【感想・ネタバレ】マンガ 認知症のレビュー

あらすじ

大好きな祖母が認知症になってしまい、母と二人で介護に取り組むマンガ家、ニコ。人が変わってしまったかのような祖母との生活に疲れ果てたニコたちの前に、認知症の心理学の専門家、サトー先生が現れて……? 「お金を盗られた」と言うのはなぜ? 突然怒りだすのはどうして? 認知症の人の心のなかを、マンガでわかりやすく解説します。認知症の人が既に五〇〇万人を超え、誰もが認知症になったり、認知症介護をしたりする時代。読めば心がラクになる、現代人の必読書!

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Posted by ブクログ

読みやすく面白い。
介護者は認知症の方が考えていることが分からないのと同様に、認知症の方も介護者の考えが理解できない。この溝を埋めるための歩み寄りが必要。
介護の経験は無いが、その時の拠り所にしたい。

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2024年12月06日

Posted by ブクログ

来年から高齢者施設で働くので、認知症について知ろうと思い、本屋で偶然見つけたこの本を読みました。
漫画と解説が交互に書かれる形式で、私たちと同じように、認知症の方が起こす行動には理由があるということが分かりました。
認知症の方でも、そうでない方でも、利用者の方関わるときには、本人を否定せず笑顔で接するということを覚えておきたいと思いました。

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2024年10月29日

Posted by ブクログ

最近出た「施設介護編」がよかったので、本書をもう一度読み返した。
マーカーでいっぱい線を入れていたけど、つけ加える所も多かった。認知症を理解しようと何冊か読んできたが
この2冊をくり返して読むことが大事だと思える。

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2024年10月06日

Posted by ブクログ

寿命が伸びて認知症になる事はもはや普通の事。でも、認知症の人にどんな事が起きていて、対応はどういう風にしたらいいのか、わからない事だらけで、読後、もっと早く知っていたらなぁと感じた人は多いのではないか。
記憶障害の起こる仕組みがわかれば、なぜこのような行動をするのかがわかり、怒らずに対処できるはず。本当に出来るのかはわからないけど。知らないより知っていた方が、絶対いい。
老いる覚悟をしても認知症の覚悟はできないかなぁ。最後の参考図書一覧、全ては読めないかもだけど、読みたいな。


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2024年05月04日

Posted by ブクログ

マンガ、とあるが、マンガと佐藤先生の解説がちょうどいい割合で分かりやすい。
今後に備えたい。

豊橋の豊川堂本店で購入

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2024年03月26日

Posted by ブクログ

マンガで表されて、さらに文章で解説という構成なので、2度同じことを違うふうに読むので、とても記憶に残りやすい構成。しかも、エピソードがまずあって、そこから広げていくから、とても読みやすいし、納得感が高くて、いい内容だと思いました。

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2023年03月06日

Posted by ブクログ

新書なのにマンガ!?
そしてたった2年で13刷!!?
さらに認知症というテーマに惹かれて手に取った。
結論。一家に一冊、絶対あるべき…!!!

本書は認知症について、認知症の人はなんでこんなことをするの?それに対して周りはどう対処すればいいの?…などといった疑問や認知症のメカニズムについて分かりやすくまとめられた一冊。

しかもマンガを担当しているニコ・ニコルソンさん(通称ニコルさん)と認知症研究者であり本書の解説パートを執筆されている佐藤先生は2人とも認知症の方の介護経験者。
マンガパートでは、ニコルさん・主な介護者である母ルさん、介護される側で認知症の婆ルさんの日常生活に佐藤先生が訪問して、婆ルさんがなぜ奇妙な行動を取るのか、どのようなことを考えて感じているかを解説するという形になっています。
認知症介護者にはあるある!なエピソードばかりです。
なんせマンガの中でニコルさんたちが

「介護をしている時に知りたかった!!!」

と叫ぶような、有意義なお話ばかりなのです…
今まさに介護をされている方には、共感必死の一冊と思われます。
私の周りにはまだ認知症の方がいたことごありませんが、それでも今後どうなるかも分からない。
親がなるかもしれないし、自分がなるかもしれない。
だからものすごく勉強になりました。

