大門剛明のレビュー一覧

  • テミスの求刑

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    ネタバレ

    他の方のレビューでも書かれていたが1つの事件だけでなく過去の事件や色々な登場人物の犯した罪が立体的に繋がっているのが見事であった。大きなどんでん返しはないもののしっかり1つ1つの真実が明らかになっていったと思う。
    途中で過去の事件の真犯人があっさり判明したので、この後どのように終結していくのか楽しみでもあった。
    検察事務官と被害者家族として揺れ動く星利菜の心情もよく表現されていたと思う。

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    2022年06月19日
  • 正義の天秤 アイギスの盾

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    ネタバレ

    中々面白かった。
    大門氏の作品で初読したものの印象がイマイチだったのであまり期待せずに読んだが、短編集でありながらルーム1メンバーの個性がしっかり書かれており、縦軸の鷹野の恋人殺害事件も最後までどんな結末になるのか興味深く読めた。
    是非シリーズ化して今後も楽しみたい作品である

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    2022年06月19日
  • 正義の天秤

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    ネタバレ

    この作者の『雪冤』を読んだ時にかなり重い気分にな今回は今回は思っていたよりも軽い気持ちで読めた。
    個性的な弁護士チームの話であり、鷹野の思惑が若干都合が良すぎる展開ではあるものの縦軸に彼の過去が存在しているので興味は続く。

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    2022年06月19日
  • 正義の天秤 アイギスの盾

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    今回は師団坂法律事務所、刑事事件を担当する弁護士それぞれの活躍の話と、リーダーである鷹野が追っている事件を絡めての連作短編といった感じ。
    加害者を弁護することは、とても大変で難しい。そして因果な職業です。
    考えるだけでも震えます。

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    2022年05月01日
  • 罪人に手向ける花

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    癒し系女性検事・黒木二千花。
    見た目はゆるふわでも、その深根は元検事であった父親の、決して悪を許さないと言う信念が生きていた。

    担当した被疑者は、かつて父が起訴を見送った男であった。果たして、今度も男は無罪なのか?

    最後の真実は、驚きの展開です。そう来たか〜
    全く予想出来ませんでした。
    タイトルの『罪人』とは、そう言う意味なんですね。

    【追記】
    表紙のデザインがスッキリして、綺麗ですね。
    まるで、女性誌のようです。

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    2022年04月23日
  • 婚活探偵

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    警察庁を退職後、探偵事務所に勤務している黒崎竜司(41)。ハードボイルドな見た目とは裏腹に、今まで女性との関わりがほとんどなかった彼が、意を決して結婚相談所に入会!

    相談所のアドバイザーさんの助言を一生懸命に実行していたり、お見合いを重ねるたびに反省と次への試行錯誤を繰り返していたり…不器用ながらに婚活を精一杯頑張っている黒崎おじさんを、ついつい側で応援しているような気分になってしまいます(笑)

    婚活とは…理想の結婚相手を探すことが一番の目的ですが、それと同時に自分の欠点や人生観など…あらゆるものと向き合っていかなければなりません。

    婚活を頑張っている人たちみんなが、それぞれの幸せを掴め

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    2022年04月04日
  • 完全無罪

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    ネタバレ

    正義って何なんですかね。

    千紗が無罪にした男が実は連れ子を殺していた。
    「こいつが絶対犯人だ‼︎」そう思い証拠を捏造した警察官。
    暴露本を出して金儲け出来ると知恵を貸した千紗の上司。

    どこに正義があるんですかね。
    正義と悪は表裏一体なんですかね。

    無実の罪で21年間刑務所に居た男。
    罪を擦りつけて寿命を全うした男。

    正義なんてあったもんじゃないですね。



    【無罪であって無実ではない】

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    2022年03月25日
  • 完全無罪

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    題名通り、無罪判決が出たとしても「完全無罪」になるのは不可能に近いほど難しいことが分かりました。
    自分の立場でも、怖れを抱くと思います。

    そんな中、過去と闘い被害者を救うために事件の影に怯えながら奮闘した主人公を尊敬します。

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    2022年03月13日
  • 死刑評決

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    ネタバレ

    母親の強さと愛情、どうにもならない残酷さが書かれている。小杉優心という男の爆破殺人事件から物語が発展してゆく。相変わらず松岡千紗は強い女性。猪突猛進な所があって、どことなく誉田哲也の警察シリーズに出てくる、姫川に似ている。というか、姫川と松岡のような女性だからこうやって戦っていけるのでは?
    最後は涙がほろりと。

    「この世は白と黒では割り切れない。全くの白が黒として扱われた場合にのみ、正義感を燃やすのでは半人前だ。弁護士として向き合うの被告人は白と黒が混ざっているのが普通だ。罪人を全て真っ黒だと切り捨ててしまっては、問題がある。どのくらいグレーなのか、正確に判断して刑を与えなければいけない。」

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    2022年02月24日
  • 完全無罪

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    面白かった!
    冤罪をテーマにしたミステリーエンタテイメントストーリ
    二転三転するストーリに最後の最後までドキドキして読み進めました。

    ストーリとしては、
    女性弁護士の松岡千紗は、21年前の少女誘拐殺人事件の冤罪再審裁判に抜擢されます。
    しかし、彼女自身もその事件で監禁された少女の一人。
    平山は自分を監禁した犯人なのか?それともやはり冤罪なのか?
    当時の取り調べを行った二人の刑事、今井と有森
    そして、今井の口から語れる当時の真相
    平山は冤罪だったのか?
    冤罪だとしたら、真犯人は誰?
    平山の怪しい行動..

