木爾チレンのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
他人の成功や自分にないものは時に憧れの対象、時に嫉妬の対象になる。そんな場面に、立場に身を置く時、心の中に言葉にならない虚しさを感じる
「何くそ!」と思う時と、「まぁいいや...」となる時。ダメとわかってても後者な場合が多い。だって、憧れのブランド品や一等地に大きな家を建てられてたらじゃあそれで自分の何が変わるんだろうか。
「身の丈」は自分が一番よく分かる。自分の好きなこと、自分のやりたいことは必ずしも世の中からの称賛とリンクするものではない
世の為、人の為、自分の為に就職する
世の為、人の為、自分の為に独立する
世の為、人の為、自分の為に親になる
その決断の時、実は何かを犠牲にしてる。そんなストーリーが沢山交えられた短編集でした。
それぞれ読み終わるとニヤニヤしちゃいます。染みるなぁって -
Posted by ブクログ
読みやすく、スッと受け止めることができた。
表紙やあらすじからは想像できないような
言葉巧みに未夜子の脳内を鮮明に表現した小説だった。
ここまで考えていなかったが、
自らも思春期のころ、未夜子のように物事を捉え、
悲観し、ワタシは他の人とは違う何かがおかしい子と
思っていた時期もあったなぁと懐かしくも感じた。
甘酸っぱい、これが恋とか愛とかよくわかんないようなそんな恋愛をしていたころ(もはや恋愛とも呼べるのかが謎)を思い出し、未夜子の一時期を読み終えた後は、なんだかクスッと笑えた。
P92のL3
「未夜子は、淋しい。淋しいのだ。とてつもなく淋しい。淋しいという言葉は、口にしてしまった途端に、引き返すことができないくらいに淋しくなるような気がして、ずっと気付かないふりをしていた。でも本当は、息もうまくできないくらいに、未夜子はずっと淋しかったのだ。」
中でもここが最も好きな表現だった。
あえて寂しいという表現でなく、淋しいを使っていること。溢れ出すように何度も連呼してしまっていること。未夜子の心のうちが、抑えられない衝動的な淋しさを書き連ねているところがとても感情的で好きだった。
読み終えたあと、あとがきを読む前に、
これ、あとがきに旦那さんが出てくるだろなぁと思ってたらやっぱり出てきて愛くるしかった。
人類みな、いろんな出会いがありますよね、
素敵です。 -
購入済み
きっと学校で学生生活送ったことある人なら一度は経験し、巻き込み巻き込まれたことがあるんじゃないかと思うくらいの、物語の言葉を使うなら『無意識の悪意』。難しいよねぇ、と思った。直接的な攻撃に繋がらなくても、心のどこかでは嫌だなって思ったり、本人には言えないけどちょっと距離置きたいな、とか。成長過程では当たり前のような心情だと思ったがそれで深く傷つき、孤独の崖ぶちで生きているような子もいるわけで。小中高生にぜひ読んでみてほしい。
-
Posted by ブクログ
ずっと気になっていた作家さんのデビュー作との事で購入。
未夜子という子の初恋をして、そこからカミナリに打たれたような衝撃やそこから初恋ってそんな感覚だったなぁと思い出したり、でも未夜子というこの考え方が傍から見ると特殊なのかもしれないけど、わたしはそれがそんな考え方で来て面白い!とか思えたし、出てくる人物皆個性強めなんだけど、そんな考えもいいね!と思えてるのは今のわたしだからであって、この振り返るって事はあまり好きではなかったけど、良かったと思えたし、チレンさんの世界観がとても好きだなって思いました。
言葉の選び方とか情景を書いている並びとか、後書きでもやっぱり素敵!って思いました。 -
Posted by ブクログ
大好きな木爾チレンさんのデビュー作。
木爾チレンさんらしい作品。
主人公の未夜子は変わった女の子。
顔がいい男の子とばかり遊んできたが、″好き″という感情は生まれなかった。
しかしある日、亘という男の子に出会い、かみなりに撃たれた。
初恋だった。
好きで好きでたまらなくて。
でも好きだと言えなくて。
付き合えないけど離れたくなくて。
会えない時間も亘のことを忘れられなかった。
自分を好きでいてくれている人を好きになれれば、どんなに幸せなのだろう。
あんなに色んな男の子と遊んできた未夜子だったのに、こんなに1人の男の子を好きになるとは。
しかも苦しくても亘が頭から離れないほどに。
メールが来るとすぐに駆け寄ってしまう未夜子の気持ちが痛いくらいにわかった。
この作品の文章は変わっていて、読んでいて不思議な感覚になっていくのも面白かった。
変わっているけど読みやすくてすぐ読み終わってしまった。
木爾チレンさんの作品は癖になる。
あとがきに木爾チレンさんの気持ちが書かれていて、気持ちを知ることができて嬉しかったです!
