黒原敏行のレビュー一覧

  • 越境

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    ネタバレ

    大まかなストーリーは背表紙に、捕まえた狼を故郷のメキシコへ越境して連れて行くと書いてありましたが、3分の1過ぎて予想外の展開に。

    前作よりストーリーのスケールは越境のほうが大きいと思いました。

    プリマ・ドンナや元老兵士そしてジプシー?や旅人が、様々な世界のあり方や捉え方を予言のごとく語ります。彼らにはビリーをどう見ていたのかどう映っていたのか。

    コーマックマッカーシーの本は時と場所を選んで静かに読みたいと思いました。

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    2025年04月19日
  • ナイルに死す〔新訳版〕

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    ネタバレ

    1937年イギリスで出版
    2003年発行 文庫
    訳者 加島祥造
    最初に 著者の前書きと
    訳者からのおねがい が載っている
    *ゆっくり読んで
    *地図を見て参考に
    *「探偵小説が[逃避行文学]だと
      するなら読者はこの作品で
      〜南国の陽射しとナイルの青い水の国
      に逃れてもいただける訳です」アガサ
    ...ひととき旅するように楽しんで
    ってことか...

    ・リネット.リッジウェイ(ドイル)
      →美貌の若い資産家女性 銃で殺される
    ・サイモンドイル→リネットの結婚相手
    ・ジャクリーン.ド.ベルフォール
     →リネットの親友でサイモンと婚約していた

    リネットとジャクリ

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    2025年04月13日
  • ナイルに死す〔新訳版〕

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    1937年の作品。
    ポアロ・シリーズ長編15作目。

    あらすじ
    美貌の資産家の娘、リネット・リッジウェイは世の中で手に入らないものはないと思われるほど恵まれた境遇だった。美貌、金、聡明さ…全てを兼ね備えていた彼女だったが、貧しい親友のジャクリーンの恋人、サイモン・ドイルのことが好きになり、彼女から奪い結婚してしまう。ジャクリーンは自分を裏切った2人を恨み、新婚旅行のエジプトまで追いかけてくる。
    たまたま休暇中だったエルキュールポアロは、このエジプトのツアーでリネット夫妻とジャクリーンと一緒になる。一行はナイル川沿いを巡るカルナック号のツアーに参加するが、そのツアーの最中にリネットが何者かに撃た

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    2025年04月07日
  • ナイルに死す〔新訳版〕

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    現代の日本の作家のミステリーももちろん面白いが、やはりクイーンやポワロの活躍する探偵小説はいつでも面白い。比較的長い作品にも関わらず、事件の真相が明らかになるとその長さの中に無駄がなく伏線が詰まっていたのだと分かって衝撃だった。

    (あらすじ)
    2人の男女が愛し合っていたが、男は裕福な女性リネットと結婚してしまった。2人はそのままエジプトへとハネムーンに出かけるが、そこに男のかつての婚約者が現れた。女の出現に怯えるリネットだったが、撒くために乗り込んだ船にも女が現れ、リネットはその後死体となって発見される。果たしてこれは復讐のための殺人か!?エルキュール・ポワロが明かす意外な事件の真相とは!

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    2025年04月05日
  • すべての美しい馬

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    全米図書賞と全米批評家協会賞受賞。映画化されている本作は、後の『越境』と『平原の町』を合わせて〈国境三部作〉と呼ばれる一作目。過酷な運命に翻弄される少年の成長を描く、ロードムービー的冒険譚の名作だと思います。

    あらすじ:
    16歳のジョン・グレイディ・コールは、祖父の死とともに牧場を失うと、一つ上の親友レイシー・ロリンズを誘って旅にでます。それは、高速道路に車が走る時代に、愛馬に乗って自らの居場所を求める越境の旅でした。途中、荒涼とした大地を旅するうちに、後に彼らの運命を翻弄することになる年下の少年と出会い、連れ立って旅を続けた一向に待ち受けていたものとは……。

    翻訳がいいのか、クセのある濃

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    2025年04月01日
  • 蠅の王〔新訳版〕

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    ネタバレ

    紙から溢れる少年達の生命力がすごい! 飛行機が墜落し、無人島に取り残される少年たち。最初は冒険気分でも「食べる・寝る・排泄・助けを求める」という現実からは逃れられない。義務を説くリーダーは嫌われる、遊と勇を説くリーダーは好かれるのは人間世界そのもの。自分を心得ていたピギーとサイモン。思考停止せず自分に従う二人が悲しみと共に心に残る。デスゲームの様相と残り少ないページ数にハラハラしながら一気読みした。作者が教師をしながら書いたこの小説。経験を生かすとはこういうことなのかと。いい作品に出会えてとてもうれしい。

