木爾チレンのレビュー一覧
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「二人一組になってください」とか「好きな人同士で班をつくってください」とか、先生たちってなんであんな残酷なことを普通に言うんだろうね。
あまったら先生と組むか、「この班に入れてあげてくれない?」とか、あまった子のプライドズッタズタにする結果にしかならないのに。
…とまぁ、久々になんとも言えない心のゾワゾワ感が蘇った。
自分の学生時代を振り返れば、一軍だったことも三軍の底辺だったこともある。
私にも『無自覚の悪意』があったなと今更ながら反省しつつ、本当は頭のどこかで自覚していただろうと解っていたりする。
こんなことを言ったら叩かれるんだろうなと思うけど、イジメもスクールカーストもなくなること -
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初の木爾チレン作品。数ある作品の中で、一番内容が惹かれた本書を、初めて読む作品として選びました❗️
恋愛の付き合い始めてちょっと不安な気持ちとか、恋愛末期のお互いにどうにもならない気持ちとかを、とても素直に哀しく描写していて、大きな印象が残った訳ではないけれども、率直に読んで良かったと思える作品でした❗️
読者の年齢や今自分が置かれている状況によって、支持したくなる作品は変わると思います。また結構リアルな性描写があるので、人によって好みが大きく分かれる作品かなぁとも考えます。個人的には、後半の作品になるにつれ、好感度が上がった短編集でした❗️
好きな話しは、『梅酒と眠る』、『生きる薬』、 -
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あなたは、両親が自分のことをこんな風に言っているのを耳にしたらどう思うでしょうか?
『○○なんか、つくらなきゃよかった…』
子どもにとって両親は絶対的な存在です。身近にいる唯一の大人とも言える存在が自分のことをどんな風に考えているのか、これは切実な問題です。一方で両親の側は特に家の中では油断しがちです。目の前に子どもの姿がなければ、ついつい余計なひと言を口にしてしまう…そんなこともあるように思います。
とは言え、上記したような『つくらなきゃよかった』というひと言は問題発言ですし、そもそも表現として生々しすぎるように感じます。こんな会話を子どもが耳にしたらと考えると恐ろしくもなります。
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ネタバレ一気読みした。おもしろい。
東山冴理パートを読みながらも、そういうことなんだろなぁと勘付かせるようないろいろはあって、ということは語り手である冴理も薄々思ってはいたんだろうにな。
私にも人生を変えてくれたと思うような存在はあるけど、外側から見たら歪んだように見える愛とか崇拝とかを持てることはある意味羨ましく感じる。
だいぶピュアじゃないと無理だもん。
ここに出てくるふたりが書いた作品、めちゃくちゃ読みたいな。
あと内容には関係ないんだけど、誤植がちょいちょいあって気になった。粗削りだな、そういう意図か?と思ったけど違うよなきっと。 -
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阿津川辰海、木爾チレン、櫛木理宇、くわがきあゆ、結城真一郎『シリアルキラーアンソロジー 人殺し日和』双葉文庫。
5人の作家による完全新作の5編を収録したアンソロジー。
1980年代から2000年代に掛けては、シリアルキラー物の翻訳ミステリーが多数刊行された。ハヤカワ文庫だけでなく、扶桑社ミステリー、新潮文庫、角川文庫、講談社文庫などから面白い作品が毎月のように刊行されていた。当時は、ローレンス・サンダース、ジョナサン・ケラーマン、ロバート・R・ウォーカー、トマス・ハリスなど名だたる作家の作品を読んでいた。知っている人には当然のことと思うだろうが、マイクル・コナリーの『ハリー・ボッシュ』シリ -
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あなたは、『悲しい』と『哀しい』の違いを説明できるでしょうか?
どちらも”かなしい”と読む二つの言葉。”悲しい”は一般的な悲しみを表し、”哀しい”は”哀れ”や”しみじみとした情感”を伴う哀しみを表す際に使われることが多い、と使い分けが説明されるこれら二つの言葉ですが、『哀』という字にはそれだけでどこか悲壮感を感じるところがあります。
『哀しみを吐き出したかった』
『哀しみから逃れたかった』
『死にたいほどに哀しくなった』
そこにはどれほどの思いがこもっているのか、『哀』という漢字の力もあって情景が演出されてもいきます。
さてここに、「哀を飲む」というどこか物哀しさ漂う物語があ -
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木爾チレンさん感、満載の短編集!
飲み物のフルコース!!
『コーラの泡』と『生きる薬』が好きだったなあ。
全体的にメンヘラ女子のお話で、
自分のことを心配してもらうために、わざと連絡を返さなかったり。
寂しくて男にのめり込んでしまい、『この人がいないと私が生きる意味がない』というような姿が描かれていて、面白かった。
1番最後に書かれている「この短編集の飲み方」は、最初に読んでも最後に読んでも良いというので悩んだけれど、私は最後に読んだ。
それぞれの話への木爾チレンさんの気持ちが書いてあって良かった。
作家さんのこうゆう気持ちを知れるのがとても嬉しい。
ーーあまりにも他の感覚が消えて、唇 -
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おもろい!理解できない狂気っぷりに吸い込まれること必至 #シリアルキラーアンソロジー #人殺し日和
■きっと読みたくなるレビュー
いま脂がのりまくってるミステリー作家先生たちによる、シリアルキラーアンソロジーです。
なんちゅう題材でアンソロジー作品集にするんだっつー感じですが、実は発売を心待ちにしてました。だってメンバーが豪華すぎるんだもん。なにせ作家先生ごとの強みや特徴もそれぞれ違うから、このメンバーがどんなシリアルキラーものを描くのか気になって気になって。
いやー、みなさん想像以上の素晴らしい出来栄えで楽しかった~。もうサイコパスの目白押しですよ! もっとも狂ったシリアルキラーだった