大門剛明のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ社会に上手く馴染むことが出来ない生活困窮者「負け組」達が社会不適合者という定義を作りそれをゴミとする産まれ持っての「勝ち組」の娘を狙う「誘拐事件」。身代金は「四百円」。
主犯の男はメンバーに一千万を渡す約束をし、手伝いを頼む。彼の内に秘めたる想いとは。
そしてそれを受け継いだのか否か一人残った男は何を感じ何を考え、どう動き出すのか。
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私にとって「趣味」が生活の中心でありそれをする為の「仕事」だ。どちらかに全ベットする事は出来ない。恐らく良い意味では無い「マイウェイですよねぇ」なんてセリフはこの人生で100万回言われてきた(産まれてから1日1回言われていたとして私の推定年齢2739歳)
自分とは違う人生を送る人間を否定し、陥れ、敵とみなして攻撃をする行為は見ていて気持ちの良い物では無い。仕事一途 それもまた人生。
自由と自堕落が紙一重な日々 それもまた人生。
ただ、「自分一人の世界」ではないので周りの人間のことを考え、尊重し、それを踏まえた行動であればわざわざ否定する必要は無いと思っている。
自分の行動に自信を無くし、他者を羨み、それを怒りの感情に変換してしまうのはとても勿体無い事ではないのだろうか。
作品説明から感じ取れる通りエンタメ性の強い構築だ。軽く読みながらスムーズに後半戦に突入し、フィナーレ目前の姿勢を整える前に誘拐劇にピリオドを打たれる。ここからがこの作品の見所だ。
沖田の信念と「誘拐犯」に身を落とすも消して失わなかった彼の心が、彼の意志を継いだ柳瀬の行動により勝ち組の権力に埋もれる事無く世に露呈される。
「周りなんて気にする必要ない」が大きく取り上げられている現代だが、言わせる側 言う側 この二組は相反する組織としてでは無く、共存する事は不可能なのかなぁ。傍観者としてでは無く、しかしこれからも静かに、好きな事をし、人を妬まず生きていきたいものだなぁ。 -
Posted by ブクログ
久しぶりに活字を読む時間ができたので。主人公が自分と同じ働く女子なので、感情移入はできました。田島のことを信じたいのに信じられない揺らぐ気持ち、窓を開けるか開けないかの決断する時の狂いそうなくらいの悩みが想像にたやすく、せりなちゃんと一緒に頭を抱えていました。
大どんでん返し!!ってわけではなかったけど、最後にたどりついた答えと、最後の田島さんの自白は真犯人の胸を思って涙が出るほど悲しかった。
出だしから田島側!って思ってましたか、飄々とした掴みどころのない最強検事滝川とイケメン秀才深町弁護士のバトルもっと見たい。
とても面白かったです。 -
Posted by ブクログ
正義とは何か?
ある者は『真実』と言い、ある者は『思考停止』と言い、そしてある者は『人を幸せにすること』と言う。
果たして、本当の正義とは?
大門剛明氏の短編集。全6話。
名門・師団坂法律事務所。
創設者を喪い、経営が傾く中、創設者の娘・芽依は、元医者でやり手の弁護士・鷹野和也を海外から招聘する。
しかし、彼は結果が全てと、大幅なリストラを敢行する。反発する者も多い中、着実にその実力を見せる。果たして、彼を突き動かすものは、何なのか?
それぞれの話を、リストラから残ったメンバーが1話ずつ主役となって弁護に当たる。
各話とも、次第に明らかとなる驚愕の真実とは?
そして正義とは?
いろいろ考えさせられます。
続編に期待。 -
Posted by ブクログ
『不協和音』シリーズ、第二弾。4編の連作物。
違法捜査をしたと弾糾されたまま亡くなった父。そして、幼い頃、別れ別れになった兄弟。
兄は父を信じ刑事となり、弟は父を憎み検事となる。性格も真逆で、常に反発し合うものの、どこかお互いを憎めない兄弟。
今回、4つの事件は、表面上は単純で解決は容易いと思われたものの、本当の真実は...
特に、『第二章 同意なし』は、証拠となる音声データもあり、容疑者や犯罪行為は明確で、この事実がどうひっくり返るのか不明でしたが、そう来たか...!
まるでオセロのように、今まで黒と思っていたコマが白になると、盤上の構図がガラッと変わる。その展開に驚きました。
父親の冤罪事件の解明もまだ残っており、是非、第三弾を。 -
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大門剛明氏による慟哭の社会派ミステリー。
捜査一課の刑事・柴崎の娘が刺殺体で発見される。
懸命な捜査にも拘らず、事件は迷宮入りとなる。
そして、15年後、後輩刑事の川澄は、容疑者と思われる男の身元を特定、いよいよ逮捕というタイミングで、その男が殺害された。
いったい誰が殺したのか?
警察を引退した柴崎による、憎しみの果ての仕業なのか?
極秘中の極秘である男の身元について、なぜ、柴崎が知っているのか...
二転三転するストーリーに、ハラハラドキドキします。
やがて見えてきた驚きの真実とは?
自分の命に替えても守りたかった真実とは?
最後に、悲しい事実(偶然?)が明らかになります。
お互いのためを思ってしたことが、実は...
オー・ヘンリーの『賢者の贈り物』を思い出します。
エピローグにて、結婚式を控えた娘・日葵と父・川澄が2人で観覧車に乗るところは、物語を締めくくる胸熱のシーンですね。 -
Posted by ブクログ
『生活保護制度』をテーマにした大門氏の社会派ミステリー。
市役所の生活保護担当のケースワーカー・石坂壮馬。
様々な生活保護者の実態に、日々奮闘するも、制度の矛盾を感じていた。
そんな中、以前広島県で活躍し、今、滋賀県で動き出したという現代のねずみ小僧。悪徳な富豪から金を盗み、それら全てを貧困者に配っているという。
やがて、石坂の担当する乱暴で素行の悪い生活保護者が、殺害され、ケースワーカーであった石坂が容疑者に...
生活保護者殺害とねずみ小僧の窃盗の2つ、最初バラバラであったストーリーが、やがて複雑に絡み合い、真実に結びつく。
隠された本当の真実は、いつも悲しみがありますね。でも、その先に、希望を感じます。