あらすじ
東京のちいさな商店街にある喫茶店『珈琲屋』。主の行介はあることで殺人を犯していた。当時、行介の恋人だった冬子と、幼馴染みの島木の三人を軸に、『珈琲屋』にやってくる客が語る人間ドラマを描いた連作集。今作では、行介が刑務所で知り合った若者・順平に、商店街の裏通りにあるおでん屋『伊呂波』の女将・理央子が物語に加わる。‶訳あり〟の人間がひきつけられる『珈琲屋』。今日もまた、その扉が開かれる。
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あれまあ5作目なのかいて、出る度に嬉しくて弾んでしまうんだ。いつものカウンター席に冬子に島本に、ふと1人になると右手の掌を見つめる行介。誰に対しても同じ思いに接し方に、ブレないね。梶原に放った自分の物差しで物事を測るんじゃない大馬鹿者がとはっきり言う島本に好感度が急に上がってしまい、あー思いがあったんだ決しておちゃらけて生きてる人間じゃないって思いました。でも胸を刺された純平大丈夫だろうか。わざと刺されるって、どう言う事なの、あんなに行介に諌められたけど、前回の冬子もそうだよ無事で何よりだけど
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コーヒー屋には木島 冬子がよく来る。行介の所に悩みを抱えた人が行介の手を見に来る。殺人を犯し手だ。でもそれは人助けの殺人、自分でランプの火で焼いたケロイドの手 これ以上、自分を痛めつけないようにしてほしい償いはそれ以上しているのに。
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題名の通り珈琲店の店長とそこに集う人々の群像劇。第五作となる今回も安定のクオリティです。ワンパターンなセリフが嬉しいし、結末は必ずしもハッピーにならない前例があるので最後までハラハラしながら読むことができる。年の差カップルやホスト業界の憂鬱等、現代社会への風刺も利いている。こんな珈琲店があったら、と誰しも思うのではないだろうか。
それにしても珈琲屋界隈で殺傷事件多すぎ。作中でも
述べてますが、行助が引き寄せていますね。個人的には行助と冬子が付かず離れずでシリーズが続いてくれることを願います。
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池永陽『珈琲屋の人々 心もよう』双葉文庫。
シリーズ第5弾。連作形式で綴られる物語。
とある理由で犯した殺人の罪で服役した過去を持つ喫茶店『珈琲屋』の主人である宗田行介と、かつて行介恋人だった冬子の恋の行方を軸に描かれる人間模様。
何故か行介の店には様々な問題を抱えた人たちばかりが集うようだ。今回は、かなり殺伐とした事件ばかりが描かれ、読んでいると人間不信に陥ってしまう。
確かに今の世の中には心の寄り所が少ないのだろう。だからと言って、過去に殺人事件を起こした行介を頼るのにも少々無理が出て来たようにも思う。
行介を兄貴と慕う刑務所で一緒だった山路順平、商店街に開店したおでん屋の女将・江島理央子の謎に包まれた心の闇を抱える二人が『珈琲屋』に通うようになると、大波瀾が起きる。
うおぉぉっ。順平はどうなったんだ。
本体価格750円
★★★★