大門剛明のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
久しぶりにミステリーが読みたくて、書店に平積みされていたこちらを発見。
正直あまり期待せずに買いましたが、なかなか面白かったです。
15年前に男女二人を殺した罪で逮捕され、死刑囚となった八木沼慎一。
慎一の父・悦史は息子の冤罪を信じているが、面会は拒絶されていた。
ある日、被害女性の妹・菜摘に真犯人を名乗る者から電話が入る。
また慎一は獄中から無実を訴えながらも死刑制度に賛成する主旨の手記を発表する。
悦史は弁護士や菜摘らと共に真犯人を探し始めるがー。
本作には死刑制度の是非や被害者感情と復讐心、冤罪について考えさせられるものがありました。
正解がない問題ですが、考えるのを止めてしまうことの恐ろしさを訴えかけてきます。
過去にも面白かった!と思った作品は、考えることの大切さをテーマとしたものが多いので多分私の好みなのだと思います。
ミステリーとしてもまずまず。
誰もが怪しく感じられるので途中からは一気に読んでしまいました。
☆マイナス1つなのは真実がちょっと腑に落ちないから。
そんなことってあるかなぁ…という感じだったのが少し残念でした。
初めて読む作家さんでしたが、別の作品も読んでみたいと思いました。
2018年8冊目。 -
Posted by ブクログ
「雪冤」以来の大門作品。
少女時代に何者かに誘拐され、自力で脱出した過去を持つ松岡千紗。
その犯人は捕まっておらず、21年経ち、弁護士となった今も悪夢を見つ続けている。
ある時、千紗は21年前の少女誘拐殺人事件の冤罪再審裁判の担当に抜擢される。
だがその事件の犯人は、千紗の誘拐事件と同時期に近隣で発生したものー。
自分を誘拐したかもしれない容疑者と向き合った千紗は、同時に自らの誘拐事件とも向き合うことになる。
おもしろくて一気に読みました。
冤罪が証明された容疑者ですが、どこか腹の中が読めず最後の真犯人が分かるまで読み手のこちらも主人公と一緒にドキドキしたり、不安になったりました。
「雪冤」は死刑制度の是非を問うものでしたが、今回は冤罪の恐ろしさをテーマに読みごたえのあるエンターテイメントに仕上げていると思います。
2020年8冊目。 -
Posted by ブクログ
面白かった
被害者家族の哀しい物語
ストーリとしては、
捜査一課の刑事・柴崎の娘が刺殺体で発見されますが、懸命な捜査にも拘らず、事件は迷宮入りに。
15年後、ある自殺した警察官の遺書から、当時の事件の背景が明らかになります。そこから、後輩の刑事の川澄は容疑者と思われる男の身元を特定しますが、逮捕直前で、その男が殺害されてしまいます。
柴崎の復讐なのか?
柴崎なら、なぜ、その容疑者を知ることが出来たのか?
逮捕された柴崎を取り調べますが、完全黙秘
といった展開です。
これに、川澄の娘の婚約者、刑事の山田も絡んで真相に迫っていきます。
柴崎が守りたかったもの
そして、明らかになる真相、そこには哀しい真相が..
しかし、この真相ってちょっと納得いかないけど....
サイドストーリのように語られる川澄と娘の関係が良い味出しています。
そして、ラストシーンで、娘が川澄にかけた言葉。
ホロリときました。
お勧め -
Posted by ブクログ
警察庁を退職後、探偵事務所に勤務している黒崎竜司(41)。ハードボイルドな見た目とは裏腹に、今まで女性との関わりがほとんどなかった彼が、意を決して結婚相談所に入会!
相談所のアドバイザーさんの助言を一生懸命に実行していたり、お見合いを重ねるたびに反省と次への試行錯誤を繰り返していたり…不器用ながらに婚活を精一杯頑張っている黒崎おじさんを、ついつい側で応援しているような気分になってしまいます(笑)
婚活とは…理想の結婚相手を探すことが一番の目的ですが、それと同時に自分の欠点や人生観など…あらゆるものと向き合っていかなければなりません。
婚活を頑張っている人たちみんなが、それぞれの幸せを掴めますように…(そして自分も…)
前向きな気持ちにさせてくれる、良い小説でした。
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Posted by ブクログ
ネタバレ母親の強さと愛情、どうにもならない残酷さが書かれている。小杉優心という男の爆破殺人事件から物語が発展してゆく。相変わらず松岡千紗は強い女性。猪突猛進な所があって、どことなく誉田哲也の警察シリーズに出てくる、姫川に似ている。というか、姫川と松岡のような女性だからこうやって戦っていけるのでは?
最後は涙がほろりと。
「この世は白と黒では割り切れない。全くの白が黒として扱われた場合にのみ、正義感を燃やすのでは半人前だ。弁護士として向き合うの被告人は白と黒が混ざっているのが普通だ。罪人を全て真っ黒だと切り捨ててしまっては、問題がある。どのくらいグレーなのか、正確に判断して刑を与えなければいけない。」
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Posted by ブクログ
弁護士松岡千紗が主人公の、『完全無罪』に続く第2弾。
ひとたび死刑が執行されたら、その後無罪が明らかになっても取り返しがつかない死刑という制度。
人の生死が、裁判官と裁判員との多数決で決まる裁判員制度。裁判員には、被害者に寄り添う一方、罪を犯した者への懲罰的な判決に傾きがちになるという面もあると聞く。
本作は、その裁判員が被害者になる殺人事件が発生し、裁判員が容疑者ともなる。
彼らが関わった裁判が、事件を引き起こしたことは明らか。
その背景は、読者には明らかにされており、登場人物たちがどのような行動を取るかに焦点が当たる。
現実的にはあり得ない設定に鼻白らむが、著者の問題提起は重く、裁判員制度にも一石を投じる作品と言ってもいいか。