あらすじ
裁判員が殺人犯? 前代未聞法廷開幕!
裁判員裁判で死刑評決を受けた、犯行当時十九歳の死刑囚に死刑が執行される。綾川冤罪裁判を闘った弁護士・松岡千紗が量刑不服として再審請求する矢先だった。直後、死刑を支持した元裁判員が容疑者となる新たな殺人事件が勃発、千紗は敢然と法廷に立つ。人が人を裁く難しさを問う迫真のミステリー。『完全無罪』シリーズ第二弾。
多数決で決まる人の生死。 評決のとき、裁判員と裁判官がどれだけ悩み苦しむか考えました。
―大門剛明
感情タグBEST3
匿名
スピード感ありで、すぐに物語に引き込まれました。
絶対悪だと思ってた人物に同情の気持ちが芽生えてしまったり、けれど悪は悪と考え直したり。
すごく考え深い話しでした。
Posted by ブクログ
犯人は明らかになっているから、あとは結末を待つのみ、とさらっと読み進めていたら、行動の背景に悲しい動機があったことに胸が苦しくなった。
最後まで心に訴えかけるラストだった。
傷心の犯行動機が明確にされないまま死刑になってしまったので、そこは描いてほしかった。
Posted by ブクログ
前作の『完全無罪』に続き期待して読んだ。前半はスローペースだったけれど徐々に読む手が止まらないというのは著者の思惑どうりのよう。千紗の真実に迫る勢いは応援したいけれど陶子に逃げ切って欲しいという思いもあり終盤はそちら傾いていった。だって元々は陶子は悪くない、と思えたから。真の悪人は法では裁けないという気がして。ラストは予想外だったけれどすんだり受け入れられた。陶子に比べると千紗は優秀ではないにしてもその直感の鋭さと行動力は真山が一目置くだけあって才能なのだろう。
Posted by ブクログ
「完全無罪」で自らが誘拐被害者となった過去の事件の真犯人にたどり着いた弁護士・松岡千紗シリーズ第2作。
8年前に事件当時19歳だった少年に死刑判決を下した判事・日下部陶子。
裁判官、裁判員ともに無期懲役と迷いに迷い、わずか一票の差で死刑となった。
その少年の幼なじみが千紗に、彼の心の内を知りたいと依頼が入る。
少年と接見した千紗が彼の心が開きかけた感触を得た矢先、死刑が執行されてしまう。
一方、陶子の元にかつての死刑判決に間違いがなかったかを問う不審な電話が入る。
電話の主と会った陶子は、裁判時には見たこともない事件当日の動画を見せられ自分達の判決が誤りであったことを知るー。
今回は最初から犯人が読み手に分かる流れだったので、前作の方がおもしろいなぁと思いながら読んでいたら、最後にやられました。
千紗が陶子をどのように追い詰めるのかと思いながらも、正直あまり期待していなかったのですが、まさかの展開。
このシリーズ、いいですね。
3作目が出るのが楽しみです。
2020年9冊目。
Posted by ブクログ
完全無罪がとても面白かったので、この続編も読んだ。こちらも凄く面白かった。ページをめくる手がもどかしいほど、もっと長く話が続いて欲しいと思ったほど、楽しめた。この作家の作品を他にも読んでみようと思う
Posted by ブクログ
『完全無罪』シリーズ、第二弾。
高松の女性弁護士・松岡千紗が活躍する慟哭のミステリー。一部、真犯人側の視点からも描かれるので、倒叙ミステリーとも言えるでしょうか?
帯にある『裁判員が殺人犯?』に惹かれて、購入しましたが、あっという間に読破。
誰が真犯人か、というより、動機の面で、なぜ真犯人はそんなことをしたのか、単に保身のためなのか?というところがポイントでしょうか?
