木爾チレンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
昔から、いわゆる純文学というジャンルの本は合う合わないが結構激しくでてて。
村上春樹は好きだけど吉本ばななはちょっと、みたいな。
著者の本は初めてで、完全にタイトルとジャケ買い。
読み始めてすぐから「あー純文学か」とはなったけど、思いの外ストライクでとっても面白かった。
「雨」に関してもでしょうね、だったし、いやコミュニケーションの問題、とかも正直思ったけど。
思ったけどそういうのではなくて、それぞれの視点からの内面の描写がとても丁寧に描かれていてすっと感情移入ができた。
あと全体通してこの小説の空気感とても好き。好きだしもしかしたら作家という職業はこういうタイプなんかなとも思ったり。
満足。
とても面白かった
ちょっと色々漁ってみよう -
Posted by ブクログ
シリアルキラー目線短編集。読み心地は悪いですが、読み応えアリ、面白かったです。殺人も強姦も色々盛りだくさんなので、小学校NG。
阿津川辰海「シリアルキラーvs.殺し屋 」
カメラマン兼殺し屋の俺の今回のターゲットは体はでかいが人畜無害そうな男。しかし、気付くと俺はヤツの家の地下に裸で拘束されていた。
木爾チレン「脳JILL」
その女子高生は自殺幇助や教唆、殺人で逮捕され、供述を取られている。音の依存症になったらしい。最初はUFOキャッチャーで景品落ちる音。そのうち音の欲求はエスカレートして…。
櫛木理宇「テキストブック・キラー」
眞悟は父親に虐待され育ち、どうやらその影響で脳が性格を変えたらしく、小6で強盗殺人、33歳で既に3人殺し、出所したところ。そこには獄内の眞悟と文通していた春奈が迎えに来ていた。
くわがきあゆ「私の伴侶」
友だちいなかった俺は唯一好きだった女の子のことを考えながら父親と漁をしていた。ここの海は自殺の名所で時々網は遺体を巻き上げる。最近、少し頻回気味なのだが…。
結城真一郎「ご乗車の際は」
相手の生殺与奪を持っていると思うと昂奮する私は虫から始まりやがて人を手にかけ、少年院で過ごし、出所後はアルバイトから始め、タクシー会社に就職し、今は個人タクシー運転手。もちろん、更正したわけでは、ない。しかし今夜の客は同種かもしれなくて…。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ少女の痛みは追想・想像の中でしかわからないが、無から何かを生み出す行為については激しく同感。文学いや小説に限らず、魂を削って綴られた表現物には、色褪せることのない輝きがある。
ある種、出せなかった手紙を見てしまったような構成に、時間も行ったり来たり。京都、東京、大阪の三都、沙理、天音、茉莉の三角関係、父と母との関係、シャープとの関係、さまざまな三角が交錯し、心に突き刺さる。モーツァルトとサリエリと神(または音楽)、ここに三角があった。
光と影、明と暗の対の物語とも読めるが、その間にも暗い明かりもあれば明るい影もあり、それが救済になっているかと思った。 -
Posted by ブクログ
5本の短編からなる一冊
これは書店で見かけて気になり購入の一冊
どのお話も興味深く読んだ
面白いといっていいのかわからないけど
一番心に残っているのは
「シリアルキラーvs.殺し屋」
何人もの人を手にかけている二人が
言葉でのやりとりが以外にも考えさせられる内容で
お話に引きずり込まれた
最後の二人のやりとりはなんだか切なさが残った…
「テキストブック・キラー」
これもなんとも言えない読後感だった
内容自体は引き込まれたんだけど
最後まで読むとなんとも言葉にしがたい感情が残る
そんなお話だったなと
一冊読み終わって…
帯には
悪を描いた…
とあるけど
確かに悪が描かれているんだけど
悪とひとくくりにするには何とも言えない感覚がある
一冊だった… -
Posted by ブクログ
ネタバレ同じ学校同じ文学賞デビューで売れっ子小説家、愛する男を奪った天音を妬み、「君を殺したかった」という作品を送って自殺を促した沙り。
沙里を愛しすぎて彼女のゴミ母親を焼死させ、同じ小説家になって沙里を不倫男から救ったつもりの天音。
両者とも愛憎で罪を犯している。
沙里のファン「雨」が天音だということは結構序盤で想像つくが、天音の娘花音が天音の娘で沙里がその名付け親だとわかる過程が面白い。
前半沙里の語りの「ご都合主義だな」と思う箇所は、後半の天音の手記でうまくフォローされている。
沙里は編集者でずっと彼女を愛し支えていた茉莉と結婚。
天音の姉で天音に最初の沙里の同人誌を読ませたのがユキ姉=沙里の大学時代バイト先のキャバクラのヨーコ。 -
Posted by ブクログ
ちゃちゃっとライトに読める本と思っていたので、読後の刺さり方についてはそんなに期待していなかったのだが(ド失礼)、読んでみると思ったより深く、面白かった。SNSやハッシュタグにまつわる4つの短編が収録されているのだが、どの話にとってもSNSは良い意味で脇役、あくまでモチーフでしかなくて、主体はきちんと主人公に据えられているのが良かった。カツセマサヒコさんは相変わらず「理屈じゃないけどそういう気持ちになること確かにあるよね」という心情を見つけて、見つめて、言語化するのがめちゃくちゃ上手い。木爾チレンさんについてはこれを読んで初めて知った作家さんだったのだが、エモくて素敵な話を書くなあと思った。フィクション性がありつつ、それでいてどこかリアルなエモさの塩梅が素敵だった!思いがけずな良本で、感謝。