押見修造のレビュー一覧
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作者の良さが詰まっている!
一巻だけ読んだのですが、物語の雰囲気の緩急がすごい。幸せそうに見えた日常から、急に絶望の淵へ落ちてしまう感じ。 本作者さんの作品は何点か読んでいるのですが、鬱になる展開が多め。それが良さではあるので、つい手に取ってしまうのですが。
闇を抱える人間達のサスペンス漫画。人間の心中が良く描かれていて、流石と思ってしまいました。 -
毒親の漫画表現
押見先生はファンタジー要素をメインにして人間の機微等を表現したりしますが、悪の華に続きファンタジー要素がなく真っ向から人間の多様な思考、人間の怖さが垣間見られる。最初はこの人の行動変だなぐらいのちょっとした違和感からはじまり、その違和感がどんどん大きくなり、理解不能な行動を起こした後も不可解な表情、思考を漫画表現で読者の胸の奥から恐怖を感じさせる。今後の展開が気になります。
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静子の目が怖い・・・
静子にたっぷりと愛情をかけて育った中学生の静一の平穏な日常がだんだんと狂っていくお話で、優しい静子の目が逆に怖いと思ってしまいます。愛する息子を守るために手段を選ばないキレた母親の姿に読んでいくうちに引き込まれてしまいました。優しい絵なのでほのぼの系の漫画だと勘違いする人もいそうですが、タイトルどおり静かな恐怖が満載のストーリーです。今後静子が何をするのか、どうなってしまうのかハラハラします。
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ネタバレ
この母の表情
ドラマ化もされた僕は麻里のなかの著者押見修造の最新作である。
特に大きなドラマがあることのなく始まる導入部。
白い紙面そこに描かれているありきたりの日常。
中学生の息子と母 キレイな母であるのだけどどこか違和感が…
息子の幼き日の記憶を聞いたその時の母の表情にこの先起きることの意味が隠されている。 -
淡々と進む緊張感のある展開
登場人物の表情とか話し方とか、行動とかがすごくリアルで怖いくらいだと思いました。相変わらず、胸にズーンとくるような作品を描く漫画家さんだなという一言に尽きます。これから親子の関係がどう変化していくのか、その闇に切り込まれる日はくるのかと思うと、物語の先が気になってしかたありません。見た感じはすごく淡々としているのに、その緊張感が凄まじい漫画です。
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愛情と狂気
中学二年生の静一は、両親との3人家族。
思春期を迎えた今でも母親の静子とは、気恥ずかしさはあるものの良好な親子関係を築いていた。
しかし、久しぶりに親戚家族と交流を持った事を皮切りに静子の狂気が静一の日常を蝕みはじめる。
母親は、息子にとっての永遠の理想で。
息子は、母親にとっての永遠の恋人。
そんな、言葉がふと頭を過る作品全体の雰囲気とそれの対照の様な出来事の数々。
果たしてこの先、静一はどうなってしまうのか。
表紙の静子の笑顔に騙されてはなりません。 -
ネタバレ
毒親をリアルに描いた漫画
「ぼくは麻里のなか」などで有名な押見修造さんの最新作です。
息子を溺愛する母親の毒親ぶりに注目です。心理描写が細かく、人の心理の移り変わりが分かりやすく描かれています。息子視点からの話ですが、この母親の心情が絵で伝わってきます。身内、親戚であれど許せない事や気にくわない事ってありますよね。ささいなことでも。まさにこの母親は身内に潜む悪魔です。子離れできない親など身近な話題なだけに余計ゾッとするシーンもあります。これからどうなるのか続きが気になる漫画です。 -
思春期を思い出すドキドキがいい
中学生などの男女の揺れ動く心情を描かせたら、漫画界ナンバーワンであろう押見修造さんの最新作です。まるで、映画やドラマを観ているような絵のカットは、本当に見事です。とにかく展開がまったく読めないですが、単調な日常風景でも、会話も普通でも、何故かドキッとさせるのは本当に見事です。この作者の作品は、好き嫌いが分かれますが、今作なら万人に読んでもらいたい名作です。
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購入済み
本当に好きな漫画のトップ3に入
物語の完成度(いや 言い方を換えればリアルな未完成度とも言える)の高さもすごいが、
これは文章より絵であることにすごく意味がある作品だと思う
多かれ少なかれ、自覚しているより何倍も不安定な時期にとりわけ抱えるものを、あーそうそうこんな感じ!としっくりきてさらに入り込む感じ
何度読んでも発見がある -
Posted by ブクログ
誰もが振り向き憧れるような美少女女子高生になってしまった、オナニーとゲームにあけくれる目的のない日々を暮らす童貞大学生…という、萌え要素をかきたてる設定ながら、内面の自分が美少女の中に入ってしまっているのに、当の自分の姿をした人間が、別の自分としてふつうに生活していたり、中身を自分に乗っとられた少女の内面はどこにいったのかわからいといった謎がミステリーとしての興味をひく。さらに、憧れの女性の肉体を手に入れ、嬉しいというよりも、少女をいたわろうと一生懸命になったり、憧れの人の体の側からの視点で、自分や他人を改めて見つめなおすことになるというあたりのテーマはさすが押見修造の真骨頂という感じ。
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Posted by ブクログ
咀嚼しきれないながらも、読み終えた今の感覚をなにか残しておかないと気が済まない。そんな作品だった。
とくに最終話は、様々に解釈可能なものではあるんだけど、私にとっては、勝手にこういうことだと確信を持ってしまうものだった。
以下はそんな一読者が勝手に感じた確信と思ってください。
主人公春日の視点から見た仲村は、ずっと、普通の人とは違う、得体の知れない怪物のようだった。
だからこそそこに何かこの世の真理のようなものすら投影して、自分が思っても言葉に出来なかった(あるいは自分がもやもやと感じているような気がしながらもうまく言語化すら出来なかった)ことを代弁してくれるように感じた。
だから、それ
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