池永陽のレビュー一覧
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池永陽『珈琲屋の人々 遠回りの純情』双葉文庫。
シリーズ第7弾。
毎度、毎度似たようなパターンに飽きて来たし、宗田行介と辻井冬子の賞味期限も既に切れてしまったような気がする。
自らの犯した罪を許せずに自らの幸せに背を向けて生きる宗田行介と未だに行介が好きでたまらない辻井冬子のじれったい恋の行方と、悪い男に騙された訳ありの女性や女性との関係に悩む情けない男性が『珈琲屋』に持ち込む数々の相談事や事件が描かれるのは、何時ものパターン。
どんな理由があっても殺人はいけないことだと思うし、離婚のために不倫するなど言語道断。最初は行介と冬子の気持ちが解からんでもなかったが、シリーズを重ねるうちに2 -
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池永陽さんの作品を読むのは久しぶり。寂れた商店街を復活させようと65歳の同級生4人が頭脳明晰の高校生を仲間に町おこし推進委員会を結成して活動するお話。
多分有川浩さんの『三匹のおっさん』を読んだ事がある人ならちょっと雰囲気似ているな…と思うかも。めちゃめちゃ強いおっさんが登場して半グレ集団と戦ったり、子供の頃の初恋の相手と結婚したとか、いまだに片思いのままだとか重なる所が多かったかな。
昔ながらの映画館やレコード店は昭和さながら。確かにこの雰囲気を残している商店街がなくなってしまうのは寂しいです。でも跡取りがいないくて仕方なく店じまいを考える店主がいるのも現実。推進委員会の知恵と働きかけで -
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本作は、昔ながらの商店街にある喫茶店『珈琲屋』を舞台とした、人情噺といったところでしょうか。7篇の連作短編集で、各話で心に傷を負った商店街の人々がこの喫茶店を訪れ、ちょっと厄介な問題が展開していく形を取っています。
そもそも『珈琲屋』のマスター・宗田行介が、殺人の前科持ちであることが冒頭から明かされます。行介の当時の恋人・冬子は、結婚するも出戻って来ていて‥。この2人の動向が、各話での隠れ主題にもなっているようで‥。最後はどうなる?と思わされます。
前科といっても、殺した相手は暴力団上がりのような地上げ屋で、結果的に商店街の存続危機を救う形になったのでした。根は心優しい行介の元に、冬 -
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池永陽さんの作品を読んだのは、本書『下町やぶさか診療所』が初めてです。
いつも立ち寄る本屋さんの文庫コーナーで手に取った一冊で、裏面のあらすじ
虐待、認知症、癌など、診療所に持ち込まれる病気や患者の問題に、真摯に向き合う医師と型破りな女子高生が織りなす切なくて温かい下町物語。
に惹かれ、そのまま手に持ってレジに向かいました。
さて、本書は東京浅草の診療所を舞台に、主人公である医師・真野麟太郎をはじめ、心に大きな傷を負って診療所を訪れ、同居人となる元ヤンキーの(アイドル並みに可愛い)女子高生・麻世、麟太郎の息子で(麻世に惚れる)大学病院の医師・潤一、診療所のすぐ隣の店「田園」のオーナーで