黒原敏行のレビュー一覧

  • 越境

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    は!コーマックマッカーシーの「越境」をだいぶ前に読み終わったのに読んだを書いていない。さらに前に読んだ「すべての美しい馬」も。読書中にかなり消耗したし読後は気持ちが昂っているから寝かそうとしているうちに時間が経っちゃった。でも今でもあんまり書けないな。好きな作家なんだな

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    2025年08月10日
  • エンジェルメイカー

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    楽しかったです。離れがたかった。

    実は300頁辺りまでのれなかった。
    楽しげだけれどなかなか集中できなくて。
    (二段組に慣れていないのが大きい)
    でも400頁辺りから俄然面白くなってきて
    あとはラストまであっという間。
    みんな愛おしい。悪役さえも。


    いま
    過去をかたることも
    悲しみ泣くことも赦されていない
    残されているのは
    読むことだけ
    ただそれだけ
    ただそれだけが
    なにかを証明できるかもしれない
    そうして今夜も
    読んでいる

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    2015年09月12日
  • 世界が終わってしまったあとの世界で(下)

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    え?っとなる展開が待っていて、じゃあ今まで語られていた世界とぼく、何だったのか、驚かされる。竹宮恵子的世界もあるね、と同じく読み終えた者と語り合う。
    あとは、やはりウッドハウス好きなのね、と。親子でね。

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    2014年06月28日
  • 闇の奥

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    《コンラッド著「闇の奥」を読む》
     (光文社古典新訳文庫で)

     「英語で読む村上春樹」の題材『かえるくん、東京を救う』に登場するコンラッドという作家読んでみたくて選択したのがこの作品。「ロードジム」を読んでみたかったが入手が面倒だったのでこちらの「闇の奥」にした。

     コンラッドは難しいとか堅苦しいとかいうイメージがあって取っ付きにくいと言われているそうだ。しかし私は出だしこそ確かに難しそうな気がしたが、間もなく主人公マーロンの語り口に引き込まれ、一気に読むことができた。これは新しい翻訳のせいかもしれないし、実はコンラッドはとても魅力的な文章を書いているのではないだろうか。

     英文学の古典

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    2014年01月22日
  • チャイルド・オブ・ゴッド

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    まさに私が感じたことを、黒原敏行さんが訳者あとがきで簡潔に述べてくれている。⇒バラードの内面描写などはいっさいなく、まるで動物か昆虫の生態を観察するかのように行動を追っていくうちに、殺人、屍姦というおぞましい所業も含めて、これが人間なのだと深く納得させられてしまう。これはそんな恐ろしい、しかし不思議な高揚感と生命肯定感を与えてくれる稀有な小説だ。

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    2013年11月25日
  • チャイルド・オブ・ゴッド

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    とんでもない作品に出逢ったもんだ。この作品を読み進めていくうちに、ある映画の雰囲気にとても似ていると感じた。それは数年前に観たアメリカ映画『ノーカントリー』であった。この映画を観た時も鮮烈な印象を持ったのだが、この作品も文体にキレがあるし、途轍もなく理不尽な暴力性が表現されていてしかも、それが詩的に感じられてしまう程だ。主人公の性格や殺人の動機がほどんど描かれていないので、カポーティの『冷血』よりも凄味がある。映画とおなじくこれからも読み直すであろうし、マッカーシーのほかの作品も読むことになるであろう。

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    2013年08月31日
  • チャイルド・オブ・ゴッド

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    『チャイルド・オブ・ゴッド』。素晴らしかったわ。貧困層キチガイの日常。暴力、屍姦、女装、連続殺人…生まれ育った「土地」(自然)が己の世界そのもので、私たちが生きる「社会」という概念が端から無い。動物だけど、もっと心が(欲望に)弱い動物。

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    2013年07月12日
  • すべての美しい馬

