有吉佐和子のレビュー一覧

  • 恍惚の人

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    ネタバレ

    共働きの夫婦が認知症という言葉もまだない時代に自宅介護をして看取るまでを描いた作品。
    登場人物の考え方にはさすがに時代を感じたが、老人ホーム等の施設に簡単には入れないというところは変わっていない。今の時代に家でお世話するのが本人にとって一番幸せだなんて福祉関係者が家族に言おうもんなら訴えられそう。
    旦那さんはほとんど何もしないのに一人で頑張るお嫁さんは本当にすごい。普通なら夫婦関係もっと悪化しそう。
    割と早めにおじいちゃんがなくなったから自宅介護でなんとかなったけどこれがもっと長引いて更に状況が悪化したらと考えると本当に地獄だと思う。自分が認知症になって何も解らなくなったらと思うと、尊厳死とか

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    2025年12月18日
  • 華岡青洲の妻

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    嫁姑バトルの話だった。和歌山の青洲の里に行った時に案内の方が、「本読みました〜?あれは、ねぇ〜」って苦笑してたからかえって気になる本だったので読んでみた。有吉佐和子面白い。

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    2025年12月16日
  • 悪女について

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    はじめて読んだ有吉佐和子さん。
    インタビュー形式で様々な人から語られる富小路公子が悪女であったり、優しい淑女であったり、全く違うのが面白かった。
    真相は結局闇の中だけど、それが読者に色々想像させてまた良しなのかな。

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    2025年12月02日
  • 母子変容 下

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    時は戦後間もない昭和中期。新劇の女王、森江耀子の前に突然、若い頃に生き別れた娘が現れた。顔も佇まいも母親と瓜二つ。田舎で祖母に育てられたとは思えないほどの垢抜けた美しさだ。母親に憧れて自分も女優になるという。その感動のご対面をカメラに収めようと、楽屋にマスコミが詰めかけた。なんてことない話を母親の視点から、娘の視点から何度も何度も繰り返し説明して長編にしている。ご対面部分だけで上巻の半分まで引っ張っているのだから、ちょっと退屈になってくるんですよねー。
    母親の恋人を娘が好きになるところから話は面白くなるが、それでも大きな進展はない。しかし、母親と娘の微妙な心の動き。好きなんだけど相容れない複

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    2025年11月20日
  • 紀ノ川

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    紀ノ川、奈良県では吉野と呼ばれる川が、和歌山に入ると紀ノ川と呼ばれ、有田川の北を走って和歌山湾に流れ込む。
    紀ノ川沿いの九度山で、旧家に生まれ祖母に躾けられた花が、名家に相応しくお金と時間をかけて、しきたりにのっとった結婚の儀式を行うところから話が始まる。それはもう本当の話なのかと疑いたくなるほどの異様な式だ。川の流れに逆らってはいけないということで下流へ嫁に行く、というところまでは受け入れられるが、五艘の船に信頼縁者が乗り込み、その下流の六十谷(むそた)まで、途中何件かの旧家で休息を取りながら一日かけてゆっくりと下っていく、とか、披露宴は男しか入れないとか、結婚式まで二人はほとんど顔も合わ

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    2025年10月24日
  • 新装版 和宮様御留

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    有吉作品、今までハズレなしだったんだけど、さすがに本作はわたしには少し難しかった!開国直前の日本のことを知らなすぎ、京言葉がなかなか入ってこなかった。みんなが何を言っているのかさっぱりわからないままで公家に飲み込まれるフキの気持ちは、よくわかった。
    和宮様の生活、本当にこんなものだったら、確かに気が滅入るな。声も出せず、下の世話までされ、質素なごはんを少し食べるだけの生活…。
    歴史好きの人だったらもっと楽しめたはず。

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    2025年10月13日
  • 夕陽ヵ丘三号館

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    有吉佐和子さんブームに乗って「悪女について」以来久しぶりに有吉作品を読んでみました。

