大門剛明のレビュー一覧
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「正義の天秤」アイギスの盾
【購読動機】
ドラマの原作です。シリーズもので第2作に当たります。
ドラマでは、亀梨さんが主演です。
医師を辞めて弁護士に。
この経歴にまず関心を持ちました。
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【弁護士の務め】
依頼人・被告の利益を守ること。
弁護士として、この利益を守ることが、時として「正義」に反しているかも・・・という葛藤を持つことがあります。
この葛藤が小説、ドラマのなかでは、描かれています。
・真実はどこか?
・依頼人被告に対する求刑は、妥当性はあるのか?
弁護士として、事件の証拠を集め、真実に近づきます。
その真実は、時として検察側に「新しい事実」となり、審判に影響を -
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ネタバレ面白かった。
死刑を扱う小説は幾つかあるが、大きく自己主張せずに賛否両面から書き上げている。
時折垣間見えるネットスラングを織り交ぜた若い文体。
これも時代なのだなぁと思った。
しかしそれを本筋へのささくれとする事なく骨太に力強く進んでいく。
とても読み応えがあった。
ただ、置石の唐突感。
私の読み込み、イマジネーション不足もあるのかな。
電車のダイヤ運行中にそれが可能なのかと。
もう一つ、恵美が死んでいるのを確認し、他殺に偽装するために刺したとあるが、その刺創に生活反応があるかどうかは解剖時に解るのではないかなと。
野暮と言えば野暮なのだが、死刑が争点になった事件、裁判だったはずなのだから -
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大門剛明『鑑識課警察犬係 闇夜に吠ゆ』文春文庫。
連作短編形式の警察犬小説。
警察犬をテーマにした小説では、樋口明雄の『K-9シリーズ』が有名であるが、『K-9シリーズ』は主に山岳救助を描いているのに対して、本書は純粋に警察捜査を描いている点で興味深い。
警察犬の活躍と事件の背後にある人間模様が巧みに織り込まれており、非常に面白い。結末からして、シリーズ化されそうな感じがする。
『第一章 手綱を引く』。既読作。恐らく警察小説のアンソロジーで読んだのだろう。幾重にも謎が織り込まれた、非常に面白いストーリーである。第75回日本推理作家協会賞短編部門の候補作になったというのも頷ける。主人公の -
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「完全無罪」で自らが誘拐被害者となった過去の事件の真犯人にたどり着いた弁護士・松岡千紗シリーズ第2作。
8年前に事件当時19歳だった少年に死刑判決を下した判事・日下部陶子。
裁判官、裁判員ともに無期懲役と迷いに迷い、わずか一票の差で死刑となった。
その少年の幼なじみが千紗に、彼の心の内を知りたいと依頼が入る。
少年と接見した千紗が彼の心が開きかけた感触を得た矢先、死刑が執行されてしまう。
一方、陶子の元にかつての死刑判決に間違いがなかったかを問う不審な電話が入る。
電話の主と会った陶子は、裁判時には見たこともない事件当日の動画を見せられ自分達の判決が誤りであったことを知るー。
今回は最初 -
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ネタバレ帯に「新ヒロイン誕生」とあるのに、なかなかそれらしい人が登場しなかったり、二章に入ったらいきなり20年以上経過するなど、意表を突かれまくり。他にも二千花と本宮の関係や、米山事件の犯人など驚きの連続に加え、最初の事件の真相はいったいどうなのかが終始気になって、終わりの数ページ手前まで読むことを中断できませんでした(就寝直前に読み始めてしまったので、寝不足ですよ……)。
良い意味で予想を裏切り、上回ってくる展開ばかりだったし、キャラも二千花や古沢など個性的かつ魅力的な人物が多く、最近読んだ小説の中ではダントツで面白い作品だったと思いました。
これは映像化(二千花はガッキーが、加瀬涼真は竹内涼真 -
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大門剛明『罪人に手向ける花』ハルキ文庫。
23年前の事件と現在の事件とが交錯する検察ミステリー小説。
最初は検察事務官の立原愁一を主人公にした小説かと思ったのだが、何と途中から登場したゆるふわ癒し系女性検事の黒木二千花が主人公に取って代わった。さらには黒木二千花が立原がかつて世話になった検事の本宮の娘というのだから、さらに驚くばかりだった。そして何よりも、事件の真相が全て明らかにされた時の驚きと面白さは、ここ数年に読んだミステリーの中でもピカイチだった。
23年前に殺人事件の容疑者となった加勢高志は弁護士の古沢の手腕により検事の本宮と検察事務官の立原の努力も虚しく不起訴となる。それから2