有吉佐和子のレビュー一覧

  • 紀ノ川

    Posted by ブクログ

    女三代期。戦後財閥解体を経て没落した一家を描く。紀の川上流の紀本家から嫁いだ花。花を旧世代だと批判する娘文緒。幼少期を外国で過ごした病弱な孫華子。それぞれの女の力強さを感じる。

    0
    2022年05月10日
  • 華岡青洲の妻

    Posted by ブクログ

    どこの家庭でも問題はあるんだなぁと思う。それを乗り越えてどっしりと構えられるのだと思うと自分はいかに甘ちゃんだと実感。

    0
    2022年03月03日
  • 紀ノ川

    Posted by ブクログ

    紀伊半島一周の旅、終着の和歌山市にて。

    和歌山の言葉は初めて知ったなあ。
    豊乃〜花〜(文緒)〜華子と、紀ノ川が流れるように移ろっていくお話で、すらすらと読みました。
    それぞれに大変な苦労が起きてるにも関わらず、心を重くせずにいられたは、4者4様に持つ強い芯としなやかさの為かな?

    次に訪れた時は、紀ノ川をじっくりと味わおう。

    関係ないけど、
    居酒屋のお兄さん(同い年!)と、スーツさんやら鉄道の旅やらの話で盛り上がったのは良き思い出。

    旅先でその土地を舞台にしたお話や、その土地出身の作家作品に触れるという恒例行事は、続けていこう。

    0
    2021年12月20日
  • 断弦

    Posted by ブクログ

    昔の父親をさらに頑固にした感じの父親に結婚を反対されても添い遂げ三年も縁を切られ、半ば意地になって娘の手紙も送り返す。それを軟化したのが若い、しかも礼儀もなってなくすぐに反発する女の子。
    その子と父親が知り合う事によりどんどん意地も取れていく。
    父親、娘の心情が引き込まれ、あっという間に読み終わる。

    0
    2021年10月07日
  • 紀ノ川

    Posted by ブクログ

    朗読の時間
    人の一生は川のようなものなのだとつくづく思う。
    悠然と流れる川もいろいろある。
    登場人物、必ずしも同意できないが
    大河のような物語だった。

    0
    2021年08月20日
  • 不信のとき(上)

    Posted by ブクログ

     今年は有吉佐和子(1931-1984)さんの生誕90年であります。若くしての病死でしたが、「笑っていいとも」での奇行から僅か二か月後の訃報に、当時は死因が色色取沙汰されたものです。

     ここで登場する『不信のとき』は、1967(昭和42)年に日本経済新聞にて連載されたもの。主人公の浅井義雄くんは、大手商社の宣伝部に勤めるサラリーマン。結婚して15年が経つが、妻の道子との間には子供はゐません。過去に二度、浮気をして大騒ぎになつた事はありますが、近年は落ち着いてをり、女と遊ぶにも慎重に慎重を重ねてゐるため、発覚はしてゐません。

     ところが、ある時知り合つた銀座のホステス・マチ子に惚れてしまひ、

    0
    2021年07月22日
  • 紀ノ川

    Posted by ブクログ

    紀州の素封家を舞台に明治、大正、昭和の時代を紀ノ川のようにたくましく生きた女の物語。
    九度山の名家・紀本家の娘・花は、早く亡くなった母親替わりである祖母・豊乃の愛情と教育を受けて、才色兼備の女性に成長する。
    彼女は、紀ノ川の流れに沿って、六十谷の名家・真谷家に嫁ぐ。婿となる真谷敬策は新進気鋭の村長であり、その後、県議会議員、衆院議員と政治の道を順調に進んでいく。花は敬策を支えながら真谷家にとけ込み家霊的な存在となっていく。娘・文緒は男のような侠気があり、新しい女性の姿を求め独立自尊の気持ちが強く、花とよく対立する。また、大学を卒業して出版社に就職した戦後世代の孫娘・華子は感受性豊かで賢く花と情

    0
    2021年07月18日
  • 紀ノ川

    Posted by ブクログ

    読み応えのある作品。紀州弁が更にこの物語に彩りを与える。それぞれの世代における女性の価値観が見事に描写されている。今の時代に生きていてよかったと思うのと同時に、御っさんと呼ばれた花の生き方にも憧れを抱く。

    0
    2021年07月11日
  • 華岡青洲の妻

    Posted by ブクログ

    ネタバレ


    世界初の全身麻酔手術が日本で行われていたことなんて全然知らなかったので、そこでまずビックリ。(無知で申し訳ない)

    そして青洲が自分の母親と奥さんを実験台にしていたのもどうやら史実。どこまでがフィクションなんだろう?ってすごく興味がわいた。日本史とか勉強してた時代に知りたかった〜〜

    全身麻酔をはじめて打った人とトマトを初めて食べた人は全人類にとって功績者だと思ってるので、心の底からすごいと思いました。

    表向きは綺麗なフリをした嫁姑ドロドロバトルものとしても面白かった!笑

    0
    2021年05月29日
  • 連舞

    Posted by ブクログ

    最初は母や姉妹など、他者と比較して一喜一憂していた主人公が、やがて自分自身を深く理解することで、独自の世界を獲得するまでの物語。
    改めて読むと、結局自分を救うのは自分自身、あるいは自分の努力の時間ということなのかな、と思う。

