大門剛明のレビュー一覧

  • 獄の棘

    Posted by ブクログ

    新人刑務官の視点で刑務所内の様々な出来事、所内の実態や使用される隠語、プリズン・グルーピーなどを精緻に盛り込んだ短編連作の社会派ミステリー。キャリアの名久井、ベテランの秋村、川岸などとの関わりを通じて、刑務官として成長していく良太。理と情により事件の背景・動機に辿り着くそれぞれの話は、どれも味があり、受刑者、被害者家族、刑務官の心情が様々な角度から語られている。重いテーマだが、読んで良かったとおススメできる一冊。

    0
    2019年12月05日
  • 罪火

    Posted by ブクログ

    デビュー作『雪冤』に続く第2作にあたる本書。
    慟哭の社会派ミステリーです。

    前作は、冤罪と死刑制度への是非と言ったテーマでしたが、本作は、加害者側の『更正』と、被害者側の『許し』がテーマであり、その2つを繋ぐのが『修復的司法』というキーワード。

    冒頭から、犯人が分かっている本作は、倒叙ミステリの1つと言えるかも知れません。

    なぜ彼は、恩師の娘を殺してしまったのか?
    いくつもの伏線が散らばるなか、最後に本当の真実が明らかになる。一番大きな『動機』の謎が...

    しかし、大門氏の作品は、社会的に重いテーマが多いですね。しかし、ミステリーとしての完成度も高く、最後の最後に、それらが融合するのは

    0
    2019年04月15日
  • 罪火

    Posted by ブクログ

    最後の最後での展開で、胸を締め付けられました。
    誰も報われないのは悲しいなあ。
    花火を見るとふと思い出しそう。

    0
    2019年03月28日
  • 氷の秒針

    Posted by ブクログ

    凶悪な2つの殺人事件。
    一家惨殺事件に、若妻惨殺事件。

    地道な遺族達の運動が実り、公訴時効が撤廃された。
    しかし、一家惨殺事件の方は、法律の施行日前であったため、時効が成立し、若妻惨殺事件は、継続して捜査が可能となった。

    やがて、一家惨殺事件の時効成立を待って、殺人犯が自首したものの、何者かによって殺害される。
    果たして、犯人は、遺族達の中にいるのか?

    複雑に絡むストーリー。
    二転三転する真実と、人の心の奥底に見え隠れする本当の想い。

    運命に翻弄される遺族達や刑事など、行き着く先に待ち受ける本当の真実とは?

    夫婦の愛、親子の愛、師弟の愛などなど、なかなか言葉では、伝えきれない想いの数

    0
    2018年12月19日
  • テミスの求刑

    Posted by ブクログ

    「テミス」続き。
    本書は法廷ミステリーそのもの。
    殺人容疑で指名手配された検事。彼の無罪を信じながらも、確信が持てない検察事務官。
    もどかしい前半に対し、逃走の果てに逮捕された後半は一気呵成。
    起訴された検事は無実を訴えながらも、一部を黙秘する。地検エースと言われる検事と、敏腕弁護士が法廷で対決する。
    何が真実で、真犯人は誰なのか、一連の出来事の底に流れるのは、過去の冤罪事件。
    二転三転する法廷劇に、読み手も翻弄される。

    0
    2018年01月09日
  • 反撃のスイッチ

    Posted by ブクログ

    大門剛明『反撃のスイッチ』講談社文庫。

    文庫書き下ろしの社会派ミステリー。身代金400円の誘拐とはなかなか面白いと思ったのだが、結局は…

    社会的弱者に対する差別発言を繰り返し、彼らを僅か100円の時給で働かせる大手人材派遣会社社長。そんな社長への復讐のためか、4人の生活困窮者が社長の娘を誘拐する。

    大門剛明作品としては非常に物足りない結末だった。弱者は弱者のままに…結局は何も変わらず。

    0
    2017年11月20日
  • 不協和音 京都、刑事と検事の事件手帳

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    評価は4.

