黒原敏行のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
少年二人が馬にのってメキシコへ行く、その旅の小説。
俺の勝手な先入観もあると思うが、いかにも「アメリカ」な小説だと思った。解説にもあったがウエスタンの雰囲気を色濃く漂わせているのと、少年たちの旅が、旅を通しての成長が「スタンドバイミー」を思い出させたからかもしれない。
この小説に盛り込まれている要素に、あまり目新しいものはないかもしれない。旅、旅の途上でのトラブル、新天地での生活、恋、挫折、急転直下の苦難、そして故郷への帰還。どれをとっても意外な展開などない。
にもかかわらず、この小説が与えてくれる感動は一体何なのか。これほど多くのシーンが目に心に焼きついた小説も珍しい。
現在の生活から飛 -
Posted by ブクログ
ネタバレとても美しい小説だと聞いて、手に取った。
ここのところ、アメリカ文学を読んでいる。
「ジェームズ」「ハックルベリー・フィンの冒険」は南西部ミシシッピ河流域の小説、「エデンの東」は、カルフォルニアの小説、そしてこの小説はテキサスから国境を超えてメキシコへ渡る小説だった。アメリカは広いなあ。小説によって舞台になる土地の雰囲気が全然違うから脳内旅行が楽しい。
テキサスでカウボーイをしていた十六歳の少年ジョン・グレイディがお祖父さんの遺産の牧場が売られてしまうことを知り、アメリカに自分の居場所がないと思い、愛馬に乗って、親友ロリンズと途中で出会った十四才くらいの少年プレヴィンスと共に国境を超え、メキシ -
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20世紀初頭のアメリカ南部を舞台にした小説。
黒人奴隷などの社会的慣習と、キリスト教中心主義の否定など、強制的な近代化の波の中で翻弄されながら、価値観の転換と喪失感が漂う作品でした。
正直いきなり物語から入ってしまったので、解説を先に読めば良かったと後悔。
たぶん6割くらいしか理解出来ていないと思う。
そもそも独特な独り言のような、イマジネーションが言語化されたような不思議な文章で、感覚的に読むような小説だったので、より舞台背景を先に頭に入れておく事をおすすめします。
解説や訳者あとがきか素晴らしく、ネタバレが少しあるが、先に読んでも良かったかなと思いました。
でもやっぱりドストエフ -
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ネタバレ子供の情念と性悪説
楽園のように食料に困らず外敵もいない無人島に子供だけが不時着する。最初は集会を定期的に開き家を作り火を炊き豚をかっていた。しかし小さな子から中くらいの子へと伝わり話が肥大化している"獣"の存在がみんなの恐怖心を煽る。ジャックとラルフはどちらが隊長になれるか競争している。その一環で、獣の正体を突き止めて群衆に勇気を見せつけようとする。
夜闇の中冒険に出たせいで、人間の死体が正体であるのに気が付かず、化け物だと思い込んでしまう。
そこでラルフが「獣の前では狩猟隊は槍を持った子供だ」というと、ジャックが決定的に腹を立てて決別してしまう。
ここから狩猟隊VS文明 -
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アメリカ教科書において『ごんぎつね』的定番教材ポジションと聞いて読み始めました。子供が凄惨な目にあうので、苦手な人は注意!
・これで…何を学べと!?
・海外文学故か、よく理解できない描写が頻出した
・年下の子達の存在がぞんざいになっていくのが驚き
・子ども特有の楽観性や考えのブレが良い
・後半の息つく暇もないスピード感、緊迫感が凄まじい
主人公は喜んだり昂ぶったりすると逆立ちしたり前転したり殴る真似したりする変な癖があるんだけど、後半は特にやらなくなった。子どもらしさを失ったというコトなのかな…?
最初は幼い子達の人数や名前を把握しようとするも、中盤は「おチビたち」とひとまとめに、後半はほ -
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無人島に不時着した少年たちが、始めはそこでの開放的かつ楽園的な生活を楽しむが、次第に理性を失っていき、平和な暮らしが崩壊していくという物語。本書の最も興味深い点はやはり、子供の内なる悪が徐々に現れてくる中でのリアルな人間描写にある。少年たちは最初こそ文明的な生活を営もうとするが、与えられた仕事の不履行や、のろしグループと狩りグループの間の意見の相違により、島内に分断と対立が生まれる。未熟な子供たちによる無人島での社会運営の、残酷ながらも現実味のある表現に加え、ガキ大将的なジャックやいじめられっ子的なピギーをはじめとした、現実世界にいそうな登場人物の造形は、読者に深い納得と共感を与えるように思わ
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すべてが「良い」とされ、誰もが「幸福」である状態を維持するために社会全体が作り込まれた世界の異常さを描いた小説。人々は階級ごとに分けられ、生まれた瞬間からその階級を幸福だと感じるよう教育される。家族という概念は下品なものとされ、人は人工的に生み出される。どの階級になるかも操作され、人口比率は厳密に保たれる。死はあっても老いはなく、性行為は恥じらいなく行う習慣とされる。悩みがあれば「ソーマ」という錠剤を飲めばよく、それで精神は安定する。だから表面的には誰も悩まず、社会は安定している。
悩みや不安が排除された世界では、宗教や神話、芸術は必要ないものと扱われる。科学も統制の範囲から外れないよう制限 -