池永陽のレビュー一覧

  • 珈琲屋の人々

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    ひとつの人生を覗くことが出来て面白かった。

    コーヒー屋を舞台に進むストーリー進行が心地よく、カフェの常連になりたいとまで思った笑

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    2019年07月04日
  • 珈琲屋の人々 : 3 宝物を探しに

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    ゆる塾の一件等、少々強引なエピソードもあるが、珈琲屋の店主、行介と幼馴染の冬子の行く末が主題でそのためのツールとも言えるエピソードが用意されているといったところ。人を殺したテ、熱いですから、等の決まり台詞も心地よい。人は難題に直面したときに周りの人に判断を求めるだろうが、悩む本人は結論が出ていることが多く、背中を押してくれることを望んでいるのではないか、とか、揺るぎない矜持は強い人と印象づけることができるのものなのかな、とか気楽に読みながらもおぼろげにか考える。

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    2019年02月09日
  • 珈琲屋の人々

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    飲み屋、食事屋を舞台の短編集は色々あるが、ひと味違う。主人は殺人犯、客はそれを承知でやってくる。
    熱々の珈琲を飲みながら、心に抱えた思いを主人に問いたくなる。
    深く心に残る短編集。
    シリーズらしいのでこの先も読んでみたい。

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    2019年01月31日
  • 走るジイサン

    購入済み

    老人たちの静かな喜び

    鋳物職人として働いてきた作次が退職をして毎日家で過ごすようになると、果たして何をして過ごせばいいのかと戸惑い、悩みそしていらだちすら感じるようになった。普段の生活の中でだんだん彼は独り言が多くなっていった。その内、猿が彼の頭に座っているのに気付いた。作次だけに見えるこの猿は彼の独り言の聞き役なのだろうか。
    作次が住む地域に「ちゃちゃ」という喫茶店があり、そこでほぼ毎日午前中は近所の仲間二人とおしゃべりで暇を潰している。彼らは皆、老人特有のひがみや被害者意識いわゆる疎外感を抱いているから、おしゃべりといってもほとんどが愚痴り合いだ…
    作次が喫茶店の娘の悩み相談に乗っているところでは、娘の一途

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    2018年11月16日
  • 指を切る女

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    池永陽 著「指を切る女」、2003.12刊行、2006.12文庫化。あやしげな世界の中で展開する男と女、女と男の哀しく切ない物語。骨のにおい、真夜中の紙芝居、哀しい食卓、指を切る女の短編4話。哀しみを抱いた女性たちの思いがひしひしと伝わってきます。「指を切る女」では、なぜか、映画「STATION 駅」での北海道増毛駅前の居酒屋での高倉健と倍賞千恵子のシーンが重なりました。

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    2018年08月31日
  • 珈琲屋の人々 : 3 宝物を探しに

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    珈琲屋の人々第三弾。
    以前の第二弾を読んだのが3年前だったので内容をよく覚えていないが、“昭和の夜のドラマ”という雰囲気は、やはり色濃く感じる。

    前科のある珈琲屋のマスター、宗田行介(そうだこうすけ)、幼馴染で想いあう関係の辻井冬子(つじいふゆこ)、同じく幼馴染の島木。
    悩める人々は迷える子羊のように珈琲店へと足を運ぶ。
    口の重い行介にかわって、商店街一のプレイボーイで話術の巧みな島木が話を聞き出し、冬子が思い切ったアドバイスや審判(!?)を下すこともある。
    良いトリオかもしれない。

    結果として行介の人殺しは商店街を救ったため、英雄視される一面もあり、子供の頃から住み続けた町でもあるので、

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    2018年08月24日
  • 珈琲屋の人々 : 3 宝物を探しに

