黒原敏行のレビュー一覧

  • ノー・カントリー・フォー・オールド・メン

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    映画を先に見てあまりのインパクトに原作も気になりやっとの思いで購入。改訂前の方?全然売ってなかった!

    映画のシュガー訳わからんかったけど原作も訳わからん。普通に話してると思ったら次の行で平然と人殺しててめちゃ怖かった。
    第一章のベルの語りがこの恐怖の全てを物語ってるわ…
    生きてると何が起こるかわからないけど、こういうサイコパスと遭遇せずに一生を終えたすぎる

    ヒッチハイクで出会った女の子とモスの会話だけがこの物語の唯一の癒し

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    2024年05月26日
  • 蠅の王〔新訳版〕

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    1950年代に書かれた人間の根源的、性質的部分を自身の体験をもとに宗教的要素を絡めながら物語として描かれた作品。
    時代背景などを考えながら、なぜ「蠅の王」なのか、自分がもしこの一員だとした、などと考えながら読んでいくとこの物語の恐ろしさを体感、実感できる。

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    2024年05月16日
  • ザ・ロード

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    凄い言葉を生むための物語。

    胸に押し当てたいほど美しいものは全て苦悩に起源を持つ。それは悲しみと灰から生まれる。
    - 63ページ

    かたちを喚び起こせ。ほかになにもないところでは無から儀式を創り出しそれに息を吹きかけよ。
    - 86ページ

    善意が見つけてくれるんだ。いつだってそうだった。これからもそうだよ。
    - 326ページ

    全て凄い言葉。言葉に、“凄さ”を付与するための話。

    「火を運ぶ」という言葉が多義的に解釈されている。解釈に一側面を付け加えるならば、これは“律”だ。そして律は、人間の主観なしには作り得ない。人間が作るものには全てが信仰が含まれる。それは律であっても例外ではない。

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    2024年05月06日
  • エンジェルメイカー

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    大物ギャングを父に持つ機械職人が、からくり仕掛けの本を修理すると、それが世界を破滅させる最終兵器だった…というスチームパンク冒険活劇。
    英国風ユーモア(?)満載の文章だが、読みにくくはない。長いけれどスイスイ読める。
    「こういう効力の最終兵器で世界は破滅するかなあ?」という疑問もあるが、ストーリーは賑やかで楽しめた。

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    2024年05月04日
  • ノー・カントリー・フォー・オールド・メン

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    追われる男、追う男、その跡をたどる男

    雨と銃と血の匂いのする物語は、ストーリーの矛盾を回避しようともせず、ひたすら“何か”を描き続ける。
    作者は、暴力と流血の中に、この世界と人の絶望を、独特の文章で綴る。

    「できることが何もないなら、そもそもそれは問題ですらない」
    そのことが、また、絶望につながる。

    わかったようでわからないこと……唯一無二のこの読後感は、嫌いではない。

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    2024年04月03日
  • 蠅の王〔新訳版〕

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    ネタバレ

    子供だけの楽園だと思っていたが・・・最後には・・・。
    最近日本でもイノセンツという映画が公開されていましたが、それと同じで子供って実は残酷なんですよね。
    子供だけではなく本来人間の内にはこういう残酷な1面がみんなにあって、それを理性で抑えてるだけなんですよね。
    第十二章の最後の展開には今までのゆったりとした展開からのギャップが凄く食い入るように読んでしまいました。

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    2024年03月27日
  • 悪の法則

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    おれにわかるのはあんたが自分のした間違いを何とかしようとしている世界はあんたが間違いをしてしまった世界とは別の世界だってことだ。
    あんたは今自分が十字路に立って進むべき道を選ぼうとしていると思っている。でも選ぶことなんてできない。受け入れるしかない。選ぶのはもうとっくの昔にやってるんだから。

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    2024年03月26日
  • 蠅の王〔新訳版〕

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     無人島に不時着した飛行機、そこで生き残った子供達による生活を描いたものであるが、新訳版ということもあり、非常に読みやすくはあったものの、西洋の文化的な下地などをあまり理解できていなくても考えさせられるのは名作たる所以なのであろう。
     果たしてこの作品の主人公ラルフは何歳の設定で、一体どの程度の人数が不時着し、何日ほど島で過ごしていたのであろうか。これらをあまり絞りすぎていないからこそ想像に頼らざるを得ない。
     そもそも子供たちによる自治について、この作品では失敗に陥っているのであるが、何故にそうなったのかを考察することは、必要不可欠であろう。その要因たるものとして、集団心理より人の残虐性や人

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    2024年03月03日
  • ザ・ロード

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    荒廃した世界をひたすら南に進む父と子の話。
    父として、息子としての考え方や心情態度の変化がおもろい。

    火を運ぶ者たちである。

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    2024年02月16日
  • シャギー・ベイン

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    作者の自伝的小説らしい。作者=シャギーではないにしろ、作者が社会的に成功しているということで、読み切れた気がする。
    子供は親を選べない。どうしようもない母親だが、最後まで見捨てなかった少年。

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    2024年01月19日
  • 蠅の王〔新訳版〕

