黒原敏行のレビュー一覧

  • ナイルに死す〔新訳版〕

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    言わずと知れたアガサ・クリスティーの名作。
    中学生の頃、やたらアガサ・クリスティーを読む友人がいた。ある日、彼がこの本を読んでいたことを思い出し(といっても40年以上も前の思い出だが)、読もうと思い立ち手に取る。
    1937年に書かれたものだが、僕の思い出とは異なり、色あせることはない。
    まず「ナイルに死す」というタイトルが、何とも異国情緒に溢れた響きがあり、いいではないか。
    物語は、アフリカの大地をゆったり流れるナイル川のように、さまざまな人々の背景、船上での新たな人間関係、密かな思惑など全てをゆっくり飲み込むかのように流れていく。
    太古の文明を築いたエジプトとはそういう場所なのだろうか。

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    2025年02月12日
  • ザ・ロード

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    ピュリッツァー賞受賞作。
    最後までまったく面白くなかったのに、文章の流れにのると没頭できてしまった。サラエボ包囲を想像して読み進めてからは、純文学的な言葉の川に溺れることができて、それはそれでよきでした。言葉と言葉で緻密に紡がれて形成されたその場限りの世界に篭りたい時ってあるよね。

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    2024年12月07日
  • ザ・ロード

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    読書会課題本。ストーリーは「何だがわからないがめちゃくちゃ荒廃し、住民がほぼ野生化したアメリカの近未来で、とある親子が放浪の旅をする」という話。荒廃した理由が不明な上、矛盾している描写も多いので、SFとして読むとかなり物足りない。しかし、現代社会を風刺した寓話として読むと「ああ、なるほど」というのがある。そういう意味で、現地でヒットした理由も、ピューリツァー賞受賞も納得がいく。

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    2024年11月16日
  • 蠅の王〔新訳版〕

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    新潮社版の方は訳が古いので、読み易そうなハヤカワ版をチョイス。スティーブンキングが影響受けてるということが解説でも書いてある通り、キャッスルロックという名前が出てきたり、ゆったり始まり急転直下のラストと話の構造も似てなくもないような。時代背景とか影響云々の付加価値がないと衝撃度はちょっと薄い。

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    2024年11月04日
  • 幻の女〔新訳版〕

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    海外作品は私にとって読みづらさがあるが、
    この作品はスラスラ読めました。
    順に追って真相に近づいていく緊張感が良かったです。
    ただし、「幻の女」と言う設定は少し物足りなかったです。
    ラストがちょっとね!

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    2024年10月15日
  • すばらしい新世界

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    管理されすぎた世界を描いている。その世界をどう感じるか、ディストピアなので負の世界と思うか、それでも幸福と思うか。苦労をする権利を主張できるか。

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    2024年08月16日
  • 幻の女〔新訳版〕

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    知らなかったがミステリーの古典らしい。
    ストーリーは今から見れば強引な展開が多いものの、バーや観劇といったニューヨークの都会的な雰囲気、幻想的な描写、唯一のアリバイ証言者となる消えた幻の女を探すという仕立てが上手く嵌っていると思えた。
    ネタバレしてしまうから映像化は難しいと思ったけど、何度も映画やテレビドラマになっているらしい。

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    2024年08月07日
  • すばらしい新世界

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    ネタバレ

    昔の小説かつ翻訳本ということで読み辛かった。。。
    15〜16章の哲学弁舌対決の部分以外は正直面白さは感じなかった。
    面白くなかった理由は物語全体を通して分かりやすい"主人公"がいないからかもしれない。

    また"最大多数の最大幸福"を実現した未来世界は、野蛮人ジョンの視点からディストピアのように描かれているが、争いが絶えず格差が広がるばかりの現代社会よりかはマシなように思った。

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    2024年07月28日
  • すばらしい新世界

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    この小説で描かれた世界は気持ち悪い。
    「人類全体の幸福のために」と考えたはずであるが、倫理を無視した手段を採ってしまったと感じる。

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    2024年05月31日
  • すばらしい新世界

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    ディストピア的なものに対して畏怖と憧れが同時に存在していたあの時を懐かしく感じる。
    今はどうだろう。。

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    2024年05月22日
  • 八月の光

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    とってもしんどい
    読むのに1ヶ月かかった。
    それぞれの物語があって、それが1つの事件と絡む構成はカラマーゾフの兄弟のような感じもある

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    2024年05月22日
  • 蠅の王〔新訳版〕