    内容(BOOKデーターベース)
    刑事だった父は、本当に冤罪を生んだのか―。京都府警捜査一課の川上祐介は、妻を殺したと自白しながら、黙秘に転じた被疑者に手を焼いていた。そこへ、京都地検から「不起訴」の連絡が届く。それを決めた担当検事は、父が違法捜査を疑われて失職した際に別の家の養子となった弟の真佐人だった。不起訴に怒る祐介に、真佐人は意外な一言を返す。刑事と検事の信念がぶつかる連作ミステリー。文庫書き下ろし。

    この一冊では結局お父さんが冤罪を出したのかどうか分からぬままでモヤモヤ。この先が読みたくなる内容であった。
    刑事と検事の絡みは興味深い。なかなか面白かったがこれはシリーズ

    0
    2017年09月06日
  • 罪火

    Posted by ブクログ

    花火大会の夜、ひとりの少女が殺害される。
    殺人犯である若宮と、被害者の母・理絵。
    何故若宮は少女を殺害したのか。
    若宮の心情を丁寧に描いていくことで、物語はより深いものになっているように思う。

    事件の真相はいったいどこにあるのか。
    すべてを知る若宮は、けっしてそのことを明かそうとはしない。
    けれど、徐々に真実へと近づいていく理絵。
    そして、若宮を取り巻く人間関係。

    修復的司法という言葉を初めて知った。
    加害者と被害者が対話をすることで、本当に被害者の痛みが和らぐのかはわからない。
    どの程度有効だと思われているのかも、実際にはわからない。
    けれど、この物語ではこの修復的司法というものが大きな

    0
    2017年04月11日
  • 獄の棘

    Posted by ブクログ

    刑務所を舞台にした連作短編ミステリー。刑務所内でのリアルな実態とともに描かれる人間ドラマに引き込まれた。さらにミステリーサスペンスも堪能出来るエンタメ作品。WOWOWのドラマが楽しみ。キャスティングが見事。

    0
    2017年03月26日
  • ボーダー 負け弁・深町代言

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    文庫書下ろしみたい。割と薄めでするする読める。主役の深町がどうして刑事事件をしなくなったのか、はっきり明かされていないのは、続編を見越してのことか。しかし、最近はニートってめっきり言わなくなったよなー。気のせい?ニートって34歳までなんだ。知らなんだ。伊勢市駅前の弁護事務所なので、あの雰囲気を思い浮かべながら読む。何となくのどか。続編も楽しみだ。作者の人も昔弁護士を目指してたんだって。道理で犯罪系に詳しいはずだ。

    0
    2015年03月01日
  • ぞろりん がったん 怪談をめぐるミステリー

    Posted by ブクログ

    なかなか面白い構成の連作短編集。

    序章で消防士の内畠拓也は、広川まどかという女性から作家の世良耕平の妻が失踪したらしく、確かめて欲しいと相談を受ける。世良の家を訪れた内畠は、世良から執筆中の原稿を読んで欲しいと言われ…

    ここから、日本各地に伝わる怪談をテーマにした短編が5編続き、最後の『ぞろりん がったん』で全ての真相が明かされる。

    なるほど。最初に短編を描き、序章と終章の『ぞろりん がったん』を書き下ろしで追加し、再構成して、ひと味違う作品として仕上げたのか。

    短編の『座敷わらし』『言うな地蔵』『河童の雨乞い』『吉作落とし』『チロリン橋』のいずれも、怪談をテーマにしながら、ひねりの効

    0
    2015年02月19日
  • 沈黙する証人 負け弁・深町代言

    Posted by ブクログ

    シリーズ第二弾。轢き逃げ事件を巡り、弁護士・深町代言と敏腕検事・滝川要が対決する。

    ボリュームとしては中編程度で一気に読める。事件を巡る人々の様々な事情と人間模様が描かれている。轢き逃げ事件の被疑者は真犯人なのか…

    0
    2014年06月22日
  • ボーダー 負け弁・深町代言

    Posted by ブクログ

    弁護士・深町代言を主人公にした社会派ミステリーのシリーズ第一弾。刑事事件への情熱を失い、東京の法律事務所を辞め、伊勢の貧乏法律事務所に所属することになった深町は強殺事件の被告人のために再び刑事事件へと…

