ニコ・ニコルソンのレビュー一覧
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この二人でこのタイトル!そりゃ読むでしょと思い手に取った。まとまりすぎていない友人同士のだらだら飲みのような感じが死というテーマにむしろ合っている。
ただ猫死するほどネコ好きの読者が手にするには漫画のネコの”ねごとちゃん”が擬人化されててあんまりかわいくないのがいまいちで、思い切りネコらしく描いてほしかったと思う。人物と背景はうまいなあと思ったので、この作者はおぶうの兄弟さんと真逆で本当は動物より人間が好きな人なのかもしれない。
カバーにもネコいないし勿体ないな・・・と思っていたら、最後のほうでタイトルの由来が会話されており、あ、そういう意図だったのかとわかる。しかしそうならば、単に図形と白抜きフォントにブロック塀と雑草を抜き合わせするんじゃなくて、もっとうんとリアルに作り込んでほしかったなぁ・・・
P20 穂 (俺たちはどう死ぬのかについては)「「君たちはどう生きるか」みたいに「こうあるべき」とか社会的にもとりあえず多くの人が、「まあそうだよな」と納得できるような、共通できる答えがないってことね。」
春「で、結局「人それぞれ」っいうのが面白いところでもあり、共感して安心できないからつらいところでもある」
P38 春(亡くなった店の親父さんの小さな顔写真を見て)「なんか物理的にちっちゃくなっちゃったのを目の当たりにした感じですごくショックだった。死体とか血とか、そういう”いかにも”じゃない形で「死」が強烈に迫ってくることもあるんだよね」
P54 らしい死に方とはなにか 死因「猫死」(猫がかわいすぎたため死亡)
P117 穂「人から頼られることが全くない」春「ああ、年をとってもベースとなるキャラの部分は変わらないわけね。万年「この人に頼っても仕方がない」キャラ
P146 穂「竹富島に初めて行った時、大きな蝶がいっぱいいて、それが胸にバンバンぶつかってきてさ、なんだかこの世の光景とは思えなかったんだよね。以来、自分の中の天国は「大きな蝶が胸にぶつかってくる場所」として定着してしまった。
P223 春「永遠に時間が続くなら、競い合うことなんて面倒でしかないと思う。妬みとかがなくなるのはいいよね」穂「死ななければ、無限に機会があるから妬みはなくなるということでしょ?でも本当ににそうなのかな?」
【中略】穂「ずっと同じメンバーで生きていくのだとしたら、それはもうみんな死んでいる状態と変わらないんじゃないかな。
P237 穂「いつまでも幼児性をなくさずにいたほうが幸福なんじゃないか、とかさ」【中略】春「ただ悲しいかな、それは「無垢である」ということとは全然関係がないんだよね」穂「むしろ権力やパワーを持たせたら最悪、という存在じゃない?」 -
Posted by ブクログ
お笑いコンビ・虎蜂(とらんばち)の虎屋戸太郎は焦っていた。
漫才が全くウケないのだ。
相方はピン芸人としてブレイクして引く手あまたの活躍。
恋人も失い、同棲していた住処も失い、失意のどん底にあった戸太郎は、不思議な女性・多悠多(たゆた)に出会う。
戸太郎がつぶやいたボヤキが、57577の短歌になっているというのだ。
多悠多に一目惚れした戸太郎は、彼女の気を引くため、歌集を読みはじめる──。
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偶然つぶやいた言葉が57577になるというのが、以前読んだ『偶然短歌』みたいで面白かった。
最初はあまり物語にも人物にも惹かれなかったのだけれど、戸太郎が短歌の面白さに気づきはじめてからぐんぐん良くなってきた。
戸太郎は頭で考えるより、身体で体感していくタイプなのだろう。
読者も戸太郎と一緒に、身体で学んでいく。
枡野浩一さんの歌が多く出てきて、なるほどと思う。
普段使いのことばで忘れがたい印象を残す枡野さんの短歌は短歌に馴染みのない戸太郎にも読者にも親しみやすい。
[こんなにもふざけた今日があるのならどんな明日でもありうるだろう] 枡野浩一
短歌の監修は歌人の穂村弘さん。
著者のニコ・ニコルソンさんとは、他の書籍でもコラボしてましたよね!
