大門剛明のレビュー一覧

  • 神都の証人

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    直木賞ノミネート作品ということで拝読。

    戦時から今の令和の時代まで、途方もない時を巡り、事件の真実に辿り着く。
    こんなにも人の想いが受け継がれていく物語は、他にないのでは。

    この物語は、時代の流れに沿って、3人の人物の視点で展開されていく。
    それぞれの苦悩や迷いが丁寧に描かれていて、それ故に読んでいる読者側もしんどくなる。
    ただ、そのしんどさの中でも、この3人の信念は煮えたぎるほど熱いものだった気がする。
    そして、信念を貫き通すことは、大切な誰かを傷つけてしまうリスクもある。

    人は、時として、誰かの親であったり、子であったり、配偶者であったり、恋人であったりする。
    どれかの立場であろうと

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    2025年12月20日
  • 神都の証人

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    昭和十八年、宇治山田市で起こった一家殺人事件で犯人として逮捕された谷口喜介は死刑判決を受けた。彼は無実を訴えるものの、時代が変わっても判決は覆ることはない。父親の無実を信じる波子を中心に、冤罪事件の重さとそれに立ち向かおうとする人々の戦いを描いたリーガルミステリです。
    証拠物件の適当さといい取り調べの横暴さといい、戦時中日本の時代情勢がそういうものだったから、と言ってしまうのは簡単ですが。しかし時代を経ても冤罪を雪ぐことはなぜこんなに難しいのでしょうか。もちろん判決の揺るぎなさというものがなければその判決に安心できないというのも納得はできますが、それでも冤罪の被害者からするととんでもないことで

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    2025年12月19日
  • 神都の証人

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    テーマ 冤罪事件を親子に渡って解決しようとする弁護士 戦中から戦後 伊勢
    何十年にわたってようやく無罪が立証できるところで、実は、真犯人が---だったとは。
    これを立証すれば、自分は家族は弁護士をやっていられないばかりか 普通の生活はできないだろう さて どう進めるのだろうか

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    2025年12月19日
  • 神都の証人

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     昭和十八年四月、宇治山田市内の民家に侵入し、一家三人が皆殺しにされるという事件が起きた。逮捕されたのは谷口喜介は死刑が確定している。検事から弁護士になったばかりの吾妻太一は偶然、夜道で苦しむ少女を救助する。彼女は死刑囚である谷口喜介の娘だという。面会した吾妻は谷口から、『わしは無実や』と聞かされる。吾妻が目撃証言者である伊藤乙吉を探すことに。しかし彼は闇米購入の取り調べの際中、脳溢血で亡くなってしまった、という。しかし頭部に不審な大きなこぶがあった。

     というのが、本書の導入。私は恥ずかしながら本書を読むまで知らなかったのですが、実際にあった事件、正木ひろしの「首なし事件」がモチーフになっ

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    2025年12月17日
  • 神都の証人

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    ネタバレ

    ちょっと落ち着いたのでじっくり読もうと思っていたら、貸し出し期限内には読み終えないなと思って、延長しようとしたらちょうど直木賞候補になってしまい、あっという間に予約数がいっぱいになって延長できなかった...




    戦前に起きた事件だったゆえに余計に再審請求への道というのはとても険しいのだなと。しかも死刑は執行されてしまっているし。

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    2025年12月14日
  • 神都の証人

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    3代に渡り冤罪を得ようと奮闘する弁護士。そして引き継いだ弁護士、代議士と様々な人らの働きによって裁判をやり直そうとするが一度決まった判決を覆すのは至難の業。挫折、屈辱を乗り越えていく話に加えて浮浪児だった人や家族の中で出来の悪かった人のドラマもあり物語の中にひきずりこまれていく。舞台がよく知る三重県伊勢市だったのもよかったのかも知れないが冤罪の難しさを知る。
    雪冤をテレビで観たけど同じ作者だった。あの話も父親の息子の無実の訴えと息子が何故恋人を殺害したと言ったのかの苦悩だった。判決を覆す難しさをこのドラマで最初に知ったことを思い出す。

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    2025年10月19日
  • 神都の証人

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    ネタバレ

    冤罪をテーマに描いたミステリー
    だがその一言では言い表せない素晴らしい作品だった
    この作品では主人公が三代に渡る
    理想に燃える弁護士
    浮浪児から検察になり、特別な女性のために冤罪を証明しようとする検察官
    最後に落ちこぼれだったが、父の意思を継いで冤罪を追及する弁護士
    それぞれの生き様が鮮明に描かれている
    最後まで飽きさせないミステリーであり、大河ドラマのような読み応えのある作品だった
    正義とは何かという問いに応える作品かもしれない

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    2025年10月09日
  • 鑑識課警察犬係 闇夜に吠ゆ

