木爾チレンのレビュー一覧
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これは小説家だからこそ書ける小説なのかも。小説家としての苦しい思いを知っている人だからこそ…というのが第一の感想だった。
自分の才能を信じること、そして他人の才能に嫉妬すること。芸術やエンタメの世界に生きる人なら、同じように感じたことのある人は多いのかもしれない。
主人公の冴理は、若くして賞を獲得して小説家としての道を歩み始めたが、同じ高校の文芸サークルの後輩にあたる天音が小説家として華々しくデビューしてから彼女と関わったことがきっかけで突然筆を折り、以来小説を書くことはないまま60代を迎えた。
そんな冴理の元を、とある編集者が訪ねてくる。「もう一度小説を書いてくれませんか」と。
冴理はその -
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ネタバレ『カエル男』ロスによって生気を失ってしまった私が新たなシリアルキラーとの邂逅を果たすために本書を手に取った。
そこでいま一度考えたのだ。そもそもシリアルキラーの定義ってなんなんだろう?
私個人が思うに、犯人の最終目的が「殺人」ではないことなのかなと。あくまでも結果的に「殺人」になっちゃうだけで。だから殺人に至る論理としては理解できなくもないんだよなー。でも「殺人」のことをなんとも思ってない当たりは全員に共通しておかしなところだから当然常人には理解されないんだけども。
そんなイカれた連中が5名の作家さんによって命を吹き込まれ、多種多様なそれぞれの目的のために殺人を犯す。たまらんね。
いくつか途 -
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ネタバレ京都の女子高で卒業式の日に始まったデスゲーム。生徒が2人一組になり、余ったら「失格」。最後の1人か2人になるまで続く…。
27人全員のエピソードが語られていく。カーストがあり、カースト内のグループがあり、更にその中の関係性もある。
自分が学生時代のとき、こんなに順位が明確だったかな?と思い返したけどよくわからなかった。
コサージュの仕組みと、それぞれの死に方。そして教師になった花恋がなぜまたゲームを開始したのか。
よくわからないところはあったけど、美心と留津の親友になったエピソードがよかったのと、個性的な生徒とその名前がよかった。
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飲む・食す、フルコースの7つの短編集
涼しげな水色が綺麗な装丁で、
見返しや遊び紙の薄紫も美しい
単行本では珍しく、著者による解説(飲み方)
が最後に載っている
「飲み方」という表現に遊び心もあり、
細部までこだわりを感じる
こういう個性的な本は大好きだ
解説にはネタバレがないので、
食前・食後どちらで読んでも楽しめる
ぼくは1編読むごとにその作品の解説を飲んだ
この読み方のほうが作品の
解像度も上がるのでオススメです
解説を飲むと、著者の小説家としての
軌跡も少し垣間見れた気がした
また、このタイトルや本書自体が、
著者の作品に対する「鎮魂歌」のようにも思えた
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ネタバレ小説家としての苦労がこの本を通して伝わった。自分の書いた文章が評価され、人と比較されるのは想像よりも相当プレッシャーになるはず。
天音が冴理に近づくために小説家になり、思ったより自分が書く小説が世間に需要があると知るところが印象的だった。冴理が若い頃「神に愛された特別な才能がある」と自負していて、賞を取ったり小説家として食べていけたということは実際にその才能はあったんだろう。けど、天音はそんなことどうでもよくて、自分の才能に気づいていないのか興味がないのか…その才能と言われるものはたまたま今の世界の需要であるだけだと考えているのが、若い時の冴理と自分を重ねて天音に嫉妬してしまった。あそこまで人 -
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昔から、いわゆる純文学というジャンルの本は合う合わないが結構激しくでてて。
村上春樹は好きだけど吉本ばななはちょっと、みたいな。
著者の本は初めてで、完全にタイトルとジャケ買い。
読み始めてすぐから「あー純文学か」とはなったけど、思いの外ストライクでとっても面白かった。
「雨」に関してもでしょうね、だったし、いやコミュニケーションの問題、とかも正直思ったけど。
思ったけどそういうのではなくて、それぞれの視点からの内面の描写がとても丁寧に描かれていてすっと感情移入ができた。
あと全体通してこの小説の空気感とても好き。好きだしもしかしたら作家という職業はこういうタイプなんかなとも思ったり。
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シリアルキラー目線短編集。読み心地は悪いですが、読み応えアリ、面白かったです。殺人も強姦も色々盛りだくさんなので、小学校NG。
阿津川辰海「シリアルキラーvs.殺し屋 」
カメラマン兼殺し屋の俺の今回のターゲットは体はでかいが人畜無害そうな男。しかし、気付くと俺はヤツの家の地下に裸で拘束されていた。
木爾チレン「脳JILL」
その女子高生は自殺幇助や教唆、殺人で逮捕され、供述を取られている。音の依存症になったらしい。最初はUFOキャッチャーで景品落ちる音。そのうち音の欲求はエスカレートして…。
櫛木理宇「テキストブック・キラー」
眞悟は父親に虐待され育ち、どうやらその影響で脳が性格を変えたらし -
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「二人一組になってください」
わたしもこの号令が学生時代ずっと苦手だった。
1人になった記憶は無いが、そうならないように、友達を取られないように急いで必死に友達のところに駆けて行った記憶がある。
スクールカーストを取り上げた話だったので、とても気になってこの本を手に取った。
わたしが学生時代にも、みんな口には出さないがスクールカーストがあったからだ。
「無自覚の悪意」
目に見えにくいイジメは、中々無くならない。
無自覚の悪意ほどタチの悪いものは無いのかもしれない。
二人一組になるのは、仲良い者同士で二人一組にしてくれる先生の酷な配慮は不要で、先生が適当に二人一組を指定して欲しい。
そし -
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ネタバレ少女の痛みは追想・想像の中でしかわからないが、無から何かを生み出す行為については激しく同感。文学いや小説に限らず、魂を削って綴られた表現物には、色褪せることのない輝きがある。
ある種、出せなかった手紙を見てしまったような構成に、時間も行ったり来たり。京都、東京、大阪の三都、沙理、天音、茉莉の三角関係、父と母との関係、シャープとの関係、さまざまな三角が交錯し、心に突き刺さる。モーツァルトとサリエリと神(または音楽)、ここに三角があった。
光と影、明と暗の対の物語とも読めるが、その間にも暗い明かりもあれば明るい影もあり、それが救済になっているかと思った。