何より分かりやすい!!!
忙しい人にはマンガパートだけでも読むのをオススメします。それだけでもたくさんのことが分かる。
もちろん佐藤先生の解説文も合わせて全部読むのがベストですが。

そしてこの本のいいところが、介護する側・される側の両方に寄り添って描かれているところです。
どちらの気持ちも、マンガという媒体を通して、心に迫るほど伝わってきます。
私はどちらの気持ちにも泣きそうになりました…
でもあまり暗すぎず良い塩梅で描かれています。
介護する側・される側、両方の人権を守ろうという意識で書かれているのも素晴らしいです。

そして私は、佐藤先生の人生は「なんでやねん!」の連続。という言葉に励まされました。
そう、人生って、認知症に関わらずなんでやねん!の連続なんですよね。
だから、大変なことやつらいことがあっても、なんでやねん!と自分にツッコミを入れながら、周りの人に助けてもらい、笑ってすごすことの大切さを、改めて感じました。
そうは言ってもつらいことばかりでもう大変だよ…!という方ももちろんいるでしょう。
私もよくその波に飲まれます。
でもそういう時こそ一人で頭を抱えずに、お茶でも飲んで一息ついて、パラパラとこの本を読んでほしい。
きっとニコルさんや佐藤先生が、本書を通じて私たちの心に寄り添ってくれますから。

認知症の方の介護に困っている方や、周りにそのような方がいる方々にこそ、ぜひ手に取ってほしい。
ほんとに読む時間なかったら、気になる項目のマンガパート読むだけでもいいですので…!!
そう言いたくなる良書です。

以下備忘録がてら目次を。
備忘録ですが、本書に興味を持たれた方はぜひ目次を見て、この本がどのようなことを教えてくれるのか見てぜひ参考にしてください。
ちなみに、巻末のおすすめの本一欄や、認知症による「行動から探す」のページも索引として活用できて良きです。


序章
認知症ってなんですか?ためしよみ
認知症を心理学的に研究するということ/認知症とはなにか/予備軍も含めれば日本に一〇〇〇万人/認知・認知機能とはなにか/原因疾患と認知機能障害の関係/老化による物忘れと認知症の違い/「おかしいな」と思ったら

第1章
「お金を盗られた」「強盗にあった」と言うのはなぜ?ためしよみ
中核症状と周辺症状/物盗られ妄想の原因/自己防衛としての物盗られ妄想/身近な人を疑う理由/認知症と薬/薬をやめてみる

第2章
同じことを何度も聞いてくるのはなぜ?
さまざまな記憶の種類/短期記憶と長期記憶――陳述記憶のプロセス/エピソード記憶障害の原因/符号化、貯蔵、検索――記憶のモデル/未来の予定がわからないことの不安/何度でも同じことを聞く理由/なんのための介護か

第3章
何度注意してもお米を大量に炊いてしまうのはなぜ?
陳述記憶と非陳述記憶/手続き的記憶が残る理由/繰り返される行動には、その人のアイデンティティが現われ る/同じものを大量に買ってしまうときは

第4章
突然怒りだすのはどうして?
前頭葉障害で、行動のコントロールが難しく/注意機能が低下し、気が散りやすくなる/前頭側頭型認知症の場合/夕暮れ症候群/偶然見つけたヒント/会話が重要/ときには放っておくことも有効

第5章
高齢者の車の事故はなぜ起きるの?
シニアカーがぶつかってきた/有効視野の低下/自分が今まで何をしていたのかわからない/注意機能の衰え/選択的注意機能と有効視野/一度に二つ以上のことができなくなる/認知症に限らず失敗しやすい「注意の切り替 え」/家族の同乗がかえってよくないこともある/運転が苦手になるのは、認知症の人に限らない

第6章
介護者につきまとうのはどうして?ためしよみ
遂行(実行)機能障害/目標・計画・実行のどこができないのか/できない自分に傷ついている/押し売りに引っかかってしまうのは?/見当識障害という問題/過去と現在と未来をつなげる/実行機能と遂行機能