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    池永陽『珈琲屋の人々 宝物を探しに』双葉文庫。

    シリーズ第3弾の連作短編集。『恋敵』『ヒーロー行進曲』『ホームレスの顔』『蕎麦の味』『宝物を探しに』『ひとつの約束』『恋歌』の7編を収録。

    過去に過ちを犯した主人公の行介の無骨で、不器用で、極めて真摯な生き方に惹かれるかのように心に傷を負った人たちは『珈琲屋』を訪れる……

    今回は行介と冬子のまどろっこしい恋の行方ばかりが脚光を浴び、先の2作と比べると少し面白味に欠けるように感じた。

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    2018年06月24日
  • コンビニ・ララバイ

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    ミユキマートというコンビニが舞台の短編集。
    第七話のおじいちゃんの最期は無理矢理な感じがあったけどとても読みやすくおもしろかった。
    ほかの作品も読んでみよう

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    2018年05月30日
  • ひらひら

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    池永さんは優しさをテーマにした作家さんなのですね。これまで読んだ、どの作品にも共通するのは”やさしさ”だった気がします。
    しかし、色々な優しさが有って単純ではないですね。しかもその中には、社会一般から見たら性差別や虐待にしか思えない優しさも含まれています。このために、万人(特に女性)向けでは無いかも知れません。
    しかし、登場人物の全てに向けられる著者の優しさがあります。どうも、そのあたりが私の性に有っている様なのです。

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    2017年10月30日
  • コンビニ・ララバイ

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    どうも好きですね、こういう優しい話。
    無常観から来たような主人公の優しさと、それに癒されて行く客たちの物語です。「賑やかだけど乾いているから・・・」と始めたはずのコンビニのはずが、思いっきり湿度が高い客と店主の交流の場になるわけで、甘ったるいと言う人も多いでしょうけど。。。。

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    2017年10月30日
  • 走るジイサン

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    >頭頂部だ。
    >頭の上に猿がいる。いくぶん・・・・
    表題と言い、このふざけた様な書き出と言い、最初はユーモア小説かと思ったのですが。。。
    先日読んだ「コンビニ・ララバイ」の池永陽のデビュー作。第11回小説すばる新人賞受賞作です。
    主人公は息子と二人暮しの老人。息子が結婚して嫁さんと同居することになるのです。主人公は、突然家庭に入り込んできたこの若い女性が常に気になって仕方ない。そして、一方で自分が片隅に追いやられたような気もしてる。暇つぶしに行く喫茶店で会う友人は熟年離婚の危機にあったり、仲の良い夫婦ながら妙に訳有りそうだったり。
    「コンビニ・ララバイ」と同じように、ちっ

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    2017年10月30日
  • 珈琲屋の人々 : 2 ちっぽけな恋

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    非道なことをしたチンピラを殺して服役した過去を持つ喫茶店の主人が主人公の短編集。
    多くは語らないものの、彼の優しさと強さにいろいろな事情のある客たちが救われる。
    進展を求めない大人同士の恋心も、少しせつないけれど魅力的です。

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    2016年11月20日
  • 珈琲屋の人々 : 2 ちっぽけな恋

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    1作目は違和感なく 
    珈琲屋の物語のとして、うまく作り方だねと思ったが。
    2作目の『ちっぽけな恋』篇は、話によってかなり 
    ムラがあるような 気がした。

    行介が 節くれ立った大きな右手を アルコールランプで
    焼く描写が 何ともなくせつない。
    『人を殺した手』とシンボライズされるが、その手だけが人を殺したわけではないだろう。
    と思う。そして、それが贖罪なのか。罪を忘れないようにしているのか?
    また、おとづれるヒトが、その手を見て、何らかの感慨を抱く。
    そのシーンが たびたび、くり返されることが 読んでいて怖いのだね。

    ここに出てくる人は、離婚歴があり、何らかのトラウマがあり、
    それが、子供に

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    2016年09月01日
  • 珈琲屋の人々

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    淹れ立ての熱いコーヒー。
    それが ごつごつした手で出される。
    なぜか、そのヒーヒーのあったかさが、手を通じて伝わる。
    口の中にはいり、身体も 『ほっと』する。

