有吉佐和子のレビュー一覧

  • 恍惚の人

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    昭和47年に刊行されたという本作
    もう50年以上前に書かれているというのに現在にも続く少子高齢化、老人福祉政策の問題にびっくりする

    敷地内同居をする義母が亡くなり、残された義父の老人性痴呆に気付いたところから物語が始まる

    主人公の昭子は当時においては少なかったであろうフルタイム勤務
    子どもは高校2年生で受験を控えている
    夫は父親の老いた姿を自分と重ね合わせ、目を背ける

    そんな中、ボケる前には昭子を虐められていた義父茂蔵を介護することになった

    この時代、夫は何もしないものであり、労いの言葉さえもなく女が全てを背負うのが当然という雰囲気
    専業主婦が多かったのでそういう風潮だったのだろう

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    2025年07月15日
  • 挿絵の女 単行本未収録作品集

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    短編六編の作品集。
    中でも閻魔大王が出てくる崔敏殻が面白かった。
    現代ではなかなか使われなくなった言葉も風情も新鮮に感じられるのは筆者の魅力なのだとおもいます。

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    2025年07月07日
  • 夕陽ヵ丘三号館

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    おそらく1975年前後の東京の有名商社の社宅に住む奥さまの話

    2012年に新装版がでた時に読んで今回は再読
    その時に読んだ時は面白く感じたけど、今回読むと社宅での人間関係の煩わしさが今の時代からみるとある意味ゾッとする。

    俯瞰してみると、夫人たちが自身の虚栄心に振りまわされているのは滑稽であるけど、当時の日本の急激な経済成長に従って、文化的な生活を与えられた主婦たちはこのようなものだったんだと改めて思った。

    そして、有吉佐和子はその女性とその内面を描くことが巧みだと感じた。

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    2025年06月26日
  • 女二人のニューギニア

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    文化人類学者で友人の畑中幸子が住むニューギニアの奥地を訪ねた滞在記。想像を絶する出来事の連続と抱腹絶倒の二人の丁々発止。
    自分が生まれる前に書かれた話なんだけど全然文章が古くなくて死ぬほど面白い。笑って済ませられないレベルのことも多々起こるんだけど(よく生きて帰ってきたなあ、とか帰国後のマラリアのくだりもびっくりした)、それをネタに一冊書いてしまうんだから作家魂ってすごい。今はさすがに全く同じということはないんだろうけど、日本ではおとなしい畑中さんがキャラが変わって現地でのフィールドワークに命を懸けている描写にもがつんときた。これだけの情熱を傾けられる学者さんってすごい。こういう人に十分な資金

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    2025年05月25日
  • 有吉佐和子ベスト・エッセイ

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    装丁の女性、凛として作者のイメージにぴったり。
    解説で書かれていたように、エッセイ集は少なかったとは。

    「女二人のニューギニア」は衝撃的だったけれど、これを読むとなるほどと思わせる片鱗がところどころに。
    やはり、海外で育ったおおらかさが根底にあるのだろうか。

    さてさて、これから少しずつ小説を紐解いていこうと思う。

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    2025年04月22日
  • 紀ノ川

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    和歌山の旧家を舞台に明治から昭和にかけて四世代の女性を通して時代による価値観の移り変わりを描いた作品。
    力作であることは間違いないが、庶民感覚とはあまりにかけ離れた大地主一家の価値観がそのまま時代を表しているとは決して思えず、そのせいで素直に読めなかったところが残念です。

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    2025年04月02日
  • 有吉佐和子ベスト・エッセイ

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    「悪女について」は大好きな小説でしたが、作者の有吉佐和子のことを何も知りませんでした。

    この本を読み、海外生活が長かったことや、どうやって文学の道へ進んだのかも知りました。
    家族や友人の話、食べ物の話…有吉佐和子という作家を垣間見れる素晴らしいエッセイ。

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    2025年03月25日
  • 恍惚の人

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    人ごとではない話。でも、あまり自分ごととして考えたくない話でもあった。老人介護、これからの高齢社会をみんなでどうしたらいいのか考えていろんな人が生きやすい世の中になったらいいけれど…。

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    2025年03月02日
  • 更紗夫人

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    更紗染めの未亡人のお話でした
    恋愛というか自然な流れか男との話を織り込みつつ
    でも話が短いのでその中でまとまっていた感じでした

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    2024年09月03日
  • 華岡青洲の妻

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    嫁姑関係にイライラ。ストーリーは面白いと思うが、最後まで誰にも共感できずに終わった。医療技術の進歩の裏には必ず犠牲となった先人がいる、という点には確かにはっとさせられた。