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    2025年03月22日
  • 越境

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    著者の作品は、映画の脚本としては触れてきたが、小説は初めて読んだ。
    暗喩や挿話が多く、読み進めるのに体力が必要な文章。
    3度にわたる越境がビリーに大きな喪失をもたらすことになるが、成長や教訓のようなポジティブな要素を安易に提供してはくれない。
    アメリカと異なり、野生的な世界を感じさせるビリーから見たメキシコは観念的で、神話の世界のようでもある。

    3部作の1作目を読まずに本作を手に取ったが、全く問題なし。ただ、3作目は1作目の主人公とビリーが共演するようなので、1作目から読んでみたくなった。

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    2025年03月16日
  • ナイルに死す〔新訳版〕

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    クリスティーの本で一番ページ数が多く、その厚さに二の足を踏んでいましたが、読んで良かったです。名作ですね。

    構成は、第一部「登場人物の紹介」と第二部「エジプト」の二部構成。第一部の丁寧な人物造形による前振りが、第二部での愛憎入り乱れたロマンスあり旅情ありの紀行ミステリとして、次第に人物像が明らかになっていくにつれて引き込まれました。

    取り立てて巧妙なトリックがある訳でもなく、犯人の見当も付きやすいですが、「あの件とあの件は、どうしたのかな?」と疑問に思っていたことが、最後にポアロの言葉での解説と犯人の語る動機を読んで、うなってしまいました。

    また、丁寧に描写された人間関係も相まって、エン

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    2025年02月09日
  • 蠅の王〔新訳版〕

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    ネタバレ

    最初に読んだ時衝撃を受けた。自分の大好きな小説ランキングTOP10に入る

    漂流文学で1番的を得ていて現実的で、生々しくて、うまく説明出来ないけどゾクゾクして、意味わからんくらい面白い(語彙力)

    「豚殺せ。喉を切れ。ぶちのめせ!」がずっと心に残ってる

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    2025年02月07日
  • 八月の光

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    ディープサウスの田舎町を舞台に繰り広げられる、壮絶な物語。一つの事件を様々な登場人物の視点から語ることで、当時のアメリカ南部の宗教的価値観や人種問題を克明に描き出している。
    内的独白や葛藤が究極の密度で描写されるため、多少読みにくい部分はあるものの、翻訳がとてもよかった。
    この物語のテーマをあえて一言で表すならば、「孤独」。登場人物の誰しもが何らかの孤独・内面的葛藤を抱えており、それら「社会のはぐれ者」の視点から当時の南部の因習を語ることで、作品の深度を高めている。
    リーナとバイロンがテネシー州に一緒に行くラストは、希望的に描かれていると感じた。バイロンの内的独白『人間ってたいていのことには耐

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    2025年01月16日
  • すばらしい新世界

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    この物語のなかで起きていることに困惑したり嫌悪したりするのは、わたしはわたしで現実世界で条件づけ教育を受けているからだろうかと悩まされた。こうするのが正しくて道徳的だと信じ込まされているだけであって、違った理想が掲げられていればそちらを不思議に思ったりはしないはずだ。
    終盤のムスタファ・モンドとジョンの会話が面白くて素晴らしかった。ジョンはジョンでいくらか偏った考えを持っていて、それ故にふたりのどちらにも共感できないのだけれど、どんな意図での言動なのかがわかりスッキリした。
    麻薬がなければ新世界でもやっていけないのならまったく安定していないし、生まれる前から遺伝子を捜査されて階級が決められてい

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    2025年01月08日
  • ノー・カントリー・フォー・オールド・メン

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    〈眼は魂の窓だとよく言うだろう。すると魂のない人間の眼はなんの窓なのかおれは知らないしどちらかというと知りたくない気がする。しかしこの世には普通とは違う世界の眺め方がありそんな眺め方をする普通とは違う眼があってこの話はそういうところへ行く。〉

     訳者あとがきで知ったのですが、タイトルの『ノー・カントリー・フォー・オールド・メン』はアイルランドの詩人イェイツの詩の一節で、「老人の住む国にあらず」が直訳になるそうです。理解できないものと対峙することになる非情な現実が、言葉という表現で強烈に迫ってくる、ちょっと他では代替できないような読書体験が味わえる一冊です。

     メキシコの国境地帯で麻薬密売の

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    2024年11月14日
  • 蠅の王〔新訳版〕

