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飛行機が墜落し、無人島にたどりついた少年たち。協力して生き抜こうとするが、次第に緊張が高まり……。不朽の名作、新訳版登場。
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Posted by ブクログ
現代の社会実験として十分に説得力があり、ところどころに挿入される寓話は物語としても強固である。中でも「野蛮人」へとすり替わる描写は我々の先入観を強烈に刺激する。
無人島に漂流した少年たちが互いに協力しながらもサバイバルを続ける。その中で次第に火や道具といった理性的な物を中心にする派閥と、狩りを中心にした暴力的な派閥に分裂してゆく。それはさながら現代の左派と右派の対立を象徴するかのようだ。どちらの要素も人間には必要不可欠であり、絶対的な正義はなく、極限の環境に...続きを読むよってそれはいくらでも暴走しうるという人間の本性があるのみである。少年たちを主人公にすることによって、少年たちが大人を理想像的に思い描いているが実はその少年達の姿こそが本来に人間の姿に最も近い点が印象的だった。
「『蝿の王』のようだった」というレビューを何度か見たことがあって、『蝿の王』のような感じってどんなの?とわからず(@_@;) 気になって小説を読んでみたくなった。 少年たちを乗せた飛行機が無人島に不時着した。少年たちはリーダーを決め、大人のいない島での暮らしは、当初は気ままで楽しく感じられたが…。...続きを読む 作者のゴールディングのコメント。 「大事なことはただひとつ、まずは物事の中に入って、そこで動きまわるという体験をすることだ。そのあとで、自分の好きな解釈、正しいと思う解釈をすればいい。」 私も物語に入り込んで少年たちと一緒になってすごい体験をしてしまった…。 服も髪も顔もボロボロになり、森や山を走り回り、どっちのリーダーについていくか考えたり、どうしたらこの辛い状況を解決できるか悩んだし、悲しんだり…。 こういう生々しい体験ができるから読書ってやっぱり大切だし素晴らしい、と思わせてくれる本だった。 ゴールディングの言うように、それぞれ読む人によって解釈は違うと思う。 私は純粋でわかりやすい「子ども」で例えた、ユートピアからディストピアへの寓話として読んだ。 『動物農場』と違うのは、理性を失った時の人間の本質が描かれているところ。 はじめは選挙でリーダーを選び、ラルフがそれぞれの役割を決めてうまくいっていた。 次第に力の強いジャックが権力を握っていき、独裁者へと変わっていく。 暴力的な支配者に洗脳され、集団は怖ろしい方向へ流されていく。 当たり前のことが伝わらない恐怖、集団心理の恐ろしさ、人間が誰でも持っている暴力性。 「この少年たちは人間であるという怖ろしい病気にかかっている」ともゴールディングはコメントしている。 誰もが持っている人間の本質って。。。 読んだ後もずっと考えてしまう。 こういう考えさせられる本が大好きだ。 ★10
序盤から不穏な空気が漂っていて、ページをめくる手がとまりませんでした・・・!どうすればこうならなかったんだろう・・・と読後もああでもないこうでもないと考えを巡らせてしまう。モヤモヤするけど読めて良かった名作です!
展開がテンポ良くだがじわじわと状況が変わるのが伝わり、書き方がシンプルで良い。 人間の獣性をよくかけてる
「この少年たちは人間であるという恐ろしい病気にかかっている」 訳者後書きの一文がこの小説を端的に物語っている。性悪説の視点で描かれたというより、人間とはそもそも獣だという考え方なのだ。 まさに「人間は蜜蜂が密を作るように悪をなす」のだ。 粗筋としてはこんな感じ。 「飛行機の墜落で無人島に漂着した少...続きを読む年たちが、大人のいない世界で自らの獣性に目覚め、共同体から除外された仲間の殺戮を始める。」 閉ざされた世界で2つのグループに分かれて行き、それぞれ独自のルールが作られる。文明のルールを守りたいラルフと、サバイバルを楽しみたいジャック。多くの少年はジャック側につき、ラルフ側の仲間は追い詰められていく。 ジャック側の子供たちが狂気に飲み込まれていくプロセスにリアリティーがあり、読んでいて不快になる。学校のイジメのプロセスに似ているかもしれない。子供が殺し合う小説は少なくないが、本書の不快さは群を抜く。それほど不快でありながら名作となったのは強いリアリティーがあるからだろう。 とても考えさせられる一作だった。
序盤は抽象的で冗長な印象を受けるが、ラストは文字通り、駆け抜けるスピード感がすごい。性悪説という言葉から生まれたイメージが全速で追いかけてきているような感覚になった。 「ぼくはあいつが怖い」「だからあいつのことがよくわかる。ある人間が怖いと、その人間が憎くなるけど、その人間のことを考えるのをやめら...続きを読むれなくなるんだ。」 という一文が印象的。 聖書的な意味があると知れる訳者あとがきが大変ためになり、思った以上に様々な見方のできる本だった。
後半のは文章にスピード感・緊迫感があり、風景描写が巧だった。 SNSなどネットを覗けば、匿名の皮をかぶった野蛮人になる者が垣間見られるように思う。 あとがきにあるように具体的な背景が省かれたことで普遍性をもち、今でも色褪せない内容である。ただ、人間関係に疲れている時に読むものではないな。
遭難が唐突に始まるところからして、かなり寓話性の意味合いを感じられる。ストーリー的にはむずかしくはないのだが、解説を読んでその深みを知った。ネタバレではないので、解説から読んでもいいと思う。
長く積読のままにしていたが、この機会に読み通せて良かった。 当初は秩序を重んじていた少年たちが、恐怖とコミュニケーション不全から敵対していくまでの描写に、強いリアリティを感じた。どのような意思決定の仕組みであれば、彼らは憎しみ合わずに済んだのだろうか。
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