あらすじ
東京は下町の商店街にある『珈琲屋』。主人の行介はかつて、ある理由から人を殺していた……。心に傷を負った人間たちが、『珈琲屋』で語る様々なドラマを七編収録。情感溢れる筆致が冴える連作集。読み終えると、あなたはきっと熱いコーヒーが飲みたくなる。
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Posted by ブクログ
めちゃくちゃいい話でした!
各話の結末が皆まで書かれてないところがすごく良くて、後味が悪い物もあれば幸せな最後を想像したりと楽しめました。
余韻を残すが上手い作家さんだなと思いました。
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「あぁ、これは、池永さんが淹れてくれた、熱々の珈琲だ(吉田伸子さん解説より)」ホントそんな感じです…珈琲はいつもインスタントなんですが、ドリップして飲みました♬ シリーズ物なのでまた飲み(読み)たいと思います。オススメの小説です
Posted by ブクログ
偶然出会った本です。すぐ読み終えました。好きな連作でした。主人公には殺人の前科があり最初怖いのかと思いました。
7話ありますが、いくつかはとても重いものです。熟年離婚と介護の話は、読後感が悪かったですが、個人的に容易に想像できるからでしょう。
続きも読んでみようかなと思います。
Posted by ブクログ
ずっと本棚に眠ってた小説。読んでみたら主人公?の過去があり、それを中心にたくさんのドラマがあり、とても読み応えのある、続きが気になるー!って感じの本だった。
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総武線沿いのちっぽけな商店街にある珈琲屋を舞台に、いろいろな事情を抱えた人達の人間模様が描かれている小説。読み終えた後に美味しい熱い珈琲が飲みたくなる。主人公の珈琲屋の行介にとっては服役しただけでは殺人という罪が償えるものではないと思って自分の犯した過去にあまりにも縛られ過ぎているというか背負いすぎているというか。それだけ自分の犯した罪に真摯に向き合っているということなんだろうが、前に進んでいってほしいと思う。幼馴染みの冬子との静かな大人の愛がすてき。サイフォン式のアルコールランプの橙色の炎を見ていると確かに心が落ち着く。サイフォン式で珈琲を淹れてくれるお店に行ってみたくなった。
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上等で熱々のコーヒーを入れてくれる行介、今は[珈琲屋]のオーナーであるが以前は、殺人犯として懲役8年,帰ってきた時は、父親は心臓を患い寝たり起きたりの生活をしていた,帰って勤める所も無く、親の珈琲屋を継ぎ、そのわずかな売り上げで殺害をした奥さんに毎月10万ずつお金を持って行った。人には表もあれば裏もある。人生はずっと続いていくとあるが、自分も残り少ない人生を続けていこうと思う何故かと言えば自分は膵臓癌で有るから。行介さんには早く幸せに成って欲しい。
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小説誌に連載されたものが短編となって文庫化された内容。『珈琲屋』を舞台に登場する人々の物語を通じて行介の人柄が少しづつう分かっていくのが心地よい。冬子との恋愛もじれったいけど見届けたい。
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タイトルの「珈琲屋」に惹かれて購入。
過去に殺人を犯した珈琲屋の店主とそこに集まる人々の話。
誰しも過去に何かしら抱えて生きている。
自分の過去を忘れたい人、乗り越えたい人、前に進み出す人。
それぞれの人々のこの先を想像させる書き方。
サラッと読める。
Posted by ブクログ
飲み屋、食事屋を舞台の短編集は色々あるが、ひと味違う。主人は殺人犯、客はそれを承知でやってくる。
熱々の珈琲を飲みながら、心に抱えた思いを主人に問いたくなる。
深く心に残る短編集。
シリーズらしいのでこの先も読んでみたい。
Posted by ブクログ
淹れ立ての熱いコーヒー。
それが ごつごつした手で出される。