    エリート商社マンを夫に持つ音子。夫が大阪から東京に転勤となり、念願の新築社宅に入居。新しい暮らしに心躍るのものの社宅内での噂話、子どもの成績の優劣や進学などに振り回されていくお話です。

    家電が進化し「女が閑になった」と言われた時代。時間ができた専業主婦のエネルギーは子どもの教育問題へと向かっていきます。結果、音子は息子の一挙手一投足に一喜一憂するようになり、同じ社宅に住む主婦の言動にも被害妄想とも取れる反応を示し、時にヒステリックに泣いたりご近所を罵ったり。その様子には恐怖すら覚えました。
    個人的には音子

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    2025年10月08日
  • 有田川

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    紀伊半島の南西を走り、和歌山湾(淡路島の南島)に流れ込む有田川。その両岸には今もところどころでみかん畑が山肌を埋めている。
    時は明治の初め、有田川の上流からタンスの引き出しに乗せられ流れてきた女の子が御霊(ごりょう)の山持ちの家に拾われ大切に育てられた。が、自分が拾われた子だと知り、有田川の氾濫で川に流されたことをきっかけに家を離れ滝川原の蜜柑農家で面倒見てもらうことになった。それが千代10歳のこと。そこからは蜜柑一筋の人生を辿るが、赤ん坊だった妹の悠紀のことだけは忘れない。愛しい、会いたい、思いを募らせているうちにひょんなことから御霊の家で生存を知られ、父母が会いにきた。そこからまた交流が

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    2025年10月08日
  • 女二人のニューギニア

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    ニューギニア界隈は全くの未履修だから当時の詳しい事情は分からないけど、作者さんがまぁすっごい過酷な一ヶ月間を過ごされたということは分かった。
    友達に誘われてパッとニューギニア行きを即決できるのフッ軽が過ぎるし、そもそもそんな時代にパッと海外旅行(しかもニューギニアに)できるの、作者さんはなかなかの大物だったんだ。
    そしていざ現地に行ってみたら、未開社会の洗礼を浴びて恨みつらみを吐きたくなる気持ちはとてもよく分かる。自分なら(衛生観念的な理由で)頼まれても絶対マネできないわ…。
    これはもうとにかく畑中さんが凄すぎるということ。畑中さんのバイタリティどうなってるん?
    ところでこれ、ほぼ60年前のお

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    2025年09月15日
  • 乱舞

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    『連舞』の続編
    家元が交通事故で急逝。そこから話はいっきに跡目争いのお家騒動に移行してゆく。 あちこちで天一坊的なものが湧いて出て ひと昔前のサスペンスのようだ。
    秋子と千春の直接対決的なものを期待していたので正直少し残念だった。

    秋子は終盤 「私は変わったのではない、育ったのだ。」と自分に言いきかせているが、一番の要因は“梶川 月”の名跡を継いだことだと思う。 “月”の名跡が秋子を育てたのだ。
    それに比べて寿々と千春のなんと変わらないことか…。

    最後 このまま秋子のひとり勝ちで終わるのかと思いきや何もかも思い通りというわけにはいかなかった。

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    2025年08月30日
  • 挿絵の女 単行本未収録作品集

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    不可もなし、という感じ。
    可もな短編集だが、どの作品もそれなりには興味を持って読めたが、特別印象に残っていない。
    星は3つ。まさに平均レベル。

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    2025年08月27日
  • 非色

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    差別された側でも、平気で差別する側になるし、気づかぬうちに差別してることもあるし、優位性とか優越感はどうしようもない性なのかと、ぐるぐるした

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    2025年08月27日
  • 夕陽ヵ丘三号館

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    昭和の社宅事情のお話。
    一流企業といわれる伊沢商事の大阪支店から東京支店に夫が転勤になった音子は、元々 東京生まれのため、喜んでいた。
    大阪でも社宅住まいだったが、建物が古く色々と難儀した。
    また、大阪の雰囲気も音子には合わず馴染めなかった。
    東京の社宅は新しく建ったばかりで快適だった。
    でも、人間関係はどこでも同じ。
    社宅は夫の仕事の関係等で、妻同士も気を遣うし、噂もあっという間に尾ひれがついて拡がっていくのだから、おそろしや…
    しかも、音子は息子に対しても過保護なところがあって、要領もいまいち良くなく、危なかしい。
    なので、社宅のいざこざに巻き込まれてしまうのだ。
    それにしても、今も昔も女

