【感想・ネタバレ】氷の秒針のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

凶悪な2つの殺人事件。
一家惨殺事件に、若妻惨殺事件。

地道な遺族達の運動が実り、公訴時効が撤廃された。
しかし、一家惨殺事件の方は、法律の施行日前であったため、時効が成立し、若妻惨殺事件は、継続して捜査が可能となった。

やがて、一家惨殺事件の時効成立を待って、殺人犯が自首したものの、何者かによって殺害される。
果たして、犯人は、遺族達の中にいるのか?

複雑に絡むストーリー。
二転三転する真実と、人の心の奥底に見え隠れする本当の想い。

運命に翻弄される遺族達や刑事など、行き着く先に待ち受ける本当の真実とは?

夫婦の愛、親子の愛、師弟の愛などなど、なかなか言葉では、伝えきれない想いの数々が見えてきます。

殺人犯の息子を遺族が引き取り、時計修理職人として仕事を仕込む姿は、非現実的とはいえ、ホロリとさせるものがありますね。

0
2018年12月19日

Posted by ブクログ

 殺人罪の時効が撤廃されたが、平成七年に起こった、一人娘の小岩井薫を遺して一家3人が惨殺された小岩井事件についてはそれが適用されず、限りなく疑わしい鮎沢誠二を逮捕することができないまま、ついに時効を迎えてしまう。しかし鮎沢は時効が成立した途端、自首して自分が犯人であることを認める。

 時効が成立した小岩井事件と、主人公の原村が妻を殺害された時効撤廃対象の殺人事件、2つの事件について描かれる。同じ被害者という立場でありながら、なかなか心を開くことができない原村と薫。事件を追い続ける刑事や加害者の息子の不良少年など、最終的にいろいろ繋がっていたけれど、ちょっとご都合主義かなぁと。

0
2021年09月05日

Posted by ブクログ

3月-15。3.0点。
妻を殺害された時計店の主人、容疑者はいるが逮捕されず。
一方、一家が殺害され、一人生き残った女性。被害者の会で知り合う。
時効撤廃となるが、片方が時効、片方が継続と明暗が。

双方とも解決とは言い難い結末。重く暗い感じが続くが、ラストに救いが。
サラッと読める。

0
2020年03月27日

Posted by ブクログ

殺人事件の被害者遺族にとって、加害者は絶対に許せない存在だろう。その身になってみなければ想像もつかない。
しかも、時効制度のあるころは、その壁に耐えがたい無力感を味わっていたことだろう。
現在は、時効が廃止され、生きている限り加害者を追いつめる。けれども被害者遺族にとっては、時は解決せず、何の癒しにも慣れない。まさに「氷の秒針」。
加害者もその行為から一生逃げ出せない現在、時効後に名乗り出た犯人が殺されるという事件と、時効前に犯人が名乗り出る二つの事件を中心に、その被害者遺族をめぐる社会はミステリー。
二転三転の劇的な展開のあと、最後の救いに読者も癒される。

0
2017年03月15日

「小説」ランキング