妹ちゃんことラケルが来日し、姉のマルタと同居しはじめた
見た目はより華やかとなり、ストーリーも賑やかさを増しているので、前シリーズから読んでいる人間は、もっと楽しめるようになっている
ゴチャゴチャしている、と言えば、そうなんだが、決して、雑にはなっていない事が読めば判るんじゃないだろうか
ラケルって
...続きを読むピースが加わった事で、この作品の質が上がったのは、やはり、高尾先生が、漫画家としてだけでなく、人間として、成長しているからだろう
マルタが、日本の文化に触れ、その良さと母国の良さを繋ぎ合わせる事で、高尾先生の成長も促されたんじゃないだろうか
作中に登場する料理を、高尾先生と担当編集者さんが、実際に作っているからこそ、キャラクターたちの反応や表情に「嘘」がない、と感じられる
また、橋や判子と言った、日本の道具に関しても、しっかり調べ、それに対し、ポルトガル人が、どう感じるか、そこも、きちんと描いてくれているんですよねェ
妹に日本の良さを教えていく事で、自らも改めて、その良さを深く感じ取れるようになり、一層に、日本へのリスペクトが強まっていくマルタさん
日本に対しての知識が浅いからこそ、目に映るもの、手に触れるもの、舌で味わうものに、新鮮な驚きと喜びを感じ取れるラケルちゃん
似ているけど違う、この姉妹が、これから、どんな日本の良さを知っていくのか、楽しみ
しかし、この(3)で、何やら、ラケルちゃんは、人生最大のピンチを迎えている
一体、どうなってしまうんだろうか
また、次巻では、神永さんが、ラケルちゃんに対し、どんな“おもてなし”をするのか、気になるトコだ
どの回も、マルタさんへの好感度が上がり、ラケルちゃんとの姉妹仲に、ほっこりできる
その中で、私的に、強く印象に残ったのが、第32話「春の七草ピザ」
私らからすると、春の七草、と聞けば、粥にするのが当たり前
その常識が凝り固まったものであり、春の七草の新たな可能性を見逃させていた、と感じた回だった
春の七草を、ピザの具にするってのは、日本に住んでいるポルトガル人だからこその、チャレンジ精神が光る発想だ
食べた後は運動、それは良いんだが、マルタさん、思った以上に、運痴だったんだなあ
この台詞を引用に選んだのは、マルタさん、良いお姉さんしてるなぁ、と感じたので
自分が行きたい所は、後日にし、今日は妹を優先する、と決められる点もそうだが、マルタさんの、こういう、人が良い、と感じる場所を楽しむ、ってのは人として成長させそう
他の人の「楽しい」を知ってこそ、見えてくるモノもあるんでしょうか
「今日は、ラケルの行きたい所に、最後まで付き合うって約束だし・・・それに、自分の好きな場所を巡るのは楽しいけど、他の人の興味がある場所に足を向けるのも、同じくらい楽しいからさっ!」(byマルタさん)