大門剛明のレビュー一覧
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ネタバレ前作で決着がつくと思っていた過去事件の真相解明は、シリーズを続けていく中で徐々に明かされていくものと思っていました。なので、本作でカタがついてしまったことに肩透かしをくらったように感じちゃいました。
その真相というか、キムラヒデユキの正体については「改名してました」は予測がつかなすぎるので、もう少しそれを匂わせる何かが欲しかったように思います。また、現実だったら南野の過去を調べたらすぐに分かりそうに思ったので、ちょっと微妙な印象も受けてしまいました。
本作はそちらよりも、桐生が主役となる第2話「黒と白」の方が面白かったです。裁判官として自分が判決を下した人物からの依頼というシチュエーションが特異なのと、前作から描かれていた桐生の心残りが気になっていたこともあり、惹き込まれて読んでいたように思います。
総合的に見て悪くない作品だと思いますが、同作者の他作品がこれまで個人的にハズレなしだったので、期待が大きすぎて相対的にスッキリしない印象が残ったように感じました。 -
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ネタバレ元医師という異色の経歴の弁護士という設定がフォーカスされた裏表紙のあらすじから、鷹野が中心の話かと思いきや、師団坂法律事務所の面々を主役にした短編集みたいな様相。
各話それぞれ、真実を明かされることが決して「こうであってほしい」という理想とは異なる内容だったりして、なかなか悩ましい気持ちにさせられます。
そこに関しては、よく言えば印象的な話ではあったので、悪くはないポイントだったのですが、鷹野の過去にまつわる話が未解決のまま終わったのにはちょっと肩透かし喰らった感がありました。
そこは同時に購入した次巻「アイギスの盾」以降で明かされると期待しておこうかと思います。 -
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ドラマ化されることで、内容を知り、原作を読んでみたくなった。
元医師である鷹野を主人公にしたリーガルミステリー。
元々は大手の弁護士事務所であった師団坂法律事務所。
しかし、絶対的な存在であった創設者を病死で失ってからは下降の一途をたどっていた。
創設者の娘で、弁護士でもある佐伯芽依は事務所の危機を救うため、海外から鷹野を呼び寄せる。
しかし、元医師である鷹野は事務所を診断し、無能な弁護士を切除してしまう。
短編で描かれるので、無駄な描写がなく、リーガルミステリーなのにさらっと読みやすい。
鷹野が登場する1作目は、やたら登場人物が多く、覚えられないと思っていたが、鷹野の「切除」により、残った主要人物は鷹野を含め、5人となる。
2作目からは、この5人それぞれの目線で物語が描かれる。
主人公である鷹野が出過ぎないところも、なかなかいい。癖はあるが、自分勝手なイメージもなく、言葉は少ないが、きちんと残ったメンバーをフォローし、徐々に信用していく様子も丁寧に描かれている。
次作も楽しみ。 -
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殺人罪の時効が撤廃されたが、平成七年に起こった、一人娘の小岩井薫を遺して一家3人が惨殺された小岩井事件についてはそれが適用されず、限りなく疑わしい鮎沢誠二を逮捕することができないまま、ついに時効を迎えてしまう。しかし鮎沢は時効が成立した途端、自首して自分が犯人であることを認める。
時効が成立した小岩井事件と、主人公の原村が妻を殺害された時効撤廃対象の殺人事件、2つの事件について描かれる。同じ被害者という立場でありながら、なかなか心を開くことができない原村と薫。事件を追い続ける刑事や加害者の息子の不良少年など、最終的にいろいろ繋がっていたけれど、ちょっとご都合主義かなぁと。 -
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更正保護施設職員のさくらは、入寮してきた久保島の誠実な人柄に惹かれはじめる。
彼強盗殺人で2人の兄弟を殺めて、23年の刑期を勤め仮出所したばかりだった。
仕事もアパートも決まり、順調だった久保島の生活。そんな中、寮生が疑われる殺人事件が起こる。
本当の更正とは何か?
好きになった久保島を信じたいけれど、昔の恋人の影がちらついて、気持ちがゆれてしまう、さくら。
刑期を終えて、再出発したくても世間の風当たりは辛く、生活を立て直せないうちに心が荒み、また罪を犯してしまうと聞いたことがある。
悲しいことだが、それが現実であり、人はそんなに簡単には変われないのではないかと思ってしまう自分がいる。
もう会えないかも知れない久保島を、行ってらっしゃいと見送ったさくら。
いつかこれで良かったんだと思える日が来て欲しい。
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冤罪なのに死刑執行されてしまった息子の雪冤を晴らすため、元弁護士の父親が過去の真相から真犯人に迫るというあらすじ。
最後の最後まで誰が真犯人か全く読めない!よく作り込まれてるわー!
