有吉佐和子のレビュー一覧

  • 非色

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    差別された側でも、平気で差別する側になるし、気づかぬうちに差別してることもあるし、優位性とか優越感はどうしようもない性なのかと、ぐるぐるした

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    2025年08月27日
  • 夕陽ヵ丘三号館

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    昭和の社宅事情のお話。
    一流企業といわれる伊沢商事の大阪支店から東京支店に夫が転勤になった音子は、元々 東京生まれのため、喜んでいた。
    大阪でも社宅住まいだったが、建物が古く色々と難儀した。
    また、大阪の雰囲気も音子には合わず馴染めなかった。
    東京の社宅は新しく建ったばかりで快適だった。
    でも、人間関係はどこでも同じ。
    社宅は夫の仕事の関係等で、妻同士も気を遣うし、噂もあっという間に尾ひれがついて拡がっていくのだから、おそろしや…
    しかも、音子は息子に対しても過保護なところがあって、要領もいまいち良くなく、危なかしい。
    なので、社宅のいざこざに巻き込まれてしまうのだ。
    それにしても、今も昔も女

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    2025年08月25日
  • 恍惚の人

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    ネタバレ

    小説というより事実が淡々と描かれているという印象だった。
    いじめられた舅の介護なんて絶対にしたくないと思うが、その心境の変化が興味深い。

    楽になったと思ってもそこからまた新たな問題が湧き出してくる...
    働くこと、介護すること、女性とは...
    色々と考えさせられ、またなにも理解できてなかったと思い知らされた。

    母に読ませてしまったけど、どんな風に感じたかな?
    読ませるべきでなかったか...

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    2025年08月17日
  • 紀ノ川

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    明治大正昭和に生きた女4人の人生が描かれている。
    家への執着。伝統への反発。そして時代は変わっていく。

    いざとなって頼るのは男の実家ではなくて女の実家…
    この言葉印象深い。

    「死んだ家」の土台だったそうです。

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    2025年08月13日
  • 悪女について

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    富小路公子という女性が謎の死を遂げた。
    彼女は若くして実業家となり、とにかく宝石や花といった美しいものが好きだった。
    ただ彼女の死因は、自殺だったのか、事故か殺人か…
    死因だけではない謎が彼女には多すぎた。
    そんな彼女に関わったことがある人物へのインタビューで話は進む。
    彼女は本当に善人だったという人もいれば、あんなに酷い女はいないと憤慨する人もいる。
    多くの人が彼女の思うままだったのではないか…
    こういう女が一番恐ろしいのかもしれない…

    2025.8.10

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    2025年08月10日
  • 悪女について

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    古書購入

    富小路公子について、さまざまな人が多面的に語る。
    面白い!
    まああ、、、が、口癖になってしまいそうになる。

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    2025年08月08日
  • 女二人のニューギニア

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    著名作家の著者が同じく和歌山出身の同年の友人・人類学者の畑中幸子氏を訪ねてニューギニアを訪問したのは1968年3月からの約1月。想像を絶するような過酷な環境で悪戦苦闘する有吉さん、それを現地に親しんでいる畑中氏が叱咤激励しながらジャングルを歩き、現地のネイティブと交流している姿が微笑ましい。著者の文体がウィットに富んでいて、こんなに楽しい文章を書く人なのかと意外だった。現地人のほとんど全裸の様子、西洋文化に少し触れていた部族と、全く初めての部族の間の侮蔑の様子、大蛇を美味しいと言って食べざるを得ず、畑中氏にゲテモノ好きとして呆れられる著者!実はゲテモノを食べるしかなかったようなのだが。現地人に

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    2025年07月29日
  • 女二人のニューギニア

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    今から60年ほど前に、友達の「良いところだからおいでよ」の一言でほぼ下調べもせずにニューギニアに行った女の人がおったなんて。

    まず空港からその友達の住む集落に到着するまでの道中が茨の道。到着してからももちろんそれ以上に色々あり、想像をだいぶ上回る未開の地に来てしまって大後悔する主人公に笑える。

    ちなみに主人公以上にすごいのがこの現地済みの友達(文化人類学者)。バイタリティどうなってんの。

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    2025年07月19日
  • 恍惚の人

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    昭和47年に刊行されたという本作
    もう50年以上前に書かれているというのに現在にも続く少子高齢化、老人福祉政策の問題にびっくりする

    敷地内同居をする義母が亡くなり、残された義父の老人性痴呆に気付いたところから物語が始まる

    主人公の昭子は当時においては少なかったであろうフルタイム勤務
    子どもは高校2年生で受験を控えている
    夫は父親の老いた姿を自分と重ね合わせ、目を背ける

    そんな中、ボケる前には昭子を虐められていた義父茂蔵を介護することになった

    この時代、夫は何もしないものであり、労いの言葉さえもなく女が全てを背負うのが当然という雰囲気
    専業主婦が多かったのでそういう風潮だったのだろう

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    2025年07月15日
  • 悪女について

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    サスペンスと言っていいか、著者はこんな小説も書くのかと驚き。主人公はすでに死に登場しない。周囲の27人のインタビューから構成。付き合いの程度、その人の個性が主人公の実像を歪めおもしろい。生まれの環境が悪かったのにぐれずにどこで覚えたか上品な受け答えができたのか疑問。死因は最後の証言が信用できそうかな。2025.7.9