なぜか、そのヒーヒーのあったかさが、手を通じて伝わる。
口の中にはいり、身体も 『ほっと』する。
この珈琲屋に来る人は、何らかの悩みを持っている。
それぞれが 善良で、善良であるが故に悩み、
想いもつかないことを考えてしまう。
この珈琲屋のマスターは、行介。
インターハイにでたことがあるが、地上げ屋のヤクザの
横暴に 我慢できず、殺してしまった。
服役して もどってきたのだ。それで、オヤジのあとを継いで
珈琲屋をやっている。
幼なじみの冬子が、離婚して、もどってきて、
珈琲屋の片隅で 凛として 珈琲を飲んでいる。
実に、いろんな想いがこめられているからこそ、
悩みを持っている人は、自分の想いを すべて 行介に語る。
悩みがあっても、実に、おおらかで、あからさまだ。
それは、人を殺したごつごつした手にたいする
不思議な安心感なんだね。
アイロンと包丁 元子は 浮気した夫が許せなかった。
和菓子屋なのに、団子しかうれない店の手伝いしている省子は、
父親が 自殺しようか、自己破産しようか悩んでいることを聞き、
自分は 冷たい女だと思って、身体を売ろうとする。
その元締めの高校生に、行介は なにが大切なのかを説く。
介護している妻に、はやく死んでほしいと願う 杉良太郎に似ている夫。
レイプされた智子のボーイフレンドだった保彦は、智子の記憶をなくすために、
行介と格闘することを約束するが、保彦の父親が意外な面を見せる。
行介の同級生島木の店で働いている千果。不倫を清算し手切れ金をもらおうとする。
自分は、計算高い女なのかもしれないと思う。
行介に殺されたオトコの妻は、行介に好意を寄せるが。
ふーむ。それぞれの人の抱えているもの。
それを がっしり受け止める 行介。
何よりも、主役なのが 淹れ立ての熱いコーヒーだった。
Posted by ブクログ
商店街の小さな喫茶店『珈琲屋』が舞台
この店主は人を殺して服役している。
そんな過去を知って様々な人が訪れるわけだが…
人の心に卑しい気持ちが芽生えるとこの店主に話を聞いてもらおうとやってくる。
何かすごく悟った事を言うわけでもなく…
係わって問題を解決するわけでもなく…
必死に話を聞いてあげるでもなく…
なんかゆる〜く終わってしまう短編集です。
ただ、『すきま風』は読んでほしい
妻の介護に疲れた夫の浮気の話。
情けなくて泣けてくる
Posted by ブクログ
地味で凡庸なヒューマンドラマといった印象。大きな事件は起こらない。壮大なテーマも無い。主人公には人を殺めた過去があるが、作中ではそれも遠い既往の日々である。
昏い過去に独り向き合い、粛粛と日を暮らす珈琲屋主人の許に訪れる人々は、彼らもまた昏い翳を胸中に抱えている。そう云う人たちの人情と人生の機微をしっとりと濃やかに描いていく。
孤独で静かな夜に。或いは珈琲の御供に。そんな娯しみ方が似合う作品だと感じた。淹れたての熱い珈琲から匂い立つ薫香のような物語であった。
Posted by ブクログ
珈琲屋のコーヒー 熱々の 飲んでみたい!!
主人公は人を殺したことがある
珈琲屋のオーナー
そこに集まる人たちのヒューマンドラマ
結構人間臭さが炸裂しています
冬子さんが素敵です
Posted by ブクログ
本作は、昔ながらの商店街にある喫茶店『珈琲屋』を舞台とした、人情噺といったところでしょうか。7篇の連作短編集で、各話で心に傷を負った商店街の人々がこの喫茶店を訪れ、ちょっと厄介な問題が展開していく形を取っています。
そもそも『珈琲屋』のマスター・宗田行介が、殺人の前科持ちであることが冒頭から明かされます。行介の当時の恋人・冬子は、結婚するも出戻って来ていて‥。この2人の動向が、各話での隠れ主題にもなっているようで‥。最後はどうなる?と思わされます。
前科といっても、殺した相手は暴力団上がりのような地上げ屋で、結果的に商店街の存続危機を救う形になったのでした。根は心優しい行介の元に、冬子はもちろん、商店街の悩める人々がやってくるのですが、行介の言動と淹れる珈琲が心に沁み入ります。そして、人々に変化をもたらすのです。
なるほど、続編が出てドラマ化もされていて、物語の構図や展開は頷けるものがあります。各話の登場人物の心情や境遇に哀愁が漂い、ちょっと『深夜食堂』に似てるかな? 酸いも甘いも知った喫茶店や人々が、"燻し銀"のような味を出しています。
