黒原敏行のレビュー一覧
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《コンラッド著「闇の奥」を読む》
(光文社古典新訳文庫で)
「英語で読む村上春樹」の題材『かえるくん、東京を救う』に登場するコンラッドという作家読んでみたくて選択したのがこの作品。「ロードジム」を読んでみたかったが入手が面倒だったのでこちらの「闇の奥」にした。
コンラッドは難しいとか堅苦しいとかいうイメージがあって取っ付きにくいと言われているそうだ。しかし私は出だしこそ確かに難しそうな気がしたが、間もなく主人公マーロンの語り口に引き込まれ、一気に読むことができた。これは新しい翻訳のせいかもしれないし、実はコンラッドはとても魅力的な文章を書いているのではないだろうか。
英文学の古典 -
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Posted by ブクログ
「…世界の美しさに秘密が隠されていると思った。世界の心臓は恐ろしい犠牲を払って脈打っているのであり世界の苦悩と美は互いにさまざまな形で平衡を保ちながら関連し合っているのであって、このようなすさまじい欠陥のなかでさまざまな生き物の血が究極的には一輪の花の幻影を得るために流されるのかもしれなかった。」(459頁)
マッカーシーの名を知ったのは映画『ノーカントリー(No Country for Old men)』を観てから。マシーンのように冷徹に人を殺していくシガー(ハビエル・バルデム)が印象的な映画だった。
これ、原題をちゃんと見ないとタイトルの意味するところが全然伝わらない。原題は「古い -
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Posted by ブクログ
コーマック・マッカーシー氏のピュリッツァー賞受賞作品。まさにマッドマックスの世界。
おそらく核兵器が用いられたであろう終末戦争後の世界で、背景説明や情景描写のほぼない中、ただただ不条理な状況に置かれた父親と息子の旅路を描く。その道の先には絶望しかなく、しかし歩き続けるしかない矛盾。暗澹たる気持ちになる作品ではある。圧倒的暴力が描かれ、暴力や略奪や食人が暗に語られ、性悪説に基づくある種の残酷なリアリズムに達した描写はマッカーシー氏らしい。そうした過酷な環境下だからこそ父親が息子を守ろうとする気持ちや男として育てようとする生き様が際立つ。ラストは光明か暗闇かは定かではないが、少年から男にある巣立ち -
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ネタバレアガサクリスティの作品は11冊目。
今回も面白かった!
お盆休みに読むのに最高の作品だった。
エジプトやナイル川の景色や豪華な客船。
自分も見てきたみたいに世界観に入り込めて楽しかった。
外はあまりに暑すぎるので、
涼しい部屋に居ながら、国も時代も飛び越えて、
旅行気分になれる小説ってやっぱり最高だ。
それに加えて、ミステリーとロマンスも。
長編だが、クリスティお得意の人間関係の描写が面白く、すらすらと読めた。
今回は犯人の目星はついたが、
それでも丁寧な心理描写やエジプトという、
心踊る舞台に、退屈することなく読めた。
ロザリーは報われて良かった。
これまでの苦労分も、アラートン夫人に -
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Posted by ブクログ
ネタバレ無人島という環境におけるサヴァイヴァル譚ではあるが、衣食住の確保や健康の維持といったテクニカルな部分は気持ち良いぐらい無視され、そこで暮らす少年たちが織り成す人間模様、関係性の移ろいに焦点のすべてを当てた物語となっている。
何かが起こりそうな不穏な予感を常にはらみつつ、辛うじて均衡を保ちながら日々は過ぎて往くが、徐々に高まる緊迫感がついに決壊の時に差し掛かる…古典の名作たるにふさわしい、かくも見事な悲劇的シークエンスが展開される。
“寓話性が高い”という訳者による解説が巻末にあったが、何某かの構造を見立ててそのように読むこともできるし、字義通り人間の原罪的な残酷さを子供たちを演者にして語らせて