池永陽のレビュー一覧
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人間生きていれば必ず老いる!体臭もあるし排泄物もある!しかし自分が老いたときの心境なんて全く想像つかない。祖父は物心つく前に亡くなり、祖母も一緒の暮らしたことがく、今まで身近に老人がいたことがないうちは、等身大の老人を知らない。いくら老いても男なわけで、息子のヨメを女と見てしまい、ゴムを買ってはみたがもう自分の一物は勃つことはなく伸びきったまま。頭の上に猿が見えるのも、痴呆の始まりなのかと不安になる。気をつけていることは尿意を感じたらすぐトイレ。失禁をしないこと・・。一緒に住む女の匂いに敏感になっている様子や、自分の臭いを気にする様子など、まさに生きている老人の姿が書かれている。作次さんは、明ちゃんが描く絵の赤色の違いで悩み事があるのかと気づいたり、京子さんの悩み事にも優しい気遣いをする。自分が建てた家なのに息子に二階に上がるなと言われれば素直に従ってしまったり、台所にあるものも気を遣って好きに使えない。そんな作次さんが哀しくて滑稽で愛おしい。
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妻に先立たれたジイサンが主人公で、新婚のヒトリムスコ(こいつは優しくない)とそのヨメ(こっちはなかなか骨のあるヨメサン)との3人暮らしをしています。家族とジイサン仲間とのつきあいというこじんまりとした日々のお話、なのですが、ジイサンはある日自分の頭の上におサルがちょこんと座っているのに気づきます。そもそも自分の頭の上が見えるわけも無いし、ましてやおサルなんかが乗るわけがない、頭がおかしくなったのではないか、と不安になりながらも、居るものは居るんだしなぁと、割とすんなりおサルの存在を受け入れてしまい、ときには「サルよ、お前どこから来た。やっぱりサルの国か。」などと話しかけたりしてヨメに「このところ独り言が多いですよ」と言われたりします。少し哀しいような寂しいような、独特の雰囲気のある話でした。
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商店街の危機を人殺しという方法で救った行介。そんな行介の想い人、離婚してもらうためにおそらく無理に浮気して出戻った冬子。
2人は周りや読者が「単純に結婚しちゃえよ!」と言ってあげられないほどの重さ暗さを背負ってるのよね。切ない中に静かな希望がある作品だった。
連作短編で各ストーリーで、商店街の色々な人が行介に救いを求めて集まってくるけど、それって知らず知らずのうちに行介はまたみんなの役に立ってる。殺人が頭をよぎってしまった人々を思いとどまらせる密かな最後の砦なのかも。
印象的な台詞としては、
「…人を殺すということは、人間意外のものになることです。二度と人間には戻れないということです」
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前からちょいちょい古本屋で見かけていて気になっていたけど、ドラマ化もしてるしなぁ~と思っていたら、シリーズで何冊か売っていたので、1冊目だけ買ってみた。
結構面白かった。
こういう喫茶店を舞台にして進んでいく話は割と好き。
こんな風な喫茶店やりたいよね。
皆が集まる場みたいにさ。
行介と冬子の関係がどうなるのかが気になるところ。
行介はあるきっかけで殺人犯になってしまうから、そんな自分が結ばれるなんて…とずっと思っている。
そこがどうなるかも気にしながら、他のお客さん方の問題も描かれる。
ところどころにある、行介の苦悩とお客さん?たちの苦悩。
当然だけれど、皆色々と抱えている。
私自身もうそう。
そんな時に、喫茶店の熱い珈琲一杯で少しでも救いに慣れたら。
落ち着いたあとの一杯を作れたらな。 -
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書店の新刊コーナーにあったので手に取ったら新刊ではなく7年くらい前の作品だった。しかも、シリーズもので5巻くらいまであるのに思わず「うわぁ、めっちゃあるじゃん」……。
3月30日からラジオドラマ化を機に平台に並べられていたようだ。
タイトルから「ほっこりする人情もの」かと思いきや現代の闇(毒親、性被害、老々介護、癌)で、どの話も切なく深刻な内容でどっぷりと引き込まれていた。
特に面白かったのは、浅草の赤ひげ先生こと麟太郎と訳ありヤンキーjk麻世との武骨で遠慮のない言い合いと落語のような皮肉混じりのやり取りにクスッとしてしまう。
麟太郎の施す治療は仁術とお節介の処方箋。病気だけでなく、心や人生にも深く踏み込んでくる麟太郎の姿は「現代の赤ひげ先生」そのもの。
麻世自身も深刻な問題を抱えながらも少しずつ心を開き患者たちの痛みに共鳴し成長していく姿にハラハラしながらも見守り応援したくなる。
危なっかしい彼女が今後どのように成長していくのか楽しみである。 -
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あらすじを確認しなかった私が悪いがなんとも言い難い話が多かった。
珈琲を飲みながらゆっくりと読書をするには少しハードめな内容で、仄暗い。
犯罪を犯した店主が切盛りしている珈琲屋へ後ろ暗い秘密と話に訪れる人々。
解決がされるわけでもないけど、店主がただ静かに耳を傾けてくれるだけで心の整理が付いたように皆スッキリしてしまう不思議な喫茶店だった。
始めは進展が絶望的と思われた冬子との関係も最後に兆しが見えたのはよかった。
途中、ハードボイルド小説かなと思うくらいの展開になったり町内会の人たちも一癖ある物ばかり。
サイフォンで淹れている珈琲は美味しそうだったけど、小説自体も珈琲のように苦めなので終始お腹いっぱいだったな。
実写ドラマもやってたみたい。島木役が八嶋智人さんでめちゃくちゃイメージついた。続編もあるみたいだけどどうしようかな。