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    実に子どもらしい子どもたち。ルールを作っても守らない、自分がやりたいことへの衝動を抑えられず、作業に協力しない姿など、非常にリアル。しかし、大人ならしっかりルールを守って何ヶ月も火の番ができるか?暴力なしに協力して生き抜けるか?かなり、怪しい。人間の本質がこの物語の指摘の通りだとしたら、どうやって社会を作っていったらいいか、考えさせられる。少なくとも、ルールをどんどん増やすだけでは、意味がないとよく分かる。

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    2024年05月20日
  • すべての美しい馬

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    独特な文体で詩的にメキシコとテキサスの荒涼とした景色の中を美しい馬たちと愚かな人間たち、そしてそのようなものには無関心な世界を描く。正直なところ流れていく文章が理解する前に読み進めていってしまうようで、スタイルに慣れていない序盤の部分があまり理解できていなかった。「ノーカントリー・・・」とはまた違う印象。

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    2024年05月18日
  • ノー・カントリー・フォー・オールド・メン

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    コーマック・マッカーシーの代表作である。
    国境での麻薬取引が襲撃され麻薬と金(かね)の奪い合いが始まる。金を横取りするベトナム帰還兵、追いかけ回す密売集団、スタンガンのような特殊な武器を使う殺し屋の執拗で冷酷な追跡、それを捜査し追走する保安官・・・。
    独特の表現で、今のことなのか過去のことなのか、状況なのか会話なのか、話ことばに鍵かっこを使わず、凄惨な場面が次々と起こる。めまぐるしい展開に説明がない、何がどうなっているのかわからず読者も振り落とされそうになる。
    各章冒頭の随想のような文章で一息入れる。
    欲望と殺戮と僅かの日常が混在し、全編を貫くスピード感と虚無感に満ちたテイストの風変わりな小説

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    2024年05月11日
  • ザ・ロード

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    破壊され尽くした世界を父と息子の二人が「火を伝える」という目的を持って南に向かって歩き続ける。
    廃墟の中、辛うじて残った食糧や必需品を漁る緊張感、掠奪者や老人・子供に遭遇することが孤独を紛らわし物語の現実感を醸し出す。ボロボロの地図を頼りに雨や雪、疲労と飢え、病気と怪我に抗して南に向かう。海に辿り着いても状況は何も変わらない。
    二人にとっては「防水シート」がいろいろな場面で何度も出てくる万能資材であり、「カート」が必要品を運んでくれる頼り甲斐のある同行者だ。
    大状況がわからないということはこれ程不安を感じさせるものなのか。読者は一瞬も気を抜けず漠然とした期待を求めて読み続け、南にこそ可能性があ

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    2024年05月05日
  • TOKYO REDUX 下山迷宮

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    消化不良。どうしても、「ミステリとして」読めなかった。
    前提知識が足りんかね。
    「闇の奥」読んだうえで、もう一度第1作目から読み直すかな。

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    2024年05月03日
  • ノー・カントリー・フォー・オールド・メン

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    洗練された重みのある文章。。。わかっちゃいるんだが。どうにも自分とは相性が悪いようだ。多分四作くらい読んでいるのだが、毎回読後があんまりよくなかった。必要以上に暗い気がする。どうも自分はユーモアとか皮肉とかがないと読んでるのがしんどくなってくるようだ。

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    2024年04月11日
  • 越境

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    アメリカとメキシコを行ったり来たりしつつ、悲劇に見舞われながら生きる主人公と対話する人々との哲学的な挿話で構成されている。様々な暗喩が込められて語られる会話がほぼ全体を支配してるので、相変わらず読みにくいが、分かり易い物語や伏線回収云々な小説よりずっと心に残るし、何度も再読出来る小説だと思う。

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    2024年04月07日
  • 通り過ぎゆく者

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    「ステラ・マリス」を読むまで全貌は掴めないが、ただただ世界は孤独で悲しく深淵だ。

    そういう世界を最期まで描き続けた、追悼コーマック・マッカーシー。

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    2024年04月04日
  • 幻の女〔新訳版〕

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    ネタバレ

    ・あらすじ
    妻殺しで捕まった男。アリバイを唯一証明できる消えてしまった幻の女を捜索する関係者。

    ・感想
    解説読むまでこの本がそんなに有名だったとは知らなかった。
    サスペンスの詩人と言われてるようで確かに詩的な表現が多かった。
    その詩的な表現と曖昧模糊とした状況、暗中模索な捜索が噛み合ってた気がする。
    初めて読んだけど面白かった。

    幻の女の正体と殺人犯の正体を探っていくけど殺人犯の方は予想つけやすいからすぐわかった。

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    2024年03月06日