    小さな貧乏法律事務所を舞台に展開される再生と成長の物語。描かれる事件も身近に感じるもので、それだけに現実味があり、事件の真相も納得の行くものだった。社会派ミステリーの中に温かい人間の心が描かれ、好感の持てる作品だった。

    大門剛明と言えば、デビュー作の『雪冤』が非常に面白く、注目していた作家。このシリーズの続編も楽しみである。

    0
    2014年06月22日
  • ねこ弁 弁護士・寧々と小雪の事件簿

    Posted by ブクログ

    少々狙いすぎな感は否めないですが、謎の設定はなかなか面白いです。謎そのものに猫があまり絡まないのが、ちょっとタイトル負けかな。

    0
    2013年10月23日
  • 罪火

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    「VOM」という言葉は時々雑誌等で見かけた事がある。偽善的な行為ではないか、と思わなくもない。読み始めた当初は特にそう感じた。被害者のためといいつつ、結局は加害者側と仲介者の自己満足の行為でしかないのではないか。

    <ネタバレ>
    「罪火」を読み進めていくうち、いつしか加害者が自分の罪への反省を深めていく姿に、徐々にではあるが、この罪人が「ひと」らしい姿に映っていく。そしてラストは...。読んでいる側すら救われる様な思いだった。加害者が自分の罪を真に自覚し、後悔するのは、自分に未来があると心の底から思った時であった。加害者に罪を償わせるという行為がなければ、加害者自身も救われないし、自暴自棄な状

    0
    2012年05月16日
  • 沈黙する証人 負け弁・深町代言

    Posted by ブクログ

    深町が勤める負け組法律事務所に、ひき逃げ事件の容疑者が飛び込んできた。泥酔していたため記憶はないが、自分は運転しておらず無実だと訴える。相手は敏腕で知られる滝川検事。どう見ても勝ち目のない戦いなのに、松月の信念は事件の意外な真相を照らし出す••••••

    0
    2012年01月14日
  • ボーダー 負け弁・深町代言

    Posted by ブクログ

    テレビでも人気の若手弁護士•深町代言は、ある事件をきっかけに東京を去る。流れ着いた伊勢で所属したのは、志は高いが裁判で勝てない"負け弁"が集まる貧乏法律事務所。刑事事件への情熱を失った深町だが、ニート強殺事件の被告人の無罪を信じる同僚•実花の窮地に再び立ち上がる。

    0
    2012年01月14日
  • 不協和音 京都、刑事と検事の事件手帳

    Posted by ブクログ

    ドラマにもなったようで(観てない)、俳優さんをイメージして読んだ。真佐人、冷たいようで優しいカッコいい。2〜3も楽しみ。

    0
    2026年01月24日
  • 神都の証人

    Posted by ブクログ

    昭和の終戦間際から令和までを時代背景とする壮大なリーガルミステリー。冤罪を立証しようと奔走する熱い信念を持った複数の人物の視点で物語が進行して行きます。ご都合主義的に場面転換して行くため、今一つ物語に没入出来ませんでした。

    作中には描かれていませんが、全てが解明された後の人間模様が気になります。

    0
    2026年01月20日
  • 神都の証人

    Posted by ブクログ

     「迷っているなら自分に問いかけてみるといい。君にとってその信念は志し半ばで諦める程度のものなのか、命を懸けるべきものかどうか。もし、後者なら、時を間違えるな。常に機を探れ。」

    「正義は刃です。その刃で利を得る者と傷つけられる者が出てくる。正義の価値とは、それを振りかざすことで傷つく者への考慮なくしてはあり得ません。その犠牲はどうしても必要なのか。どんなに憎い相手であろうと、切り捨てて終わりでは話しにならない。」

    0
    2026年01月18日