黒原敏行のレビュー一覧
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ポアロシリーズ15作め。1937年の作品。
原題は『Death on the Nile』。
『オリエント急行の殺人』と並ぶ人気作ですが、読むのは初めて。
ナイル川をさかのぼる豪華客船なんて猛暑に読むにはちょうどいいだろうと思いましたが、これがほんとおもしろかった。
クリスティー作品によく出てくる男女の三角関係。従来は殺人事件の背景や人間模様の一部だったりしましたが、本作ではこの三角関係こそがストーリーのメイン。
全540ページの250ページくらいまで事件が起こらないのですが、もうこのまま何も起こらなくても十分おもしろい。
作中のカルナック号はサヘル島から第二急湍まで行って帰ってくる7日間 -
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ミステリーの女王アガサ・クリスティの手にかかればもはや何も起きなくても面白い。
事件が起きる前の前半部分がめちゃくちゃ面白く、個人的には事件が起きたことでそこまでのストーリーが停滞してしまったような気がして、むしろ事件が邪魔にさえ感じた。でもそこはさすがのアガサ・クリスティで、読み進めていくと事件前・事件後で分けることすら無意味で、全てはナイル川のようにひとつの流れであったことが分かる。
悩めるジャクリーンを優しく諭すポアロの言葉のひとつひとつがとても良い。
メインの3人に絡む物語は面白いんだけど、他の容疑者たちがわちゃわちゃやってる中で釈然としない描写もあったため自分の中では満点評価とはしま -
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ネタバレポアロシリーズ⑮
富と美貌を兼ね備えた女性リネット・リッジウェイと夫のサイモンはエジプトに新婚旅行にきていた。しかし2人は、リネットの友人で、サイモンの元婚約者であるジャクリーン・ド・ベルフォールに旅行の間中つけ回されていた。不穏な空気の中、ナイル川の船上で事件は起きてしまう。
すごく面白かった!
謎が渦巻く船の中を、登場人物一人ひとりが、行動し、さまざまな思いを巡らせる。
そこに無駄がないからこそ、ポアロによって一つ一つの謎が解けていく事で、それぞれの状況や思いに「あぁ〜そういうことか」と納得し、感情移入してしまう。
犯行の手口は素晴らしいものだったけれど、犯行前にあったポアロの優しい -
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1942年に発表された古典ミステリー
舞台はニューヨーク
妻と喧嘩をしたヘンダースンはあてもなく街をさまよう…
たまたま入ったバーで出会った風変わりな帽子(パンプキンみたいな…)を被った女を誘い、食事をし、劇場でショーを観て別れる
その後、深夜に帰宅するとヘンダースンを待っていたのは絞殺された妻の死体と刑事たちだった
警察は夫であるヘンダースンを疑う
彼のアリバイを証明できるのはバーで出会った女だけ…
しかし、誰も女を見ていない…
そしていよいよヘンダースンに有罪の判決が下り死刑が言い渡される
死刑執行まで87日
ヘンダースンの友人と恋人が内密に捜査に協力し「幻の女」を追って奔走するが…
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ネタバレハヤカワの『海外ミステリ・ハンドブック』から。
こーれは面白かったです!オススメ。
【あらすじ】
妻と喧嘩して家を飛び出し、あてもなく街をさまよっていたヘンダースンは、”パンプキンのような”帽子をかぶった見ず知らずの女と出会う。食事をし、劇場でショーを観て、酒を飲んで別れて家に帰ると、待っていたのは絞殺された妻と警察だった――。
第一章から「死刑執行日の百五十日前」と始まり、続く章もすべてその形式でタイムリミットが近づいていきます。
死刑執行を待つのみのヘンダースンに代わり、親友であるロンバードが”幻の女”を探すのですが、なかなか一筋縄ではいかず。あらゆる疑念が浮かぶ中で、すっかりロンバー -
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19世紀半ばの米国。家出放浪の末、先住民討伐隊に加わった少年は判事と呼ばれる異形の大男に出逢う。著者の重厚で詩的な表現力を持ってすれば凄まじいまでの虐殺描写も神々しさすら感じさせる。まさに西部開拓版「闇の奥」
本作中の記述で二点気になる箇所有り。まず少年を討伐隊に引き入れるトードヴァイン。冒頭部で彼には「両耳」がないとされていたが、その後の文章ではそれが「片耳」になっていたこと。それから少年の年齢。物語の早い段階で19歳と記されていたはずなのに終盤では16歳と書かれていたこと。それとも不法入国戦士団の面接で少年が自分の歳を19と答えたのは鯖を読んでなのか? -
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今回はナイル川を遡る豪華客船での殺人事件です。
美貌の資産家リネットを殺したのは誰なのか。
ジョアナ嬢の「あなたってあちこちに敵を作ってるんでしょうね」の言葉から、おっ今回はどろどろの人間模様が展開されるのかな⁉︎と期待してしまいました(笑)
登場人物が多すぎてこの人誰だっけ?と登場人物紹介を見直すこともしばしば。
でもみんなキャラが立ってたので退屈はしませんでした。
リネット、親友の恋人は取っちゃだめでしょ人として……
夢中で読み進めましたしラストも綺麗でしたがこんなに問題のある人ばっかり乗り合わせないよな……とか考えてしまいました。
そんなん言ってたらミステリは楽しめないのでしょうが -
Posted by ブクログ
ネタバレ妻と喧嘩して家を飛び出したスコットは、バーで特徴的なオレンジ色の帽子を被った女と出会う。食事とショーをともにした後スコットが帰宅すると、家には警察がおり妻が殺されていた。妻の首にはスコットのネクタイが巻き付いていて、彼は殺人の容疑で逮捕されてしまう。スコットはバーで出会った女が自分の無実を証明してくれると思い彼女のことを思い出そうとするが、記憶にあるのは特徴的な帽子だけ。刑事とともにバーやレストラン、劇場をまわりスコットと一緒にいたオレンジの帽子の女を見ていないか尋ねるも、みな口を揃えたように一人でいるスコットしか目撃していないと証言する。そんな中、ついにスコットに死刑判決が下る。
スコットは