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    2024年07月19日
  • 紀ノ川

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    明治大正昭和を生きた紀州の女三代の話。豊乃、花、文緒、華子のタイプの違う女達の生き方に共感する部分反発したくなる部分が混ざり合い時代の移り変わりに心も揺れ動く。男尊女卑の中、強かに逞しく生きる姿に憧れを抱く。この一族に想いを馳せながら紀ノ川を見たくなる。

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    2024年05月23日
  • 複合汚染

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    人類の拡大が速過ぎて噴出する問題に対応し切れない、今の温暖化対策はデジャブなのかも、この時代を実際に生きた人からすると。
    そうするとどこか日本の野党的な騒ぎ立てにも見えなくない本作はもしかすると理想論に過ぎる可能性もなくはなく。
    こういう立場は絶対必要だけど、そこに折り合いを付ける人たちがいてこそ価値があるので、うーむ、簡単な話ではないかと思われ。

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    2024年02月07日
  • 挿絵の女 単行本未収録作品集

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    単行本未収録作品集であり短篇集だ。『指輪』はミステリー作品ともいえる恐ろしさがあった。また、『秋扇抄』では盛りを過ぎた芸妓の哀愁と、作品に賭ける呉服屋の凄まじいまでの情熱が表現されており圧巻。

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    2023年12月03日
  • 華岡青洲の妻

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    いくら創作と言っても、実存した家庭の内部をこんな風に書いてしまっていいのか?と、余計な心配をしてしまいました。それくらい、嫁姑の完璧な確執がドラマチックです。
    文体は古風だが、読みやすい。
    難しい単語に注釈が付いている本を久しぶりに読みました。スマホが出現してから辞書を開くことがなくなってしまったから、この注釈を読むのも面白かったです。

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    2023年09月20日
  • 新装版 和宮様御留

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    ネタバレ

    斉藤由貴さんのドラマの後味は今も覚えている。それはあとがきの“国家の大義のために犠牲になった無力な人々”を初めて意識したショックだったのか。
    溌剌とした婢の少女が何も知らされぬまま和宮の身代わりとして自由のない衆人環視の窮屈な貴人の人生に押し込まれ疲弊していく様に沈痛になる一方で今は、和宮東下に不本意に巻き込まれた庭田嗣子や能登の苛立ち、娘を守りたい観行院の母としての気持ちもわかるから何とも複雑。
    フキと宇多絵の入れ替わりの辺から、それまで唯一優しく“宮さん”を見守ってきた少進に心がザワザワして仕方なかった。

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    2023年07月03日
  • 更紗夫人

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    1962年の作品。古い感じなく読むことが出来ました。想定していた結末とは違ってなかなか面白かった。「色止め」をどの様に解決したのか?と最後の解説にあったが、まさにその通り。

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    2023年06月10日
  • 挿絵の女 単行本未収録作品集

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    ネタバレ

    (内容紹介)
     記憶を失った挿絵画家が描く女は誰なのか、揺れる心理を描く「挿絵の女」、代表作『紀ノ川』のもととなった「死んだ家」、日本舞踊家の生き様「鬼の腕」等、珠玉の単行本未収録6編。

    (収録作)
    挿絵の女(1959年7月)
    指輪(1958年7月)
    死んだ家(1958年5月)
    崔敏殼(1963年1月)
    秋扇抄(1966年9月)
    鬼の腕(1964年5月)

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    2023年06月01日
  • 不信のとき(下)

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    オチの強烈さというより、結局子供の父親が誰か分からんということの方が男に対する激烈なほどの当てつけ。
    多分こういう感じの戦闘的な女性作家はあんまり最近見かけないし、何より種の存続ということに対する強烈な自負心がすごい。そのエネルギーがこの小説を書かせているとさえ思います。

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    2023年05月05日
  • 紀ノ川

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    三代に渡る女性の人生を描いた作品。戦後を迎え、封建的な一族も衰退し没落していく様子は残念でならなかった。
    そしてこの一族の女性たちは皆強く逞しいことにも胸を打たれた。男尊女卑が残る時代においても男を黙らせるほどの女性の行動力、発言力には読んでいて惹かれる部分もあった。

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    2023年04月01日
  • 夕陽ヵ丘三号館

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    一般の主婦の日常。電化製品が出回りだし、家事が簡単になったがその分時間が空いて社宅での付き合いに右往左往する。
    できる女性を読んでいただけに物足りなさを感じるが家の中だけが自分の世界ではこうなるんだろうなぁ
    今も昔も変わらないのが分かる。

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    2021年06月27日