大門剛明のレビュー一覧

  • 神都の証人

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     ただただ凄かった。こんなに心揺さぶられる小説はいつ以来だろう?

     世の中には冤罪が蔓延っていて、きっとそのまま罪を認めざるを得なかった人や、死刑になった人もいると思う。

     この小説は、そんな冤罪と戦う弁護士たちの物語だ。

     物語は、あるおばあちゃんの語りで始まる。おばあちゃんの名前は波子。昭和18年4月20日。長い物語の幕開けとなる。

     波子は伊勢神宮で行われる遷宮という祭りを父親と見に行っていた。翌日は木曳をする父親。そんな父親の出番を楽しみに待っていた。

     しかし、父親が木曳をするのを見ることは叶わなかった。なぜなら一家3人強盗殺人事件の犯人として捕まったからだ。

     ここから

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    2026年09月16日
  • 神都の証人

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    mariさんの本棚から。
    ありがとうございます。

    500ページもありました。

    分厚い。

    この夏文庫本を変な持ち方して読んでいたせいで左手の小指を痛めております。

    1カ月も引きずっております。

    だから500ページの単行本を読むのに難儀しました。

    持ちにくくて。

    でもね、そんなのどうでもいいくらい(よくない)引き込まれてしまって。

    章が変わるたびに“えっっっっ”となった。

    うそ…って。

    それにしてもなぁ。

    ラストの真犯人が衝撃的すぎて。

    うそやん…状態で呆けてます。

    刑が執行された後の再審請求からの無罪判決って…なんかもう…何も戻ってこないじゃない。

    戻ってきたのは名誉

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    2026年09月08日
  • 神都の証人

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    チャオさんのレビューをきっかけに、この本を手に取りました。ありがとうございます。
    冤罪により死刑判決を受けた人物の無罪を訴え続けた、約80年にわたる物語です。再審制度について深く考えさせられると同時に、小説としても非常に楽しめる一冊でした。
    まず驚いたのは、再審制度のハードルの高さです。やっとの思いで再審請求が認められても、検察の即時抗告によって覆されてしまう。「裁判できちんと白黒つければいいのでは」と、何度も思いました。
    近年、再審制度は見直されつつあるようですが、まだ十分とは言えない現状があるようです。人が人を裁くことの恐ろしさを改めて感じるとともに、司法に携わる方々にはどうか謙虚であって

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    2026年09月05日
  • 神都の証人

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    なかなかボリュームのある一冊だった。父親の冤罪と闘う娘とその支援者の話。

    タツやんが…いい男過ぎるー。時代というものもあったんだろうけど、ほんと再審請求が長過ぎるわ。そしてまさかのラスト。うーん、そういうことだったのか。マジかー。

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    2026年09月04日
  • 神都の証人

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    戦争中1943年(昭和18年)に始まり、1957年(昭和32年)、1985年(昭和60年)、2004年(平成16年)、そして2022年(令和4年)と5つの時を経て、80年前に父・谷口喜介を殺人犯として冤罪で捕らわれた一人娘・8歳の波子を主な語り手として、彼女を助けた弁護士・吾妻太一、その友人・花田勢太郎から始まる冤罪事件の再審を求める大長編ドラマ。その時に少年だった伊藤捨次郎も父・乙吉の拷問死の真相解明のため協力するが…。そしてその捨次郎が弁護士に、次に捨次郎弁護士の時代に不良少年だった本郷辰治が検事に、更に捨次郎の2人の息子・乙彦、(伊藤)太一が弁護士に、彼らの成長とともに時代を替えて、80

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    2026年09月03日
  • 神都の証人

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    昭和18年の殺人事件から死刑判決を受け昭和34年の死刑執行後も冤罪と戦い続けた人々の80年にわたる物語

    冤罪を晴らそうと正義と信念に基づいて行動する元検察官の弁護士
    戦時中という特殊な状況下、全ての事実は国の非常事態という大義名分のもとで有耶無耶にされていく

    事実を隠蔽する体制派への挑戦
    事実を事実だと声を上げることの難しい社会
    それでも消えない人々の良心や正義が時代と世代を越えて継承されていく展開に人間への信頼感が高まり暖かい気持ちになった

    一方で
    「正義」という言葉がずっと頭から離れない
    自分の正義って何だろう
    どこにあるんだろう

    正しさの軸足を踏み違えないように
    憤りを感じた時に

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    2026年08月27日
  • 神都の証人

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    冤罪というものが、人の人生その周りの人の生活も壊していく事の恐ろしさ、80年にわたる、志のある人達の執念と崇高さ、そして最後の最後に突きつけられる真実への驚愕
    わたしが、今年読んだ中でNo.1です。

