黒原敏行のレビュー一覧

  • 八月の光

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    とってもしんどい
    読むのに1ヶ月かかった。
    それぞれの物語があって、それが1つの事件と絡む構成はカラマーゾフの兄弟のような感じもある

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    2024年05月22日
  • 蠅の王〔新訳版〕

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    実に子どもらしい子どもたち。ルールを作っても守らない、自分がやりたいことへの衝動を抑えられず、作業に協力しない姿など、非常にリアル。しかし、大人ならしっかりルールを守って何ヶ月も火の番ができるか?暴力なしに協力して生き抜けるか?かなり、怪しい。人間の本質がこの物語の指摘の通りだとしたら、どうやって社会を作っていったらいいか、考えさせられる。少なくとも、ルールをどんどん増やすだけでは、意味がないとよく分かる。

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    2024年05月20日
  • すべての美しい馬

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    独特な文体で詩的にメキシコとテキサスの荒涼とした景色の中を美しい馬たちと愚かな人間たち、そしてそのようなものには無関心な世界を描く。正直なところ流れていく文章が理解する前に読み進めていってしまうようで、スタイルに慣れていない序盤の部分があまり理解できていなかった。「ノーカントリー・・・」とはまた違う印象。

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    2024年05月18日
  • ノー・カントリー・フォー・オールド・メン

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    コーマック・マッカーシーの代表作である。
    国境での麻薬取引が襲撃され麻薬と金(かね)の奪い合いが始まる。金を横取りするベトナム帰還兵、追いかけ回す密売集団、スタンガンのような特殊な武器を使う殺し屋の執拗で冷酷な追跡、それを捜査し追走する保安官・・・。
    独特の表現で、今のことなのか過去のことなのか、状況なのか会話なのか、話ことばに鍵かっこを使わず、凄惨な場面が次々と起こる。めまぐるしい展開に説明がない、何がどうなっているのかわからず読者も振り落とされそうになる。
    各章冒頭の随想のような文章で一息入れる。
    欲望と殺戮と僅かの日常が混在し、全編を貫くスピード感と虚無感に満ちたテイストの風変わりな小説

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    2024年05月11日
  • ザ・ロード

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    破壊され尽くした世界を父と息子の二人が「火を伝える」という目的を持って南に向かって歩き続ける。
    廃墟の中、辛うじて残った食糧や必需品を漁る緊張感、掠奪者や老人・子供に遭遇することが孤独を紛らわし物語の現実感を醸し出す。ボロボロの地図を頼りに雨や雪、疲労と飢え、病気と怪我に抗して南に向かう。海に辿り着いても状況は何も変わらない。
    二人にとっては「防水シート」がいろいろな場面で何度も出てくる万能資材であり、「カート」が必要品を運んでくれる頼り甲斐のある同行者だ。
    大状況がわからないということはこれ程不安を感じさせるものなのか。読者は一瞬も気を抜けず漠然とした期待を求めて読み続け、南にこそ可能性があ

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    2024年05月05日
  • TOKYO REDUX 下山迷宮

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    消化不良。どうしても、「ミステリとして」読めなかった。
    前提知識が足りんかね。
    「闇の奥」読んだうえで、もう一度第1作目から読み直すかな。

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    2024年05月03日
  • ノー・カントリー・フォー・オールド・メン

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    洗練された重みのある文章。。。わかっちゃいるんだが。どうにも自分とは相性が悪いようだ。多分四作くらい読んでいるのだが、毎回読後があんまりよくなかった。必要以上に暗い気がする。どうも自分はユーモアとか皮肉とかがないと読んでるのがしんどくなってくるようだ。

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    2024年04月11日
  • 越境

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    アメリカとメキシコを行ったり来たりしつつ、悲劇に見舞われながら生きる主人公と対話する人々との哲学的な挿話で構成されている。様々な暗喩が込められて語られる会話がほぼ全体を支配してるので、相変わらず読みにくいが、分かり易い物語や伏線回収云々な小説よりずっと心に残るし、何度も再読出来る小説だと思う。

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    2024年04月07日
  • 通り過ぎゆく者

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    「ステラ・マリス」を読むまで全貌は掴めないが、ただただ世界は孤独で悲しく深淵だ。

    そういう世界を最期まで描き続けた、追悼コーマック・マッカーシー。

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    2024年04月04日
  • 幻の女〔新訳版〕

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    ネタバレ

    ・あらすじ
    妻殺しで捕まった男。アリバイを唯一証明できる消えてしまった幻の女を捜索する関係者。

    ・感想
    解説読むまでこの本がそんなに有名だったとは知らなかった。
    サスペンスの詩人と言われてるようで確かに詩的な表現が多かった。
    その詩的な表現と曖昧模糊とした状況、暗中模索な捜索が噛み合ってた気がする。
    初めて読んだけど面白かった。

    幻の女の正体と殺人犯の正体を探っていくけど殺人犯の方は予想つけやすいからすぐわかった。

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    2024年03月06日
  • 幻の女〔新訳版〕

