黒原敏行のレビュー一覧

  • チェリー

    Posted by ブクログ

    銀行で「アッティカ!アッティカ!アッティカ!」と言う場面。つい最近観たアルパチーノの「狼たちの午後」を思い出した。

    0
    2020年04月08日
  • 闇の奥

    Posted by ブクログ

    1ページ読んで、3ページ戻る。
    どうなってんのか分からず、戻って読み直す、を繰り返し。気づけば、結局何がなんだかわからないまま読破。
    コッポラ監督の『地獄の黙示録』の原作ということですが、映画よりも淡々と静けさが目立ち、かつ難解です。
    しばらく本棚に寝かせて、5年後くらいにまた読んでみようかな。

    0
    2019年09月18日
  • Xと云う患者 龍之介幻想

    Posted by ブクログ

    テクノ/ハウスなどの音楽で一般的なリミックスという手法は、その後、”シミュレーショニズム”の文脈で現代美術にも派生するが、文学においてはそこまで一般的な手法ではない。本書はそうしたリミックスの手法を用いて、芥川龍之介の作品を英国人作家デイヴィッド・ピースが新たな文学作品に仕立てた一冊である。

    芥川本人、芥川の作品の登場人物など、主人公が章ごとに移ろいながら、明治の世相が美しく、しかしどこか仄暗さを持って描かれる。どこまでが史実の話で、どこからが芥川の作作品のリミックスなのか、その垣根は極めてぼやかされており、幻惑的な時間が流れる、不思議な書物。

    0
    2019年06月01日
  • Xと云う患者 龍之介幻想

    Posted by ブクログ

    芥川龍之介の作品にインスパイアされた短編集。
    著者は英国生まれだが、日本文学に精通し現在は日本在住、東大で教鞭もとる。

    ああ、もう一度芥川作品を読まなくては…。

    0
    2019年05月24日
  • すべての美しい馬

    Posted by ブクログ

    情景描写やキャラクター描写からアメリカとメキシコの対比が見られた。
    保守的なロリンズと自分の感情の赴くままに行動するジョン・グレイディの2人の性格も対比的に描写され、先進的なアメリカへの批判という、コーマック・マッカーシーの脱中心主義に基づいているのではないかと思われる。
    目を背けたくなるような暴力的なシーンが多かったため、読み進めるのに時間がかかった。

    0
    2018年06月16日
  • エンジェルメイカー

    Posted by ブクログ

    ロンドン。時計職人の祖父と、ギャングのボスの父を持つ時計職人のジョーは、奇妙な二人組の訪問を受ける。どうやら二人は、ジョーが祖父や父から大事な秘密を引き継いでいると思い込んでるらしい。しかし、自分には思い当たるものがない…
    大きくは時代の異なる二つの物語が進行して、それが途中から交わって新たな展開を見せる。この作品はハヤカワポケットミステリーで700ページ越えしているので、とても長い。しかも、二つの物語の二つ目について語り始められるまでが、また長く、読むのを挫折しそうになる。でも、100ページあたりまで来れると、グッと早く読めるようになる。

    0
    2017年10月23日
  • 闇の奥

    Posted by ブクログ

    マーロウという老船乗りが若いときに体験したコンゴでのできごとを語る。
    すごくオブラートに包んだ語り口で、そこに意味があるようなのだが、やはりよくわからなかった。
    肝心のクルツが何をしてどのように変化したのか分かりにくい。
    魔境の不気味さや迫力は感じられる。

    0
    2018年10月19日
  • 悪の法則

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    陰惨。
    ハードボイルドで詩的なマッカーシー節もあるけれど、むしろ主人公を憐れんだり、展開に恐怖したりすることに忙しかった。
    映画脚本で、会話が主であるため読みやすかったけれど、その読みやすさがむしろ、物語の暗さを後押ししているのかもしれない。
    主人公に対しても読者に対しても、憎むべき相手や怖がるべき対象がほとんど姿を見せないまま物語が進む。それもまたリアルで、その分読んでいて辛かった。