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    「…世界の美しさに秘密が隠されていると思った。世界の心臓は恐ろしい犠牲を払って脈打っているのであり世界の苦悩と美は互いにさまざまな形で平衡を保ちながら関連し合っているのであって、このようなすさまじい欠陥のなかでさまざまな生き物の血が究極的には一輪の花の幻影を得るために流されるのかもしれなかった。」(459頁)


    マッカーシーの名を知ったのは映画『ノーカントリー(No Country for Old men)』を観てから。マシーンのように冷徹に人を殺していくシガー(ハビエル・バルデム)が印象的な映画だった。
    これ、原題をちゃんと見ないとタイトルの意味するところが全然伝わらない。原題は「古い

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    2012年07月26日
  • 越境

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    コーマック・マッカーシー著作初読。

    感情をほとんど排除した、乾いた、粛々と綴られる文体は、
    アメリカ南部、メキシコの荒涼とした風景の写像そのものだ。
    文体が光景を生み、光景が文体を生み出す。

    そこには広大で荒涼とした光景がある。
    馬の蹄の音、風、雨等の自然音のみが反響する。
    17歳の青年は馬に跨り、冷然と過酷な旅路を行く。
    大人への階段、運命の旅。

    まるでアッバス・キアロスタミの映画を観ているようだ。
    素晴らしい作品。

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    2012年07月05日
  • すべての美しい馬

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    野生馬を乗りこなしていく調教シーンの臨場感といったらもう。。メキシコの話でトルティーヤがやたらと出てくるのでこないだ食べてきました。

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    2011年06月16日
  • 越境

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    読後しばらくしてから、じわじわと話が心に沁みてきた。
    細部を咀嚼し切れていないので、あくまで感覚的なものだけれど、無性に胸が詰まる。
    この作品(「すべての美しい馬」もそうだけれど)における「メキシコ」とは、“どこか別の場所”ってことなんだろう。自分が生まれ育った世界(=アメリカ)ではない、異世界。
    希望も絶望も、夢も血も暴力も、何もかもが混沌とした場所。
    ビリーは運命に流されて三回の越境をしているように見えるけど、ただ流されているのではなくて、そこには彼の意思があっての選択だったのだと思う。

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    2011年01月04日
  • 黒い天使

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    ウールリッチ作品(ウィリアム・アイリッシュ名義含む)の中で、一番好きかも!!『幻の女』もいいですが・・・
    ひとつひとつのエピソードが、短編色を帯びていて、おもしろかったです。




    !!注!!以下ネタバレ

    最後はショッキングでした。
    ラッドとのやりとりがすごく好きだったので・・・

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    2009年10月04日
  • ノー・カントリー・フォー・オールド・メン

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    コーマック・マッカーシー氏のクライムノベル。アカデミー賞受賞作品『ノーカントリー』の原作でもある。金を持ち逃げしたモスとそれを追うサイコパスのシガー。結末はノワール小説のようでもありながら終盤のベルの回想や選択は、マッカーシー作品全般に漂う理不尽な現実に対する人々の諦観と決心を感じさせる。
    全体を流れる不穏な雰囲気と暗澹たる圧、そしてアメリカ南部の乾いた空気の匂い。そうしたものを感じさせるマッカーシ氏の文章はさすが。

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    2026年08月21日
  • ナイルに死す〔新訳版〕

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    ネタバレ

    クリスティのなかでは『そして誰もーー』と双璧をなすくらい面白かった。登場人物が多いけどみんな個性的で魅力に溢れていて自然と覚えられた。

    結局、遺産目当てのカップルがグルだというオチなんだけど、アル中の酒を捨てたり、盗癖の雇い主の尻拭いをしたり、その盗品が偽物だったり、別の人物がリネットを狙ったりと、曲者どもが好き勝手動くものだから非常に難解だった。
    ロザリーとティムがいい感じになったシーンにきゅん。
    コーネリアは医者の爺さんと結婚するし笑

