大門剛明のレビュー一覧
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昭和18年の殺人事件から死刑判決を受け昭和34年の死刑執行後も冤罪と戦い続けた人々の80年にわたる物語
冤罪を晴らそうと正義と信念に基づいて行動する元検察官の弁護士
戦時中という特殊な状況下、全ての事実は国の非常事態という大義名分のもとで有耶無耶にされていく
事実を隠蔽する体制派への挑戦
事実を事実だと声を上げることの難しい社会
それでも消えない人々の良心や正義が時代と世代を越えて継承されていく展開に人間への信頼感が高まり暖かい気持ちになった
一方で
「正義」という言葉がずっと頭から離れない
自分の正義って何だろう
どこにあるんだろう
正しさの軸足を踏み違えないように
憤りを感じた時に -
Posted by ブクログ
《過去は変えられなくても、未来は変えられる》
レビューを拝読して読みたくなった作品。
世代を超えて受け継がれていく冤罪との闘いと、そこに関わった人々の人生を描くリーガルミステリー。
こちら「百年の時効」が好きな方は好きだと思う!♡
私はこちらの方が好みでした- ̗̀ ෆ( ˶'ᵕ'˶)ෆ ̖́
結構な分厚さでしたが、合間の語りの内容がとにかく気になって、グイグイ読み進めてしまいました!
事件そのものだけじゃなくて、戦中から戦後へと社会そのものが大きく変わっていく中で、人々の暮らしや価値観、言葉遣い、司法のあり方まで変化していく様が描かれていたことが印象的だった。
戦 -
Posted by ブクログ
ネタバレ冤罪で息子を死刑された父親や被害者遺族、弁護士などの視点で死刑制度の是非や冤罪についての考えがストーリーと絡められていた。
学校で単純に習っただけの被害者感情や死刑制度の是非などが具体的かつ読みながら体感できるように描かれていて読んでいてとても考えさせられる。
死刑廃止を目指す者たちでも、その手段が人や立場で異なったのも印象的で、事件を起こして国民に決定的に意識を変えさせる者、目的のために当事者の真実を歪曲させて報道する者、冤罪被害者でありながらも冤罪と死刑制度を切り離して考える者と、具体的な例とそうなったストーリーを示されることで私自身の死刑の是非についての議論の理解が大きく深まった。
描か -
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初めての作家さん。
直木賞候補とのことで。
冒頭、時代や方言で読みにくいなと思ったのも束の間、どんどん引き込まれ、第一部と第三部、時代と共に文体も違ったテイストで、500ページ程の分厚さも、存分に楽しめた。
途方もなく長い年月。。当事者がどんどん亡くなる中、最後の最後まで、どこに終着するのか、ハラハラした。うーーん。まさか。。
何年もかけて追ううちに、真実よりも都合の良い結末を求めてしまったのだろうか。ここまで執着する意味とか、気付きながら引き返せなくなるほどに取り憑かれたように。
結果的に、全ての冤罪事件に関わる人たちの苦労が、泡になってしまうような結末、しかも、それはもっと前から隠 -
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またしても激しく心揺さぶられる物語との出合いに感謝です。深い感動の後は、暫しその余韻に浸るべく言葉を上手く紡げません。冤罪をテーマとした重厚・骨太・壮絶な物語は、それほど価値ある読書体験となりました。
物語の舞台は、神が鎮座する「神都」と称される宇治山田市(現三重県伊勢市)。戦時中に、この聖地に似つかわしくない一家惨殺事件が起きます。当時8歳の少女の父が、逮捕・死刑判決を受けるも冤罪でした。少女は差別や偏見に負けず父を想い続け、熱意ある弁護士と出会って物語が動き出します。
昭和から令和にかけて、約80年にわたる冤罪との闘いです。司法の深い闇に、ただ一つの正義を求めて代替わりしながら挑 -
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良かったデス。面白い作品でした。
ちょうど少し前に、「袴田さんの」
袴田さんとお姉さんのドキュメンタリーを
テレビで見ていた頃でした。
この本は胸が苦しくなる作品でした。
あまりにも長い年月、しかも戻って来ない貴重な年月の物語です。
どこへぶつけて良いのかわからない憤りや、不条理に悶々としました。
これは物語であって、フィクションなのですが、
現実に起きている事件もあるので、戦慄しています。
冤罪が無実になって良かった良かった?だけでは終わらない物語になっていると思います。
その先の問題提起も孕ませていると思います。
いったいなぜこんなことが起こるのか?
いまも起きるのは何故な -
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受賞はしなかったが、直木賞候補5作の中では一番読み応えあり響いた。重たいテーマだけど、引き込まれながらも魅力的な登場人物のおかげですらすら読めた。最後が少し混乱。戦中の非常時が冤罪を生み出した訳ではなく、人間の弱さが理不尽な現実を作り出す…でも自分がその場にいたら…無理だな…「その場しのぎで別のひずみが生じ、手に負えない巨大なものへ膨れ上がっていく。誰もが自分やその周りのことだけ考えて生きている。手の届く範囲の同情、自分が傷つかない程度の正義」「化物はとてつもない悪が産み落とすのではなく、むしろ普通の人間によって生を受けるのだ。…僕らのようなちっぽけな人の中に蠢いている」
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Posted by ブクログ
大門剛明さん初読みでした✨
ブク友さんのレビューに読書欲を刺激され
手に取りましたが、ボリュームと表紙デザインの重々しさに、気合いが入りました。
読み始めるとアッという間にストーリーに引きずりこまれ、時を忘れてページがめくらさる。
長時間同じ体勢でいるのが苦痛になり、何度か体勢を変えたとて、軽めのストレッチが必要になるくらいの没入度…(*´ー`*)
最後の最後まで気を抜けない展開で、大満足の読書体験でした✨✨
各章のくくりで、波子さんは誰に語りかけているのかな…凪沙ちゃん?それとも…(-ω- ?)
大きな権力の前では真実や正義、人の思いは理不尽な理由で簡単にねじ伏せられてしまう。
そ -
Posted by ブクログ
ミステリー小説。小説を読んでいると登場人物に対して、この人は良い人そう、この人はなんか嫌な人とか、なんとなくの白黒の「色メガネ」をつけて読んでいるものだが、この作者はほんの些細な描写一つで、「えっ、、もしかしてあの人が犯人なの?」と、こちらが認識していた登場人物の色をガラッと変えてくる。その度にページを遡ってその人物のセリフや態度を、もう一度色メガネを変えて見てみると、まるで見え方が変わってくるゾクっとくる感覚が、この小説では、数回仕掛けられている。
小説を見終わった後には、物語の結末の切なさに加えて、この小説を読み終えてしまう寂しさを感じさせてくれる傑作小説だった。