大門剛明のレビュー一覧
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殺人事件の被害者遺族にとって、加害者は絶対に許せない存在だろう。その身になってみなければ想像もつかない。
しかも、時効制度のあるころは、その壁に耐えがたい無力感を味わっていたことだろう。
現在は、時効が廃止され、生きている限り加害者を追いつめる。けれども被害者遺族にとっては、時は解決せず、何の癒しにも慣れない。まさに「氷の秒針」。
加害者もその行為から一生逃げ出せない現在、時効後に名乗り出た犯人が殺されるという事件と、時効前に犯人が名乗り出る二つの事件を中心に、その被害者遺族をめぐる社会はミステリー。
二転三転の劇的な展開のあと、最後の救いに読者も癒される。 -
Posted by ブクログ
真犯人が死の間際に残した過去の罪の告白。
だが、「一事不再理」によって二度と同じ事件で罪を問うことはできない。
司法というものに正面から向き合おうとした物語だった。
構成は悪くないと感じたけれど、登場人物がどうにも好きになれなかった。
後半部分で中心となる高遠と穂積だけれど、いまひとつ深みがないように感じた。
「確信犯」にこだわった意図は十分に伝わってきたけれど、それでもどこか推敲途中の物語のような思いが残った。
「確信犯」が行動するとき、そこには必ず犠牲者が出る。
正義のための犠牲だと信じる者だけが、「確信犯」になれるのだろう。
どことなく後味の悪さを感じながら本を閉じた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ逮捕されることのなかった伝説の義賊「ねずみ小僧」。
そして生活保護を詐取していたと思われる者の死。
ケースワーカーである石坂の目を通して生活保護制度の矛盾点だけでなく、事件に隠された・・・犯人が隠したかった謎があきらかにされていく。
ある種の制度があれば、必ずそこには不正を働く人たちがいる。
悲しいことではあるけれど、すべての人が善良であるはずもなく、一部とはいえ制度を悪用する人たちも出てきてしまう。
金銭が絡む制度ほど、担当する人たちだけでない第三者的なチェック機関が必要とされているような気がする。
もちろん、費用や人員などの問題があって現実味はないかもしれないけれど・・・。
物語は生活保護 -
Posted by ブクログ
ネタバレ負け弁シリーズ3作目。そして完結編。冬子事件も明らかになり、それにまつわっての実花の誘拐事件。何かこんな時に誘拐っておかしくね?そこがいまいち納得できない。まぁトリックのためなんだろうけど、いくらなんでもリアリティがない。しかし、薬物で大切な家族を殺されちゃあなぁ。頭では分かってもやっぱ切ない。脅されて、とはいえ、無罪かー。しかも親も腹立つし。正直、せめて世間からバッシングを受けろ、と思う。しかし、冬子はどうして黙秘なんかしたんだろう。無実なら話せよな。深町が信じられないってか?それなら真犯人は誰なんだ。これが明かされることはないんだろうなぁ。