第7章
家にいるのに 「 帰りたい 」 と言うのはなぜ?
見当識とはなにか/記憶の低下との関係/幼児期の記憶のあり方と似ている/婆ルさんはどこに帰りたいのか

第8章
これってもしかして「 徘徊 」ですか?
目的もなくうろついているわけではない/「徘徊」はなぜ起きるのか/頭の中の地図がつくれなくなる/建物と自分の位置関係がわからなくなる/鏡の不思議/徘徊が出てきたら、どうしたらいいのか/徘徊がおさまるのはいいことか

第9章
排泄を失敗してしまうのはなぜ?
排泄の失敗が増える理由/失敗を認めることは、プライドが許さない/弄便で自宅介護が限界に/なぜ食べられないものを口に入れてしまうのか/本人のプライドを傷つけないために

10章
介護に疲れ果てました 。 どうしたらいいですか?
人間関係はギブ&テイク/「思いどおりにならない」はコントロールのはじまり/「なぜこんなことをするのか?」と考える/心がすれ違うことで、ケアがコントロールに陥る/社会的認知機能の低下と「心の理論」/まずは話を聞くことから/介護を生きがいにしない

番外編
なんでお尻を触るんですかコラー!!
衝動を抑制できない/性欲以外が原因のことも/優しさが逆効果になることも/高齢者の性欲を認める/家族で認知症について話し合える関係に

あとがき
ニコ・ニコルソン 佐藤眞一
おすすめの本
行動から探す

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2022年12月20日

Posted by ブクログ

認知症とは脳の萎縮による脳の機能障害、脳の損傷なのだ、ということが最初に提示される。脳はその部位によってそれぞれ司っている役割が異なり、認知症も委縮が始まる部位によってその症状が異なってくる。こういう初歩的なことを知っているだけでも認知症になってしまった人に対する心構えに余裕がもてる。ひと昔まえに認知症が痴呆症と呼ばれたこともあり、つい先日まで、あるいはついさっきまでふつうの言動や行動をしていた人が異常な振る舞いをすることで、正直われわれは怖いのだったが、こうして冷静に脳の機能の一部が壊れているだけと知ることで、認知症の人もその一部を除けばいままでと変わらないその人自身なのだと思うことができる。なんでもそうだけど知らないことを知る、ということはすべての基本なのだ。認知症のさまざまな症例が紹介されているが、これらを読むと人間がふだん当たり前のように行っているふつうの行動さえ脳の高度な処理能力に支えらていることがわかり、自分の脳に同じような損傷が起これば、さっき言ったことや、いまどこにいて何をしようとしていたのかさえもわからなくなってしまうことが、自分にも当たり前のように起こるわけだ。全然他人事ではないのだ。今は自分や自分の周りに認知症の人がいない人でも本書のようなものであらかじめ認知症を知っておくということは良いことだと思う。マンガで著者の家族の認知症の介護の様子が描かれている。いたってユーモラスな描写だが、相当過酷な状態だったことが想像される。自分の過酷な体験をこのようにいったんかみ砕いて人に読んでもらえるようなものとして描けるというのは凄いと思う。自分の祖母が起こした振る舞いに対し、怒ったり、悲しんだり、という赤裸々な反応はマンガという表現形式だからこそよく伝わってくる。もしマンガがなかったら読み終えても全然他人事の知識として終わっているような気がする。

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2022年07月01日

Posted by ブクログ

科学的、かつとてもわかりやすかった。
祖父に軽度認知症が疑われるため、入門の気持ちで読んだが、何度も読み直して頭に叩き入れたい一冊。

認知症の人の周辺行動に関して、どの部分が問題なのかしっかり書かれておりわかりやすい。

この本は、事象と原因を理解するに留まるため、本の末尾にあるリストから、認知行動療法の本を一冊購入したいと思う。

あと、レスパイトケアの点。

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2021年11月23日

Posted by ブクログ

U-NEXT

満腹になる機関が衰えるため、異食なモノでも食べてしまう。
対策→他のものを食べるのを勧める。または弄便や異食がでできたら施設での介護を勧めてもよい。身内に支援してもらうのはプライドが許せない人もいるからだ。

