大門剛明のレビュー一覧
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ネタバレ帯に「新ヒロイン誕生」とあるのに、なかなかそれらしい人が登場しなかったり、二章に入ったらいきなり20年以上経過するなど、意表を突かれまくり。他にも二千花と本宮の関係や、米山事件の犯人など驚きの連続に加え、最初の事件の真相はいったいどうなのかが終始気になって、終わりの数ページ手前まで読むことを中断できませんでした(就寝直前に読み始めてしまったので、寝不足ですよ……)。
良い意味で予想を裏切り、上回ってくる展開ばかりだったし、キャラも二千花や古沢など個性的かつ魅力的な人物が多く、最近読んだ小説の中ではダントツで面白い作品だったと思いました。
これは映像化(二千花はガッキーが、加瀬涼真は竹内涼真が演じるイメージしかないです)&シリーズ化必至では?と妄想がフライングしつつも、続編に関しては本作の完成度が高すぎて、これと同等以上の話を作るのは難しいかな、と思ったりも。
それでも本作に及ばなくても良いので、二千花の活躍と古沢の嫌らしいお邪魔っぷりをまた読んでみたいです(古沢はゲーマーなので、ゲーム業界がらみの事件を見てみたいなぁなどと、叶わぬであろう期待を抱いてしまったりしちゃいました)。 -
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大門剛明『罪人に手向ける花』ハルキ文庫。
23年前の事件と現在の事件とが交錯する検察ミステリー小説。
最初は検察事務官の立原愁一を主人公にした小説かと思ったのだが、何と途中から登場したゆるふわ癒し系女性検事の黒木二千花が主人公に取って代わった。さらには黒木二千花が立原がかつて世話になった検事の本宮の娘というのだから、さらに驚くばかりだった。そして何よりも、事件の真相が全て明らかにされた時の驚きと面白さは、ここ数年に読んだミステリーの中でもピカイチだった。
23年前に殺人事件の容疑者となった加勢高志は弁護士の古沢の手腕により検事の本宮と検察事務官の立原の努力も虚しく不起訴となる。それから23年後、再び別な殺人事件で容疑者となった加勢高志。そんな加勢高志を弁護するのは息子の加勢涼真。検事の黒木二千花は事件の真相を暴くことが出来るのか。タイトルの『罪人に手向ける花』の意味は……
本体価格720円
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『完全無罪』シリーズ、第二弾。
高松の女性弁護士・松岡千紗が活躍する慟哭のミステリー。一部、真犯人側の視点からも描かれるので、倒叙ミステリーとも言えるでしょうか?
帯にある『裁判員が殺人犯?』に惹かれて、購入しましたが、あっという間に読破。
誰が真犯人か、というより、動機の面で、なぜ真犯人はそんなことをしたのか、単に保身のためなのか?というところがポイントでしょうか?
裁判員裁判で死刑評決を受けた当時19歳の青年(小杉優心)の死刑が執行された。松岡が、量刑不服として再審請求する矢先であった。
そして起こった新田という男性の殺人事件。
その容疑者は、死刑評決が出された8年前の事件の裁判の裁判員(村上)であった。
松岡は、その容疑者の無実を証明するため、不利な状況の中、敢然と法廷に立つ。
いったい、今回の殺人事件と8年前の爆破事件は、どう繋がっているのか。二転三転する真実、そして、最後の法廷に、驚愕の展開が待ち受ける。
人が人を裁く難しさ、正義とは、家族の愛情とは、赦しと憎しみが交差する。
本当に、裁判とは難しいですね。 -
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あなたが殺したのですか?
彼を愛した深津さくらの問いは、彼の心に届くのか?
毎回、社会的に重いテーマを描く大門氏ですが、第4作となる本作は、犯罪を犯した者の更生と償いがテーマ。
強盗殺人事件で2人の命を奪った久保島は、23年の刑期を務め、仮出所した。
そして、更生保護施設の職員であるさくらは、彼の誠実さに強く惹かれる。
しかし、ある日、中年サラリーマンの殺人事件が発生し、施設の寮生が疑われてしまう。
せっかく仮出所したのに、彼が、再び犯罪を犯したのか?
刑事の梶も含めて、関係者それぞれが心の悩みと苦しみを抱え、自分の正義を貫きたいと考える。
二転三転する真実の向こうに、本当の更生と償いは、あるのか?
読後、表紙の絵を見ると、つい泣けます。 -
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冤罪や死刑制度をテーマにした慟哭の社会派ミステリー。
15年前の京都。2人の男女を殺害したとして、1人の青年が逮捕された。
元弁護士の八木沼は、一人息子・慎一の無実を信じ、たった1人で活動していた。
そして、時効寸前、真犯人を名乗る人物・メロスから電話がかかる。自首の代償として、5千万円を要求する。
果たして、メロスの言葉は、真実なのか?
二転三転するストーリー、なかなか見えない真実。
そして、最後に明らかになるディオニソスの正体とは?
ラスト数ページで、悲しい真実が明らかになる時、1人の青年の命を賭けた思いが、胸を打ちます。
まさしく、慟哭の社会派ミステリーと言える作品です。 -
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犯罪加害者の贖罪とは。更正とは。被害者遺族はなにを望むのか。許しはあるのか。というなかなか、考えさせられるお話でした。一度犯罪を犯したものは、一生許されざるべきなのか。日々、生きていかなければならない中で、犯した罪とどう向き合っていかなくてはならないのか。刑務所で罪を償ってきたからと、犯した事実が消えるわけではない。このお話では、加害者と被害者遺族を会わせる、「修復的司法」が どちらにとっても救いになると信じている校長先生とその娘と息子、過去過失で人を殺めてしまった若宮。若宮にとっては先生は大恩人。そんななか 先生の娘が殺される。読み進めるのが心が痛くなるお話でした。反省すること、謝罪をすることは日常的にあることです。そのごめんなさいという気持ちが、ほんとに心からのものなのか、それは誰にもわからないこと。相手に届かなければ、それは自己満足でしかないのかなと。 この話、最期の最期にびっくりでした。驚きの事実が!やられた感満載でしたよ。
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大門剛明『氷の秒針』双葉文庫。時効廃止の法改正をテーマに、事件に翻弄される遺族たちの生き様を描いた社会派ミステリー。冒頭から最後まで二転三転の展開と遺族たちの揺れ動く心情が描かれ、一気読みした。時効廃止の法改正により、発生時期の数ヶ月の差で線引きされてしまう二つの凶悪殺人事件。時効成立となったのは一家惨殺事件、時効撤廃となったのは、その数ヶ月後に起きた若妻殺害事件。あろうことか一家惨殺事件の犯人は時効成立後に自首するが、数日後に何者かに殺害される。この殺人事件の犯人と疑われたのは一家惨殺事件の生き残りの小岩井薫だった。一方、若妻殺害事件の遺族である原村俊介は犯人と目される百瀬拓一を追い込んでいくが…予想外の展開と衝撃の真実。最後に見せてくれたのは…