大門剛明のレビュー一覧

  • 反撃のスイッチ

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    大門剛明『反撃のスイッチ』講談社文庫。

    文庫書き下ろしの社会派ミステリー。身代金400円の誘拐とはなかなか面白いと思ったのだが、結局は…

    社会的弱者に対する差別発言を繰り返し、彼らを僅か100円の時給で働かせる大手人材派遣会社社長。そんな社長への復讐のためか、4人の生活困窮者が社長の娘を誘拐する。

    大門剛明作品としては非常に物足りない結末だった。弱者は弱者のままに…結局は何も変わらず。

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    2017年11月20日
  • 不協和音 京都、刑事と検事の事件手帳

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    ネタバレ

    評価は4.

    内容(BOOKデーターベース)
    刑事だった父は、本当に冤罪を生んだのか―。京都府警捜査一課の川上祐介は、妻を殺したと自白しながら、黙秘に転じた被疑者に手を焼いていた。そこへ、京都地検から「不起訴」の連絡が届く。それを決めた担当検事は、父が違法捜査を疑われて失職した際に別の家の養子となった弟の真佐人だった。不起訴に怒る祐介に、真佐人は意外な一言を返す。刑事と検事の信念がぶつかる連作ミステリー。文庫書き下ろし。

    この一冊では結局お父さんが冤罪を出したのかどうか分からぬままでモヤモヤ。この先が読みたくなる内容であった。
    刑事と検事の絡みは興味深い。なかなか面白かったがこれはシリーズ化はされない?(されていない?)

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    2017年09月06日
  • 優しき共犯者

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    大門剛明『優しき共犯者』角川文庫。

    プロローグで既に主人公のどろ焼き屋の店主・鳴川が死体遺棄の犯人と解り、この先、どのように事件が展開していくのか非常に興味深かった。また、少しずつ明らかになる鳴川の優しさに満ちあふれた人物像に物語に引き込まれていった。

    かつて鳴川が働いていた製鎖工場の女社長の翔子は倒産した製鉄所の連帯保証債務を押し付けられ、自己破産に追い込まれる。翔子に密かな思いを抱く鳴川は金策に奔走するが、そんな中、債権者の長山が翔子の製鎖工場で殺害される。一計を案じた鳴川は長山の死体を運び、自殺に見せ掛けるのだが…

    大門剛明の小説は『雪冤』以来読んでいるが、常に高いレベルにある一連の作品の中では、本作は並み程度のレベルだろうか。

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    2017年04月29日
  • 罪火

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    花火大会の夜、ひとりの少女が殺害される。
    殺人犯である若宮と、被害者の母・理絵。
    何故若宮は少女を殺害したのか。
    若宮の心情を丁寧に描いていくことで、物語はより深いものになっているように思う。

    事件の真相はいったいどこにあるのか。
    すべてを知る若宮は、けっしてそのことを明かそうとはしない。
    けれど、徐々に真実へと近づいていく理絵。
    そして、若宮を取り巻く人間関係。

    修復的司法という言葉を初めて知った。
    加害者と被害者が対話をすることで、本当に被害者の痛みが和らぐのかはわからない。
    どの程度有効だと思われているのかも、実際にはわからない。
    けれど、この物語ではこの修復的司法というものが大きな鍵となっている。
    最後に待ち受けていた真相には驚かされた。
    事件当時、たぶん若宮はとても不安定な状態にあったのだろう。
    母親の死、突然の告白、そして裏切られたという思い。
    若宮のしたことはけっして許されることではないけれど、真相を隠し通そうとしたことを思うと切なくなる。
    もう誰にも傷ついてほしくなかったのではないだろうか。
    いつもながら、大門さんの物語は読みごたえがある。

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    2017年04月11日
  • 獄の棘

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    刑務所を舞台にした連作短編ミステリー。刑務所内でのリアルな実態とともに描かれる人間ドラマに引き込まれた。さらにミステリーサスペンスも堪能出来るエンタメ作品。WOWOWのドラマが楽しみ。キャスティングが見事。

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    2017年03月26日
  • ボーダー 負け弁・深町代言