⚪︎認知症の人の行動でも何かしらの意味や目的があって行動を行う、違う視点での見方が大事。

⚪︎認知症ではない人は大雑把に言うと現在、未来を生きている、一方認知症の人は、過去を生きているから、夫の所に帰らなくちゃと思う。今の家は知らないから。

⚪︎見当識障害や記憶障害で時間や場所も家族の顔もわからなくなっていく。

⚪︎考えていることがわからない
→心の理念が壊れる。思い通りにならないはコントロールの始まり、縛りプレイ。2人の男女がボールで個人で遊んでいます。女の子は自分です。帰る際に目の前にある箱に男の子は入れました。そして、女の子も目の前にある男の子とは別の箱に入れました。さて、男の子はどちらの箱を開け、ボールを使いますか?大体は前者だが、認知症の方は後者を選ぶ
⚪︎認知症の方は相手の動きの心が観察できなくなるそれは社会的認知が低下するからも原因の1つだが社会的認知が高度なため、種々の脳機能が複雑に関連している。社会的認知とは言葉の裏がわからないこと。
⚪︎認知症の方は性的逸脱になることもある。脳の前頭葉の障害により、抑制機能の低下によって人前では言わない性的な言葉や卑猥な言葉を発することもある。周囲が自分に反応することで喜びを感じる。しつこい場合はほーっとく。減らすためには同性介護、一対一になることは避ける。性と違うことに意欲を持っていくこと。
⚪︎相手との親密な関係がどうなのかわからなくなった時に親しさの表現として性的な言動になってしまう。スキンシップで肩を揉んだり手を握るなどでスキンシップや人との関わり不足を解消する方法がある。
⚪︎家に帰りたいと思っているけどそれは過去の家に帰りたい(両親がいた家、現在もいると仮定)という現実ではない状況、見当識障害。

おすすめ、認知症の本

⚪︎認知症を知るー認知症の人は何を思い、どのような行動を取るのか
加藤伸司
永田久美子認知症の人たちの小さく
高橋幸男 認知症は怖くない。
池田学 認知症 専門かいが語る診断治療

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2021年10月31日

Posted by ブクログ

認知症のことが丁寧に説明されているが、ちょっと冷静に考えてみれば認知症患者の認識はわかりそうなものだ。想像力が欠如してきているのではないか。

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2021年06月11日

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認知症ケア専門士、介護福祉士持っている。8割は知ってる、知ってるって内容だった。終盤がすごく考えさせられました。ケアするがコントロールするに変わっていないか?セクハラは構って欲しいだけ。

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2021年06月05日

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認知症についてのわかりやすい解説書。認知症の人の行動の理由を考えるヒントがあって参考になる。身近に認知症になった人がいたのでもっと早く読めば良かった。参考文献も充実して親切。

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2021年05月15日

購入済み

認知症の人も、ただボケているのではなく
ちゃんと意思と目的があって行動している(ずれているけど)、という事。
これを知っているかいないかでは、介護する側の気の持ち用が違ってくると思います。
参考になりました。ありがとう。

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2020年07月08日

Posted by ブクログ

マンガなので読みやすく、わかりやすい。章ごとの最後にポイントを書いてあるのもよい。もはや避けては通れない認知症のことを知っておくだけでお互いが楽になると思える一冊でした。

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2025年06月03日

Posted by ブクログ

日経新聞に取り上げられていたことをきっかけにして読む。認知症における介護する側とされる側のすれ違いを解説。全編に渡り、著者らの想いが滲み出でている。
本題から少しずれるが、認知症に限らず、どんな時でも相手への思いやりを考えられれば、心が軽くなることを教えてくれる。