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    ネタバレ

    洋書は登場人物の名前が中々覚えられなくて苦手なのだが、この本は登場人物も限られており、すんなり読む事ができた。
    80年位前の本だが古臭さは感じず、真相も予想できず驚いた。
    ただ刑事が犯人を泳がせていた事であれだけ一般人に危険が及んだり亡くなった人もいるのに、ドヤ顔で真相を語るシーンは少し違和感があったかな。

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    2024年02月20日
  • すばらしい新世界

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    ネタバレ

    社会の上層部が利益のほぼ全てを享受するユートピアを支えるためには奴隷の労働力が必要である。
    とはいえ、奴隷にも幸せはある。労働後のささやかな報酬という形で。

    そのような光景を描く本書はディストピア小説として今に知られている。労働力を自前で生産している点で、オフショア、グローバル化という言葉で奴隷の労働力のアウトソーシングを正当化した現代の筆頭資本者らよりも自助的であり、責任の所在を明確にしているといえる。非人道的な社会を描きあげた作家であっても、資本主義が要求する過酷なコスト意識を甘く見ていたか、見逃していた観がある。
    つまり、現代はすでにハクスリーのディストピアを実現している。一部ではそれ

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    2024年01月16日
  • 蠅の王〔新訳版〕

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    無邪気な子供達が大人のいない自由な無人島で生活していくと……!? という話だったのですが、私のような捻くれた性格の人が読むと「そうなるのだろうな」と少し冷めた気持ちになってしまいました。

    恐らくこの作品が書かれた当時としてはトンデモナイ衝撃作だったのだろうと思いますが、ネットの評価で言われるほど狂った作品ではありません。

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    2024年01月10日
  • すべての美しい馬

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    ブラッドメリディアンよりも読み易い。エンターテイメント性の高いし、キャラクターも分かりやすい。難点は読み難いことくらい。

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    2023年12月25日
  • 幻の女〔新訳版〕

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    古典的名作の新訳!
    今でこそ古今東西、ミステリーの終盤のどんでん返しは珍しくないけれど、当時の読者はこの「幻の女」の展開に衝撃を受けたんだろうなって思う。
    ミステリーの歴史を感じた一冊でした!

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    2023年11月26日
  • 闇の奥

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    ネタバレ

    想像してたより読みやすかった。
    200ページもないしこざっぱりしているけれど、突き詰めて考えると色々と考えられる話。

    クルツが話す場面はそんなにないもののひとつひとつの台詞のインパクトが強かった。
    『正しく生きて、死ぬ、死ぬ……』
    『私は闇の中に横たわって死を待っている』
    『怖ろしい!怖ろしい!』
    など。

    婚約者に『彼が最期に口にした言葉は──あなたのお名前でした』と嘘をつく場面も胸にくるものがあった。

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    2023年11月18日
  • ザ・フォックス

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    ゲームの分類で言えば「ロールプレイング」ではなく「シミュレーション」のような小説。

    イギリス情報機関は、首相公認で特殊な能力を持ったアスペルガー症候群の若者を使い、本人に罪の意識のないまま、難攻不落のセキュリティにハッキングして、敵対する勢力を攻撃することを計画し、実行する。

    敵対するのは“ロシア”の「頭領」(名前はでないが、今の大統領)、実名で北朝鮮のあの人、イランのあの人、名は伏せられているがアメリカ元大統領のあの人も登場する。

    「民主主義国家は勝利し、正義は守られた!」

    その為にこの子は一生損害を被った相手から怨まれることになるのでは……。
    これは“拍手喝采”していいことなのか?

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    2023年08月19日
  • すべての美しい馬

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    追悼。なので評価はプラス☆1つ。ってことは実際の評点は…。ちなみに積読状態にあったものをこの機会に、ということで。”ザ・ロード”がとても面白かったから、きっと本作もと思ってたけど、なんともかんとも。一風変わった道程を、ただひたすらに描くという点では、両作は似ているとも言えるんだけど、なぜかこちらは辛かった。ひたすらandで繋がれる地の文、著者の特徴として評価されているみたいだけど、個人的にはこの手法、好きじゃないです。読みにくさしか覚えないし、結果、読み流しになってしまう。ストーリーが面白ければまだしも、展開もいまひとつ。本作は三部作の第一部みたいだけど、続きは読まないです。

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    2023年07月18日
  • ザ・ロード

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    灰が降る終末世界で父と息子が旅をする。略奪者の目を逃れながら、少しでも暖かい南を目指して。その道は悲惨というほかない。森の中に潜んで防水シートで雨を避けながら焚き火をする。臭い服と毛布にくるまって眠る。次の日にはボロ布を巻きつけた足でまた先へ進む。行く先々で転がっている死体。こんな救いのない場所で生きていくことに何の意味があるのか。銃があるならそれで自分と息子を撃てば終わりじゃないのか。読みながらそう思わずにはいられなかった。生きたいというのは親のエゴなのではないか、とも。それでも生きようとする気持ちの強度に圧倒される。他人を助けたいと思う息子の純粋さや、お互いと一緒にいたいと思う二人の気持ち

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    2023年07月16日
  • シャギー・ベイン

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    長い長い地獄。リアンが登場してきてくれてせめてよかった。スコットランドの宗教対立は、映画ベルファスト、それにセルティックファンダムって本、そしてpop life podcastの海外サッカー回を聴くとすごく深まると思う。

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    2023年07月14日