裁判員裁判で死刑評決を受けた当時19歳の青年(小杉優心)の死刑が執行された。松岡が、量刑不服として再審請求する矢先であった。
そして起こった新田という男性の殺人事件。
その容疑者は、死刑評決が出された8年前の事件の裁判の裁判員(村上)であった。
松岡は、その容疑者の無実を証明するため、不利な状況の中、敢然と法廷に立つ。
いったい、今回の殺人事件と8年前の爆破事件は、どう繋がっているのか。二転三転する真実、そして、最後の法廷に、驚愕の展開が待ち受ける。
人が人を裁く難しさ、正義とは、家族の愛情とは、赦しと憎しみが交差する。
本当に、裁判とは難しいですね。
Posted by ブクログ
「完全無罪」に続くシリーズ第二弾
裏表紙にあるあらすじ、入手する時に読んだけど、実際読む時はその内容を忘れていたので、70ページ弱で唖然としてしまった。
千紗はなぜ気付けたんだろう?ちょっと出来過ぎな気がしたけど、切ない物語だったけど、とても良かった。
Posted by ブクログ
現在(2024年夏)にWOWOWの連ドラが放送されている広瀬アリス主演ドラマの主人公の新たな事件。この話も前作同様にすごく考えられているのに感心する。文章も読み易い。でも、好きな話ではない・・・
Posted by ブクログ
どうやらシリーズの2作目らしいのですが、知らずにいきなり読み始めてしまいました。
ある事件の裁判員裁判で死刑か無期懲役か決めるところから話が始まります。
今自分達が人を殺すべきかを話し合っているのだという裁判員の緊張が伝わってきたことが印象に残りました。
そして事件の加害者を弁護する側の正義とは…という葛藤も伝わってきました。
弁護士の千沙先生の気持ちに共感してちょっとムカムカモヤモヤ…。
話の流れは思ってもいない方向に進んで、ラストはちょっとドラマティックすぎるかなとは思いましたが展開のテンポも良くてあっというまに読み終わってしまいました。
Posted by ブクログ
前作「完全無罪」に続くシリーズ第2弾。
本作も前作同様に出来すぎ感はありましたが、それでも面白いものは面白い!!
「まずこの事件で殺された被害者が、愛するわが子だったら被告人にどんな罰を与えるか。次にその被告人は冤罪で、真犯人はあなたのもう一人の子どもだと分かったらその時、愛するその子にあなたはどういう罰を与えるか...」
裁判員が殺人犯? 前代未聞法廷開幕!
裁判員裁判で死刑評決を受けた、犯行当時十九歳の死刑囚に死刑が執行される。綾川冤罪裁判を闘った弁護士・松岡千紗が量刑不服として再審請求する矢先だった。直後、死刑を支持した元裁判員が容疑者となる新たな殺人事件が勃発、千紗は敢然と法廷に立つ。人が人を裁く難しさを問う迫真のミステリー。『完全無罪』シリーズ第二弾。
多数決で決まる人の生死。 評決のとき、裁判員と裁判官がどれだけ悩み苦しむか考えました。
―大門剛明
内容(「BOOK」データベースより)
裁判員裁判で死刑評決を受けた、犯行当時十九歳の死刑囚に死刑が執行される。綾川冤罪裁判を闘った弁護士・松岡千紗が量刑不服として再審請求する矢先だった。直後、死刑を支持した元裁判員が容疑者となる新たな殺人事件が勃発、千紗は敢然と法廷に立つ。人が人を裁く難しさを問う、『完全無罪』に続くシリーズ第2作。文庫書下ろし。
著者について
大門 剛明
だいもん・たけあき
1974年三重県生まれ。龍谷大学文学部卒。第29回横溝正史ミステリ大賞とテレビ東京賞をダブル受賞した『雪冤』で2009年にデビュー、ドラマ化される。主な著書に『反撃のスイッチ』『告解者』『婚活探偵』『優しき共犯者』『鍵師ギドウ』などがある。『テミスの求刑』『獄の棘』など映像化作品も多い。本作は女性弁護士・松岡千紗が活躍する「完全無罪」シリーズ第二弾。『完全無罪』は、三省堂書店本読み営業担当が、自信をもってオススメする2019年ベスト文庫1位に選出された。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
大門/剛明
1974年三重県生まれ。龍谷大学文学部卒業。第29回横溝正史ミステリ大賞とテレビ東京賞をダブル受賞した『雪冤』で2009年にデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
Posted by ブクログ
兄弟の動機が、少しあり得ないように思われました。(何年越しの計画…)
前回は弁護士が、今回は裁判官が事件の当事者となりますが、あまり読んだことのない設定なのでとても興味深いです。
前作でもそうでしたが最後の最後にどんでん返しがあり、予定調和に終わらないところが面白いなと思います。
Posted by ブクログ
前回同様感動物でした。今回は法廷よりミステリーって感じでした。このシリーズは小杉氏的感じの小説に感じました。しかし新田弟だけは許して欲しくない。まさに社会病性質ですね!
Posted by ブクログ
母親の強さと愛情、どうにもならない残酷さが書かれている。小杉優心という男の爆破殺人事件から物語が発展してゆく。相変わらず松岡千紗は強い女性。猪突猛進な所があって、どことなく誉田哲也の警察シリーズに出てくる、姫川に似ている。というか、姫川と松岡のような女性だからこうやって戦っていけるのでは?