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    「『蝿の王』のようだった」というレビューを何度か見たことがあって、『蝿の王』のような感じってどんなの?とわからず(@_@;)
    気になって小説を読んでみたくなった。

    少年たちを乗せた飛行機が無人島に不時着した。少年たちはリーダーを決め、大人のいない島での暮らしは、当初は気ままで楽しく感じられたが…。

    作者のゴールディングのコメント。
    「大事なことはただひとつ、まずは物事の中に入って、そこで動きまわるという体験をすることだ。そのあとで、自分の好きな解釈、正しいと思う解釈をすればいい。」

    私も物語に入り込んで少年たちと一緒になってすごい体験をしてしまった…。
    服も髪も顔もボロボロになり、森や山

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    2024年10月30日
  • 幻の女〔新訳版〕

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    アイリッシュは短編集を中学生の時に読んで好きになり、これもその時に読んだ。
    何十年ぶりかで読んで、ニューヨークのバー、レストラン、劇場などのシーンや、服装、小物のセンスがとてもおしゃれで、アイリッシュは都会派の粋な作家だな、と改めて思った。
    ちょっとサリンジャーに通じる所がある。
    残酷なシーンもあるけど、昔のミステリーって温かみや倫理観がある。
    刑事のバージェスが頭が切れる人で良かったな、って感じ。

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    2024年10月17日
  • 幻の女〔新訳版〕

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    「夜は若く、彼も若かったが、夜の空気は甘いのに、彼の気分は苦かった。」

    冒頭のお洒落な一文から一気に物語へ引き込まれた。

    妻と喧嘩した男は、街で出会った謎めいた女と過ごして帰宅する。そこで待っていたのは、変わり果てた妻の姿だった…。

    誰も自分のことを信じてくれない。
    彼の唯一の目撃者である女は幻だったのか?
    真相が気になって夢中でページをめくった。

    章立てが「死刑施行日の○○日前」となっているので、執行日が迫るたびに自分まで焦ってくる。
    ネタバレを見ずに読めて本当に良かったと思える作品だった。
    事件の面白さだけでなく、劇場へ向かう夜の街など、海外作品ならではの都会的な雰囲気にも惹かれた

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    2024年07月28日
  • ザ・ロード

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    ネタバレ

    ずっとドキドキしながら読んでいる
    読むのを止められない、少年が生きているか?死なないでと思いながら読む
    子持ちは読むのが辛い、ハッピーエンドを期待して読む
    ハッピーエンドなんてありえるのか?全く想像もできないけど少年が死ぬのだけは耐えられない

    今後存在しないものは今まで一度も存在しなかったものとどう違うのか

    男に刺されそうになる少年をなんとか守り抜いた彼、大事にしているのは少年の生なのか、それとも自分の希望なのかどちらだろうかと思った
    しかし最後まで読んでみて、そんなエゴの存在はわからなくなってしまった、自分より先にこどもが死ぬ、それが何よりも耐え難いのは分かりきったことだったなと思う

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    2024年06月13日
  • ザ・ロード

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    ネタバレ

    初コーマック・マッカーシーは、世界的なベストセラー小説でピューリッツァ賞も受賞しているこの本から。

    おそらく核戦争があった後のアメリカ大陸を歩いて旅する父と息子の物語。塵によって太陽光が遮られ気温が下がり、人間以外の生物もほぼ死に絶え、生き残った人々は、奪い合い殺し合い、死人を食らうようなことまでしつつ生きているディストピア。

    父子も、体臭と汚れにまみれたボロボロの服を着て毛布や防水シートをまとい、ショッピングカートに生活品を乗せて移動しつつ、廃墟を漁り日々を凌ぐ。読んでいるだけで寒いし飢えるし喉が渇く。だが決して人の命や財産を奪うことはしない、生きていくために廃墟を漁ることはしても、人の

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    2024年05月30日
  • Xと云う患者 龍之介幻想

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    北村薫の『六の宮の姫君』を連想。芥川の周りの人物に興味を持った。微妙に芥川の作品が選ばれている。そういう意味ではピース好みの芥川になっている。

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    2024年05月12日
  • ザ・ロード

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    ゾンビやターミネーターのいない未来社会と思われる世界を父と子が歩いていく。途中の出来事に徐々に吸い込まれる涙なくして読めない傑作。

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    2024年04月05日
  • 蠅の王〔新訳版〕

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    序盤から不穏な空気が漂っていて、ページをめくる手がとまりませんでした・・・!どうすればこうならなかったんだろう・・・と読後もああでもないこうでもないと考えを巡らせてしまう。モヤモヤするけど読めて良かった名作です!

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    2024年03月15日