池永陽のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
池永陽さんの作品を読むのは久しぶり。寂れた商店街を復活させようと65歳の同級生4人が頭脳明晰の高校生を仲間に町おこし推進委員会を結成して活動するお話。
多分有川浩さんの『三匹のおっさん』を読んだ事がある人ならちょっと雰囲気似ているな…と思うかも。めちゃめちゃ強いおっさんが登場して半グレ集団と戦ったり、子供の頃の初恋の相手と結婚したとか、いまだに片思いのままだとか重なる所が多かったかな。
昔ながらの映画館やレコード店は昭和さながら。確かにこの雰囲気を残している商店街がなくなってしまうのは寂しいです。でも跡取りがいないくて仕方なく店じまいを考える店主がいるのも現実。推進委員会の知恵と働きかけでどこまで街興しが出来るやら。
最強のおっさんが忍者という所は面白いけど、終わり方が中途半端なのは続編を読んでということなのかな。続きが気になるけどまずは積読本をと予約本を読み終えてからかな。 -
Posted by ブクログ
本作は、昔ながらの商店街にある喫茶店『珈琲屋』を舞台とした、人情噺といったところでしょうか。7篇の連作短編集で、各話で心に傷を負った商店街の人々がこの喫茶店を訪れ、ちょっと厄介な問題が展開していく形を取っています。
そもそも『珈琲屋』のマスター・宗田行介が、殺人の前科持ちであることが冒頭から明かされます。行介の当時の恋人・冬子は、結婚するも出戻って来ていて‥。この2人の動向が、各話での隠れ主題にもなっているようで‥。最後はどうなる?と思わされます。
前科といっても、殺した相手は暴力団上がりのような地上げ屋で、結果的に商店街の存続危機を救う形になったのでした。根は心優しい行介の元に、冬子はもちろん、商店街の悩める人々がやってくるのですが、行介の言動と淹れる珈琲が心に沁み入ります。そして、人々に変化をもたらすのです。
なるほど、続編が出てドラマ化もされていて、物語の構図や展開は頷けるものがあります。各話の登場人物の心情や境遇に哀愁が漂い、ちょっと『深夜食堂』に似てるかな? 酸いも甘いも知った喫茶店や人々が、"燻し銀"のような味を出しています。
15年前の作品ながら、今はもっと生きにくい世の中のような気がします。そんな時、この物語は、今も変わらずに投げやりな気持ちを落ち着かせ、前を向かせてくれる気がします。 -
Posted by ブクログ
池永陽さんの作品を読んだのは、本書『下町やぶさか診療所』が初めてです。
いつも立ち寄る本屋さんの文庫コーナーで手に取った一冊で、裏面のあらすじ
虐待、認知症、癌など、診療所に持ち込まれる病気や患者の問題に、真摯に向き合う医師と型破りな女子高生が織りなす切なくて温かい下町物語。
に惹かれ、そのまま手に持ってレジに向かいました。
さて、本書は東京浅草の診療所を舞台に、主人公である医師・真野麟太郎をはじめ、心に大きな傷を負って診療所を訪れ、同居人となる元ヤンキーの(アイドル並みに可愛い)女子高生・麻世、麟太郎の息子で(麻世に惚れる)大学病院の医師・潤一、診療所のすぐ隣の店「田園」のオーナーで麟太郎のマドンナ的存在・夏希など、登場人物が非常に魅力的なところがいいですね。
また、7章で構成されている、それぞれの物語も読みごたえがありました。
とりわけ、第2章「二人三脚」は、認知症を患った妻を一人で介護している年老いた夫の老々介護を題材とした作品で、最終的に哀しい結末を迎えることにはなりますが、そのなかでも夫婦の愛を見事に描き出している、ミステリー的要素もありの「傑作」だと思いました。
と、本書は非常に面白い作品であるのは間違いないのですが(現時点で第4弾まで出版されているのがその証拠ですね)、評価は☆3となりました。
その原因を一言で言えば、(第2章を除いて)各章の終わり方がちょっと私には合わなかったということです。
うまく説明するのは難しいのですが、尻切れトンボ感を拭えなかったとでも言いましょうか。
ラストはもう少し丁寧に描いてほしいな、という気持ちで読み終えていたのはとても残念でした。
好みの問題であり、仕方ありませんね。
最後に少しケチをつけるような事を書きましたが、物語として非常に楽しめましたし、麻世がどのように立ち直るのか、潤一の想いは成就するのか等が気になりますので、シリーズ第2弾も読むことになりそうです。