最後は涙がほろりと。
「この世は白と黒では割り切れない。全くの白が黒として扱われた場合にのみ、正義感を燃やすのでは半人前だ。弁護士として向き合うの被告人は白と黒が混ざっているのが普通だ。罪人を全て真っ黒だと切り捨ててしまっては、問題がある。どのくらいグレーなのか、正確に判断して刑を与えなければいけない。」
Posted by ブクログ
弁護士松岡千紗が主人公の、『完全無罪』に続く第2弾。
ひとたび死刑が執行されたら、その後無罪が明らかになっても取り返しがつかない死刑という制度。
人の生死が、裁判官と裁判員との多数決で決まる裁判員制度。裁判員には、被害者に寄り添う一方、罪を犯した者への懲罰的な判決に傾きがちになるという面もあると聞く。
本作は、その裁判員が被害者になる殺人事件が発生し、裁判員が容疑者ともなる。
彼らが関わった裁判が、事件を引き起こしたことは明らか。
その背景は、読者には明らかにされており、登場人物たちがどのような行動を取るかに焦点が当たる。
現実的にはあり得ない設定に鼻白らむが、著者の問題提起は重く、裁判員制度にも一石を投じる作品と言ってもいいか。
Posted by ブクログ
裁判物ですがとても面白かった。ラストのどんでん返しは効いたなあ。そこから涙が止まらん止まらん。外で読んでたから隠すのに必死だったよ。
Posted by ブクログ
前作「完全無罪」に続く2作目。本作でも裁判員裁判が焦点となっている。
前作では法廷ミステリーではあるが、法廷を舞台にした記載が少なかったが、本作はいかにも法廷といった流れ。まさかの結論が待っていて、思わず「え?」となったが、法廷での緊張感などは伝わってきて、個人的には前作より楽しんで読めた。
本作は、裁判員裁判で死刑評決を受けた犯行当時19歳の少年の死刑が執行されたことを発端として、その時死刑評決を支持した裁判員が容疑者となる殺人事件が発生。その弁護をヒロイン松岡千紗が行うというストーリー。
人が人を裁くことの難しさもさることながら、裁かれない悪もあることが浮き彫りになる。むしろ、そちらのほうが悪いことも多々ある。ある意味、司法の限界点なのかもしれない。
Posted by ブクログ
完全無罪の続編。
死刑判決と裁判員制度を題材としていて、前作に引き続きなかなか考えさせられて面白い。
被害者遺族、加害者関係者、判決を下した裁判官と裁判員、そして野次馬、様々な立場の人間から見た死刑。判決後の人生。
そこから始まるミステリー小説。
Posted by ブクログ
女性弁護士、女性判事の両名のキャラクターが良かった。ストーリーは途中までは思った展開だったが最後はいい意味で裏切られた。
一点だけおやっと思ったのは死刑判決が出た被告の執行が早すぎたように感じた。
それから舞台が何と私の故郷だったのもびっくりした。またこの作家の本は読みたいと思った。
Posted by ブクログ
作家さん買い二冊目。
『完全無罪』に引き続き、今回も面白かった。
序盤から引きこむ筆致、細かい伏線の回収も◎
余分な部分を削ぎ落とし、最後まで一気に読ませてしまう作家さんだと思う。
結末については、個人の好みが別れる気がする。
Posted by ブクログ
面白かったです。あらすじとしてはトンデモ展開といえますが、裁判員裁判とか裁判官についてしっかり取材されていて、付せん紙法を使った評議のあり方とか、令状当番の実態など、細部にリアリティがあるので読みごたえがあります。が、ラストはさすがにトンデモすぎであり、素直に飲み込めなかったので、評価は4としました。
あと、熊さんが前作と比べてもいい味を出しており、個人的に好きなキャラになりつつあるので、願望としては、もっと主人公やストーリーに影響を与える人物になってほしいです。
Posted by ブクログ
最初からハラハラしまくりでした。死刑囚の弁護をしようとした矢先に死刑執行という展開。割と早い段階で、事件の本筋が見えてきたと思ったら、最後まで本質は見えなかった。
Posted by ブクログ
松岡千紗シリーズ第二弾。裁判員裁判で死刑評決を受けた当時19歳の青年(小杉優心)の再審請求をする矢先に死刑が執行された。直後、死刑を支持した元裁判員が容疑者となる新たな殺人事件がおこる。犯人がすぐわかり、最後のオチがあるがミステリーというより裁判事件の特殊性、これまでの判例との公平性を考え抜き、人の意見に流されてはいけないということが伝わってきた。被害者が我が子だったら逆に加害者が我が子だったらどういう判決にするか、両者が一致したら公正な裁き。死刑、死の基準をつきつけるのは厳しい。