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2025年03月06日

Posted by ブクログ

「失くしてもいないお金を盗まれたと言い張る」「在庫があるのに毎日ご飯を炊く」「急に家を出て徘徊する」「排泄に失敗してしまう」。これらの行動には理由がある。覚えて、貯蔵して、思い出す。その記憶のメカニズムに障害が起きている…年が明け、歳をとる。齢を重ねれば、いずれ体は老化する。脳も例外ではない。頭の働きも鈍くなる。だからといって、苦痛を感じなくなるわけではない。寧ろ、思うようにならない分だけ、苦悩は重い。何故そうする?どうしてそうなる?理解されたい。わかってあげたい。長生きが幸せなことだと感じられるように。

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2025年01月04日

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『本を読んだら散歩に行こう』で紹介されていた本。認知症関係の本は何冊か読んだけど、当人の行動の理由を説明してある。
認知症の介護にはギブ&テイクが成り立たない。無償の愛「ケア」が、いつのまにか強制「コントロール」に変わってしまう。当人も暗闇にいるような孤独。
もちろん自分が介護するときにこの用に考えられるとは思えない。そもそもここまで頑張れない。
でも知識として事前に理屈を知っておくのは助けになると思った。
そして介護現場の方に感謝の気持でいっぱいです。

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2024年11月25日

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漠然と認知症は自分がなっても親がなってもコワイ病気だと思っていましたが、どうゆうものか理解できて対処や準備ができそうです。

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2024年10月31日

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介護する側だけでなく、介護される側、即ち認知症本人の見る世界の一端を知ることができたように思う。
親が介護になったら無理をせず、外部に助けを求めることができることを覚えておこうと思う。
要介護者は見当識障害という状態に陥ることが多く、過去現在未来、場所、環境などが曖昧、あやふやになっていることが多く、そういった状況に一番不安を覚えているのは要介護者本人なわけである。だから要介護者に対しては笑顔で接することが重要なのである。

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2024年08月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読んでいると身内の認知症がどれくらい進んできているのかを嫌でも思い知るので苦しくてなかなか進まなかった

そしてこれからどんな症状が出てくる可能性があるのか予習になりました

認知症の症状、患者さんの心理状態だけでなく在宅介護の限界も知ることができた

家で弄便や異食をするようになったら在宅介護の限界...ちょっと本腰を入れて入所できる施設を探そうと思う

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2024年03月15日

Posted by ブクログ

仕事のために読みました。認知症の方の視線や気持ちが想像でき、より質の高いケアや関わりができそうですし、自分の心もちも少し楽になりました。

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2022年08月15日

Posted by ブクログ

先日、認知症の長谷川スケールで知られる長谷川和夫先生が亡くなられ、大きく報道された。効果的な薬もない認知症は、超高齢社会を突き進む日本の大きな課題となっている。
私は祖父母と同居した経験がなく、高齢となった親も幸いなことに認知症を患っていない。介護者の苦しみは想像するしかないのだが、一方で自分がどこにいるのか、何をしていいのかわからない認知症患者の不安も相当なものだろうと思う。

本書は「介護は知ることで楽になる」をモットーに、物盗られ妄想、暴言、徘徊等、認知症の周辺症状であるBPSDを一つひとつ丁寧に解説していく。佐藤先生の解説もわかりやすくて、いいのだが、本書を他の類書と違うものにしているのは、やはり途中に挟まれるニコ・ニコルソンさんのマンガだろう。あとがきで佐藤先生が、マンガが読者の「思考のあり方を大いに揺さぶる」と書かれているが、言い得て妙である。マンガの1コマに描かれる婆ルや母ルの表情や苦悩が、10の文章よりも雄弁に、認知症患者とその家族を語っている。

巻末の索引が「行動からさがす」となっていて、たとえば、〈お金を盗られたと言う〉や〈同じものを毎回買ってくる〉など、その理由や対応に読者がピンポイントでたどり着けるようになっているのもいい仕組みである。適度に専門的で、かつ読みやすい。認知症患者とどう向き合えばいいのか、その最初の一歩を踏み出す際に、本書は手助けをしてくれると思う。