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    2026年08月18日
  • ザ・ロード

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    コーマック・マッカーシー氏のピュリッツァー賞受賞作品。まさにマッドマックスの世界。
    おそらく核兵器が用いられたであろう終末戦争後の世界で、背景説明や情景描写のほぼない中、ただただ不条理な状況に置かれた父親と息子の旅路を描く。その道の先には絶望しかなく、しかし歩き続けるしかない矛盾。暗澹たる気持ちになる作品ではある。圧倒的暴力が描かれ、暴力や略奪や食人が暗に語られ、性悪説に基づくある種の残酷なリアリズムに達した描写はマッカーシー氏らしい。そうした過酷な環境下だからこそ父親が息子を守ろうとする気持ちや男として育てようとする生き様が際立つ。ラストは光明か暗闇かは定かではないが、少年から男にある巣立ち

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    2026年08月12日
  • ナイルに死す〔新訳版〕

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    ネタバレ

    アガサクリスティの作品は11冊目。

    今回も面白かった!
    お盆休みに読むのに最高の作品だった。
    エジプトやナイル川の景色や豪華な客船。
    自分も見てきたみたいに世界観に入り込めて楽しかった。
    外はあまりに暑すぎるので、
    涼しい部屋に居ながら、国も時代も飛び越えて、
    旅行気分になれる小説ってやっぱり最高だ。
    それに加えて、ミステリーとロマンスも。

    長編だが、クリスティお得意の人間関係の描写が面白く、すらすらと読めた。
    今回は犯人の目星はついたが、
    それでも丁寧な心理描写やエジプトという、
    心踊る舞台に、退屈することなく読めた。

    ロザリーは報われて良かった。
    これまでの苦労分も、アラートン夫人に

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    2026年08月12日
  • ナイルに死す〔新訳版〕

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    アガサクリスティー読んだことある!
    と言いたくて読みました笑

    カタカナの登場人物の名前を覚えるのは苦手ですがキャラクターの描写に時間をかけており、ありがたかった。
    人種、階級によるキャラクターイメージも違和感なく入ってきて覚えやすい。
    展開はゆっくりだが、キャラクターをじっくり描いてるため退屈感はなく、読み進められる。

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    2026年08月11日
  • すべての美しい馬

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    起こった出来事を淡々と描いて、心理描写的なものはほぼない。それなのに読後感の良い不思議な小説でした。主人公のジョン・グレイディはずっとクールだし、人との会話も余計なおしゃべりをしない。アメリカのカウボーイ的なものに対するイメージというのはわからないけど、異国に住む自分が読んでもなんだか男臭い渋さがあるなとは思う。ジョン・グレイディが恋した娘と別れる場面で「握った手から彼女の心中を推し量ろうとしたが何もわからなかった」という描写とか、わからないのが良い。わからないものはわからない。そういう描写が結構ある。

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    2026年07月14日
  • 蠅の王〔新訳版〕

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    ネタバレ

    無人島という環境におけるサヴァイヴァル譚ではあるが、衣食住の確保や健康の維持といったテクニカルな部分は気持ち良いぐらい無視され、そこで暮らす少年たちが織り成す人間模様、関係性の移ろいに焦点のすべてを当てた物語となっている。
    何かが起こりそうな不穏な予感を常にはらみつつ、辛うじて均衡を保ちながら日々は過ぎて往くが、徐々に高まる緊迫感がついに決壊の時に差し掛かる…古典の名作たるにふさわしい、かくも見事な悲劇的シークエンスが展開される。
    “寓話性が高い”という訳者による解説が巻末にあったが、何某かの構造を見立ててそのように読むこともできるし、字義通り人間の原罪的な残酷さを子供たちを演者にして語らせて

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    2026年06月24日
  • ザ・ロード

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    終末世界における巡礼として読み進めた。キリスト教信仰の宣伝?「たとえ明日、世界が滅びようとも、私は今日リンゴの木を植える」を想起した。神学を補助線にするのが有効と思われる。

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    2026年06月18日