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    ネタバレ

    私はこの作品における「ほら貝」は組織や社会といったシステムのメタファーであると考えた。強いカリスマ性を持つものが作り上げた組織ではそのリーダーが強い発言権を持つ。しかし、それはリーダーであるもののカリスマによって成り立っているものであり、民主的な行動(組織全体に発言権を持たせたり平等に接し合うこと)を行うのは有効ではない。また、物語終盤でほら貝が破壊されたのはシステムの崩壊を暗喩している。カオス状態の環境でシステムを維持するのは難しく、これまでのリーダーの行動に異議や不満を抱いていたものがそのシステムを崩壊させる行為はまさしく世界の縮図であると感じた。
    非常に面白く色々と考えさせられる作品だっ

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    2023年12月28日
  • Xと云う患者 龍之介幻想

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    小説、久しぶりに読みました。

    購入します、面白かった、また読みたい(あっ、借りた本なので)。
    芥川龍之介作品で1番好きなのは、「白」。

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    2023年12月25日
  • ノー・カントリー・フォー・オールド・メン

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     荒野に放置された弾痕の残る車輛と複数の死体、多額の現金と麻薬を見つけたら、そのまま放置して警察に連絡するに限る。現金を持ち帰り、再度現場を訪れるようなことをすると、地の果てまで追われることになる。

     冒頭から物語に引き込まれ、ストーリーや登場人物の行動、セリフに引っ張られ、終盤まで連れていかれる。章立て冒頭の保安官のモノローグの印象が残っているうちに、主人公と追手が繰り広げる逃走劇が脳内に入り込んでくる。ストーリーが脳内に入ってくるのは、著者の作品『ロード』でも同じだ。その文体がそうさせるのだと思う。

     主要な登場人物はすべて戦争経験者だ。オールド・メンの条件が戦争経験のように思うが、ア

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    2023年10月31日
  • ブラッド・メリディアン あるいは西部の夕陽の赤

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    一言で、血なまぐさい。
    しかし、人間の本性というか、根っこというか、生物の一種としての存在としてというか、そういう部分では、もしかしたらこういう感覚や行為はあるのかもしれない。
    読み進むのに楽ではないところもあるし、この本を読んでいる間はずっと鼻の奥に血の匂いがあるような感じまでしたが、人間とはどんな生き物なのかということをマザマザと見せつけてくるような感じという点では、すごい存在感がある一作。
    読む人は選ぶのかもしれないけれど。

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    2023年10月28日
  • ザ・ロード

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    ただ歩くだけでどんだけ引っ張るんだ?という前半だけど、徐々にこの世界のありようが明らかになってきたりそれなりの物語の起伏もあってまあまあ楽しめる。

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    2023年10月15日
  • 越境

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    舞台は1940年代のアメリカ・メキシコ国境地帯。主人公の少年は、三度び国境を越え、馬に乗ってメキシコの地を延々と放浪する。
    一度目は捉えた雌狼を生まれた地に送り届けに、二度目は盗まれた馬を取り戻すために、三度目は生き別れた弟を探しに。
    主人公は孤独な旅を逞しく続けるが、その過程であらゆるものを抗いがたい暴力によって喪失していく。
    壮大で厳格な喪失の物語である。

    文庫本で600ページを超える大作だが、最初の1、2ページを読んだところで、あまりの読みにくさに挫折しそうになった。
    独特な言葉遣いと長いセンテンス、詩的な情景描写、短い言葉を交わすだけのダイアログ、場面の切り替わりのわかりづらさ。

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    2023年09月23日
  • 蠅の王〔新訳版〕

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    ネタバレ

    子どもというものは大多数が周囲の環境によって簡単に染まってしまうほどの純朴さをもち、悪か善かどちらになるかは周囲の環境ないしリーダーの存在性(カリスマ的素養)に依存する。刹那的であり、自己保身的である。責任をもつものが存在していない完全なる自由の或る地とは、楽園にも地獄へも姿を変えることができるが人間である限りは楽園となるとはないであろう。大義名分・言い訳・事情、言葉としては何でもよいが理由さえ存在すれば他者を自己利益のために侵害することができるのだから。ここでいう蠅の王とは恐怖の雰囲気そのものであり、これ自体に力はない。しかし一度蔓延してしまえば簡単には収束されず、子供ほどの純たるものしか存

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    2023年09月12日
  • ザ・ロード

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    動植物は死に絶え、人が人を喰らう終末世界で続けられる父子の「火を運ぶ」旅。善とは何か、生きるとはどういうことか…。全く光の見えない絶望的な情況の中で「破滅後」しか知らない少年の純粋さが胸を打った。

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    2023年08月23日
  • ノー・カントリー・フォー・オールド・メン

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    血と暴力の国含めて3回目。やっぱり面白い。けど、これに関しては映画が素晴らしすぎる(映画も3回見てる)。

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    2023年08月09日
  • すばらしい新世界

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    作中では時々、詳細な科学用語・物質名が引き合いに出され科学的にかなり発展していることが伝わり、その世界で宗教、文学、歴史が禁忌、禁書となっていることで「現在の我々読者の常識は非効率的な世界である」という雰囲気が出ている。

    しかし、性については野蛮人そのもので、誰とでも性交をするのが良しとされ、1人の人を愛する感覚がない彼らは果たして文明人と言えるのだろうか。

    また、異様なまでにシェイクスピアが引用されており、SFを描くにしては過剰な著者の文学的趣向が滲み出てしまっているように思えた。

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    2023年07月27日