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    ネタバレ

    文庫書下ろしみたい。割と薄めでするする読める。主役の深町がどうして刑事事件をしなくなったのか、はっきり明かされていないのは、続編を見越してのことか。しかし、最近はニートってめっきり言わなくなったよなー。気のせい?ニートって34歳までなんだ。知らなんだ。伊勢市駅前の弁護事務所なので、あの雰囲気を思い浮かべながら読む。何となくのどか。続編も楽しみだ。作者の人も昔弁護士を目指してたんだって。道理で犯罪系に詳しいはずだ。

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    2015年03月01日
  • ぞろりん がったん 怪談をめぐるミステリー

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    なかなか面白い構成の連作短編集。

    序章で消防士の内畠拓也は、広川まどかという女性から作家の世良耕平の妻が失踪したらしく、確かめて欲しいと相談を受ける。世良の家を訪れた内畠は、世良から執筆中の原稿を読んで欲しいと言われ…

    ここから、日本各地に伝わる怪談をテーマにした短編が5編続き、最後の『ぞろりん がったん』で全ての真相が明かされる。

    なるほど。最初に短編を描き、序章と終章の『ぞろりん がったん』を書き下ろしで追加し、再構成して、ひと味違う作品として仕上げたのか。

    短編の『座敷わらし』『言うな地蔵』『河童の雨乞い』『吉作落とし』『チロリン橋』のいずれも、怪談をテーマにしながら、ひねりの効いたミステリーに仕上がっている。

    面白い。

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    2015年02月19日
  • 沈黙する証人 負け弁・深町代言

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    シリーズ第二弾。轢き逃げ事件を巡り、弁護士・深町代言と敏腕検事・滝川要が対決する。

    ボリュームとしては中編程度で一気に読める。事件を巡る人々の様々な事情と人間模様が描かれている。轢き逃げ事件の被疑者は真犯人なのか…

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    2014年06月22日
  • ボーダー 負け弁・深町代言

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    弁護士・深町代言を主人公にした社会派ミステリーのシリーズ第一弾。刑事事件への情熱を失い、東京の法律事務所を辞め、伊勢の貧乏法律事務所に所属することになった深町は強殺事件の被告人のために再び刑事事件へと…

    小さな貧乏法律事務所を舞台に展開される再生と成長の物語。描かれる事件も身近に感じるもので、それだけに現実味があり、事件の真相も納得の行くものだった。社会派ミステリーの中に温かい人間の心が描かれ、好感の持てる作品だった。

    大門剛明と言えば、デビュー作の『雪冤』が非常に面白く、注目していた作家。このシリーズの続編も楽しみである。

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    2014年06月22日
  • ねこ弁 弁護士・寧々と小雪の事件簿

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    少々狙いすぎな感は否めないですが、謎の設定はなかなか面白いです。謎そのものに猫があまり絡まないのが、ちょっとタイトル負けかな。

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    2013年10月23日
  • 罪火

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    ネタバレ

    「VOM」という言葉は時々雑誌等で見かけた事がある。偽善的な行為ではないか、と思わなくもない。読み始めた当初は特にそう感じた。被害者のためといいつつ、結局は加害者側と仲介者の自己満足の行為でしかないのではないか。

    <ネタバレ>
    「罪火」を読み進めていくうち、いつしか加害者が自分の罪への反省を深めていく姿に、徐々にではあるが、この罪人が「ひと」らしい姿に映っていく。そしてラストは...。読んでいる側すら救われる様な思いだった。加害者が自分の罪を真に自覚し、後悔するのは、自分に未来があると心の底から思った時であった。加害者に罪を償わせるという行為がなければ、加害者自身も救われないし、自暴自棄な状態では罪を自覚する事すらないのだな、と。また、赦すという行為で断ち切らなければ、いつまでも復讐・恨みの連鎖は終わらない。
    しかし、現実社会では、こういう風には進まないし、被害者側からすれば、何をしても赦せないと思う。
    せめてフィクションの世界では、こういう救いのあるラストで良かった。

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    2012年05月16日
  • 沈黙する証人 負け弁・深町代言

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    深町が勤める負け組法律事務所に、ひき逃げ事件の容疑者が飛び込んできた。泥酔していたため記憶はないが、自分は運転しておらず無実だと訴える。相手は敏腕で知られる滝川検事。どう見ても勝ち目のない戦いなのに、松月の信念は事件の意外な真相を照らし出す••••••

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    2012年01月14日
  • ボーダー 負け弁・深町代言