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    警察犬訓練所で働く凄腕ハンドラー野見山と鑑識課警察犬係に配属された新人の都花沙。
    都花沙の相棒は老犬だが様々な事件を解決に導いたアクセル。
    最初のうちは都花沙を鼻であしらい相手にしなかったアクセルだが徐々に都花沙を相棒と認め始めていく。
    大先輩の野見山は不正の疑いで警察を去り、民間の犬舎へ移ってしまうがその真相は....
    時には厳しく時には優しく犬と一緒に一人前のハンドラーになっていく都花沙の過程を描いた作品だ。
    難事件を解決に導く犬。
    感銘を受けた。

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    2025年10月01日
  • 両刃の斧

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    読みやすい文体でスラスラと楽しめました。
    二転三転する内容に続きが気になって、大どんでん返しに文章を思わず二度見しました。
    ワンチャンが健気でした。

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    2025年09月28日
  • 黒い蝶は死を運ぶ2 絞め殺しの木

    購入済み

    黒い蝶は死を運ぶ2

    いつも就寝前に読んでいますが寝るのを忘れて読んでいます。非常に面白くて時間を忘れて読んで早く次に行きたくて終わりません

    #深い #スカッとする

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    2025年09月25日
  • 罪人に手向ける花

    匿名

    購入済み

    複雑な思いです。
    最初から事実を認めていれば誰も傷つかないでよかったのに。敏腕弁護士の力で無罪になったけれど、結局はそこが1番の罪の始まりでした。事件に関わった人達の苦しみと思い込みは恐ろしい。

    #深い #切ない #ドキドキハラハラ

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    2025年07月03日
  • 優しき共犯者

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    すごく良かった。
    鳴川の人の良さも池内の心情もよく伝わってくる。
    それほど複雑ではないので分かりやすい。
    でも、そういうことだったのかーという展開もちゃんとあって良い!

    岩田と池内以外の警察の動きの記述が少なかったけど、岩田が全部任されていたのかな。彼にも情があったと思えば。

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    2025年05月25日
  • 完全無罪

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    昔自分を誘拐した男が冤罪で逮捕された可能性があり真犯人は誰なのか…というお話し

    読みやすい文章にどんどん起こるどんでん返し、緊張感や異質さ、不気味さを見事に言語化されており、続きが気になり一気に読んでしまった

    真犯人は消去法でわかりやすいがその後に起こる展開もお見事
    素晴らしい作品でした

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    2025年02月22日
  • 死刑評決

    匿名

    購入済み

    スピード感ありで、すぐに物語に引き込まれました。
    絶対悪だと思ってた人物に同情の気持ちが芽生えてしまったり、けれど悪は悪と考え直したり。
    すごく考え深い話しでした。

    #タメになる #切ない #ドキドキハラハラ

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    2025年02月18日
  • 完全無罪

    匿名

    購入済み

    昔誘拐され心に傷を持っている若手弁護士と、冤罪を訴えている受刑者。弁護士は冤罪と信じて彼を救うことに、そこからは話しが二転三転と代わり真実はどれか何度もわからなくなました。すごく引き込まれてました。悲しいけれど、少し心が晴れやかにもなれました。

    #切ない #ドキドキハラハラ #怖い

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    2025年02月17日
  • 罪人に手向ける花

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    最近同じ作家の作品を読みましたが、目を見張る程面白いとは思いませんでしだが、この作品は大変面白かったです。最近流行りの色んな所に最後の部分の為にそれなりの物を散りばみてある。まさに私はそれにマンマとはまりました。出来れば重いものを背負って頑張る姿を見てみたいのでシリーズ化して欲しい。只古沢先生はどうですかね?

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    2024年11月07日
  • 死刑評決

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    犯人は明らかになっているから、あとは結末を待つのみ、とさらっと読み進めていたら、行動の背景に悲しい動機があったことに胸が苦しくなった。
    最後まで心に訴えかけるラストだった。
    傷心の犯行動機が明確にされないまま死刑になってしまったので、そこは描いてほしかった。

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    2024年08月13日
  • 完全無罪

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    初めての大門先生の作品。女性弁護士。過去の被害者。登場人物のキャラ立ち等、「人」の描き方が素敵です。続編も必読なり。

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    2024年06月19日
  • 婚活探偵

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    ネタバレ

    職業探偵としての調査業務と婚活相手の謎がマッチしていく展開が面白い。
    それと黒崎さんの不器用さがいい。慣れない婚活に苦戦し、失敗して落ち込んだり、それでも部下の前ではハードボイルドなイメージを崩さないよう頑張る姿には苦笑しつつも応援したくなる。
    同時に身をつまされるような思いもありました笑

    最終話の展開も好きです。あの一言は小癪だな〜とも思いましたが笑

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    2024年05月26日
  • 正義の天秤 毒樹の果実

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    師団坂法律事務所シリーズ第3弾!
    5作の短編集。

    正義とは何かを考えさせられました。
    鷹野さんにとって苦悩する作品だと感じました。

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    2024年03月09日