大門剛明のレビュー一覧

  • テミスの求刑

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    「テミス」続き。
    本書は法廷ミステリーそのもの。
    殺人容疑で指名手配された検事。彼の無罪を信じながらも、確信が持てない検察事務官。
    もどかしい前半に対し、逃走の果てに逮捕された後半は一気呵成。
    起訴された検事は無実を訴えながらも、一部を黙秘する。地検エースと言われる検事と、敏腕弁護士が法廷で対決する。
    何が真実で、真犯人は誰なのか、一連の出来事の底に流れるのは、過去の冤罪事件。
    二転三転する法廷劇に、読み手も翻弄される。

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    2018年01月09日
  • 反撃のスイッチ

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    大門剛明『反撃のスイッチ』講談社文庫。

    文庫書き下ろしの社会派ミステリー。身代金400円の誘拐とはなかなか面白いと思ったのだが、結局は…

    社会的弱者に対する差別発言を繰り返し、彼らを僅か100円の時給で働かせる大手人材派遣会社社長。そんな社長への復讐のためか、4人の生活困窮者が社長の娘を誘拐する。

    大門剛明作品としては非常に物足りない結末だった。弱者は弱者のままに…結局は何も変わらず。

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    2017年11月20日
  • 不協和音 京都、刑事と検事の事件手帳

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    ネタバレ

    評価は4.

    内容(BOOKデーターベース)
    刑事だった父は、本当に冤罪を生んだのか―。京都府警捜査一課の川上祐介は、妻を殺したと自白しながら、黙秘に転じた被疑者に手を焼いていた。そこへ、京都地検から「不起訴」の連絡が届く。それを決めた担当検事は、父が違法捜査を疑われて失職した際に別の家の養子となった弟の真佐人だった。不起訴に怒る祐介に、真佐人は意外な一言を返す。刑事と検事の信念がぶつかる連作ミステリー。文庫書き下ろし。

    この一冊では結局お父さんが冤罪を出したのかどうか分からぬままでモヤモヤ。この先が読みたくなる内容であった。
    刑事と検事の絡みは興味深い。なかなか面白かったがこれはシリーズ

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    2017年09月06日
  • 優しき共犯者

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    大門剛明『優しき共犯者』角川文庫。

    プロローグで既に主人公のどろ焼き屋の店主・鳴川が死体遺棄の犯人と解り、この先、どのように事件が展開していくのか非常に興味深かった。また、少しずつ明らかになる鳴川の優しさに満ちあふれた人物像に物語に引き込まれていった。

    かつて鳴川が働いていた製鎖工場の女社長の翔子は倒産した製鉄所の連帯保証債務を押し付けられ、自己破産に追い込まれる。翔子に密かな思いを抱く鳴川は金策に奔走するが、そんな中、債権者の長山が翔子の製鎖工場で殺害される。一計を案じた鳴川は長山の死体を運び、自殺に見せ掛けるのだが…

    大門剛明の小説は『雪冤』以来読んでいるが、常に高いレベルにある一連

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    2017年04月29日
  • 罪火

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    花火大会の夜、ひとりの少女が殺害される。
    殺人犯である若宮と、被害者の母・理絵。
    何故若宮は少女を殺害したのか。
    若宮の心情を丁寧に描いていくことで、物語はより深いものになっているように思う。

    事件の真相はいったいどこにあるのか。
    すべてを知る若宮は、けっしてそのことを明かそうとはしない。
    けれど、徐々に真実へと近づいていく理絵。
    そして、若宮を取り巻く人間関係。

    修復的司法という言葉を初めて知った。
    加害者と被害者が対話をすることで、本当に被害者の痛みが和らぐのかはわからない。
    どの程度有効だと思われているのかも、実際にはわからない。
    けれど、この物語ではこの修復的司法というものが大きな

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    2017年04月11日
  • 獄の棘

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    刑務所を舞台にした連作短編ミステリー。刑務所内でのリアルな実態とともに描かれる人間ドラマに引き込まれた。さらにミステリーサスペンスも堪能出来るエンタメ作品。WOWOWのドラマが楽しみ。キャスティングが見事。

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    2017年03月26日
  • ボーダー 負け弁・深町代言

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    ネタバレ

    文庫書下ろしみたい。割と薄めでするする読める。主役の深町がどうして刑事事件をしなくなったのか、はっきり明かされていないのは、続編を見越してのことか。しかし、最近はニートってめっきり言わなくなったよなー。気のせい?ニートって34歳までなんだ。知らなんだ。伊勢市駅前の弁護事務所なので、あの雰囲気を思い浮かべながら読む。何となくのどか。続編も楽しみだ。作者の人も昔弁護士を目指してたんだって。道理で犯罪系に詳しいはずだ。

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    2015年03月01日
  • ぞろりん がったん 怪談をめぐるミステリー

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    なかなか面白い構成の連作短編集。

    序章で消防士の内畠拓也は、広川まどかという女性から作家の世良耕平の妻が失踪したらしく、確かめて欲しいと相談を受ける。世良の家を訪れた内畠は、世良から執筆中の原稿を読んで欲しいと言われ…

    ここから、日本各地に伝わる怪談をテーマにした短編が5編続き、最後の『ぞろりん がったん』で全ての真相が明かされる。

    なるほど。最初に短編を描き、序章と終章の『ぞろりん がったん』を書き下ろしで追加し、再構成して、ひと味違う作品として仕上げたのか。

    短編の『座敷わらし』『言うな地蔵』『河童の雨乞い』『吉作落とし』『チロリン橋』のいずれも、怪談をテーマにしながら、ひねりの効

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    2015年02月19日
  • 沈黙する証人 負け弁・深町代言

