あらすじ
顔が良ければ誰でもあり。時に九人と付き合っていた未夜子は大学構内で風変わりな男の子・亘を見かける。その瞬間、「無意識」は恋に侵された。衝動のまま亘との距離を縮めていくが、彼女にはなれず関係も途切れ……。疼き続ける恋心に惑う未夜子が、終わらない初恋を終わらせるため向かった先は――。「好きの代償」を描く衝撃のデビュー作。
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Posted by ブクログ
恋とは無意識に支配されることなのだと思う。
かみなりにうたれるのは怖いけど、かみなりの光は綺麗だと思う。あの衝撃を私が受けたようにあなたにも受けて欲しいのに、わたしはかみなりでなく静電気。パチッとなるだけ。目には見えないし、ほんの少し触れ合うことでしか感じられない。人を好きになるのは痛みも感じるのだ。
初めての恋。ただひたすら突っ走る未夜子。頭も弱く顔しか取り柄もないけれど、そんな姿がとても愛おしい。
Posted by ブクログ
不思議な本だった。
チレンさんを知ってから単行本を探したけどなくて,,,
やっと読めることが嬉しかったです。
これがデビュー作だなんてすごい!
そして原点はやはり美少女。
あとがきもすごく良かったです。
Posted by ブクログ
読んでいる途中から気づいたのだが、これはチレンさんがとにかく自分の内面にあるドロリとした衝動を書かずにはいられず、それによって産み落とされた作品なのではないかということだ。
変わった女の子の物語でどうしても最初は馴染めなかったが、中盤からなぜか浮遊感のようなものを感じ始め、もう止まらなかった。心象描写は理解できないものも多く、あまりに変だと感じつつも、そう考えるのかと違いを受け入れていく自分もいて、これはマズイと実感したりと心が落ち着かない。なるほど、、、気持ちの乗っかった強い念のような物語だ。
Posted by ブクログ
読みやすく、スッと受け止めることができた。
表紙やあらすじからは想像できないような
言葉巧みに未夜子の脳内を鮮明に表現した小説だった。
ここまで考えていなかったが、
自らも思春期のころ、未夜子のように物事を捉え、
悲観し、ワタシは他の人とは違う何かがおかしい子と
思っていた時期もあったなぁと懐かしくも感じた。
甘酸っぱい、これが恋とか愛とかよくわかんないようなそんな恋愛をしていたころ(もはや恋愛とも呼べるのかが謎)を思い出し、未夜子の一時期を読み終えた後は、なんだかクスッと笑えた。
P92のL3
「未夜子は、淋しい。淋しいのだ。とてつもなく淋しい。淋しいという言葉は、口にしてしまった途端に、引き返すことができないくらいに淋しくなるような気がして、ずっと気付かないふりをしていた。でも本当は、息もうまくできないくらいに、未夜子はずっと淋しかったのだ。」
中でもここが最も好きな表現だった。
あえて寂しいという表現でなく、淋しいを使っていること。溢れ出すように何度も連呼してしまっていること。未夜子の心のうちが、抑えられない衝動的な淋しさを書き連ねているところがとても感情的で好きだった。
読み終えたあと、あとがきを読む前に、
これ、あとがきに旦那さんが出てくるだろなぁと思ってたらやっぱり出てきて愛くるしかった。
人類みな、いろんな出会いがありますよね、
素敵です。
Posted by ブクログ
「二人一組になってください」の
木爾チレンさんのデビュー作がようやくの文庫化。
「電気」がタイトルに冠されているからか、
電気ブランをなんとなく思い浮かべながら読んだ。
どこか酩酊感のある、
早いうちに道は踏み外しているのだけれど、
そこからなぜか歩みが進んでいくという
不思議な読書空間。
単行本からはかなり削られた描写もあるということで。
デビュー時の感性を正面から受けるのも一興だけれど。
文庫版くらいが広く読みやすく編集されている感があります。
Posted by ブクログ
ずっと気になっていた作家さんのデビュー作との事で購入。
未夜子という子の初恋をして、そこからカミナリに打たれたような衝撃やそこから初恋ってそんな感覚だったなぁと思い出したり、でも未夜子というこの考え方が傍から見ると特殊なのかもしれないけど、わたしはそれがそんな考え方で来て面白い!とか思えたし、出てくる人物皆個性強めなんだけど、そんな考えもいいね!と思えてるのは今のわたしだからであって、この振り返るって事はあまり好きではなかったけど、良かったと思えたし、チレンさんの世界観がとても好きだなって思いました。
言葉の選び方とか情景を書いている並びとか、後書きでもやっぱり素敵!って思いました。
Posted by ブクログ
読んでいる時は、チレンさんらしいフワフワした感覚。
「静電気」「無意識」「未夜子」全ての言葉がキーワードになっていて、これがデビュー作と思うとすごい才能だと思います。
Posted by ブクログ
仄暗い輝き、きらめき。そんなものを感じながら読んだ。女子高生、女子大生の時代のすごくリアルな恋とか気持ち。私自身も、全然違うと思いながら同じような経験があるからだろうか。
とにかくうわぁ、素敵。すごい。と思う表現がいっぱい。そして文庫版あとがきも読み応えあり。
主人公をついついチレン先生ご本人のビジュアルをイメージして読んでいたけれど、間違いではないんだろうなぁと思った。
Posted by ブクログ
大好きな木爾チレンさんのデビュー作。
木爾チレンさんらしい作品。
主人公の未夜子は変わった女の子。
顔がいい男の子とばかり遊んできたが、″好き″という感情は生まれなかった。
しかしある日、亘という男の子に出会い、かみなりに撃たれた。
初恋だった。
好きで好きでたまらなくて。
でも好きだと言えなくて。
付き合えないけど離れたくなくて。
会えない時間も亘のことを忘れられなかった。
自分を好きでいてくれている人を好きになれれば、どんなに幸せなのだろう。
あんなに色んな男の子と遊んできた未夜子だったのに、こんなに1人の男の子を好きになるとは。
しかも苦しくても亘が頭から離れないほどに。
メールが来るとすぐに駆け寄ってしまう未夜子の気持ちが痛いくらいにわかった。
この作品の文章は変わっていて、読んでいて不思議な感覚になっていくのも面白かった。
変わっているけど読みやすくてすぐ読み終わってしまった。
木爾チレンさんの作品は癖になる。
あとがきに木爾チレンさんの気持ちが書かれていて、気持ちを知ることができて嬉しかったです!
p125恋なんて時間が経てば忘れるなんて言うけれど、それは忘れてるんじゃない。もし本当に忘れてしまうんだとしたら、それは恋じゃない。本当の恋だったら、死ぬまで忘れられるわけがない。
2025.9.19(金)
Posted by ブクログ
無意識に落ちた恋は未夜子にとって苦しいもので、亘は未夜子で未夜子は洋で、それぞれの気持ちが上手くいかない。無意識に嫌いになれたら楽なのに、それも難しい。亘によって初めて呼ばれた未夜子、名前の由来を考えてくれ、未来の夜って意味だと言われ初恋が終われそうな予感で終わり、未来が明るい感じで良かった。