大門剛明のレビュー一覧
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警察庁を退職後、探偵事務所に勤務している黒崎竜司(41)。ハードボイルドな見た目とは裏腹に、今まで女性との関わりがほとんどなかった彼が、意を決して結婚相談所に入会!
相談所のアドバイザーさんの助言を一生懸命に実行していたり、お見合いを重ねるたびに反省と次への試行錯誤を繰り返していたり…不器用ながらに婚活を精一杯頑張っている黒崎おじさんを、ついつい側で応援しているような気分になってしまいます(笑)
婚活とは…理想の結婚相手を探すことが一番の目的ですが、それと同時に自分の欠点や人生観など…あらゆるものと向き合っていかなければなりません。
婚活を頑張っている人たちみんなが、それぞれの幸せを掴め -
Posted by ブクログ
ネタバレ母親の強さと愛情、どうにもならない残酷さが書かれている。小杉優心という男の爆破殺人事件から物語が発展してゆく。相変わらず松岡千紗は強い女性。猪突猛進な所があって、どことなく誉田哲也の警察シリーズに出てくる、姫川に似ている。というか、姫川と松岡のような女性だからこうやって戦っていけるのでは?
最後は涙がほろりと。
「この世は白と黒では割り切れない。全くの白が黒として扱われた場合にのみ、正義感を燃やすのでは半人前だ。弁護士として向き合うの被告人は白と黒が混ざっているのが普通だ。罪人を全て真っ黒だと切り捨ててしまっては、問題がある。どのくらいグレーなのか、正確に判断して刑を与えなければいけない。」 -
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面白かった!
冤罪をテーマにしたミステリーエンタテイメントストーリ
二転三転するストーリに最後の最後までドキドキして読み進めました。
ストーリとしては、
女性弁護士の松岡千紗は、21年前の少女誘拐殺人事件の冤罪再審裁判に抜擢されます。
しかし、彼女自身もその事件で監禁された少女の一人。
平山は自分を監禁した犯人なのか?それともやはり冤罪なのか?
当時の取り調べを行った二人の刑事、今井と有森
そして、今井の口から語れる当時の真相
平山は冤罪だったのか?
冤罪だとしたら、真犯人は誰?
平山の怪しい行動..
そして、ラスト、明らかになる真相!
という展開です。
ページをめくる手が止まりません
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弁護士松岡千紗が主人公の、『完全無罪』に続く第2弾。
ひとたび死刑が執行されたら、その後無罪が明らかになっても取り返しがつかない死刑という制度。
人の生死が、裁判官と裁判員との多数決で決まる裁判員制度。裁判員には、被害者に寄り添う一方、罪を犯した者への懲罰的な判決に傾きがちになるという面もあると聞く。
本作は、その裁判員が被害者になる殺人事件が発生し、裁判員が容疑者ともなる。
彼らが関わった裁判が、事件を引き起こしたことは明らか。
その背景は、読者には明らかにされており、登場人物たちがどのような行動を取るかに焦点が当たる。
現実的にはあり得ない設定に鼻白らむが、著者の問題提起は重く、裁判員制度 -
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「無罪は無実ではない」。そんな刺激的な惹句が文庫本の帯に踊る。
冤罪再審裁判で無罪になっても、真犯人が捕まらない限り、その人を危険人物とみる世間の目は、すんなりとは改まらない。一度社会から排除された人間が復帰するのは想像以上に困難という、そんな世評に一石を投じる社会派ミステリーといえる。
女性弁護士松岡千紗は、少女誘拐殺人事件の冤罪再審裁判を担当する。
彼女自身が、過去に誘拐監禁された経験を持ち、今回担当する裁判の被告平山がその犯人かもしれない。現実的にはあり得ないシチュエーションも、著者の巧まざる筆さばきに物語世界にのめり込んでしまう。
平山を疑いながらも必死に弁護活動する千紗ともに読者もま -
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大門剛明『不協和音3 刑事の信念、検事の矜持』PHP文芸文庫。
シリーズ第3弾。文庫書き下ろしの連作ミステリー。
これでシリーズは完結なのだろうか。ついに31年前に刑事だった父親が関係した冤罪事件の真相が明らかになる。面白かったが、取って付けたような最終盤の『不協和音』のくだりは不要だったように思う。兄弟の織り成す『不協和音』でも十分に納得できた。
別々に育てられた兄弟。刑事となった兄の祐介と検事になった弟の真佐人の二人が刑事だった父親の31年前の冤罪事件の真相に迫る。水と油の如く反目し合いながらも、どこかでお互いを認め、様々な事件の真相を突き止める祐介と真佐人。
本体価格780円
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Posted by ブクログ
「正義の天秤」の続編。
前作同様、章ごとに主人公を変えて描く連作短編集と言う形を取りながら、鷹野の恋人が殺された事件の真相に少しずつ迫っていく。
創業者の娘・佐伯芽依、元裁判官の桐生、ニートだった杉村、元刑事の梅津。
鷹野に「ブレーメンの音楽隊」と言われたメンバーだが、それぞれの個性を活かし、各々が裁判に臨む姿が端的に描かれる。
鷹野の登場シーンがほとんどないのが、この作品の凄いところ。でも的確なアドバイスはそれぞれの胸に響き、信頼関係が徐々に築かれていく様子もよく分かる。
そして、最終章の「正義の心臓」では鷹野の恋人が殺された事件の真実が15年ぶりに明らかになる。
リーガルミステリーでありな