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    2026年08月22日
  • 神都の証人

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    《過去は変えられなくても、未来は変えられる》

    レビューを拝読して読みたくなった作品。

    世代を超えて受け継がれていく冤罪との闘いと、そこに関わった人々の人生を描くリーガルミステリー。

    こちら「百年の時効」が好きな方は好きだと思う!♡
    私はこちらの方が好みでした- ̗̀ ෆ( ˶'ᵕ'˶)ෆ ̖́
    結構な分厚さでしたが、合間の語りの内容がとにかく気になって、グイグイ読み進めてしまいました!

    事件そのものだけじゃなくて、戦中から戦後へと社会そのものが大きく変わっていく中で、人々の暮らしや価値観、言葉遣い、司法のあり方まで変化していく様が描かれていたことが印象的だった。
    戦

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    2026年08月19日
  • 神都の証人

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    ものすごい長いドラマだった
    戦時中から時代を超えて冤罪に取り組む法律家たちの長い戦いと苦悩を描いた物語
    無実と人権を回復するのにこれほどまでに高いハードルがあるとは…一度にらまれたら終いなのか
    殺人事件ほど大きくなくても日常のちょっとした事件で疑いをもたれることがあったとしたら…誰の身にも起こりうる話だと思うと恐ろしくなる
    長い物語なので一度に読み切れないけど、とにかく続きが読みたくてちょっとの時間でも本を開く力をもった作品だと思った

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    2026年08月06日
  • 神都の証人

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    真実が司法によりねじ曲げられていくのは当然に許しがたいことなのに、力のない者を嘲り、切り捨てていくという、世の中を支配する気持ちの悪い塊、そして、司法の安定性をかざす権力に抗うのは、何と困難なことか、どこまで非情なんだと暗い気持ちになったり、これらに対して行動を起した人の矜持(私は本郷さん推しです)に胸がいっぱいになったり…ここまでで十分に読み応えがあリ面白いのですが、最後にどんでん返しが!ラストを読んで、善悪の境目がわからなくなりました。読者の良心も試されている…?

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    2026年08月06日
  • 雪冤

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    ネタバレ

    冤罪で息子を死刑された父親や被害者遺族、弁護士などの視点で死刑制度の是非や冤罪についての考えがストーリーと絡められていた。
    学校で単純に習っただけの被害者感情や死刑制度の是非などが具体的かつ読みながら体感できるように描かれていて読んでいてとても考えさせられる。
    死刑廃止を目指す者たちでも、その手段が人や立場で異なったのも印象的で、事件を起こして国民に決定的に意識を変えさせる者、目的のために当事者の真実を歪曲させて報道する者、冤罪被害者でありながらも冤罪と死刑制度を切り離して考える者と、具体的な例とそうなったストーリーを示されることで私自身の死刑の是非についての議論の理解が大きく深まった。
    描か

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    2026年07月24日
  • 神都の証人

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    冤罪という非常に重いテーマで、気分も重くなりがちだったが、この分厚い一冊に引き込まれてしまった。
    80年という長い年月を経て勝ち取った無罪だが、あまりにも長く苦しい時間だった。
    正義とは、法とは。
    1人の無実の人間の全てを、命までもを奪い、その家族の一生も不幸へと飲み込む。
    時に真実とは、非常に残酷なこともある。
    普通の人間に潜む化物、自分やその周りのことだけ考えて生きている。
    誰にでもあり得ること。
    人間の心の闇は深い。
    久々に心に響いた一冊でした。

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    2026年07月19日
  • 神都の証人

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    ネタバレ

    冤罪による死刑執行という、取り返しの付かない愚行に立ち向かう、遺族と支援者、弁護士、検事の80年にも渡る戦いの記録。ラストのとんでもない真実と悲劇に対しての主人公の下す判断が哀しい。
    そこには、隠蔽や不正の連鎖を断ち切るために、怪物をこれ以上産まないために立ち向かう、清廉とした誇りと魂があった。

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    2026年07月13日
  • 神都の証人

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    初めての作家さん。
    直木賞候補とのことで。

    冒頭、時代や方言で読みにくいなと思ったのも束の間、どんどん引き込まれ、第一部と第三部、時代と共に文体も違ったテイストで、500ページ程の分厚さも、存分に楽しめた。