    0
    2021年04月24日
  • 紀ノ川

    Posted by ブクログ

    静かな和歌山の雰囲気と大きく変化する時代のうねりを対照的に感じさせる作品であった。そのうねりを紀ノ川になぞらえ、女性のもつしなかやかな強さを想像させられた。時代の変化とともに、女性としての役割や価値観の変化を個々の人物によって表現している。今の時代をうつすとしたら、どのような人物として描かれるのかを見てみたいと思う。

    0
    2021年04月22日
  • 華岡青洲の妻

    Posted by ブクログ

    名医である華岡青洲の元に自ら実験台(?)になる人は,当時は大勢いたことだろう。通仙散の開発にも多大な手間をかけたことだろう。

    著者である有吉佐和子は,その内でも華岡青洲に嫁ぎ妻となる「加恵」に焦点を当てて,自ら実験台として身を捧げることを切り取ることで,女の壮絶な人生を描写したのである。これはかなりの力技で,多少の曲解おそれず,史実以上に優先したいことがあってのことだろう。

    とはいえ,表向きは「華岡青洲の世界初の乳がん手術の成功,それを支えた麻酔薬の通仙散」を讃えることに成功している。

    これが何か超現象かなにかによるものなのであれば一種のホラー作品にとどまる。しかし,当時の閉ざされた社会

    0
    2021年04月14日
  • 香華

    Posted by ブクログ

    初作家読み。
    血縁に縛られた主人公が母親と妹の勝手さに振り回されそれでも切ることができずあらゆる手助けをする。
    小さな頃から勝ち気な性格だからか倒れることなく旅館を築き、終戦後は誰の力も借りずに食堂から大きくしていく才覚を発揮する。

    妹の子を養子にするが地元の旅館経営者が腹を痛めた子が1番だと養子にもらった息子の戸籍を返したと話して終わりとなるが、母親が亡くなりやっと苦労がなくなると思いきや妹の子が大人になっても安心できない終わり方でなんともやるせない話。

    でも芯のしっかりした生き方に励まされまた頑張ろうと勇気ももらえる話でもある。

    0
    2021年01月27日
  • 香華

    Posted by ブクログ

    まだ女のドロドロ系
    最初からほぼ後半まではイライラしっぱなし。
    郁代も嫌な女だけど、朋子に終始イライラ。
    そんなに憎いなら、見放せばいいものを、やはり血縁というものは切っても切れないもんかね。
    ただただ面倒臭いね、親子のやりとり。
    でもついつい読み進めちゃう。
    有吉佐和子マジック。

    0
    2020年12月04日
  • 有田川

    Posted by ブクログ

    有田の正月は顔が黄色い

    星月夜に川あかりの中歩く

    舌の賢い京都、見てくれ大事の東京市場

    ストーリーの面白さに加えて、方言が心地よかったし、ちょっとした表現に心をつかまれた。

    0
    2020年11月14日
  • 連舞

    Posted by ブクログ

    コンプレックスの塊のような主人公の立身出世物語に目が離せませんでした。劣等感と苦労と孤独の連続でしたが。面白かった。

    0
    2020年10月11日
  • 連舞

    Posted by ブクログ

    芸事の世界に生まれて自分がその才能が無いと知るというのはどんだけ苦しいことやろうと思った。
    それでも秋子は優しくて折れずに生きてて普通に応援しながら読んだ。
    秋子の、母親の愛情を受けたい気持ちを大人になってもずっとコンプレックスとして持ち続けてるのしんどかった。その一点のために生きてるんちゃうかっていう執着ぶり。

    0
    2020年09月02日
  • 紀ノ川

    Posted by ブクログ

    さまざまな「女」を知る作者の原点を見た気がした。
    求められる女性らしさを演じきり、家庭を動かす女。求められる女性らしさに反発し、道を切り開こうとする女…。相反する女性を描いているのに、そのどちらの心理も描き出すところが、この作品の魅力だ。時代の移り変わり、世代による価値観の違いも、物語にうまく取り込んでいる。
    幕の引き方も素晴らしく、ひとつの家が終わりゆく切なさを、見事に表現していた。

    0
    2020年08月16日
  • 不信のとき(上)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    何か読みたいけど思いつかない。困ったときの有吉佐和子。

    昭和40年頃の東京。
    赤線が廃止され、婦人誌にも性についての記事が掲載されるようになった時代。妻は家で夫の帰りを待つのが当たり前の時代。

    大手商社の宣伝部に勤めるデザイナーの浅井は、印刷会社社長である小柳老人とよく飲み歩いていた。ある時は新宿のヌードスタジオ、定番は銀座のクラブ。結婚15年の妻が家にいながらも、過去に2度浮気し、再び銀座のクラブの女マチ子と恋仲になる。

    ついにマチ子は田舎の清水で出産。浅井も1泊の箱根旅行と妻の道子に嘘をつき、娘の顔を見に行く。【下巻へ】

    0
    2020年08月07日
  • 一の糸

    Posted by ブクログ

    こういう女性の一代記もの、とくに明治〜昭和初期の激動の時代の話は好み。夫婦の姿が理解しがたいけど最終的にはうらやましい。

    0
    2020年01月04日