有吉佐和子のレビュー一覧
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ネタバレこの本を面白いと言える人間でありたい、と思う。
今から50年近く前に書かれていながら、今なお不朽の名作として語り継がれる本書。
名もない陶芸家が作った素晴らしい青磁の壺が、色々な人の手を渡り旅をする中で、各人の姿やその感情を映していく、というあらすじになっている。
青磁の壺は決して物語の中心にはならず、人間ドラマを隅から眺めている、というような印象を受けた。
壺により、緩やかな紐帯を持った人々の人生が13章に渡って繰り広げられている。
▶ ︎変わりゆくもの、変わらないもの
物語は1970年代、戦争から高度経済成長期を経て人々が自分たちの生活を取り戻しつつあった時代に展開されている。私が若 -
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1950年代、アメリカ公演の依頼が東京の花街(たぶん赤坂)に舞い込み、謎のイタリア系米国人フランチョリーニに振り回され、根回しや資金繰りに奔走するお姐さん衆を描く。
フランチョリーニの秘書として、能村勢子(せいこ)が通訳などしているのだが、1954〜1956年に「アヅマ・カブキ」という日本舞踊の海外公演の通信係として、有吉佐和子が同行しており、その時に見聞したことをもとにこの小説を書いたものらしい。
それ故、当時の花柳界の風俗が、丸の内のOLである勢子やその男友達の目を通して書かれたりしており、興味深い。
花街では常識であるところが、素人の目から見ると違和感があるなど。
令和の今は、ほとん -
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中盤からの展開がぶっ飛んでいて、有吉さんっぽくなかったかも・・・。
途中までは、お峰夫婦の慎ましさや仲の良さが大好きでほんわか読んでいたけど、叔母さんがよく来るようになってからは雲行きが怪しくなり、あれよあれよの展開になった。
そんなに得心もいかないし、ええ話やとも思わなかったけど、まぁ確かに読み物としては面白かった。
終盤の怒涛の大奥、将軍家、老中の事情ペラペーラの部分も、畳み掛けるような筆致に何かこちらも焦らされた。
これ、東京宝塚劇場で舞台化されて、有吉佐和子さんご本人が脚本も書いた、ってことを知って、なんかまたご縁があるなって勝手に思って嬉しくなった。でも宝塚なのに男性も出ていたよ -
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小説かと思ったが、ほぼノンフィクションではないかと…
ただただ自分が生まれる前にこれだけ危険な化学物質が垂れ流されていたのかと思うと…
我々の親世代はこんな危険な物を口にしていたのか…
それは我々にも…
自分の身は自分で守らなければならないと。
50年前にこれを書いていたことにも驚かされる。
いまのようにネットで簡単に調べられない時代に。
その取材力にも驚かされる。
本田宗一郎氏に直接話を聞きに行くなんて…
でも50年前から政治は変わっていないんだな…
自民党と企業の関係は。
政治資金規正法、変わっていない…
結局、選挙はどうなったんだろう…
小説だったら、もっとおもしろかったのでは -
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1964年、筆者がニューヨークに留学した頃のアメリカを描いた作品。
令和の今読んでも、まったく古臭くなく時にユーモアを感じさせる描写もあり飽きずに読み進めることが出来た。
差別は肌の色ではない、階級によるもの。時代が変わっても尚、人間の本質は変わらない。
p325
金持ちは貧乏人を軽んじ、頭のいいものは悪い人間を馬鹿にし、逼塞して暮らす人は昔の系図を展げて世間の成り上がりを罵倒する。要領の悪い男は才子を薄っぺらだと言い、美人は不器量ものを憐み、インテリは学歴のないものを軽蔑する。人間は誰でも自分よりなんらかの形で以下のものを設定し、それによって自分をより優れていると思いたいのではないか。そ -
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有吉佐和子の長篇ミステリ作品『開幕ベルは華やかに』を読みました。
有吉佐和子の作品は約8年前に読んだ『悪女について』以来なので久しぶりですね。
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二億円用意しろ。
さもなくば大詰めで女優を殺す。
大ベストセラー作家の遺作、伝説の絶頂エンタテインメント!
突然の降板を宣言した有名劇作家に代わり、帝国劇場の急場を救うことになった演出家・渡紳一郎。
元妻で脚本家の小野寺ハルと共に土壇場で作り上げた舞台は、大女優らの名演で大入りが続く。
だが一本の怪電話で事態は一変。
「二億円用意しろ。さもなくば大詰めで女優を殺す」。
舞台の裏で絡み合う愛憎劇、そして