木爾チレンのレビュー一覧

  • みんな蛍を殺したかった
    面白かった。容姿、家族、恋人、才能。
    隣の芝生は青いなんて言うけど、一歩踏み込むと真実なんてわからないというのが、イヤミスの形で存分に表現されていた。人を羨ましく思う心は、自身が満たされないからこそ起きる感情なのだと思った。

    読み進めるごとに話の構造が複雑になるが、それを感じないほどわかりやすく、...続きを読む
  • みんな蛍を殺したかった
    転校してきた美少女・蛍。その彼女がなぜかオタクの巣窟・生物部に入部してきた。そして、ある日突然、蛍は線路に飛び込み自殺してしまう。

    3人とオタクと謎の美少女。後半は伏線の回収に費やされ、謎がすべて明かされるけど、あまりにもつながりすぎてリアルさがない。

    ラストもそうだけど、やりすぎだし、蛍は個人...続きを読む
  • 私はだんだん氷になった
    心の奥底に隠していた少女達の闇を暴き出す黒歴史ミステリ。

    これは相当エグい。

    主人公は容姿端麗な女子高生・絢城氷織。
    名の知れた登山家だった最愛の父が遭難死した事で彼女の人生の歯車が狂い出す。

    転入した高校での壮絶なイジメ、母の再婚相手からの性的虐待。

    唯一の生き甲斐はアイドル・炭也の推し活...続きを読む
  • みんな蛍を殺したかった
    悪意に満ちた作品。
    文中から澱んだ空気が溢れ出し胸が悪くなるがリーダビリティの高さと先が気になる展開で一気読み。

    五十嵐雪、大川桜、猫井栞、スクールカースト底辺のオタク女子VS美少女・七瀬蛍の水面下のバトルが描かれる。

    東京から転校して来た蛍。
    三人が所属する名ばかりの生物部に入部し、絆を深めて...続きを読む
  • 私はだんだん氷になった
    最愛の父を亡くし、学校では虐められ、義父に性的被害を受けて心の拠りどころがないという描写をしっかり描いているので、アイドルの「なりきり」だと分かっているのに依存してしまう突拍子もない展開も納得してしまいます。結構リアルな危うさだと感じました。
    ネット社会やSNSを題材にしたミステリ的趣向は今となって...続きを読む
  • 私はだんだん氷になった
    え…これ出版していいの?笑。フィクションで、創作だとしても、ちょっと際どいというかアウトじゃないでしょうか。。。苦笑。
    まんま現在活動休止中の某Jの国民的アイドルのNですよね、、モデル。
    アイドルをモデルにするのはいいと思うんだけどその結婚相手までまんまなんだけど。元美人アナウンサーっていう設定もア...続きを読む
  • 私はだんだん氷になった
    ある理由で声を発せなくなってしまった氷織、
    そんな氷織の心を優しく溶かしてくれたのがあるアイドルの存在・・・しかし・・・。
    最初は”推し活”や、”なりきり”といった世界が未知だった私は戸惑いと驚きがありました。
    登場人物が様々な闇(氷)をかかえており、読んでいて苦しくなりつつも、
    それぞれの最後には...続きを読む
  • 私はだんだん氷になった
    推しにのめり込む女性の心情を巧みに描いているように感じました。推しにのめり込む作品ですと、「推し、燃ゆ。」などが有名ですが、本作はもっとニッチで現代的な作品であると感じました。

    主人公はとある女子高生で、些細なきっかけから仲良くなった、推しのアイドルのなりきりをしている人に恋するという、稀有な設定...続きを読む
  • 私はだんだん氷になった
    2022/09/22リクエスト 1

    同じ名前がいくつが出てきて、例のごとく途中から混乱して、相関図的なものを書いて読んだ。

    氷織の父は、エベレスト登頂間際で凍死した。学校でいじめを受け、家で義父に性的暴力を受ける。
    氷織の生き甲斐はアイドル・四宮炭也の推し活。
    コロナで?ライブが中止になったこと...続きを読む
  • みんな蛍を殺したかった
    びっくりするような展開にはならなかったけど、読んでいて黒いドロドロした闇が広がっていくような感覚に陥る。
    人生って結局うまくいかないのか?という嫌な気持ちを最後の最後で少しだけホッとさせてくれるのが救い。人って怖い。
  • みんな蛍を殺したかった
    タイトル、表紙を見て読んだ。
    スクールカーストものだと思っていたけど、全然違う復讐の話だった。

    展開がどうなっていくのか気になり読む手が止まらなかった。最後らへんは顔を歪ませながら読んでいた。
    ミステリーとして伏線回収がすごいし、面白いが、内容が辛く悲し過ぎる。

    後味はあんまり良くない小説だった...続きを読む
  • みんな蛍を殺したかった
    スクールカーストという言葉は僕の時代は無かったけれど、どの世代でも必ずある人としての優劣で引かれる線引き。その優劣というのが学校という単位だと、見た目が最大の要因になる事は明白です。見目麗しければとりあえず第一関門はトップ通過。ぶさいくは相当な武器が無いとどうにもならない世界です。本当に学校って嫌い...続きを読む
  • みんな蛍を殺したかった

    展開が気になり、序盤からテンポよく読み進められました。後半はただただ不気味。

    大どんでん返し!というかんじではありませんでしたが、おもしろかったです。
  • みんな蛍を殺したかった
    嫉妬による殺意。
    想像するだけなら、きっと誰にでもあると思う。
    が、真相はひどい。
    ここからネタバレ注意。
    蛍の話は、
    柊木沢エルという作家が、蛍の産みの親。
    妹に刺殺されたのは育ての母親。
    栞の話は、
    栞の義理の母親は柊木沢エル。
    栞は、蛍が好きで本当の親友と思っていた。
    蛍になり代わって線路に飛...続きを読む
  • みんな蛍を殺したかった
    スクールカーストで底辺とされていた3人とも、なんでこんなに不幸になるの?
    蛍が憎む「オタク」だから?
    何かと「オタク」「キモオタ」のせいになっていて、2007年ってこんな風潮だったっけ?登場人物みんなどうかしていると思う。
    蛍も最初から不自然でおかしいし、永遠の親友になった栞もおかしい。
    イヤミス通...続きを読む
  • Just Be Friends.
    大好きな曲が題材の本だったので買いました。

    好きだけど、別れなかればいけない事もあるのですね。

    住む世界の違う者同士は、お互い思ってる事や価値観、考え方も異なる。
    お互いの擦り合わせだけでは、どうしても埋まらないものもあると思うと、たまらなく寂しい気持ちになりました。
  • 静電気と、未夜子の無意識。
    「未夜子って、10代だっけ、20代だっけ」というのが読んだ後の感想。10代の戸惑いも、20代のどっしりさも未夜子は持っている。わたしも、「君たち」ととろけるような恋愛をしたかった。どろどろで透明な夜を、いつか過ごせますように。
  • 静電気と、未夜子の無意識。
    セックスしたくなる。
    未夜子メンヘラビッチで電波女だけど、人を好きな時ってあんな感じだよねって思った。あまりに未夜子が亘亘言うもんだから、よくわからないけど私もなんだか亘が笑ってる描写があると幸せな気持ちがして、未夜子乗り移ったみたくなった。メンヘラ絶頂の学生時代とかなら、もっとハマったかも。もう大...続きを読む
  • 静電気と、未夜子の無意識。
    未夜子にとって、亘は恋してしまった相手だとして、死んでしまった金魚掬いの金魚達って何だったんだろう?誰かに掬ってもらいたかった、心の奥底の気持ち?その気持ちが無くなって、埋葬して、自立?したってことかな。