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    テレビでも人気の若手弁護士•深町代言は、ある事件をきっかけに東京を去る。流れ着いた伊勢で所属したのは、志は高いが裁判で勝てない"負け弁"が集まる貧乏法律事務所。刑事事件への情熱を失った深町だが、ニート強殺事件の被告人の無罪を信じる同僚•実花の窮地に再び立ち上がる。

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    2012年01月14日
  • 完全無罪

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    冤罪とは怖くてひどいものだと感じた。
    主人公よりも周りの方々に感情移入させられた。
    残りわずかでも犯人がわからない緊迫した作品で、楽しめました。


    21年前の少女誘拐殺人事件の冤罪再審裁判に抜擢された期待の女性弁護士・松岡千紗。しかし、千紗はその事件で監禁された少女の一人だった。間一髪で自分を殺めたかも知れない容疑者に千紗は敢然と対峙する。罪を作り出す罪「冤罪」法廷が迎える衝撃の結末。大ベストセラー『雪冤』を超える慟哭の「冤罪」ミステリー。(文庫書下ろし)

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    2026年07月08日
  • 神都の証人

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    ネタバレ

    やきもきしながら数日で一息に読んだ。
    戦時中なんて遠い昔と思っていたけど、令和まで続くこの事件の顛末を読んでいると、地続きなんだと実感する。そしていかに再審が難しいかということも。
    とても面白かったのだけど、最後の大どんでん返しだけはさすがにやりすぎな気がした。そこまでの波乱万丈で十分だったのに。それがないと本当に描きたかったテーマがぶれてしまうのかもしれないけど…。
    偶然財布が落ちていたというのもなんだかモヤっとする。
    あいまに挿入される語りかけの手法もあまり好きではなかった。
    とはいえ、久しぶりに夢中になれた大河小説だった。
    どうにか谷口の冤罪を晴らそうと人生を懸ける各章の主人公たちの中では、やはり本郷辰治がいちばん魅力的だった。あと吾妻編で出てきた法医学の先生がかっこよすぎる。

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    2026年06月16日
  • 完全無罪

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    ネタバレ

    読みやすく、展開のテンポも良かった。
    千紗のトラウマのその後と真山の目の中の炎について語って欲しかった。ドラマでシリーズ化出来そうな展開でした。冤罪は恐ろしいが、愛する人を無くした人の復讐心の方が恐ろしい。


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    2026年04月25日
  • 完全無罪

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    ネタバレ

    刑事訴訟法をベースに、女子児童強姦殺人容疑で無期懲役となった男の再審決定・無罪を巡る弁護士女性の葛藤の物語。実は弁護士女性の生い立ちと本件が深く関連するなど、ドラマ的な設定はまあしょうがないが、まずは面白かった。大手弁護士事務所の上司・政争等の問題は突っ込みどころ満載だけどそれは置いといて、再審無罪となった人間が実は同種の別の殺人をしていたかどうかが最後の方まで上手に引っ張られるので、ペイジターナーとなってしまう。分量的にもすぐ読めるので、まさに2時間ドラマを堪能した気分だけど、まあそれだけかな。

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    2026年02月27日
  • 雪冤

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    死刑制度や冤罪事件について大いに考えさせられたが、そのような事を抜きにしても大変面白いミステリーだった。全く予想できない、最後まで切ないストーリー。

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    2026年02月20日
  • 不協和音 京都、刑事と検事の事件手帳

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    ドラマにもなったようで(観てない)、俳優さんをイメージして読んだ。真佐人、冷たいようで優しいカッコいい。2〜3も楽しみ。

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    2026年01月24日
  • 両刃の斧

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    ネタバレ

    神都の証人を読むまで、大門さんを認識できてなかったので何冊か読んでみることに。本作はいかにもドラマの原作になりそうだと思ってたら、既にドラマになってた。二人の娘の1人は殺され、1人は白血病で亡くなり、その闇を抱えたまま体調が悪化する妻に病で死に行く状況で夫にも言えなかった秘密があるというやりきれない話だった。このラストあるゆえか、途中どんでんの音が何度か聞こえるが、真相にたどり着くための無理筋ご都合っぽいネタであってもつい騙されてしまいそう。小説としてはよくまとまっているが、たくさん読むと厭きるかな?

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    2026年01月13日