有吉佐和子のレビュー一覧

  • 複合汚染

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    人類の拡大が速過ぎて噴出する問題に対応し切れない、今の温暖化対策はデジャブなのかも、この時代を実際に生きた人からすると。
    そうするとどこか日本の野党的な騒ぎ立てにも見えなくない本作はもしかすると理想論に過ぎる可能性もなくはなく。
    こういう立場は絶対必要だけど、そこに折り合いを付ける人たちがいてこそ価値があるので、うーむ、簡単な話ではないかと思われ。

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    2024年02月07日
  • 挿絵の女 単行本未収録作品集

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    単行本未収録作品集であり短篇集だ。『指輪』はミステリー作品ともいえる恐ろしさがあった。また、『秋扇抄』では盛りを過ぎた芸妓の哀愁と、作品に賭ける呉服屋の凄まじいまでの情熱が表現されており圧巻。

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    2023年12月03日
  • 新装版 和宮様御留

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    ネタバレ

    斉藤由貴さんのドラマの後味は今も覚えている。それはあとがきの“国家の大義のために犠牲になった無力な人々”を初めて意識したショックだったのか。
    溌剌とした婢の少女が何も知らされぬまま和宮の身代わりとして自由のない衆人環視の窮屈な貴人の人生に押し込まれ疲弊していく様に沈痛になる一方で今は、和宮東下に不本意に巻き込まれた庭田嗣子や能登の苛立ち、娘を守りたい観行院の母としての気持ちもわかるから何とも複雑。
    フキと宇多絵の入れ替わりの辺から、それまで唯一優しく“宮さん”を見守ってきた少進に心がザワザワして仕方なかった。

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    2023年07月03日
  • 更紗夫人

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    1962年の作品。古い感じなく読むことが出来ました。想定していた結末とは違ってなかなか面白かった。「色止め」をどの様に解決したのか?と最後の解説にあったが、まさにその通り。

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    2023年06月10日
  • 挿絵の女 単行本未収録作品集

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    ネタバレ

    (内容紹介)
     記憶を失った挿絵画家が描く女は誰なのか、揺れる心理を描く「挿絵の女」、代表作『紀ノ川』のもととなった「死んだ家」、日本舞踊家の生き様「鬼の腕」等、珠玉の単行本未収録6編。

    (収録作)
    挿絵の女(1959年7月)
    指輪(1958年7月)
    死んだ家(1958年5月)
    崔敏殼(1963年1月)
    秋扇抄(1966年9月)
    鬼の腕(1964年5月)

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    2023年06月01日
  • 不信のとき(下)

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    オチの強烈さというより、結局子供の父親が誰か分からんということの方が男に対する激烈なほどの当てつけ。
    多分こういう感じの戦闘的な女性作家はあんまり最近見かけないし、何より種の存続ということに対する強烈な自負心がすごい。そのエネルギーがこの小説を書かせているとさえ思います。

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    2023年05月05日
  • 紀ノ川

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    三代に渡る女性の人生を描いた作品。戦後を迎え、封建的な一族も衰退し没落していく様子は残念でならなかった。
    そしてこの一族の女性たちは皆強く逞しいことにも胸を打たれた。男尊女卑が残る時代においても男を黙らせるほどの女性の行動力、発言力には読んでいて惹かれる部分もあった。

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    2023年04月01日
  • 夕陽ヵ丘三号館

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    一般の主婦の日常。電化製品が出回りだし、家事が簡単になったがその分時間が空いて社宅での付き合いに右往左往する。
    できる女性を読んでいただけに物足りなさを感じるが家の中だけが自分の世界ではこうなるんだろうなぁ
    今も昔も変わらないのが分かる。

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    2021年06月27日
  • 紀ノ川

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    ネタバレ


    古風で奥ゆかしく、強くて知的で、これぞまさに
    昔ながらの理想的な日本人女性!な花が主役の話。

    重要な人があっけなく亡くなるシーンが多くて
    えっ?この人も?と呆然とすることが多かった。
    こんなこと続いたら心折れるわ、って中でも
    たくましく美しく生きていく登場人物が魅力的でした。

    ただ、この時代を生きた女性の方々への尊敬の念はもちろんあるけど、自分がこの時代に産まれなくてよかった〜(女性に求められるものが多すぎるから)と正直思ってしまいました。

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    2021年05月29日
  • 有田川

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    主人公の千代が人懐っこい愛嬌のある面から、頑固で意地の悪い面まで、彼女の一代記を通して様々な面を見せてくれるのが面白かった。有田川の流れのように、穏やかに流れることもあれば、荒れ狂うこともある。人間の深みを見ることが出来た。

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    2020年10月02日
  • 夕陽ヵ丘三号館

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    社宅の事情。
    たぶん自分は関わることのない世界。夫の会社の社宅で、夫人方とのお付き合いノウハウ、子育てのこと、学校のことなど。なんにせよ良い教訓にもなる内容だった。
    相手には相手の事情があって、時にこちらが思うほど事は深刻でなくて、それを勝手な勘違いで空回りしてしまう言動。考え過ぎずポジティブに、笑顔でスマートに生き抜きたいもの。