15年前の作品ながら、今はもっと生きにくい世の中のような気がします。そんな時、この物語は、今も変わらずに投げやりな気持ちを落ち着かせ、前を向かせてくれる気がします。
Posted by ブクログ
登場人物が全員自己中心的で、それぞれが1番大変だと思ってる。
いやーな人が多い。
暗い、重い話をみんながしてくるけど、実際に心からの闇を持っているのは行介くらい。
短編だからすぐ読める。
Posted by ブクログ
過去に人を殺めたことのある珈琲屋の主人・行介。その珈琲屋を訪れる、それぞれに悩みを持つ客達。森沢明夫さんの『虹の岬の喫茶店』みたいな感じかなと思ったけど、癒しを与えるというより、「人生はずっとずっとつづいていくもんな。」という行介のことばにもあるように、どんな人生でも前を向いて歩いていくしかないから、頑張らなきゃという風な感じでした。最初に思っていたようなストーリーではなかったけど、私はこういうのもありかなと思います。
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綺麗な話じゃないのに、不思議と温かい。
「ひょっとしたら俺はうちのかみさんに惚れてるんだろうかな」
いくつになっても、大切な人への気持ちを素直に感じられるっていいな。
Posted by ブクログ
ある事情から殺人の前科がある珈琲屋の店主。店主と元恋人を軸に、店に相談にやってくる客たちのストーリー。犯した罪は服役して償った。せめて好きな人と結ばれることは許してやって欲しいと切に思う。次回作でどんな展開になるのか楽しみ。
Posted by ブクログ
地上げ屋に反対していた店の娘がその地上屋に暴行されて自殺する。同じ商店街で珈琲屋を営む行介はその地上げ屋を殺してしまう。
刑期を終えて出所し、珈琲屋を再開するが、訪れてくる客はそれぞれに問題や悩みを抱えていて、殺人歴のある行介と接することで考え直したり、立ち直ったりする。
そうした、何でも悩みを打ち明けられるような場所があることはよいことかもしれないが、行介に背負わされた十字架が重すぎる気がした。
Posted by ブクログ
殺人罪での服役経験を持つ前科者の店主が営む喫茶店という設定に惹かれて読み始めたが、思いの外あっさりとした出来栄え。著者の年齢を考えると、少々前時代的な色恋沙汰が多くを占めるのは致し方ない部分か。基本は人情モノなので、事の顛末にはグッとくるものの、短編ゆえの宿命か奥行きには欠ける。しかし、人生の悲哀を描く物語はこれくらいの簡素さが重たくなり過ぎず、尚且つ余韻を残し収束出来るので丁度良い気もする。作中、登場人物の心情描写を敢えてぼやかし、読者の判断に委ねる場面が幾つかあるが、これが功を奏しているとは言い難い。
Posted by ブクログ
テレビドラマを観て、原作を読みたくなり。
少しだけ、テレビとは登場人物の設定が違いますが、するすると読める小説でした。
後味も悪くなくて、ほんのり暖かい気持ちになれる、というか、美味しいコーヒーを飲みたくなる、というか。
こんな珈琲屋さんがあったら、通いたいです。
Posted by ブクログ
NHKドラマから原作を読みました。
ドラマとは周りの登場人物がちがっていましたが、原作の方が納得できます。
読みやすい短編集。商店街の人情話。
Posted by ブクログ
短編がそれぞれ少しずつ繋がっている作品。
それぞれにドラマがあって面白いが
ひとつの商店街にそんなドラマはないだろう、、、苦笑
と突っ込んでみたくなる。
それぞれのドラマに対して
今日は香りの効いた味、酸っぱい味、苦い味といった
コーヒーを出せると良いが、いつも熱いコーヒー。
コーヒー好きにはやや物足りないが
「常連になれる店を一つぐらい作りたいな」
と思わせる作品でした。
Posted by ブクログ
訳ありの喫茶店「珈琲屋」、訳ありの客。熱々の珈琲。私も、行介みたいなマスターがいる静かな珈琲屋なら毎日、通うだろうなぁ。事あるごとに「自分は殺人者だから」て話す行介に、ちょっとイライラ(笑)冬子の事も愛してるなら、、前に進んで欲しいなぁ。物語は、そんなに胸に突き刺さるような話では無かったケド(^_^;)行介と冬子の静かな大人の愛と珈琲屋の雰囲気がイイ感じでした。