ヒロインの多悠多が、羽海野チカさんのマンガのヒロインをミックスしたような感じに思える。
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Posted by ブクログ
こんな本が出ていたのを全然知らなかったけど、ふと見つけて読んでみた。精神科医の春日武彦氏と歌人穂村弘、おふたり友達同士で「死」について語る、という。
わたし自身は本当に我ながら異常ではと思うほど「死」というものに対する恐怖が激しく、「死生観」みたいな話も苦手なので、この本を読んだらちょっとはなんとかならないかという思いもあったんだけど、仲のいい友人同士が笑いながらのんびり雑談する感じで、怖くもなく楽しく読めたのはよかったけど、わたしの死への恐怖は別に減りもしないし変らなかった……。でも、こんなふうにいろいろ語り合える友人がいるっていいなあと思った。テーマは死でも、温かいいい雰囲気だったんだよね……。
あと、作家や詩人や歌人の話がたくさん出てきて、おふたりとも本当に知識が豊富ですごいなあとか感心した。
(こんなにたくさん「死」って言葉を書くだけでも怖い…) -
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ネタバレ少しずつ現代に結びついていくような2巻である。
メイントピックとしては「委員長の母親事情」と「コミケ参加」が描かれた巻と言っていいだろうか。
微妙な関係を築く一華について、少し踏み込んだ描写なども描かれている巻である。
現代と過去が交錯する物語構造の今シリーズだが、現代側の描写と過去のモノローグを見る限り、物語の行先はだいぶ固まってきている印象である。
それもかなり手早く展開していて、おそらく物語の店仕舞いはだいぶ早そう。
早ければ次の巻、おそらくはその次の4巻くらいで大団円を迎えそうな雰囲気である。
次巻くらいで急展開を迎えそうな、そんな予感のある2巻だった。
合間の巻として星四つ相当と評価しているが、次巻でどんな展開が待ち受けているか楽しみにしたい一巻である。 -
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ネタバレかつてオタクへの偏見が今以上に激しかった時代の、そんな時代のオタク女子の恋愛をつづったシリーズ1巻である。
時は遡ること四半世紀ほど前の1995年が舞台だ。
幽遊白書、ドラゴンボール、スラムダンク、エヴァ、セーラームーンといった今となっては伝説的なコンテンツが現役(または引退後すぐ)だった時代の事。
主人公は現在の生活を過ごしつつ、かつての学生時代を思い出す――といった構成で、かつての物語が紡がれている。
オタバレを過剰なまでに恐れる少女・佐東恵は転校を機に隠れオタクを決意。
一目惚れした委員長を前にオタクを隠しつつ、しかし捨てきれず……といった具合に恋愛を軸に物語は展開している。
オタク嫌いを公言する委員長・梶正宗。
まっとうにオタクを差別するバスケ部(※梶が所属)のマネージャー・一華。
この時代にオープンオタクを貫く剛の者である同級生・大河内道子。
オタク仲間な文通相手の唯ちゃん、こと鴉森糸吉。
主要な登場人物だけでもすでにやや多めで、恋愛模様、そしてオタクの在り方を描く物語は、この一巻では行先が見定めづらい。
主軸となる学校生活の描写は豊富であり、またコミケ参加は確定している。
その辺がどう転んでいくかは次巻に譲る形だろう。
この作品はだいぶニッチと言っていい。
メインターゲットは作者さんの同年代、実際に体験したアラフォー世代のオタク女性に違いない。
現代の、オタクが認められている現状の信じられなさ。
雑誌経由で生まれる文通というかつての文化。
オタクバッシングへの反発と諦観。
それでもオタク道を捨てきれない業の深さ。
各種の懐かしいネタを挟みながら、そこでカジュアルに描かれているものは積年の怨念に近い物がある。
そうした思いを抱えて1995年という時期を過ごした人には、刺さり過ぎる嫌いのある作品である。
人を選ぶという視点で、ここでは☆四つ半相当と評価している。
ただ、この作品はおそらく、刺さる人にはえげつなく刺さるだろう。
世代が違う若きオタクにとっては、今は懐かしきレトロな風景を覗ける楽しい作品だと思う。
インターネットも携帯も(スマホはおろかガラケーでさえも)普及していない時代のオタクを垣間見るのは、きっと未知との遭遇になるに違いない。 -
Posted by ブクログ
先日、認知症の長谷川スケールで知られる長谷川和夫先生が亡くなられ、大きく報道された。効果的な薬もない認知症は、超高齢社会を突き進む日本の大きな課題となっている。
私は祖父母と同居した経験がなく、高齢となった親も幸いなことに認知症を患っていない。介護者の苦しみは想像するしかないのだが、一方で自分がどこにいるのか、何をしていいのかわからない認知症患者の不安も相当なものだろうと思う。
本書は「介護は知ることで楽になる」をモットーに、物盗られ妄想、暴言、徘徊等、認知症の周辺症状であるBPSDを一つひとつ丁寧に解説していく。佐藤先生の解説もわかりやすくて、いいのだが、本書を他の類書と違うものにしているのは、やはり途中に挟まれるニコ・ニコルソンさんのマンガだろう。あとがきで佐藤先生が、マンガが読者の「思考のあり方を大いに揺さぶる」と書かれているが、言い得て妙である。マンガの1コマに描かれる婆ルや母ルの表情や苦悩が、10の文章よりも雄弁に、認知症患者とその家族を語っている。
巻末の索引が「行動からさがす」となっていて、たとえば、〈お金を盗られたと言う〉や〈同じものを毎回買ってくる〉など、その理由や対応に読者がピンポイントでたどり着けるようになっているのもいい仕組みである。適度に専門的で、かつ読みやすい。認知症患者とどう向き合えばいいのか、その最初の一歩を踏み出す際に、本書は手助けをしてくれると思う。 -
Posted by ブクログ
かわいいマンガと解説で、認知症について知ることができる。認知症のひとの行動には理由があること、周囲の人は認知症のひとの行動が理解できず悩むが、認知症のひと本人も不安であることなど。自分では気づくことができない、知らないことがたくさんあった。性的逸脱についても触れられていて興味深く読んだ。
身近な人が認知症になったら?自分がなったら?と知らずに怖くて避けていたけれど、知ることで少し不安が減ったような気がする。
マンガに登場する婆ルは可愛らしくてほっこりするが、現実はこんなものではないだろう。今後も認知症について知る努力はしていきたいと思う。笑顔で接することからはじめたい。
佐藤先生のあとがきを読み、「なんでやねん!」人生を知って驚いた。ベネフィットファインディングへのポジティブな転換が素敵で真似したいと思った。ご両親の介護や弟さんの早すぎる死を経験されている佐藤先生のお話は、優しく寄り添ってくれているようであたたかい。