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    シリーズ第二弾。轢き逃げ事件を巡り、弁護士・深町代言と敏腕検事・滝川要が対決する。

    ボリュームとしては中編程度で一気に読める。事件を巡る人々の様々な事情と人間模様が描かれている。轢き逃げ事件の被疑者は真犯人なのか…

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    2014年06月22日
  • ボーダー 負け弁・深町代言

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    弁護士・深町代言を主人公にした社会派ミステリーのシリーズ第一弾。刑事事件への情熱を失い、東京の法律事務所を辞め、伊勢の貧乏法律事務所に所属することになった深町は強殺事件の被告人のために再び刑事事件へと…

    小さな貧乏法律事務所を舞台に展開される再生と成長の物語。描かれる事件も身近に感じるもので、それだけに現実味があり、事件の真相も納得の行くものだった。社会派ミステリーの中に温かい人間の心が描かれ、好感の持てる作品だった。

    大門剛明と言えば、デビュー作の『雪冤』が非常に面白く、注目していた作家。このシリーズの続編も楽しみである。

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    2014年06月22日
  • ねこ弁 弁護士・寧々と小雪の事件簿

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    少々狙いすぎな感は否めないですが、謎の設定はなかなか面白いです。謎そのものに猫があまり絡まないのが、ちょっとタイトル負けかな。

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    2013年10月23日
  • 罪火

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    ネタバレ

    「VOM」という言葉は時々雑誌等で見かけた事がある。偽善的な行為ではないか、と思わなくもない。読み始めた当初は特にそう感じた。被害者のためといいつつ、結局は加害者側と仲介者の自己満足の行為でしかないのではないか。

    <ネタバレ>
    「罪火」を読み進めていくうち、いつしか加害者が自分の罪への反省を深めていく姿に、徐々にではあるが、この罪人が「ひと」らしい姿に映っていく。そしてラストは...。読んでいる側すら救われる様な思いだった。加害者が自分の罪を真に自覚し、後悔するのは、自分に未来があると心の底から思った時であった。加害者に罪を償わせるという行為がなければ、加害者自身も救われないし、自暴自棄な状

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    2012年05月16日
  • 沈黙する証人 負け弁・深町代言

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    深町が勤める負け組法律事務所に、ひき逃げ事件の容疑者が飛び込んできた。泥酔していたため記憶はないが、自分は運転しておらず無実だと訴える。相手は敏腕で知られる滝川検事。どう見ても勝ち目のない戦いなのに、松月の信念は事件の意外な真相を照らし出す••••••

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    2012年01月14日
  • ボーダー 負け弁・深町代言

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    テレビでも人気の若手弁護士•深町代言は、ある事件をきっかけに東京を去る。流れ着いた伊勢で所属したのは、志は高いが裁判で勝てない"負け弁"が集まる貧乏法律事務所。刑事事件への情熱を失った深町だが、ニート強殺事件の被告人の無罪を信じる同僚•実花の窮地に再び立ち上がる。

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    2012年01月14日
  • 完全無罪

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    ネタバレ

    弁護士であり、子供の頃誘拐事件に巻き込まれたことのある松岡さんが、自分のトラウマである誘拐事件の容疑者と向き合い、21年前の真相に迫るお話。

    事件を起こしたであろう一人を野放しにして、これから起こり得るかもしれない重大事件を考慮しないのもどうかと思うが、過剰にそれを信じ込むと冤罪(罪なき人を傷つける)可能性があることを知り、刑事の被疑者に対する向き合い方の難しさを感じた。

    冤罪であった人が無罪と分かるが、大事な家族を殺されたことを根に持ち、復讐を実行する気持ちはとても理解できるが、その人に救いがあまりないのが悲しく感じた。また、犯人が意外な人で、内心……

    とても作り込まれた素晴らしい作品

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    2025年10月06日
  • 偽りの捜査線 警察小説アンソロジー

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    東野圭吾を読み慣れているせいか、どうやら私の目が肥えすぎているらしい。
    ということで、全体的な評価は3ということで。

    堂上瞬一「手口」
    長岡弘樹「裏庭のある交番」
    今野 敏「ニンジャ」
    は、なかなかよかった。

    あ、6人中3人の作品がよかったってことで、星3なのか(笑)
    なるほど。

    ちなみに、堂上瞬一作品は以前に読んだことがあることも付記しておく。

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    2025年10月01日
  • 正義の天秤

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    登場人物が多く、それに事件が絡んでくるので、混乱するところもありますが、一つ一つの裁判が短編なので、サラッと読みやすいです。

    まだ、2巻3巻と続くようですので、今回は人物の自己紹介的なお話ですね。
    弁護士さんも、刑事のようなことするんだな~と、刑事物読んでいる気分になりました。

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    2025年07月28日
  • 婚活探偵

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    まさか大門さんの書いた本で笑ってしまうとは(笑)
    でも納得いかないところもいくつかあるので、評価に困る。

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    2025年07月20日
  • 雪冤

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    死刑制度や冤罪について考える機会を与えてくれた一冊。死刑制度の存廃は国民的な議論にするべきとは思うが、議論できる前提まで国民の知識や知見が成熟しない限り、簡単に結論は出すべきでないと思う。

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    2025年06月08日
  • 婚活探偵

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    ほのぼの読めてよかった。
    婚活やってみたかったかも。
    しかしドラマは向井理って、
    イメージ違いすぎやろ…

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    2025年06月08日