木爾チレンのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ言わんとしてることはわかる、伝えたいメッセージもわかる。積極的にしてなくてもいじめはいじめだよねみたいな話。
わかるんだけども、やけに死の描写に凝ってるところとか、スクールカーストを押し出しててそれなりにクラス全員キャラ立ちしてる感じとか、節々にメディア化めっちゃ狙ってるんだろうな〜という感じが出てる気がしてしまった。そもそもデスゲーム自体やっぱり現実味がなさすぎて、個人的には実は今までの出来事は全て仮想空間なりの非現実で起きていて、「…という夢でした。みなさんこうならないためにも卒業してからは心を入れ替えてくださいね」的な夢オチ全員生存エンドの方がまだ納得できた気がする。。。 -
Posted by ブクログ
初めての作家さんということで読んでみました。
人間の光と闇を、二人の人間を通して描き、最後に考えさせる。そんな小説でした。
「才能」を職業にした人特有の悩み、とでも言うのでしょうか。
自分よりもいいものが書ける。
自分よりも売れている。
自分よりも評価されている。
視野が狭くなる分、比較の対象は自分に近い立場で、なおかつ目立った人間になりがちです。
その才能以外に「自分のほうが勝っている」と思えるものがあれば、まだそこに逃げられるのかもしれません。
でも、それさえもないと八方ふさがりになってしまう。
特に、後から出てきた人間に軽々と自分を追い越された時の悔しさたるや。
努力だけではどうにもならない。
自分ではどうすることもできない。
そうなったら、もう世界を恨むしかないでしょう。
そんな苦しさを抱えているのが、主人公・東山冴理です。
そして、冴理を脅かす存在として描かれているのが白川天音。
冴理の視点から彼女を見ると、フランス人形のような容姿で、小説家としても才能あふれる新人作家。
彼女が文壇に登場してから、冴理の精神は次第に蝕まれていきます。
しかし、天音は冴理が考えているような人間ではなく……。
この二人を見ていると、プライド問題は人間の最大の敵だな、と思います。
誤解、すれ違い、思い込み。
それらを重症化させるのは、全部プライド。
どちらかが本音を言えていれば、お互いにここまで傷つくこともなく、違ったラストになっていたのではないでしょうか。
一人称の語り口なので、文章自体はライトに読めます。
でも、侮れません。
「えっ? こっちに行っちゃう?」
そんなふうに思わされる人間関係の意外性があり、ちょっとした驚きを何度か経験しました。
そして、作中にこんなフレーズが登場します。
「彼女は、生まれ持って、神に愛されていたのにね」
神って、何なんでしょうね。
才能なのか。
容姿なのか。
運なのか。
それとも、本人には見えない何かなのか。
そんなことを考えながら、読み終えました。 -
Posted by ブクログ
表紙は女子高生二人が手をつないでいるイラスト。帯には「卒業式直前のデスゲーム」「令和のバトルロワイヤル」とあり、小5の娘の友だち関係が気になり始めたこともあって、女子同士の関係性を描いた話だと思い手に取った。
「デスゲーム」「バトルロワイヤル」は比喩表現だろうと思って読み始めたら、実際に“デスゲーム”が行われる話だった。
こうした非現実的でゲーム性の強い展開はあまり得意ではないが、時々耳にする「1軍・2軍」といった言葉や、今の女子高生の友だち関係を覗くような視点で読むと、その点では興味深かった。
自分の中高生時代を振り返ると、確かにカーストのようなものはあった気もする。私は本を読んだり勉強するのが比較的好きで、いつも一緒にいる親友がいたとも言えず、あえて一人でいることもあった。遊びの誘いも気分で断ることが多く、これでいうと「3軍」なのかもしれない。ただ、そもそも当時のクラスに明確な1軍・2軍が存在していたのかもよく分からない。
中学は小学校からの持ち上がり、高校は国立大学を目指すクラスだったので、この物語のような環境とは違っていたのかもしれない。今書きながら思うのは、昔の自分は今以上に協調性に欠けていたのではないか、ということだ。
「いじめ」に関しても、当時はそうしたアンテナが鈍く、はっきり思い出せる記憶がない。無自覚な加害者だったことも、被害者だったこともあったのかもしれない。ケンカをしてその日だけ話さなかったり、苦手なクラスメートがいたりはしたが、無視や物理的な嫌がらせはしなかった。本当にそうした行為をする人がいるという事実は、今でも信じがたい。
振り返ると、漫画や本、ドラマや映画を楽しみ、スヌーピーグッズを集め、受験勉強や部活もしていたら、そんなことに時間を割く余裕はなかったようにも思う。
それでも、「いじめ」が社会問題であり続けている以上、娘がいつ巻き込まれる側になるかは分からない。そう考えるきっかけになったという点では、読んでよかったと思う。 -
Posted by ブクログ
女子校、スクールカースト、いじめ、デスゲーム。
いじめは、人を殺す。
だから、首謀者も、意思に関わらず加担している者も、なにもしないでいる者も、等しく死刑だと。
めちゃくちゃ映像化されそうだなと思いながら読んだ。
ストーリー展開は、想像の範囲を超えてこない。
そして、それぞれの心のうちも、知っている感情ばかりだ。
だからこそ、
思い返さずにいられない。
多かれ少なかれ、大なり小なり、皆誰かの立場で経験したことがあると思う。
きっと、私も死刑なのだろう。
学生時代をやり直せたら、私はどんな行動をとるのだろうか。
社会に出ても結局同じことだ。
いつでもどこでも目に見えないいじめはある。
これから私はどんな行動をとれるだろうか。