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    2019年08月15日
  • 夕陽ヵ丘三号館

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    団地のドロドロ!とにかく口は災いの元である。私もこれから親になるけど、子供の進路、夫の仕事の話はご法度だと思った。嫉妬って怖い。

    男の子の子育てって難しそう。性のこととかあんまり学校のことはなさなかったりとか。男親を頼ったり、見て見ぬ振りっていうのも大事だなぁ。

    読んでるだけで疲れた。

    もらったお中元をデパートで変えてもらったり横流しなんてことが…と社会的背景も面白く読んだ。

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    2018年12月30日
  • 新装版 和宮様御留

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    ネタバレ

    有吉佐和子さんは、好きな作家の一人である。
    読んだことはないが、公害問題を扱った作品や、そのうち読もうと思っている実在の外科医華岡青洲などの作品も書かれているので、事実の調べについてもしっかりとされているのだろうけれど、そういった系統の作品は読むのは初めてでした。

    徳川家に降嫁した和宮が偽物であったと云う大胆な説を展開されているようで、当時は大分と話題になった本らしいです。

    その仮説のダイナミックさはさすがとは思いますが、最初からその仮説が推測されるので、どうなるの?というドキドキ感がないのと、他の作品に比べて、身代りにされる主人公のふきが不条理に不幸でかわいそうな気がしたので★3つ。

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    2017年07月02日
  • 複合汚染

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    ネタバレ

    だいぶ前の本であるので、現代ではもう少し進歩があるのかもしれない。
    最近話題の「ねばねば石鹸」の前身(?)が提案されていた。(我が家でも使っている)
    ただ、洗濯石鹸についての部分で、「お母さんを甘やかさないで~」というような記述が見られる。現代に生きる私からしてみれば、少々強い言い方で、がっかりした。夜に石鹸液に洗濯物をつけておいて、朝に洗えばいいとのことだが、なかなか難しいことである。

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    2017年03月14日
  • 断弦

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    地唄に収められている有吉佐和子のデビュー作である「地唄」を第二章とした話。

    この「地唄」が彼女を有名にするきっかけとなった作品とのことだけれど、地唄含め、それを含むこの長編も、私の中では有吉佐和子さんのこれまで読んできた小説の中で一番面白くないと思う。
    テーマは分かる。伝統芸能の継承ということで、古いものを古いまま遺して行きたい派を時代にあうように改良を加え、古典芸能自体に世間からの注目を改めて向けさせる革新派とのどこの世界にでもある葛藤、師弟制度への疑問を投げかけているのだと思うのだけれど、他の作品と比べると、人の感情の動きが沈滞しており、全体によどみがかかった重い雰囲気である。

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    2016年08月31日
  • 不信のとき(下)

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    ネタバレ

    初読は女性のドロドロした内面が鼻についてしまったのですが、落ち着いて読み返すとどんでん返しも面白く読めました。
    ミステリーですね。

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    2015年11月18日
  • 不信のとき(下)

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    昭和時代に書かれたとは思えないほど、今の時代にも通じる話。男女の関係は今も昔も同じってことでしょうか。

    不倫する男に対する女性の復讐、それも非情な復讐ということで惹かれて読んだのですが、うーーーん、そこまで、でした。
    道子はいいと思うんです。
    ですが、なんで路子があそこまで偉そうになれるのか、話を大きくできるのか、よくわかりませんでした。ちょっとイライラ。

    浅井と小柳のおばかコンビは滑稽で、なんか憎めなかったです。私の関係者にいたら吹っ飛ばしますが。

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    2015年05月30日
  • 不信のとき(下)

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    怖いですね~。不倫がばれる修羅場ってこういうことなんですかね~。とつい気になって読んでしまいました。

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    2014年09月23日
  • 開幕ベルは華やかに

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    途中、第二幕のセリフを膨大にしたせいで、
    共演女優があたふたしたり、
    観客がトイレを必死に我慢した下りに思わず
    笑ってしまいました。
    芝桜の時も思ったけれど、登場人物のせりふの書き方で
    キャラを表現できている有吉佐和子はすごい。
    今回の八重垣光子の、演劇をやっていないときの、とぎれとぎれの話し方は特徴が出てました。

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    2014年08月29日
  • 芝桜(上)

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    津川家の正子と蔦代は対照的な性格ながらも、看板芸者と目されていた。 絢爛たる花柳界を舞台に二人の芸者の生き様を描く。

    途中までは正子の引き立て役である蔦代が不憫にも感じるのですが、中盤からはどんどん蔦代の存在感が増してきて、不気味に感じます。
    正子視点なので、基本的には彼女に感情移入しているのですが、上巻の最後では蔦代に戦慄しながらも、ちょっと返り咲いた蔦代にあっぱれと言ってあげたい。

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    2013年08月23日