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    2025年07月09日
  • 悪女について

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    富小路に出会うはずもない読み手側も、彼女と親交を重ね振り回されてきた登場人物と共に富小路の巧妙な話術と立ち振舞いに振り回される感覚

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    2025年07月08日
  • 挿絵の女 単行本未収録作品集

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    短編六編の作品集。
    中でも閻魔大王が出てくる崔敏殻が面白かった。
    現代ではなかなか使われなくなった言葉も風情も新鮮に感じられるのは筆者の魅力なのだとおもいます。

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    2025年07月07日
  • 夕陽ヵ丘三号館

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    おそらく1975年前後の東京の有名商社の社宅に住む奥さまの話

    2012年に新装版がでた時に読んで今回は再読
    その時に読んだ時は面白く感じたけど、今回読むと社宅での人間関係の煩わしさが今の時代からみるとある意味ゾッとする。

    俯瞰してみると、夫人たちが自身の虚栄心に振りまわされているのは滑稽であるけど、当時の日本の急激な経済成長に従って、文化的な生活を与えられた主婦たちはこのようなものだったんだと改めて思った。

    そして、有吉佐和子はその女性とその内面を描くことが巧みだと感じた。

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    2025年06月26日
  • 悪女について

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    『青い壺』が面白かったので、今作品も読んでみました。主人公(富小路公子=鈴木君子)は出てこないで、関わりのあった27人から聞くインタビュー形式の小説。

    ある人には悪女、ある人には良い人。
    『一度きりの人生なのだから美しいものだけを見て生きたい』清く正しくが好きな君子。

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    ■"27人視点の君子"の話は少し多すぎな感じがしたけど、それぞれ読んで思ったのは、
    ・社会でうまく立ち回れるように知識をつける
    ・肉体関係を求めた男には悪女となっている
    ・利用価値がある人に近づくのがうまい
    ・自身の人生で美しくない所は修正してしまう

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    2025年06月12日
  • 女二人のニューギニア

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    文化人類学者で友人の畑中幸子が住むニューギニアの奥地を訪ねた滞在記。想像を絶する出来事の連続と抱腹絶倒の二人の丁々発止。
    自分が生まれる前に書かれた話なんだけど全然文章が古くなくて死ぬほど面白い。笑って済ませられないレベルのことも多々起こるんだけど(よく生きて帰ってきたなあ、とか帰国後のマラリアのくだりもびっくりした)、それをネタに一冊書いてしまうんだから作家魂ってすごい。今はさすがに全く同じということはないんだろうけど、日本ではおとなしい畑中さんがキャラが変わって現地でのフィールドワークに命を懸けている描写にもがつんときた。これだけの情熱を傾けられる学者さんってすごい。こういう人に十分な資金

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    2025年05月25日
  • 悪女について

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    不審な死を遂げた鈴木君子について27人の視点で時系列もばらばらに描かれる

    君子視点がないため、読者は27人の情報から【鈴木君子】の存在を形作ることになる。
    君子を天使や女神のように考えるものもいれば、それこそ悪女や鬼のように考える人もいる

    おもしろいのはこの27人も、本人が主張する内容(例えばAは自分は仕事はまじめにやっていたと主張)とべつの章の他者からの印象(Bは、Aは仕事を他人に押し付けていると思っている)のように食い違いがあること

    よく言われることだけど、事実は1つしかないけど真実は人の数だけ存在する、ということを体現した作品。

    鈴木君子に大して、自分がどう形作るかで読み方が変わ

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    2025年05月18日
  • 有吉佐和子ベスト・エッセイ

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    装丁の女性、凛として作者のイメージにぴったり。
    解説で書かれていたように、エッセイ集は少なかったとは。

    「女二人のニューギニア」は衝撃的だったけれど、これを読むとなるほどと思わせる片鱗がところどころに。
    やはり、海外で育ったおおらかさが根底にあるのだろうか。

    さてさて、これから少しずつ小説を紐解いていこうと思う。

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    2025年04月22日
  • 紀ノ川

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    和歌山の旧家を舞台に明治から昭和にかけて四世代の女性を通して時代による価値観の移り変わりを描いた作品。
    力作であることは間違いないが、庶民感覚とはあまりにかけ離れた大地主一家の価値観がそのまま時代を表しているとは決して思えず、そのせいで素直に読めなかったところが残念です。

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    2025年04月02日
  • 有吉佐和子ベスト・エッセイ

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    「悪女について」は大好きな小説でしたが、作者の有吉佐和子のことを何も知りませんでした。

    この本を読み、海外生活が長かったことや、どうやって文学の道へ進んだのかも知りました。
    家族や友人の話、食べ物の話…有吉佐和子という作家を垣間見れる素晴らしいエッセイ。

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    2025年03月25日
  • 恍惚の人

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    人ごとではない話。でも、あまり自分ごととして考えたくない話でもあった。老人介護、これからの高齢社会をみんなでどうしたらいいのか考えていろんな人が生きやすい世の中になったらいいけれど…。

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    2025年03月02日