木爾チレンのレビュー一覧
-
匿名
ネタバレ 無料版購入済み中学時代いじめにあっていたせいで高校に上がってからもぼっちの美心、積極的にいじめられてはいないけど友達のいない彼女に寄り添ってくれる人はいるのか?
-
Posted by ブクログ
ここ数年大注目の作家、木爾チレンさんの
夢中になって読みました。
教室で突如始まるデスゲームから目が離せませんでした!
とある女子高の卒業式の日。
「二人一組になってください。」
教師は”いじめ”の制裁として、デスゲームを開催することを高らかに宣言します。
二人一組になれずに余った生徒は失格となり、◯亡!というめちゃくちゃ理不尽な設定。
一度手を繋いだ相手とはペアを組めない、2人になるまでゲームは続く。
カースト上位の発言権を駆使して生き残り続ける一軍女子や、カースト下位に位置する三軍女子はなすすべなく余っていく様がとにかく残酷!
かと思えばカースト上位陣も次第に仲間割れが発生したり…
一体誰が生き残るのか?!と、ページがスイスイ進んでいきました。
失格となった際、生徒ごとに◯に方のバリエーションが豊富で、穏やかな◯を迎えることができる者もいますが、血を吐き苦しみ逝く者、上半身がバラバラになって◯ぬ者、中々過激なパターンもあり、ふぇえええ!と時節震え上がりながら読み進めました。
YouTubeを始めた一軍陽キャ、藤田ニコルに憧れるギャル、成績優秀な生徒会長、いじめについて深く悩んでいる隠キャ等々、クラスのほぼ全員にしっかりとフォーカスされていて、生徒が生徒を庇う展開や、積年の恨みがここ一番というところで復讐の機会が訪れたり、デスゲームの理不尽な展開に切なさを感じたり…
青春特有の人間関係の拗れが沢山あり、心が掻き乱されました。
「いじめ」に強くフォーカスを当てていて、積極的にいじめを行なっていなくても、見ないふりをしているだけでも、いじめられている側からすると「無意識の悪意」として感じ取られてしまうことの難しさがあるなとおもいました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ洗練された緻密な描写が美しい文章、というのがこの本の第一印象だった。比喩表現や緻密な情景描写はPostludeで多用され、第一楽章からは控えめであったように感じた。これはきっと、文章のテンポに緩急をつけて場面ごとの時間の流れを表現しているのだと思い、木爾チレンさんのこだわりを垣間見た気がした。(比喩表現の多用や緻密な描写は、物語をスローテンポにさせる傾向があると私は思っている。この感覚に共感してくれる方がいたら嬉しい。)
物語の前半で、ジグソーパズルのピースがはまりそうではまらない時ような、何とも言えないもどかしさと違和感を感じ、後半でそのピースが裏返っていたことに気付くような構成に惹かれた。
冴理と天音、それぞれの視点で物語の色がガラリと変わる面白い一冊だった。 -
Posted by ブクログ
6月にこれを読めたことが本当に奇跡
作家の木爾チレンさんといえば文学フリマでその存在を知り、実際に会ったこともサインをもらったことのある女性作家なのですが、びっくりするほど女性らしい可愛さのある方なんですよね。少女を追っている若さを求めた人ではなく、本当に少女を自身に閉じ込めた人なんじゃないかなと思うくらい作家木爾チレンなんですよね。だから作風を知った時に納得してしまい終始安心して読めたのが今作でした。
木爾チレンを知らない人は是非ここから読んでいただくこと強くお勧めしますし、今作はとにかく夏!夏に読んでいただきたいです。
正確に言ってしまえば私は6月が似合う作品だと思いました。前にも書いたことがあるのですが、6月はPride monthと言われ、性の多様性を考える時期ですが、今作もその傾向にあるお話かと思います。
ですが、それとは別に、紫陽花を見れる季節だからこそ楽しんでほしい。そして「夏の匂いがする」というタイトルに8月より6月のもう夏が始まる匂いと合わせて楽しんでいただきたいんです。
いろいろ含めても今作は6月が1番楽しめる作品なので是非この時期に合わせてほしいです。
木爾チレンの良さが詰まった文字通りの処女作を存分に浴びれます。この夏を少し涼しくしてくれる良い物語です。 -
Posted by ブクログ
シリアルキラーアンソロジー。なんとまあ危険な本です。そしてとても楽しい本。
お気に入りは阿津川辰海「シリアルキラーVS殺し屋」。どっちもどっちな、とんでもなくスリリングで息詰まる対決です。ふたりの間で命を懸けて繰り広げられるゲームとその顛末には、ぞくぞくわくわくしっぱなしでした。
木爾チレン「脳JILL」は、恐ろしくも悲哀を感じてしまった物語です。シリアルキラーには間違いないけれど、そういう言葉で片づけてしまうのはなんとも……やりきれない思いが残りました。
櫛木理宇「テキストブック・キラー」、くわがきあゆ「私の伴侶」、結城真一郎「ご乗車の際は」と、どれもこれも傑作。とにかくやばい人物が多すぎるー! という印象です。もうこれはフィクションだからこそ楽しめる、あまりに贅沢な背徳でしょうね。