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2022年01月18日

Posted by ブクログ

かわいいマンガと解説で、認知症について知ることができる。認知症のひとの行動には理由があること、周囲の人は認知症のひとの行動が理解できず悩むが、認知症のひと本人も不安であることなど。自分では気づくことができない、知らないことがたくさんあった。性的逸脱についても触れられていて興味深く読んだ。
身近な人が認知症になったら?自分がなったら?と知らずに怖くて避けていたけれど、知ることで少し不安が減ったような気がする。
マンガに登場する婆ルは可愛らしくてほっこりするが、現実はこんなものではないだろう。今後も認知症について知る努力はしていきたいと思う。笑顔で接することからはじめたい。

佐藤先生のあとがきを読み、「なんでやねん!」人生を知って驚いた。ベネフィットファインディングへのポジティブな転換が素敵で真似したいと思った。ご両親の介護や弟さんの早すぎる死を経験されている佐藤先生のお話は、優しく寄り添ってくれているようであたたかい。

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2021年11月07日

Posted by ブクログ

漫画もあるのはとっつきやすくていい。介護は経験無いと綺麗事か興味ナシで終わっちゃうからな〜。人生一度は経験しろって法律出来ればいいのに。我慢しちゃ駄目だ。弱音吐かない人は絶対煮詰まるから。弱音吐いて当然。殺意持って当然。毒吐いてスッキリすればいいのさ。母ル、自分も病み上がりなのに辛過ぎるわこれ(´;ω;`)

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2021年10月24日

Posted by ブクログ

まずは読みやすいこれが1番!!
少しユーモアも交えながら認知症を知り
向き合うヒントが得られる入門編て感じ。

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2021年08月27日

Posted by ブクログ

ここ半年くらいの間で、認知症に関する本をこれで4冊くらいかな、読んだのだけど、この本は漫画で示してその後に解説がある形式なためか、一番読みやすかったかな。もちろんこれまでの蓄積が少しだけどあるから、内容も入りやすかったのだろうけど。
あとがきで、人生にはなんでやねんということが本当に誰にでも起こりうる。認知症にならないために脳トレしていてもなるときはなるし、運動して食生活に気をつけていてもガンになるときはなる。でもそこから学ぶことが大事なんだとあって、今はそうありたいと思うしできるとも思うのだが、さて本当に自分に起きてしまったら、カミさんに起きてしまったらと考えると自信はないな。
親父の認知症も、まだまだ出ていない症状はあるし、それらがこの後出るのか出ないのかもわからないが、まあ一つこういう本を読んでよかったのは、優しく考えられる様にはなったことかな。まだまだだけどな。

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2021年08月24日

Posted by ブクログ

漫画で分かりやすいし、読みやすい。
この本で、認知症に関する他の本を多数、知ることが出来たので、それらも読んでみたい。

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2025年05月08日

Posted by ブクログ

続編が書店に並んでいるのを見かけ、まずは本書からってことで。なるほど分かりやすい。漫画は、まんま羽海野チカって感じがするけど、あの素敵さ、真似られるのなら真似てみたくなるわな、と思いつつ。認知症を知る最初の一冊としては良いかも。

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2024年10月11日

Posted by ブクログ

認知症について、本人の不安な思い、介護者のやるせない思い…よくわかりました。ケアしているのに、コンローロールしている状態にならないように…ハッとしました!認知症のこと理解しているつもりでいたけど、この作品を読んで新たに気づけたこともありました。

巻末に、行動からさがす索引がついているのもいいと思います。「本人の状態が楽になれば、家族も楽になる」…本人の思いに寄り添って本人が楽になれば、家族も楽になる、そんなケアを続けていきたいです。

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2023年02月23日

Posted by ブクログ

2022.09.29

「本を読んだら散歩に行こう」で紹介されていた本。
LINE漫画で読んだ「流サレール家タテール」の作者さんだった!

まだ私の母は認知症ではないが、一人っ子の私はそう遠くない将来母の面倒を見ることになるだろう。その時のことを考えて読んでみた。
漫画部分がたくさんあり分かり易かった。自分には在宅介護は絶対無理だと思ったし、母もそんな生活は望まないだろう…。
時々泣けるシーンもあり、家族の抱える介護の現状を知ることができてとても勉強になった。
また時が来たら再読したい一冊。

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2022年10月01日

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