Posted by ブクログ
前作に続き重層的に死刑というものの意味に迫る。被害者が我が子だったらどういう判決にするか、逆に加害者が我が子だったらどういう判決にするか、両者が一致したら公正な裁き。すごいな。出来ない…
最後も秀逸。世の中は白と黒ではない。グレーなものに裁きを下す。
Posted by ブクログ
読書好きな会社の方からおススメされたので、読んでみました。
この作品は、「完全無罪」シリーズ第2作目ということで、第1作目を読まずにこちらを先に読みました。予備知識というものがなくても普通に楽しめました。
後半からは、法廷のシーンがメインなのですが、真相が明らかになっていくまでの緊迫した緊張感・表には出さない心理戦がグイグイと世界観にもっていかれて、ページが止まりませんでした。
犯人は、早い段階で明らかになっているのですが、最後の方で新たな隠された真実があったので、不意打ちでした。
読者としては、犯人が分かっていながらも、どう話の決着が待っているのか、頭の中で予想していたのですが、意外でした。特にそういう伏線があったわけではないので、意表を突かれました。
この作品のテーマは、裁判員制度や死刑制度。誰しも裁判員になるかもしれない時代で、死刑か無期懲役など人を裁くことの難しさ・言葉では言い表せない心情が重くのしかかりました。裁判員だけでなく、裁判官も「人間」です。間違いはあってはならないですが、もしも自分だったらと思うと、なかなか踏み出せないです。また、決着しないといけながらも決めなければならない状況下では、精神がおかしくなるかと思います。それぐらい難しいテーマだということを突きつけられました。
重いテーマでしたが、主人公の熱血ぶり・奮闘ぶりが程よく中和されていて、そんなに重い気持ちにはなりませんでした。
もしも映像化するならば、主人公は芳根京子さんや松岡茉優さんがとっさに思いつきました。
第1作目がまだ未読なので、そちらも読んでみたいなと思いました。
Posted by ブクログ
未提出の証拠で、そこまで叩かれるのか?と脅し文句に対し疑問を抱きました。
それでも、主人公の掲げる公正さに感銘を受けました。
「私が命を削る思いでのぞんだ死刑評決を何だと思っているのだ。」
Posted by ブクログ
裁判官が殺人犯?
最後には思いもかけない意外な展開にやられた。裁判員裁判の歪みを明らかにし、裁判官としての矜持を描いたこの作品はズシリと身に染みた。
完全無罪第二弾として、良い本に巡り会えた。
Posted by ブクログ
面白かった!
完全無罪シリーズ、第二弾!
女性弁護士・松岡千紗が活躍する物語
驚きの結末、そして真相でした!
8年間に裁判員裁判で死刑評決を受けた当時19歳の死刑囚に死刑が執行されます。
当時の評決では死刑か無期懲役で大きく分かれ、結果、多数決で死刑が求刑されたものでした。
しかしながら、その評決の裏には様々な思いが..
そして起こった殺人事件。
その犯人は、なんとエリート女性裁判官!
しかし、彼女は自首せず、この殺人事件の裁判を行います。その容疑者として、8年前の事件の裁判の裁判員。
8年前の評決と今回の殺人事件の関係が..
その容疑者の無実を証明するため、闘う千沙
真犯人の女性裁判官VS千沙
という構図です。
しかし、千沙は絶対的な不利な状態に。そこから挽回することができるのか?
そして、突き止めた一つの事実
明らかになる真相
という展開です。
女性裁判官が本当に守りたかったもの..
この真相がとても切ない
人が人を裁く難しさ、恐ろしさ。
重いテーマの物語でした。
これはお勧め!
Posted by ブクログ
テーマはいいんだけどね...。ホワイダニットでの展開の難しさを痛感させられる一冊。この手の作品を読み慣れている人であれば、ほぼネタバレ。ドキドキ感では前作の方が良かったかな。これ、第三弾、あるのかなぁ...。
Posted by ブクログ
前作が面白かったので購入
中盤まで、先が気になる展開でとても面白かった。
終盤、松岡が日下部判事に迫る描写は迫力はあった
が、弁護士がやることではないのでは…と思いさめてしまった。
面白かっただけにリアリティがなくなり残念だなと。