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    2025年08月25日
  • 恍惚の人

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    ネタバレ

    小説というより事実が淡々と描かれているという印象だった。
    いじめられた舅の介護なんて絶対にしたくないと思うが、その心境の変化が興味深い。

    楽になったと思ってもそこからまた新たな問題が湧き出してくる...
    働くこと、介護すること、女性とは...
    色々と考えさせられ、またなにも理解できてなかったと思い知らされた。

    母に読ませてしまったけど、どんな風に感じたかな?
    読ませるべきでなかったか...

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    2025年08月17日
  • 紀ノ川

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    明治大正昭和に生きた女4人の人生が描かれている。
    家への執着。伝統への反発。そして時代は変わっていく。

    いざとなって頼るのは男の実家ではなくて女の実家…
    この言葉印象深い。

    「死んだ家」の土台だったそうです。

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    2025年08月13日
  • 女二人のニューギニア

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    著名作家の著者が同じく和歌山出身の同年の友人・人類学者の畑中幸子氏を訪ねてニューギニアを訪問したのは1968年3月からの約1月。想像を絶するような過酷な環境で悪戦苦闘する有吉さん、それを現地に親しんでいる畑中氏が叱咤激励しながらジャングルを歩き、現地のネイティブと交流している姿が微笑ましい。著者の文体がウィットに富んでいて、こんなに楽しい文章を書く人なのかと意外だった。現地人のほとんど全裸の様子、西洋文化に少し触れていた部族と、全く初めての部族の間の侮蔑の様子、大蛇を美味しいと言って食べざるを得ず、畑中氏にゲテモノ好きとして呆れられる著者!実はゲテモノを食べるしかなかったようなのだが。現地人に

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    2025年07月29日
  • 女二人のニューギニア

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    有吉さんで良かった S43年なんてネットも無いし、情報を得るのがとても難しい時代にこの体験をしていたとは…
    有吉さんでなければ現地に行かない(行けない)だろうし、文章も書けないだろう。そう思うと有吉さんで良かった。

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    2026年01月03日
  • 女二人のニューギニア

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    今から60年ほど前に、友達の「良いところだからおいでよ」の一言でほぼ下調べもせずにニューギニアに行った女の人がおったなんて。

    まず空港からその友達の住む集落に到着するまでの道中が茨の道。到着してからももちろんそれ以上に色々あり、想像をだいぶ上回る未開の地に来てしまって大後悔する主人公に笑える。

    ちなみに主人公以上にすごいのがこの現地済みの友達(文化人類学者)。バイタリティどうなってんの。

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    2025年07月19日
  • 恍惚の人

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    昭和47年に刊行されたという本作
    もう50年以上前に書かれているというのに現在にも続く少子高齢化、老人福祉政策の問題にびっくりする

    敷地内同居をする義母が亡くなり、残された義父の老人性痴呆に気付いたところから物語が始まる

    主人公の昭子は当時においては少なかったであろうフルタイム勤務
    子どもは高校2年生で受験を控えている
    夫は父親の老いた姿を自分と重ね合わせ、目を背ける

    そんな中、ボケる前には昭子を虐められていた義父茂蔵を介護することになった

    この時代、夫は何もしないものであり、労いの言葉さえもなく女が全てを背負うのが当然という雰囲気
    専業主婦が多かったのでそういう風潮だったのだろう

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    2025年07月15日
  • 挿絵の女 単行本未収録作品集

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    短編六編の作品集。
    中でも閻魔大王が出てくる崔敏殻が面白かった。
    現代ではなかなか使われなくなった言葉も風情も新鮮に感じられるのは筆者の魅力なのだとおもいます。

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    2025年07月07日