p125恋なんて時間が経てば忘れるなんて言うけれど、それは忘れてるんじゃない。もし本当に忘れてしまうんだとしたら、それは恋じゃない。本当の恋だったら、死ぬまで忘れられるわけがない。
2025.9.19(金) -
Posted by ブクログ
ネタバレ最初は3人のオタクの子たちとは外見も何もかも正反対で、とても性格が良いけど実は性格悪くて裏で色々とされたからその逆恨みや嫉妬等で殺してしまったのだと思っていました。
3人の各エピソードと蛍のエピソードを読むにつれて、実は蛍にもとても辛い過去があって蛍にも復讐心があったことにすごく驚きました。
そして冒頭の「永遠の親友」というのが、蛍を殺した3人の皮肉かと思いきや、まさかの蛍として身代わりに自殺した栞が蛍に向けていたのを知って見事に騙されたのと同時に感動しました。
本来ならオタクの3人に対して不憫に思うかもしれないけど、私個人的には蛍に対して不憫だなと強く思ってしまいました。
あと栞と蛍の友情がとても素敵で好きになりました。
個人的にこの小説で感動するとは思わなかったので少々やられたなと感じちゃいました。 -
購入済み
夏だしタイトルに惹かれて試しに読んでみた
学生時代のあのきらめきと儚さで眩しい。経験したことがないはずなのにありありと想像できる描写の美しさもよかった
まぁオッサンになった今では眩しすぎる気がしないてもないが(笑)
続き読んでみようかな -
購入済み
みずみずしい夏の日々
冒頭作の「瑠璃色を着ていた」で、みずみずしい夏の日々を思い出した。作品のできあがりの善し悪しよりも、読者にそのような感情を起こさせる力がある作品だと感じた。人の生死をあえて絡ませずに、淡々と思い出を綴ったほうが良かったような気がする。
-
Posted by ブクログ
黒歴史シリーズ。『みんな蛍を殺したかった』がイヤミスとして独特の読後感で、また読みたくなって購入。
『みんな蛍を殺したかった』を読んでからこちらの作品を読むことを勧める。地続きでちょっとした関連があり、その部分の味が違ってくる。
周りにも自分にも絶望した人たちが、運命のいたずらとも言える縁に振り回されながら、希望を感じたり、また絶望したり。
誰かに助けてもらえるわけもなく、事態が好転する見込みも全くない中で、自分を冷静に俯瞰することで絶望的な状況を受け流そうとしたり、やり過ごそうとしたり、乗り越えている。その健気さに“がんばれ”とか“頑張ったね”と声をかけてあげたくなる愛おしさを感じた。
男性アイドルの推し活動や腐女子に関する部分が多く、女性だと違った感じ方をする本だと思う。
さあみなさん、今日も地獄の時間がやってきました
からの数ページは本当に救いがなく、嫌な気持ちになった。読者の心もどんどん氷になる。
結果的に死につながってしまった事件もあるが、“生きている限り希望がある”エンディング。絶望する氷織の世界の外からずっと声をかけ続けてくれた彼が、氷織にとってずっと救いの手だった。絶望する世界の中で生きるのではなく、いつでもその手を握って外へ出れば良かった。そういったところに著者のメッセージがあると思った。
本物の愛が詰まった心は、決して凍ったりしない。
ニュース速報のことを考えると、嫌な結末後を想像してしまう。助かってないかも・・・