大門剛明のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ2024.07.10
「完全無罪」、このタイトルが読み進めていくうちに色んな角度から考えさせられることになる小説だった。
読み進めていくうちにミスリードのような文がところどころあり、「もしかしてほんとは殺してる?」「いややっぱり無罪?」と自分でも疑心暗鬼になりながら推理していく過程も面白く読めた。
最後に老人(おそらく有森)が大きな木を見つめていて、そこから見知らぬ鳥が羽ばたいていく様を見つめて微笑む千紗の描写は、
◎真犯人がわかり、怪物の悪夢を見なくなり、重たい荷物から解放されつつもまだ世の中にはたくさんの怪物がいる、でも1人じゃない、と奮い立ち自由な未来へと羽ばたく千紗と、
◎21年間自 -
Posted by ブクログ
どうやらシリーズの2作目らしいのですが、知らずにいきなり読み始めてしまいました。
ある事件の裁判員裁判で死刑か無期懲役か決めるところから話が始まります。
今自分達が人を殺すべきかを話し合っているのだという裁判員の緊張が伝わってきたことが印象に残りました。
そして事件の加害者を弁護する側の正義とは…という葛藤も伝わってきました。
弁護士の千沙先生の気持ちに共感してちょっとムカムカモヤモヤ…。
話の流れは思ってもいない方向に進んで、ラストはちょっとドラマティックすぎるかなとは思いましたが展開のテンポも良くてあっというまに読み終わってしまいました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ前作「完全無罪」に続くシリーズ第2弾。
本作も前作同様に出来すぎ感はありましたが、それでも面白いものは面白い!!
「まずこの事件で殺された被害者が、愛するわが子だったら被告人にどんな罰を与えるか。次にその被告人は冤罪で、真犯人はあなたのもう一人の子どもだと分かったらその時、愛するその子にあなたはどういう罰を与えるか...」
裁判員が殺人犯? 前代未聞法廷開幕!
裁判員裁判で死刑評決を受けた、犯行当時十九歳の死刑囚に死刑が執行される。綾川冤罪裁判を闘った弁護士・松岡千紗が量刑不服として再審請求する矢先だった。直後、死刑を支持した元裁判員が容疑者となる新たな殺人事件が勃発、千紗は敢然と法廷に