    途方もなく長い年月。。当事者がどんどん亡くなる中、最後の最後まで、どこに終着するのか、ハラハラした。うーーん。まさか。。

    何年もかけて追ううちに、真実よりも都合の良い結末を求めてしまったのだろうか。ここまで執着する意味とか、気付きながら引き返せなくなるほどに取り憑かれたように。

    結果的に、全ての冤罪事件に関わる人たちの苦労が、泡になってしまうような結末、しかも、それはもっと前から隠

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    2026年07月07日
  • 神都の証人

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     またしても激しく心揺さぶられる物語との出合いに感謝です。深い感動の後は、暫しその余韻に浸るべく言葉を上手く紡げません。冤罪をテーマとした重厚・骨太・壮絶な物語は、それほど価値ある読書体験となりました。

     物語の舞台は、神が鎮座する「神都」と称される宇治山田市(現三重県伊勢市)。戦時中に、この聖地に似つかわしくない一家惨殺事件が起きます。当時8歳の少女の父が、逮捕・死刑判決を受けるも冤罪でした。少女は差別や偏見に負けず父を想い続け、熱意ある弁護士と出会って物語が動き出します。

     昭和から令和にかけて、約80年にわたる冤罪との闘いです。司法の深い闇に、ただ一つの正義を求めて代替わりしながら挑

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    2026年07月07日
  • 神都の証人

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    直木賞の候補作。
    これまでこの素晴らしい作品がノーマークだったが、ブク友の皆さんのおかげで、この本と巡り会えました。
    冤罪がテーマで戦前から令和まで続くので、重苦しいし、ヤキモキする場面が多い。語り部は8歳で父親が強盗殺人の容疑で逮捕された谷口波子。
    父親は死刑判決を受ける。
    父親を支援する人達が長くて苦しい戦いを続けるのだが、父親の疑いは晴れるのか?
    父親が冤罪なら、犯人は誰なのか?
    500ページ弱の大作で、電車で立ちながら読むのは辛かったが、時間を忘れてしまうほどのめり込んだ。

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    2026年07月04日
  • 神都の証人

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    この小説の発端の事件は昭和の戦時中なので、強引な取り調べとか酷いけれどあったんだろうなと思えますが、一度冤罪を認めてしまったら終わりというのは今も変わらないような...。昭和、平成、令和と続くスケールが大きい冤罪ミステリーです。冤罪に翻弄された主人公の八十余年に渡る闘いの日々。赤の他人なのにあそこまで信じてくれた人たちがいた事が救いです。500ページの大作ですが本当に読んで良かったです。

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    2026年06月27日
  • 神都の証人

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    三世代に亘る冤罪と再審請求の闘いの一大サーガ。そもそもが戦時中の事件だからあり得ない杜撰な捜査と裁判だか、再審請求の即時抗告のシステムは今も変わらず。再審制度の見直しがやっと動き出した今、タイムリーな1冊。主人公となる各章の3人も誠実な1人目、破天荒な2人目、非エリート側の3人目とお決まりな流れでなく面白い。流石の直木賞ノミネート作品でした

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    2026年06月26日
  • 神都の証人

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    良かったデス。面白い作品でした。

    ちょうど少し前に、「袴田さんの」
    袴田さんとお姉さんのドキュメンタリーを
    テレビで見ていた頃でした。

     この本は胸が苦しくなる作品でした。
    あまりにも長い年月、しかも戻って来ない貴重な年月の物語です。
    どこへぶつけて良いのかわからない憤りや、不条理に悶々としました。

     これは物語であって、フィクションなのですが、
    現実に起きている事件もあるので、戦慄しています。

    冤罪が無実になって良かった良かった?だけでは終わらない物語になっていると思います。
    その先の問題提起も孕ませていると思います。

    いったいなぜこんなことが起こるのか? 
    いまも起きるのは何故な

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    2026年05月31日
  • 雪冤

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    ミステリー小説。小説を読んでいると登場人物に対して、この人は良い人そう、この人はなんか嫌な人とか、なんとなくの白黒の「色メガネ」をつけて読んでいるものだが、この作者はほんの些細な描写一つで、「えっ、、もしかしてあの人が犯人なの?」と、こちらが認識していた登場人物の色をガラッと変えてくる。その度にページを遡ってその人物のセリフや態度を、もう一度色メガネを変えて見てみると、まるで見え方が変わってくるゾクっとくる感覚が、この小説では、数回仕掛けられている。

    小説を見終わった後には、物語の結末の切なさに加えて、この小説を読み終えてしまう寂しさを感じさせてくれる傑作小説だった。

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    2026年04月08日