    この珈琲屋に来る人は、何らかの悩みを持っている。
    それぞれが 善良で、善良であるが故に悩み、
    想いもつかないことを考えてしまう。
    この珈琲屋のマスターは、行介。
    インターハイにでたことがあるが、地上げ屋のヤクザの
    横暴に 我慢できず、殺してしまった。
    服役して もどってきたのだ。それで、オヤジのあとを継いで
    珈琲屋をやっている。

    幼なじみの冬子が、離婚して、もどってきて、
    珈琲屋の片隅で 凛として 珈琲を飲んでいる。
    実に、いろんな

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    2016年08月31日
  • 珈琲屋の人々 : 2 ちっぽけな恋

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    あらすじ(背表紙より)
    あることで人を殺した喫茶店『珈琲屋』の主人・行介。行介の幼馴染で、かつて恋人だった冬子。ふたりの、互いを大切に思う気持ちを軸に、東京のちいさな商店街に暮らす人々を描いた連作短編集。連続テレビドラマ化もされ、多くの支持を集めた『珈琲屋の人々』続編。この物語を読み終えると、きっと熱いコーヒーが飲みたくなる…。

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    2015年08月30日
  • 珈琲屋の人々 : 2 ちっぽけな恋

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    1作目よりも命にかかわる話が多くなった。
    “人を殺した手”という表現が、繰り返し繰り返し出てくる。
    刑期を務め上げる事は法律に対する義務であって、そのことで人を殺したことそのものを償うことはできないということだ。
    それはそれとして、後半に行くにつれて冬子さんの執着みたいなものが鬱陶しくなってきた。
    あなたさえついてこなければ上手くいったのに、みたいな。
    そして、ついに…
    何でここで終わるんですか!
    もちろん、続きがあるってことなんでしょうが、週刊誌とか月刊誌じゃないんだから、待機時間が長すぎる!!

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    2017年01月14日
  • 珈琲屋の人々 : 2 ちっぽけな恋

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    東京の小さな町の商店街にある喫茶店『珈琲屋』を舞台に、苦悩する人々を描くシリーズ第2作。
    人間は間違いを犯す生き物である。大切なのは、その後どう生きていくかだ。『珈琲屋』のマスター・行介に会いに来て、彼の淹れる熱い珈琲を飲みに来る人々の姿はとても痛々しい。しかし、痛みを感じているうちは、まだ救いがあるということなのだろう。
    ラストシーンは、衝撃的だ。果たして行介に「救い」はあるのだろうか。そうでなければ、やりきれないのだが…。

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    2015年07月13日
  • コンビニ・ララバイ

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    穏やかな中に静かに存在する死の雰囲気。読者に想像させる終わり方が余韻を残す。主人公の後悔からくる無気力が、他者にとってはある種の癒やしになるという面白さ。

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    2015年06月15日
  • 珈琲屋の人々 : 2 ちっぽけな恋

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    結末が気になる短篇ばかり。迷える街の人々がふと訪れる珈琲屋。そこの主人・行介の温かさと、熱い珈琲を飲んだあとの選択は?あえて選択の行方は示さないが、たぶんハッピーエンドなんだろうなと思わせる。いや、そう思いたくなる話ばかり。小さな幸せがどんなに得難いものかを説く秀作。

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    2015年06月12日
  • 走るジイサン

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    【本の内容】
    頭の上に猿がいる。

    話しかければクーと鳴き、からかえば一人前に怒りもする。

    お前はいったい何者だ―。

    近所の仲間と茶飲み話をするだけの平凡な老後をおくっていた作次。

    だが、突然あらわれた猿との奇妙な「共同生活」がはじまる。

    きっかけは、同居する嫁にほのかな恋情を抱いたことだった…。

    老いのやるせなさ、そして生の哀しみと可笑しさを描く、第11回小説すばる新人賞受賞作品。

    [ 目次 ]


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    年をとったらこんなジイサンになりたいと思う(私はなれないが・・・)。

    きっとバアサンではこうはいかないだろう。

    妻に先立たれ、同居する息子の嫁にほのかな恋心を抱く

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    2014年08月27日