の良さが大好きでほんわか読んでいたけど、叔母さんがよく来るようになってからは雲行きが怪しくなり、あれよあれよの展開になった。
そんなに得心もいかないし、ええ話やとも思わなかったけど、まぁ確かに読み物としては面白かった。
終盤の怒涛の大奥、将軍家、老中の事情ペラペーラの部分も、畳み掛けるような筆致に何かこちらも焦らされた。
これ、東京宝塚劇場で舞台化されて、有吉佐和子さんご本人が脚本も書いた、ってことを知って、なんかまたご縁があるなって勝手に思って嬉しくなった。でも宝塚なのに男性も出ていたよ -
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小説かと思ったが、ほぼノンフィクションではないかと…
ただただ自分が生まれる前にこれだけ危険な化学物質が垂れ流されていたのかと思うと…
我々の親世代はこんな危険な物を口にしていたのか…
それは我々にも…
自分の身は自分で守らなければならないと。
50年前にこれを書いていたことにも驚かされる。
いまのようにネットで簡単に調べられない時代に。
その取材力にも驚かされる。
本田宗一郎氏に直接話を聞きに行くなんて…
でも50年前から政治は変わっていないんだな…
自民党と企業の関係は。
政治資金規正法、変わっていない…
結局、選挙はどうなったんだろう…
小説だったら、もっとおもしろかったのでは -
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1964年、筆者がニューヨークに留学した頃のアメリカを描いた作品。
令和の今読んでも、まったく古臭くなく時にユーモアを感じさせる描写もあり飽きずに読み進めることが出来た。
差別は肌の色ではない、階級によるもの。時代が変わっても尚、人間の本質は変わらない。
p325
金持ちは貧乏人を軽んじ、頭のいいものは悪い人間を馬鹿にし、逼塞して暮らす人は昔の系図を展げて世間の成り上がりを罵倒する。要領の悪い男は才子を薄っぺらだと言い、美人は不器量ものを憐み、インテリは学歴のないものを軽蔑する。人間は誰でも自分よりなんらかの形で以下のものを設定し、それによって自分をより優れていると思いたいのではないか。そ -
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有吉佐和子の長篇ミステリ作品『開幕ベルは華やかに』を読みました。
有吉佐和子の作品は約8年前に読んだ『悪女について』以来なので久しぶりですね。
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二億円用意しろ。
さもなくば大詰めで女優を殺す。
大ベストセラー作家の遺作、伝説の絶頂エンタテインメント!
突然の降板を宣言した有名劇作家に代わり、帝国劇場の急場を救うことになった演出家・渡紳一郎。
元妻で脚本家の小野寺ハルと共に土壇場で作り上げた舞台は、大女優らの名演で大入りが続く。
だが一本の怪電話で事態は一変。
「二億円用意しろ。さもなくば大詰めで女優を殺す」。
舞台の裏で絡み合う愛憎劇、そして -
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ネタバレ共働きの夫婦が認知症という言葉もまだない時代に自宅介護をして看取るまでを描いた作品。
登場人物の考え方にはさすがに時代を感じたが、老人ホーム等の施設に簡単には入れないというところは変わっていない。今の時代に家でお世話するのが本人にとって一番幸せだなんて福祉関係者が家族に言おうもんなら訴えられそう。
旦那さんはほとんど何もしないのに一人で頑張るお嫁さんは本当にすごい。普通なら夫婦関係もっと悪化しそう。
割と早めにおじいちゃんがなくなったから自宅介護でなんとかなったけどこれがもっと長引いて更に状況が悪化したらと考えると本当に地獄だと思う。自分が認知症になって何も解らなくなったらと思うと、尊厳死とか