黒原敏行のレビュー一覧
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ネタバレ美しい風景描写に救われるが、そこに血の跡を残していくインディアン討伐隊。マッカーシーは汚れつつ生まれたアメリカ開拓期の一面にある歴史を書く。
ビリーが繰り返す不幸そうな恋愛と、ジョン・グレイディの共演は面白そうですがなんだか気が乗らずおいてあったのですっきりしました。
そして取り掛かったのが「ブラッド・メリディアン」でこれは読んでおかないと一応マッカーシーの締めにならないと思って。
あとがきでは「20世紀アメリカ文学屈指の傑作。歴史的現実を尊重するもの」とか。あちこちでこれは傑作だという評があふれています。でもしっかり理解できず多少のもどかしさが残るのです。特に、時を経て判事と少年が再会し -
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妻殺しの罪を着せられた男に死刑執行の時が刻一刻と迫る中、事件当夜のアリバイを証明できる「幻の女」を探すというタイムリミット・サスペンス。最近似たような設定の国内作品を読んだが、本作は冤罪とか法曹の問題とかに焦点を当てるわけではなく、あくまで謎解きを中心に据えた作品なので、余計なことを考えずシンプルに楽しめた。
今から80年以上前に発表された作品であるにもかかわらず、古臭さをあまり感じずに読めるというのが何気に凄い。文体も特徴的で、格調高さに最初はやや違和感があったんだけど、すぐ慣れて途中からこの作品にはこの文体以外考えられないと思うに至った。真相は言われてみればなるほどといった感じだけど結局読 -
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ネタバレ子供の情念と性悪説
楽園のように食料に困らず外敵もいない無人島に子供だけが不時着する。最初は集会を定期的に開き家を作り火を炊き豚をかっていた。しかし小さな子から中くらいの子へと伝わり話が肥大化している"獣"の存在がみんなの恐怖心を煽る。ジャックとラルフはどちらが隊長になれるか競争している。その一環で、獣の正体を突き止めて群衆に勇気を見せつけようとする。
夜闇の中冒険に出たせいで、人間の死体が正体であるのに気が付かず、化け物だと思い込んでしまう。
そこでラルフが「獣の前では狩猟隊は槍を持った子供だ」というと、ジャックが決定的に腹を立てて決別してしまう。
ここから狩猟隊VS文明 -
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イアン・マキューアンを読んで以来、現代海外文学の面白さに気づき、いろいろ読んでみたくなった。で、コーマック・マッカーシーを手に取ってみた。
本作はメキシコが舞台の辺境3部作の一冊。
いや〜面白かった。なんだろう。久しぶりの感覚。起承転結ありの正統派小説。血生臭くてグロくてあまりにも残酷な成長物語。
馬と暮らしたい、牧場で働きたいとの漠然とした気持ちからグレイディは友達のロリンズと馬に乗り、テキサス州からメキシコへ国境を越えて行く。野宿をし銃で狩った兎をバラして食べ、川の水を飲み行く宛を探しながら旅をする。命の危険と隣合わせの旅。途中で見ず知らずの少年に会う。この少年も銃と立派な馬を持ってい -
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ポアロシリーズ。
今回の舞台は、ナイル川を遡上する豪華客船。クリスティー作品ではお馴染み(?)の裕福な美女を巡るロマンスを軸に、登場人物たちの不穏な思惑が複雑に絡み合う。
ミステリー作品なんだけど、中盤までなかなか事件は起きない。それでも著者の卓越した描写力で、普通に人間ドラマの読み物としても面白い。
本作は何と言っても、ポアロの魅力がふんだんに詰まった作品だと思った。謎を解き明かす観察眼と推理力は言うに及ばずで、一癖も二癖もある登場人物たちとの関わり方、言葉の選び方、思いやりや慈悲深さなど、ポアロの人としての魅力が印象深かった。
エジプトのナイル川での旅情や、事件発生後の犯人探しは最後 -
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再読。ユートピアとディストピアの違いは何かを考えさせられる。時代はフォードが大量生産を始めた頃を始めとするフォード紀の後の世界。その世界では瓶で子供が生殖され、人間同士が生殖行為によって子供を作るなど野蛮な原始人のような行為とみなされている。
さらに洗脳教育および階級付け、ソーマといった快楽を得る薬物の存在。かなり前の小説であるものの、ユートピアを実現するための手段を、用意周到に練って考えられていることに驚く。
上記の技術自体、倫理的な観点を考えなければ実現可能であると想定されるし、倫理など世論でいくらでも変わる。例えば、少子化がこのまま進み続けて子供を人間が持つことへの意味がなくなってき