    0
    2017年04月05日
  • エンジェルメイカー

    Posted by ブクログ

    まー詰め込みすぎやわな、面白いけどのめり込めない。この世界観で半分かせめて2/3の長さやと印象も違うと思う。

    0
    2016年09月26日
  • すばらしい新世界

    Posted by ブクログ

    人間社会の本質を描こうとした作品と、私は読んだ。ありていに言えば、人間なんてこんなものとも読める。育つ環境により常識も変わってしまい、人のありようも当然変わる。

    問題意思を持たないと、とんでもない世の中になってもそのことに気づきもしない。お気楽といえばお気楽で、それもまた是なりか。

    作者の新版へのへの前書きにもあるが、ラストに関しては、違った書き方もあると思う。個人的には違った結末のものを読んでみたい。

    0
    2022年09月10日
  • エンジェルメイカー

    Posted by ブクログ

    長い。長すぎて疲れた。なんなんだろう、ミステリではないな多分。感覚的にはSFです。ハマる人には傑作だろう。私はそうではなかったが。

    巻き込まれ型の主人公の周囲は、怪しげな機械や怪しげな人物やらで雪だるま式に膨らんでいく。場面が変わるたび、そこに絡むエピソードに費やすページが多くなかなか本筋に入らない。早々に満腹感に見舞われた。二本立てのもう一方は女性エージェントのお話。こちらの方が相性がよく、読み応えもあり面白かった。

    “なんでもあり”のお話です。ジャンルも、スチーム・パンク、悪漢小説、冒険スパイと多岐にわたってるし、リアリティがないから、謎の団体が、誰が、どこで何をやってもお構いなしに進

    0
    2016年03月06日
  • 闇の奥

    Posted by ブクログ

    マッカーシーのブラッド・メリディアンで
    名前が出ていたので読んでみる。
    当時の大陸にいた先人にとって、
    海外から襲いかかってきた侵略者は
    一種の神秘という表現はおもしろいなーと。

    0
    2015年10月31日
  • 越境

    Posted by ブクログ

    オオカミを失い、
    家族を失い最後は弟を失う。
    越境するたびに何かを失う話。

    陰鬱なはずの描写もあるが、
    他作品と同じくまるで風景のよう。

    0
    2015年10月15日
  • チャイルド・オブ・ゴッド

    Posted by ブクログ

    どちらかといえば初期のころの作品だが、
    独特の文体、表現はすでにこの時点で固まっていたのだと思う。
    猟奇殺人ではなく、
    それを取り巻く世界を描いたという訳者の解説はなるほどと思った。

    0
    2015年09月30日
  • 越境

    Posted by ブクログ

    物語は一気に読むものという認識を強くさせられた。読むのに時間をかけすぎた。タイミングが悪かったことにして、いつか再読の必要があるだろう。

    0
    2015年09月15日
  • 悪の法則

    Posted by ブクログ

    映画脚本の日本語訳である。

    選択した気がなくてもいつの間にか選択している。
    そしてその結果に従うしかないってこと。
    他の作品でも見られるマッカーシー哲学を簡潔にした感じ。

    0
    2015年08月22日
  • 世界が終わってしまったあとの世界で(上)

    Posted by ブクログ

     めくるめく世界である。
     あれ? SFだっけ。現代のようだけれども……現代にしては、いろいろとできすぎる、そうか、SFだからか、となる。

    0
    2015年07月12日
  • 闇の奥

    Posted by ブクログ

    夏目漱石が愛読したコンラッドの代表作。
    そして、オーソンウェルズ、スタンリーキューブリック、フランシスコッポラなど巨匠たちがこぞって映画化しようとしたけれども、実現には至らなかった。

    という前情報〔千夜千冊1070話〕に興味をそそられて読み始めた。

    しかし、読みにくかった。
    けっして難しい文章ではないのだが、どうにもリズムが合わない。

    読後に解説を読んでみると、色んな人が翻訳しており、今回手にしたのは新訳だとわかった。
    そして、そこで、原文が読みにくいことで有名だということもわかり、それに対して、それぞれの訳者が色々試行錯誤していることもわかった。

    うーむ、その結果が、こういう訳になる

    0
    2014年09月28日
  • 悪の法則

    Posted by ブクログ

    映画「悪の法則」の脚本。こうして読むと、コーマック・マッカーシーの小説は普段から脚本というスタイルに近い。もともと心理描写がほぼないからか。普段の小説と違うのは会話が多いくらいかも。
    ただ、脚本だけに誰が誰か少しわかりづらい。映画を観た前提で読めば変わるのだろうか。
    映画のビジュアルを意識してか、いつもよりダイレクトにショッキングだった。

    0
    2014年05月07日
  • チャイルド・オブ・ゴッド

    Posted by ブクログ

    感情をそぎ落とした文体、訳の分からない異常な殺人行為。
    Cマッカーシーらしい作品なのだが、
    「血と暴力の国」のようなストーリー性は皆無なので
    かなり理解できなかった部分もありました。

    0
    2013年10月17日