木爾チレンのレビュー一覧
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面白かったのは、各作家が描く殺人鬼たちが、それぞれ**自分の信念や“筋”**を持っているところ。
ただそれは立派な「ルール」というより、自分を正当化するための言い訳にも見えて、その危うさが怖かった。
怪物になりきれないからこそ、言葉で理屈を作って“人間の形”を保とうとする――でもその理屈が、狂気を長持ちさせてしまう感じがある。
そして何より、怪物がふと見せる人間性を感じた瞬間に、「これは特別な誰かの話じゃなく、誰でもなり得るのかもしれない」と思ってしまう。その距離の近さがいちばん恐ろしかった。
改めて、シリアルキラーという題材はアンソロジーとの親和性が高いと思った。怖さの種類が作家ごとに変わる -
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ネタバレ卒業式当日朝のデスゲーム。
二人一組になって手を繋げないと、死ぬ。
最後まで残るのは、誰か。
女子のスクールカーストについては全く分からないけれど、生々しく描かれていて、デスゲームそのものと同じくらいゾッとした。
自分もいるとしたら三軍だろうなあ。1日のほとんどを過ごす教室の中で明確に蔑まれて暮らすなんて耐えられない…。
物語はとても読ませる力があり、一気に読んでしまった。一人一人、死んでしまう生徒の交友関係や内面、それぞれが持っているしんどい部分を描いてあって、「そういう子なんだ」と分かったところで死んでしまう。
共感できる子、「やっと居場所が得られたんだね」と愛おしく思う子もみんな死ん -
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題名に惹かれて購入。
サイコパスが必ず物語に登場する短編集。どのサイコパスも新たな欲求に目覚めるきっかけだったり数字へのこだわりみたいなのが強く出ていて共感は出来ないがきっかけは突然起こることもあるんだなと思い、誰にでもきっかけはあると思うと怖かった。
どれもそれぞれの著者の良さがあり良かったが、木爾チレンさんとくわがきあゆさんの短編集が良かった。
⭐︎木爾チレンさん 『脳JILL』より
「欲求というものは、一度、上を知ってしまうと、もうそれ以下では満足できなくなるんです。」
→本当にそうだなと共感。上を求めればキリがないないし終わりがないなと思った。
⭐︎くわがきあゆさん 『私の伴侶』より
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「小説推理」に掲載された4編と結城真一郎氏の書き下ろし。
人気作家の人殺し(*☻-☻*)
「シリアルキラー vs 殺し屋」阿津川辰海
派手な対決ものに見えるのに、
「技術」と「倫理」の差だったり。
やっぱりプロはプロ。といったところでしょうか。
「脳JILL」 木爾 チレン
チレンさんぽさを安心して味わえる“人殺し”
という感じがします。
この文体の軽妙さと心理の深さの
高低差が魅力。
「テキストブックキラー」櫛木理宇
短編なのにハッとしてグッとくるなあと思ったら 櫛木さんでした。
“殺人”書いたら際立つものがあります。
「私の伴侶」くわがきあゆ
自殺の名所の崖の上。
止められぬなら落 -
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いじめについて、クラスのカーストについて
なるほど、この視点があったか‥というような内容で、その制裁デスゲームが面白かった。
皆、あり得ない方法で死んでいくのが無理矢理感はあったけど、そこはフィクションということで。
確かにいじめとは、直接的なものだけではなく、その人の存在自体をないものにする、無視する、というのも見えにくいが、いじめだと思う。
その残酷さ、クラスの人間関係のヒリヒリした感じが伝わってきて胸が痛かった。
後半は人間関係がそこでそう繋がるのか‥というような伏線回収的な内容もあり、カーストピラミッドや前半の内容を確認しながら読んだ。
現実におこっているだろう事と、あり得ない -
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【女子高生の毒々しさ】
初めは登場人物の名前が並んだ名簿があり、こんなに覚えられるかな〜と心配して読み始めたが、結局は一気に読んでしまった。
女子高生独特の……毒々しさ、残酷さがコレでもかというほど描かれている。普段、仕事で高校生と接しているが、こういうことは教室の至るところで発生しているのだ。
この本をオススメしたいかという視点で考えると悩んでしまうが、イジメというものが当事者にとってどのようなものであるかを知って欲しいという点においては読んで欲しいとは思う気もする。
気が合う、合わないはあっても良いし、嫌いな人もいても良い。ただ相手を攻撃はしないでほしい……と常々思っていたのだが、