    そして、ラスト、明らかになる真相!
    という展開です。

    ページをめくる手が止まりません

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    2022年02月13日
  • 罪火

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    レトルト食品工場に勤める若宮は鬱屈を感じていた。花火大会の夜、少女・花歩を殺めてしまう。花歩は母・理絵とともに、被害者が加害者と向き合う修復的司法に携わり、犯罪被害者支援にかかわっていた。13歳の娘を殺された理絵のもとに、犯人逮捕の知らせがもたらされる。しかし容疑者の供述内容を知った理絵は真犯人は別にいると確信。かつて理絵の教え子であった若宮は、殺人を告白しようとするが…。驚愕のラスト、社会派ミステリー。

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    2022年02月08日
  • 罪人に手向ける花

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    小説を読んでると、正義って何だろうという疑問が浮かびます。
    本作は癒し系の美しい検事が主人公ですし、とてもスピーディーに話が進むしで本当に油断してました。
    え、、そうだったの、まさしく絶句です。
    面白かったです。

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    2022年01月12日
  • 正義の天秤 アイギスの盾

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    司法的治療、ケアだな...。様々な事情により犯罪行為を犯す者を救うのに必要なことは? 被害者及び残された家族の心情は? 復讐と贖罪...。当事者となった時に同じような意思決定ができるのか。色々と考えさせられる一冊。

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    2022年01月08日
  • 正義の天秤

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    6編の短編連作集。様々なキャリアのある弁護士たち。被告人や被害者、検察との遣り取りの中で見えてくるもの...。それぞれのキャラが立ち、事件の背景にあるものも用意周到に考え抜かれていて脱帽。早めに次作を読まないとな...。続きが気になって眠れなくなりそう。

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    2022年01月06日
  • 死刑評決

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    弁護士松岡千紗が主人公の、『完全無罪』に続く第2弾。
    ひとたび死刑が執行されたら、その後無罪が明らかになっても取り返しがつかない死刑という制度。
    人の生死が、裁判官と裁判員との多数決で決まる裁判員制度。裁判員には、被害者に寄り添う一方、罪を犯した者への懲罰的な判決に傾きがちになるという面もあると聞く。
    本作は、その裁判員が被害者になる殺人事件が発生し、裁判員が容疑者ともなる。
    彼らが関わった裁判が、事件を引き起こしたことは明らか。
    その背景は、読者には明らかにされており、登場人物たちがどのような行動を取るかに焦点が当たる。
    現実的にはあり得ない設定に鼻白らむが、著者の問題提起は重く、裁判員制度

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    2022年01月03日
  • 死刑評決

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    ネタバレ

    裁判物ですがとても面白かった。ラストのどんでん返しは効いたなあ。そこから涙が止まらん止まらん。外で読んでたから隠すのに必死だったよ。

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    2021年12月25日
  • 完全無罪

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    「無罪は無実ではない」。そんな刺激的な惹句が文庫本の帯に踊る。
    冤罪再審裁判で無罪になっても、真犯人が捕まらない限り、その人を危険人物とみる世間の目は、すんなりとは改まらない。一度社会から排除された人間が復帰するのは想像以上に困難という、そんな世評に一石を投じる社会派ミステリーといえる。
    女性弁護士松岡千紗は、少女誘拐殺人事件の冤罪再審裁判を担当する。
    彼女自身が、過去に誘拐監禁された経験を持ち、今回担当する裁判の被告平山がその犯人かもしれない。現実的にはあり得ないシチュエーションも、著者の巧まざる筆さばきに物語世界にのめり込んでしまう。
    平山を疑いながらも必死に弁護活動する千紗ともに読者もま

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    2021年11月16日
  • 罪火

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    ネタバレ

    読んでいる最中は「星3つかなー」と考えていたが、ラストの読者に対する作者のどんでん返しが印象に残り、星4つに格上げ。
    心が痛いというか、やや凄惨な内容もあるため、読んでいて楽しくない部分もあるが、救いなくエンディングを迎えそうな中で、少しの救いをもたらしたラストは読み応えがあった。

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    2021年11月13日
  • 不協和音 3 刑事の信念、検事の矜持

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    大門剛明『不協和音3 刑事の信念、検事の矜持』PHP文芸文庫。

    シリーズ第3弾。文庫書き下ろしの連作ミステリー。

    これでシリーズは完結なのだろうか。ついに31年前に刑事だった父親が関係した冤罪事件の真相が明らかになる。面白かったが、取って付けたような最終盤の『不協和音』のくだりは不要だったように思う。兄弟の織り成す『不協和音』でも十分に納得できた。

    別々に育てられた兄弟。刑事となった兄の祐介と検事になった弟の真佐人の二人が刑事だった父親の31年前の冤罪事件の真相に迫る。水と油の如く反目し合いながらも、どこかでお互いを認め、様々な事件の真相を突き止める祐介と真佐人。

    本体価格780円

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    2021年11月10日
  • 正義の天秤 アイギスの盾

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    「正義の天秤」の続編。
    前作同様、章ごとに主人公を変えて描く連作短編集と言う形を取りながら、鷹野の恋人が殺された事件の真相に少しずつ迫っていく。
    創業者の娘・佐伯芽依、元裁判官の桐生、ニートだった杉村、元刑事の梅津。
    鷹野に「ブレーメンの音楽隊」と言われたメンバーだが、それぞれの個性を活かし、各々が裁判に臨む姿が端的に描かれる。
    鷹野の登場シーンがほとんどないのが、この作品の凄いところ。でも的確なアドバイスはそれぞれの胸に響き、信頼関係が徐々に築かれていく様子もよく分かる。
    そして、最終章の「正義の心臓」では鷹野の恋人が殺された事件の真実が15年ぶりに明らかになる。
    リーガルミステリーでありな

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    2021年10月09日