【感想・ネタバレ】優しき共犯者のレビュー

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Posted by ブクログ 2019年06月09日

『連帯保証人制度』がもたらす悲劇の社会派ミステリー。

大門氏は、常に、社会的な問題や様々な弱者をテーマにしていますが、本書も姫路市を拠点にした地域の人々の厚い人情物語とも言えます(厚い心の鎖?)。

父親から製鎖工場を継いだ女社長・翔子は、別の製鉄所の倒産により、連帯保証債務を押し付けられ、自己破...続きを読む産の危機に追い込まれる。

以前、製鎖工場で働き、今は、どろ焼き屋の店主をしている鳴川は、ある日、偶然、債権者・長山が、工場で死んでいるのを発見する。

翔子を守るため、彼は、こっそり死体を移動させる。
警察は、真犯人のほかに、死体を移動させた共犯者がいることを推理する。

一見、単純な謎解きかと思いきや、最初のシーン(死体の移動)が、実は...
どんでん返しも絶妙です。

最後、鳴川が閉店を決断し、お店のお客さんに真実を告白するが、逆にお客さんに励まされるシーンは、ウルウルと来ました。
非業の死を遂げた兄を持つ刑事の準規も、厚い男ですね。

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Posted by ブクログ 2022年05月16日

田舎町の人情モノ
1人の女性のために仲間が協力して事件をもみ消そうとする話。
途中から刑事目線になったので、違う視点から人間模様が見えて面白かった。
ただ刑事目線で書き始めた割には刑事側のキャラクターが弱い気がしました。
エピソードも若干の無理矢理感がありました。

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Posted by ブクログ 2021年02月20日

鳴川仁   居酒屋利庵店主、37歳、主任児童委員
弓岡喜八  弓岡製鎖工業社長、鳴川を雇う
弓岡翔子  喜八の娘。石井一樹の連帯保証債務3億
鬼塚萌   居酒屋利庵のアルバイト店員
鳴川杏里  仁の母、利庵経営
藤井清子  70歳、元看護師、利庵の常連客
山崎祥ニ  管理部長、翔子の遠縁
石井一樹 ...続きを読む 石井鉄鋼社長、昨年倒産し失踪
浅尾昌巳  弓岡製鎖工業ベテラン、36歳、鳴川の同僚
近藤信子  茉莉花、風俗、長山と関係、
小寺沢義彦 NPO法人しらさぎBANK理事長、40歳
長山和人  不動産社長、債権者、弓岡社長室で絞殺、
47歳、185cm、90kg
池内準規  巡査部長、32歳
池内篤志  準規の兄、14年前に失踪、弓岡工業勤務
      鳴川の同僚、茉莉花に想い
岩田公平  警部補、40代半
池内聖菜  準規の娘、3歳
池内千春  準規の妻
鬼塚哲也  萌の父、鬼塚建材社長

連帯保証債務制度が起こす悲劇がテーマ。
登場人物は、殺された長山以外、全員情に篤い、いい人。
主人公の鳴川は自分よりも他人を思い過ぎるいい奴。20代の頃、弓岡社長に出会い、工場の従業員となり仕事を得たことで恩義を感じている。当時高校生だった娘の翔子に一途に想いを寄せている。工場で働いていた20代の青春の思い出は今も大切なもの。

プロローグは鳴川が遺体を運び出すシーン。

かつて石井と交際していた翔子は、石井鉄鋼の雇われ社長に登記された為、石井鉄鋼倒産後、3億2千万円の連帯保証債務を負うことに。当の石井は自己破産して、別の女と暮らしている。

工場を辞め、亡き母が経営していた店を継ぎ、居酒屋店の店主となった鳴川。店の名物はドロ焼き。
翔子が借金に悩んでいることを知った鳴川は、銀行の小寺沢に融資を頼むも断られた。債権者の長山に借金をどうにかしてほしいと頼むが一蹴される。帰り道、弓岡工場の社長室に灯がついているのが見え、社長室に入ると、そこに長山の死体があった。翔子が長山を殺したと思った鳴川は、遺体を長山の自宅に運び、自殺を偽装。
だが、長山を殺害したのは翔子ではなかった。一体誰が?

長山殺しの捜査担当は、岩田と池内。池内の兄はかつて弓岡工場で働いていたが、同僚の鳴川らに借金をし、その後失踪していた。





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