死刑執行された息子が「Soon-Ah Will Be Done」を歌うシーンがあったんだけど、この曲って労働差別に苦しまされた黒人のレクイエムなんだね。「もうすぐ逝ける」という内容の。
中学の合唱コンクールでこれ歌ったんだけど、当時は全く意味わからずに「うぉーー」と勢いで歌ってたなぁ。意味わかると「あの時は滑稽だったなぁ」と恥ずかしくなってしまう笑
構成とかはかなり作り込まれてるので、ミステリーとしては素晴らしいと思うけど、若干文章にクセがあるのか、読みづらさがあったかも。 -
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ハードボイルド風中年男性の婚活記。
何回勘違いされてふられてるんだ、と思ったけど、実際の婚活もそんなこと多いのかな。
二階堂さんもそんな感じのセリフがあったし。
いや〜でも、交際まで進んでるならもっとちゃんと話をしなよって思ってしまう。
実際に婚活中の友人(女性)の話でも、たくさんの人に会って、年収・職業・趣味・人柄や雰囲気などで判断していくとコミュニケーション能力の成長にはなるけど、どういう人が自分と合うのかわからなくなるって話も聞く。
そういった話を聞いてると、このお話はとてもリアルなのかな、と思う。
1話1話がそんなに長くないし、文調も軽いので読みやすかった。
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鳴川仁 居酒屋利庵店主、37歳、主任児童委員
弓岡喜八 弓岡製鎖工業社長、鳴川を雇う
弓岡翔子 喜八の娘。石井一樹の連帯保証債務3億
鬼塚萌 居酒屋利庵のアルバイト店員
鳴川杏里 仁の母、利庵経営
藤井清子 70歳、元看護師、利庵の常連客
山崎祥ニ 管理部長、翔子の遠縁
石井一樹 石井鉄鋼社長、昨年倒産し失踪
浅尾昌巳 弓岡製鎖工業ベテラン、36歳、鳴川の同僚
近藤信子 茉莉花、風俗、長山と関係、
小寺沢義彦 NPO法人しらさぎBANK理事長、40歳
長山和人 不動産社長、債権者、弓岡社長室で絞殺、
47歳、185cm、90kg
池内準規 巡査部長、32歳
池内篤志 準規の兄、14年前に失踪、弓岡工業勤務
鳴川の同僚、茉莉花に想い
岩田公平 警部補、40代半
池内聖菜 準規の娘、3歳
池内千春 準規の妻
鬼塚哲也 萌の父、鬼塚建材社長
連帯保証債務制度が起こす悲劇がテーマ。
登場人物は、殺された長山以外、全員情に篤い、いい人。
主人公の鳴川は自分よりも他人を思い過ぎるいい奴。20代の頃、弓岡社長に出会い、工場の従業員となり仕事を得たことで恩義を感じている。当時高校生だった娘の翔子に一途に想いを寄せている。工場で働いていた20代の青春の思い出は今も大切なもの。
プロローグは鳴川が遺体を運び出すシーン。
かつて石井と交際していた翔子は、石井鉄鋼の雇われ社長に登記された為、石井鉄鋼倒産後、3億2千万円の連帯保証債務を負うことに。当の石井は自己破産して、別の女と暮らしている。
工場を辞め、亡き母が経営していた店を継ぎ、居酒屋店の店主となった鳴川。店の名物はドロ焼き。
翔子が借金に悩んでいることを知った鳴川は、銀行の小寺沢に融資を頼むも断られた。債権者の長山に借金をどうにかしてほしいと頼むが一蹴される。帰り道、弓岡工場の社長室に灯がついているのが見え、社長室に入ると、そこに長山の死体があった。翔子が長山を殺したと思った鳴川は、遺体を長山の自宅に運び、自殺を偽装。
だが、長山を殺害したのは翔子ではなかった。一体誰が?
長山殺しの捜査担当は、岩田と池内。池内の兄はかつて弓岡工場で働いていたが、同僚の鳴川らに借金をし、その後失踪していた。